「Notionのサジェストモードって何?」
「Google Docsの提案モードみたいなものがNotionにもあるの?」
そんな疑問を持っていませんか?チームでNotionを使っている方なら、他の人のページに意見を伝えたいけれど、直接編集するのは気が引ける、という経験があるかもしれません。
この記事では、Notionの「サジェストモード」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。この機能を使えば、チームでのコラボレーションが格段にスムーズになりますよ。
サジェストモードとは?基本を理解しよう

サジェストモードの定義
サジェストモード(Suggest Mode)は、ページに直接変更を加えずに、編集提案を残せる機能です。
簡単に言うと、「ここをこう変えたらどうですか?」という提案を、相手が承認または却下できる形で残せる仕組み。Google Docsを使ったことがある方なら、「提案モード」と同じだと理解してください。
なぜサジェストモードが必要なの?
こんな場面で役立ちます:
- 上司や先輩のドキュメントに意見を伝えたい
- クライアントに修正案を見せたい
- チームメンバーの記事をレビューしたい
- 直接編集する権限はないけど、改善案がある
- 変更履歴を明確に残したい
勝手に編集すると角が立つけれど、サジェストなら丁寧に提案できます。
通常の編集モードとの違い
通常の編集モード:
- 変更がすぐに反映される
- 他の人が気づかない可能性がある
- 元に戻すには履歴から復元が必要
サジェストモード:
- 変更は提案として表示される
- オーナーが承認するまで反映されない
- 却下すれば元のまま
- 誰が何を提案したか明確
サジェストモードの使い方(基本操作)
ステップ1:サジェストモードに切り替える
残念ながら、Notionには現時点で「サジェストモード」という独立した機能は存在しません。
ただし、似たような機能として「コメント機能」と「ページ履歴」を組み合わせて使うことで、実質的に提案を行えます。
Notionで提案を行う代替方法
Notionでは、以下の方法で編集提案ができます:
方法1:コメント機能を使う
- 提案したい箇所を選択
- 右クリックまたは「Ctrl + Shift + M」
- コメントを追加
- 「ここを○○に変更してはどうでしょうか?」と提案を書く
方法2:提案内容を別ページで作成
- 元のページを複製
- 複製したページで編集
- 元ページに「修正案を作成しました」とリンク付きコメント
方法3:Suggest Editsブロックを使う(一部ワークスペース)
一部のエンタープライズプランでは、より高度な承認フロー機能が使える場合があります。
コメント機能を使った提案方法(詳細)
最も現実的な方法を詳しく見ていきましょう。
テキストへのコメント提案
手順:
- 変更を提案したいテキストを選択
- 右クリックして「Comment」を選択
- または、キーボードで「Ctrl + Shift + M」(Mac: Command + Shift + M)
- コメント欄に提案内容を入力
- 例:「この表現を『○○』に変更してはいかがでしょうか?理由は△△です。」
- 「Post」で投稿
選択した部分に黄色いハイライトが付き、コメントアイコンが表示されます。
ブロック全体への提案
ページ構造の変更を提案する場合。
手順:
- 提案したいブロックの左側「⋮⋮」をクリック
- 「Comment」を選択
- 提案内容を記入
- 例:「このセクションを見出し2から見出し3に下げた方が構造が分かりやすいと思います」
- 投稿
メンション機能で確実に通知
提案を見逃されないよう、担当者をメンションしましょう。
やり方:
- コメント内で「@」を入力
- メンションしたい人の名前を入力
- 候補から選択
- その人に通知が届く
「@山田さん、ご確認お願いします」のように使います。
提案への対応方法(受け取る側)
提案を確認する
通知から確認:
- 画面右上のベルアイコンをクリック
- 新しいコメント通知が表示される
- クリックして該当ページに移動
ページから確認:
- ページを開く
- 黄色いハイライト部分がコメント箇所
- クリックしてコメントを読む
提案を承認する(実際に編集)
提案に同意した場合:
- コメントを読む
- 提案通りにテキストを編集
- コメントに「修正しました。ありがとうございます!」と返信
- 「Resolve」ボタンで解決済みにする
提案を却下する
提案を採用しない場合:
- コメントに理由を返信
- 例:「ご提案ありがとうございます。ただ、○○の理由で現状のままにします」
- 丁寧に説明することが大切
- 「Resolve」で解決済みにする
代替案を提示する
部分的に採用する場合:
- 「良いご指摘ですね。少し修正して△△としてみました」と返信
- 実際に編集
- 「Resolve」で完了
サジェストモードの実践的な活用シーン
シーン1:記事のレビュー
ライターが書いた記事を、編集者がレビュー。
使い方:
- 誤字脱字はコメントで指摘
- 表現の改善案を提示
- 構成の変更を提案
- 良い部分は褒めるコメントも
一方的に直すのではなく、対話しながら改善できます。
シーン2:企画書の修正提案
部下が作成した企画書に、上司がフィードバック。
使い方:
- 「ここの数字の根拠を追加してください」
- 「このセクションは後半に移動した方が良いかも」
- 「競合分析をもう少し詳しく」
具体的な指示をコメントで残せます。
シーン3:翻訳のチェック
英語の文書を日本語に翻訳した際のレビュー。
使い方:
- 「この表現は○○の方が自然です」
- 「専門用語として△△を使いましょう」
- 「ニュアンスが少し違うので、□□としてはどうでしょう」
翻訳の精度を上げられます。
シーン4:契約書のドラフト確認
法務担当が、営業が作った契約書案をチェック。
使い方:
- 「この条項は法的リスクがあります」
- 「標準文言は○○です」
- 「この表現は曖昧なので明確にしましょう」
重要な文書ほど、提案形式が安全です。
シーン5:プレゼン資料の改善
チームメンバーが、プレゼン資料に意見を出し合う。
使い方:
- 「このスライドの情報量が多いので、2枚に分けては?」
- 「グラフの色をもっと対比させた方が見やすい」
- 「結論を先に持ってきた方がインパクトがある」
全員で資料を磨き上げられます。
チームでサジェスト機能を効果的に使うコツ
コツ1:提案の書き方に配慮
提案は、相手が受け入れやすい書き方が大切です。
良い例:
- 「○○の方が分かりやすいかもしれません」
- 「△△も検討してみてはいかがでしょうか」
- 「素晴らしい内容ですが、□□を追加すればさらに良くなると思います」
避けるべき例:
- 「これは間違っている」
- 「こうするべき」
- 「なぜこうしないの?」
コツ2:理由を添える
ただ「変更してください」ではなく、理由を説明しましょう。
例:
「この見出しを『導入』から『はじめに』に変更してはいかがでしょうか?読者により親しみやすい印象を与えられると思います」
理由があると、相手も納得しやすくなります。
コツ3:肯定的なコメントも残す
改善点だけでなく、良い点も指摘しましょう。
例:
「このデータの分析は非常に詳しくて素晴らしいです!あとは、グラフを追加すればさらに視覚的に分かりやすくなると思います」
バランスが大切です。
コツ4:緊急度を明示
すぐに対応が必要か、後でも良いかを伝えましょう。
例:
- 「【至急】明日の会議までに確認お願いします」
- 「【低優先度】時間がある時に検討してください」
相手が優先順位を付けやすくなります。
コツ5:解決したら必ずResolveする
コメントが溜まると、どれが未対応か分からなくなります。
対応済みのコメントは「Resolve」ボタンで解決済みにして、整理しましょう。
サジェスト機能の代替ツール
Notionにネイティブのサジェストモードがない場合、他のツールと組み合わせる方法もあります。
Google Docsとの併用
提案モードが必要な文書は、一時的にGoogle Docsで作業。
ワークフロー:
- Google Docsで下書き
- 提案モードでレビュー
- 確定版をNotionに転記
手間はかかりますが、確実です。
Slackと連携
コメントだけでは不十分な場合、Slackで議論。
使い方:
- Notionのコメントで大まかな提案
- Slackで詳細を議論
- 結論をNotionに反映
専用のレビューページを作る
提案が多い場合、専用ページで整理。
構造:
- 元のページへのリンク
- 提案事項リスト(番号付き)
- 各提案の詳細
- ステータス(検討中、採用、却下)
よくある質問(Q&A)
Q:Notionに本当にサジェストモードはないのですか?
A:2025年10月時点では、Google Docsのような専用の「提案モード」機能は実装されていません。ただし、Notionは頻繁にアップデートされるので、将来的に追加される可能性はあります。現在は、コメント機能で代用するのが一般的です。
Q:コメントと通常の編集、どちらを使うべきですか?
A:権限や関係性によります。自分が主担当なら直接編集、他の人の担当エリアなら提案(コメント)が無難です。チーム内でルールを決めておくと良いでしょう。
Q:コメントを見逃さないようにするには?
A:通知設定を確認してください。「Settings & members」→「My notifications」で、コメント通知がオンになっているか確認しましょう。また、定期的に「All updates」を確認する習慣も大切です。
Q:提案を無視されたらどうすればいい?
A:メンションで再通知するか、Slackなどで直接声をかけましょう。相手が見落としている可能性もあります。それでも反応がない場合は、チーム会議で議題にするのも一つの方法です。
Q:自分の提案が却下されました。落ち込んでいます。
A:提案が採用されないことは、よくあります。大切なのは、却下の理由を理解すること。相手の判断基準や考え方を学ぶ良い機会と捉えましょう。次回の提案に活かせます。
今後の展望:Notion公式のサジェストモード
Notionコミュニティでは、公式のサジェストモード実装を望む声が多くあります。
予想される機能
もし実装されるなら、こんな機能が期待されます:
- テキストの追加・削除・変更を提案形式で表示
- 色分けで変更箇所が一目で分かる
- ワンクリックで承認・却下
- 提案者と承認者の記録
- 変更履歴との統合
代替手段を使いこなそう
公式機能が登場するまでは、現在の方法を使いこなすことが重要です。
コメント機能を上手に使えば、十分に協働作業ができます。
トラブルシューティング
トラブル1:コメントボタンが表示されない
原因と解決策:
- 編集権限がない
→ ページオーナーに権限を依頼 - テキストが選択できていない
→ もう一度テキストを選択 - ゲストユーザーの制限
→ フルメンバーになる必要がある
トラブル2:通知が届かない
解決策:
- 通知設定を確認
- メールアドレスが正しいか確認
- スパムフォルダをチェック
- ブラウザの通知許可を確認
トラブル3:コメントが多すぎて管理できない
解決策:
- 定期的にResolveする
- 重要度でフィルター
- 専用の管理ページを作る
- チームでルールを決める
トラブル4:提案が正しく伝わらない
解決策:
- より具体的に書く
- スクリーンショットを添付
- ビデオ通話で説明
- 実例を示す
まとめ:提案機能を使いこなしてチーム力アップ
Notionには専用のサジェストモードはありませんが、コメント機能で十分に提案ができます。
この記事のポイント:
- Notionには現時点で専用のサジェストモードはない
- コメント機能を使えば実質的に提案が可能
- テキストを選択してCtrl + Shift + Mでコメント
- 提案は丁寧に、理由を添えて
- 承認・却下は明確に伝える
- メンション機能で確実に通知
- Resolveで解決済みコメントを整理
- チーム内でルールを決めておくとスムーズ
コメント機能を上手に使えば、チームでのドキュメント作成がもっと円滑になります。
提案する側も、受ける側も、お互いを尊重しながら、より良いコンテンツを作り上げていきましょう。それが、真のコラボレーションです!
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