「パソコンが重くて、OneDriveの同期が原因かもしれない…」そんなお悩みはありませんか?
OneDriveの自動同期は便利な機能ですが、大量のファイルがあるとパソコンの動作が重くなったり、容量を圧迫したりすることがあります。また、会社のパソコンで個人のOneDriveを使いたくない場合や、特定のフォルダだけ同期を止めたい場合もありますよね。
でも、同期を解除すると大切なファイルが消えてしまわないか心配になる方も多いでしょう。
この記事では、OneDriveのデスクトップ同期を安全に解除する方法を、データを失わずに行う手順まで詳しく解説します。パソコンの動作を軽くしたい方、同期設定を見直したい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
OneDriveデスクトップ同期の仕組みを理解しよう

同期機能の基本概念
OneDriveのデスクトップ同期とは、クラウド上のファイルとパソコン内のファイルを自動的に一致させる機能です。どちらか一方でファイルを変更すると、もう一方にも自動的に反映されます。
同期の流れ:
- パソコンでファイルを編集・保存
- OneDriveが変更を検知
- クラウドに変更内容をアップロード
- 他の端末にも変更が反映される
同期によるメリットとデメリット
メリット:
- どの端末からでも最新ファイルにアクセス可能
- 自動バックアップでデータ紛失を防止
- チームでのファイル共有が簡単
- オフラインでもファイル編集が可能
デメリット:
- パソコンの容量を大量消費
- 同期処理でシステムが重くなる
- インターネット帯域を消費
- 意図しないファイル共有のリスク
同期解除時の影響範囲
同期を解除すると、以下のような影響があります:
ローカルファイルへの影響:
- パソコン内のファイルは基本的に残る
- ただし、設定により削除される場合もある
- クラウド専用ファイルはアクセス不可に
クラウドファイルへの影響:
- OneDrive上のファイルは影響なし
- ブラウザからは引き続きアクセス可能
- 他の端末での同期は継続
同期解除前の重要な準備作業
データのバックアップ確認
同期解除を行う前に、重要なデータのバックアップ状況を確認しましょう。
チェックポイント:
- クラウド上での保存状況:OneDriveブラウザ版で全ファイルが正しく保存されているか
- ローカルコピーの確認:パソコン内にファイルが実際に存在するか
- 外部バックアップ:外付けハードディスクやUSBメモリにコピーがあるか
同期状況の確認方法
現在どのファイルが同期されているかを確認しましょう。
確認手順:
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- 同期状況を確認(「最新の状態です」など)
- 同期待ちファイルがないかチェック
- エラーがある場合は先に解決
オンライン専用ファイルの処理
OneDriveには「オンライン専用」というファイル保存方式があります。これらのファイルは、同期解除後にアクセスできなくなる可能性があります。
オンライン専用ファイルの識別方法:
- ファイルアイコンに雲マーク(☁)が表示
- ファイルサイズが0KB表示
- ダブルクリックでダウンロードが始まる
事前対処法:
- 重要なオンライン専用ファイルを特定
- 右クリックで「常にこのデバイス上に保持する」を選択
- ダウンロード完了を確認
部分的な同期解除|特定フォルダのみ停止する方法
フォルダ単位での同期停止
すべての同期を止めるのではなく、特定のフォルダだけ同期を停止したい場合の方法です。
手順:
- OneDriveアイコンを右クリック
- タスクバーのOneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」を選択
- アカウントタブを開く
- 「アカウント」タブをクリック
- 「フォルダーの選択」ボタンをクリック
- 同期するフォルダーを選択
- 同期を停止したいフォルダーのチェックを外す
- 「OK」をクリックして設定を保存
注意事項:
- チェックを外したフォルダーのローカルファイルは削除される場合があります
- 削除前に重要なファイルは別の場所にコピーしておきましょう
一時的な同期停止
完全に解除するのではなく、一時的に同期を停止したい場合:
手順:
- OneDriveアイコンを右クリック
- 「同期を一時停止」を選択
- 停止期間を選択:
- 2時間
- 8時間
- 24時間
この方法なら、指定時間後に自動的に同期が再開されます。
ファイルオンデマンドの無効化
ファイルオンデマンド機能を無効にして、すべてのファイルをローカルに保存する設定:
手順:
- OneDrive設定の「設定」タブを開く
- 「ファイル オン デマンド」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
これにより、すべてのクラウドファイルがローカルにダウンロードされます。
完全な同期解除|OneDriveを完全に停止する方法
アカウントのリンク解除
OneDriveとパソコンの連携を完全に解除する方法:
手順:
- OneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」を選択
- 「アカウント」タブを開く
- アカウントのリンク解除
- 「このPCのリンクを解除」をクリック
- 確認ダイアログで「アカウントのリンクを解除」をクリック
- ローカルファイルの選択
- 「ファイルを保持する」または「ファイルを削除する」を選択
- 重要:「ファイルを保持する」を選択することを強く推奨
OneDriveアプリの無効化
Windowsに標準搭載されているOneDriveアプリを無効化する方法:
レジストリ編集による方法(上級者向け):
- レジストリエディタを開く
- Win + R キーでファイル名を指定して実行
- 「regedit」と入力してOK
- 該当キーに移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\OneDrive
- DisableFileSyncNGSCの作成
- 新しいDWORD値「DisableFileSyncNGSC」を作成
- 値を「1」に設定
**注意:**この方法は上級者向けです。間違うとシステムに影響する可能性があります。
グループポリシーによる無効化(Pro版以上)
Windows Pro版以上では、グループポリシーエディタを使用できます:
手順:
- gpedit.mscを実行
- Win + R キーで「gpedit.msc」を実行
- OneDriveポリシーに移動
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Windows コンポーネント > OneDrive
- OneDriveの無効化
- 「OneDriveをファイル記憶域として使用することを禁止する」を有効にする
アプリケーションレベルでの解除方法

OneDriveアプリの完全削除
OneDriveアプリ自体をパソコンから削除する方法:
Windows 10/11での手順:
- 設定アプリを開く
- スタートメニューから「設定」を選択
- 「アプリ」をクリック
- OneDriveを検索
- アプリ一覧で「Microsoft OneDrive」を見つける
- クリックして「アンインストール」を選択
- アンインストールの実行
- 確認ダイアログで「アンインストール」をクリック
- 指示に従ってアンインストールを完了
PowerShellによる削除(上級者向け):
Get-AppxPackage Microsoft.SkyDrive | Remove-AppxPackage
起動プログラムからの削除
OneDriveがWindowsの起動時に自動実行されないように設定:
手順:
- タスクマネージャーを開く
- Ctrl + Shift + Esc キーで起動
- 「スタートアップ」タブを選択
- OneDriveを無効化
- 「Microsoft OneDrive」を右クリック
- 「無効化」を選択
これで、パソコン起動時にOneDriveが自動実行されなくなります。
トラブルシューティング|解除できない場合の対処法
同期解除エラーの対処方法
「アカウントのリンクを解除できません」エラー:
原因と対処法:
- 同期中のファイルがある:同期完了まで待つ
- ファイルが使用中:関連アプリケーションを終了
- プロセスが残っている:OneDriveプロセスを強制終了
プロセス強制終了の手順:
- タスクマネージャーを開く
- 「プロセス」タブで「OneDrive」を検索
- 該当プロセスを選択して「タスクの終了」
ファイルが削除されてしまった場合
同期解除後にローカルファイルが消えてしまった場合の復旧方法:
OneDriveのゴミ箱から復元:
- ブラウザでOneDriveにアクセス
- 「ゴミ箱」を開く
- 削除されたファイルを選択して「復元」
Windowsのファイル履歴から復元:
- 該当フォルダーを右クリック
- 「以前のバージョンの復元」を選択
- 適切な日時のバージョンを選択して復元
レジストリやポリシーの問題
設定変更が反映されない場合:
解決手順:
- Windowsの再起動
- グループポリシーの更新:
gpupdate /force
コマンドを実行 - レジストリ設定の確認:変更が正しく適用されているか確認
同期解除後の運用とベストプラクティス
ファイル管理の新しい方法
同期解除後のファイル管理方法を検討しましょう:
手動同期の活用:
- 必要な時だけブラウザでOneDriveにアクセス
- 重要なファイルは定期的に手動でアップロード
- プロジェクト完了時にまとめて同期
選択的同期の活用:
- 重要なフォルダーのみ同期を維持
- 大容量ファイルは手動管理
- 頻繁に使うファイルのみローカル保存
パフォーマンス向上の確認
同期解除後のパフォーマンス改善を確認:
チェックポイント:
- 起動時間の短縮:Windowsの起動が早くなったか
- CPU使用率の低下:タスクマネージャーで確認
- ネットワーク使用量の削減:不要な通信が減ったか
- ディスク容量の回復:使用可能容量が増えたか
代替バックアップ方法の検討
OneDriveの同期を止めた場合、別のバックアップ方法を検討しましょう:
推奨バックアップ方法:
- 外付けハードディスク:定期的な手動バックアップ
- 他のクラウドサービス:Googleドライブ、Dropboxなど
- NAS(Network Attached Storage):家庭・オフィス内でのバックアップ
- Windows標準機能:ファイル履歴やバックアップと復元
企業環境での注意事項
会社のポリシー確認
企業環境でOneDriveの同期を変更する前に確認すべき事項:
チェックリスト:
- IT部門への確認:同期解除の許可が必要か
- データ保持ポリシー:重要データの管理方法
- セキュリティ要件:情報漏洩防止の観点から制限はないか
- 業務への影響:チームでの共有ファイルに影響しないか
Microsoft 365環境での考慮事項
企業でMicrosoft 365を使用している場合:
注意点:
- SharePointとの連携:OneDrive for Businessの影響範囲
- Teamsファイル共有:チームファイルへのアクセス方法
- コンプライアンス:データ保持要件への対応
- 監査ログ:同期停止の記録が必要か
段階的な移行計画
企業環境では段階的な移行を推奨:
移行ステップ:
- パイロット実施:一部のユーザーで試験的に実施
- 影響評価:業務への影響を評価
- 手順書作成:標準化された手順の作成
- 本格展開:全社的な展開
まとめ
OneDriveのデスクトップ同期解除は、パソコンのパフォーマンス向上に効果的ですが、慎重に進める必要があります。重要なポイントをおさらいしましょう:
解除前の必須準備:
- データのバックアップ確認
- 同期状況の完全チェック
- オンライン専用ファイルの処理
段階的なアプローチ:
- まずは部分的な同期停止から始める
- 一時停止機能を活用して影響を確認
- 必要に応じて完全解除を実施
安全な解除方法:
- アカウントリンク解除時は「ファイルを保持」を選択
- 重要ファイルの事前バックアップ
- プロセス終了やレジストリ編集は慎重に
解除後の運用:
- 代替バックアップ方法の検討
- パフォーマンス改善の確認
- 必要に応じて選択的同期の活用
企業環境での配慮:
- IT部門との事前相談
- データ保持ポリシーの確認
- 段階的な移行計画の策定
同期解除は、使い方次第でパソコンを快適にする有効な手段です。この記事を参考に、自分の使用環境に最適な設定を見つけてくださいね。
何か不明な点がある場合は、重要なデータを扱う前に必ずバックアップを取り、企業環境では管理者に相談することをおすすめします。安全で効率的なOneDrive管理を心がけましょう。
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