「Nahimicのバーチャルサラウンドって何?」「7.1chってどうやって設定するの?」「本当に効果があるの?」――Nahimicのサラウンド機能について、このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Nahimicのバーチャルサラウンド機能の仕組みから設定方法、最適な使い方までを徹底解説します。
Nahimicのバーチャルサラウンドとは?

Nahimicのバーチャルサラウンドは、通常のステレオ(2ch)ヘッドホンやスピーカーで、7.1chサラウンドサウンドを疑似的に再現する技術です。
7.1chバーチャルサラウンドの仕組み
「バーチャル」サラウンドとは:
本物の7.1chサラウンドは、物理的に8つのスピーカー(フロント左右、センター、サラウンド左右、リアサラウンド左右、サブウーファー)を配置して音を出します。
一方、Nahimicの「バーチャル」サラウンドは:
- 2つのスピーカー(左右のイヤホン/ヘッドホン)だけを使用
- HRTF(Head-Related Transfer Function:頭部伝達関数)技術を使って、音が前後左右から聞こえるように錯覚させる
- 360°全方位から音が聞こえる感覚を再現
簡単に言うと:
100円ショップのイヤホンでも、Nahimicを使えば「音に包まれる感覚」を体験できます。
Nahimicのバーチャルサラウンドの特徴
1. デバイスを選ばない
- 高級ヘッドホンでも、安いイヤホンでも使える
- 有線でも、Bluetoothでも使える
- PC内蔵スピーカーでも使える
- メーカーを問わない(Razer、Logicool、Sonyなど、どれでもOK)
2. ワンクリックで有効化
- 難しい設定は不要
- ボタン一つで7.1chサラウンドに切り替わる
- リアルタイムでオン/オフを切り替え可能
3. 3つのサラウンドモード
Nahimicのバーチャルサラウンドには、コンテンツに応じた3つのモードがあります:
- Gaming/Movie モード:5.1chまたは7.1chのマルチチャンネル音源を、ヘッドホン/スピーカーで立体的に再現
- Music モード:ステレオ音源を、より広い音場に拡張
- Smart モード:使用中のアプリに応じて自動的に最適化
バーチャルサラウンドを有効にする方法
【基本】7.1chサラウンドをオンにする手順
ステップ1:Nahimicを起動
- スタートメニューから「Nahimic」を検索して起動
- または、タスクトレイのNahimicアイコン(青い「N」)をクリック
ステップ2:オーディオタブを開く
- Nahimicのメイン画面が開く
- 「オーディオ」タブをクリック(デフォルトで開いている場合もある)
ステップ3:バーチャルサラウンドを有効化
- 「バーチャルサラウンド技術」または「Virtual Surround」の項目を探す
- トグルスイッチをオンにする
- これだけで、7.1chバーチャルサラウンドが有効になる
確認方法:
- YouTubeで「7.1 surround sound test」と検索
- テスト動画を再生して、音が前後左右から聞こえるか確認
オーディオプロファイルの選択
Nahimicには、用途に応じた4つのプロファイルが用意されています。
1. Music(音楽)
- 用途:音楽鑑賞
- 特徴:ステレオ音源をより広い音場に拡張
- サラウンド効果:控えめで自然
- 推奨デバイス:ヘッドホン、イヤホン
2. Movie(映画)
- 用途:映画、Netflix、Amazon Prime Video
- 特徴:5.1ch/7.1ch音源を立体的に再現
- サラウンド効果:強め、臨場感重視
- 推奨デバイス:ヘッドホン、スピーカー
3. Gaming(ゲーム)
- 用途:ゲーム全般
- 特徴:足音や銃声などの方向を強調
- サラウンド効果:方向性重視
- 推奨デバイス:ヘッドホン
4. Communication(通話)
- 用途:Zoom、Discord、Skype
- 特徴:音声の明瞭度を優先
- サラウンド効果:最小限
- 推奨デバイス:ヘッドセット
5. Smart(自動)
- 用途:すべて
- 特徴:使用中のアプリに応じて自動切替
- サラウンド効果:アプリごとに最適化
- 推奨デバイス:すべて
プロファイルの切り替え方法
- Nahimicの「オーディオ」タブを開く
- 画面上部のプロファイル選択エリアで、目的のプロファイルをクリック
- 即座に音質が変わる
サラウンド設定の最適化テクニック
テクニック1:イコライザーと組み合わせる
バーチャルサラウンドをオンにした上で、イコライザーを調整すると、より効果的です。
推奨イコライザー設定(足音を強調したい場合):
Nahimicの開発元が推奨する「Eargasm Explosion」設定:
32Hz: +3dB
64Hz: +6dB
125Hz: +9dB
250Hz: +7dB
500Hz: +6dB
1kHz: +5dB
2kHz: +7dB
4kHz: +4dB
8kHz: +11dB
16kHz: +8dB
Apex Legends向け推奨設定(SteelSeries公式):
高音域を強調して、足音を聞き取りやすくする:
32Hz: 0dB
64Hz: +2dB
125Hz: +3dB
250Hz: +2dB
500Hz: 0dB
1kHz: +2dB
2kHz: +4dB
4kHz: +6dB
8kHz: +8dB
16kHz: +6dB
テクニック2:補助機能を調整する
Nahimicには、バーチャルサラウンドと併用できる機能があります。
音声の明瞭度(Voice Clarity)
- 効果:人の声を強調または抑制
- 推奨設定:映画・ゲームは+3~+6、音楽は0
- スライダー:-12dB~+12dB
バスブースト(Bass Boost)
- 効果:低音を強調または抑制
- 推奨設定:映画は+6、ゲームは+3、音楽は好み
- スライダー:-12dB~+12dB
高音強調(Treble Boost)
- 効果:高音を強調または抑制
- 推奨設定:FPSゲームは+3~+6、それ以外は0
- スライダー:-12dB~+12dB
注意: これらの機能を使う場合は、イコライザー設定はデフォルト(Flat)にすることを推奨します。両方を極端に調整すると、音が不自然になります。
テクニック3:サラウンドの環境設定(HRTF)
Nahimicの一部のバージョンには、HRTF(頭部伝達関数)プロファイルを選択できる機能があります。
HRTFとは:
人の耳の形、頭の大きさは個人差があるため、「音がどこから聞こえるか」の感じ方も人それぞれです。HRTFは、5種類のプロファイルから、自分に最も合うものを選べる機能です。
設定方法(利用可能な場合):
- Nahimicの「設定」(歯車アイコン)を開く
- 「HRTF プロファイル」または「3D Audio Profile」を選択
- プロファイル1~5を試して、最も立体感を感じるものを選ぶ
テクニック4:コンテンツごとにプロファイルを使い分ける
| コンテンツ | 推奨プロファイル | サラウンド | 補助機能 |
|---|---|---|---|
| 映画・ドラマ | Movie | オン | 音声の明瞭度+3~+6、バスブースト+6 |
| 音楽(オーケストラ) | Music | オン | すべて0(Flat) |
| 音楽(ポップス) | Music | オフ | 好みで調整 |
| FPS(競技) | Gaming | オフ※ | 高音強調+3~+6 |
| FPS(カジュアル) | Gaming | オン | 高音強調+3~+6 |
| アクションゲーム | Gaming | オン | バスブースト+3~+6 |
| ASMR | Music | オン | すべて0 |
| Web会議 | Communication | オフ | 音声の明瞭度+3~+6 |
※ FPSゲームの「競技」では、音の距離感を正確に把握したいため、サラウンドをオフにする人が多いです。
バーチャルサラウンドのメリット・デメリット
メリット
1. 安いイヤホン・ヘッドホンでも臨場感が得られる
- 100円ショップのイヤホンでも効果を実感できる
- 高価な7.1chヘッドセットを買う必要がない
2. 映画やゲームの没入感が大幅に向上
- 爆発音や効果音が、画面の外から聞こえる感覚
- 音が「どこから来ているか」がわかる
3. どんなデバイスでも使える
- メーカー専用ソフト(Razer Synapse、Logicool G HUBなど)と違い、すべてのデバイスで使える
- Bluetooth、有線、USB、どれでもOK
4. ワンクリックでオン/オフできる
- 音楽は普通のステレオで、映画はサラウンドで、と使い分けられる
- リアルタイムで切り替え可能
デメリット
1. 音楽では不自然に感じることがある
- ポップスやロックなど、ステレオミックス前提の音楽では、サラウンドが邪魔に感じることがある
- ボーカルが奥に引っ込んで聞こえる
- 音楽を聴くときは、サラウンドをオフにする人が多い
2. 競技FPSでは音の距離感が狂う
- サラウンド処理により、音の距離感が変わる
- 「20メートル先の足音」が「30メートル先」に聞こえたりする
- 競技性の高いFPSプレイヤーは、サラウンドをオフにする傾向
3. 処理遅延(レイテンシ)がわずかに発生
- サラウンド処理にわずかな時間がかかる
- 音ゲーや、タイミングが重要なゲームでは不利になる可能性
4. 他のサラウンドソフトと競合する
- Razer Surround、Dolby Atmos、DTS:Headphone Xなどと同時に使うと、音が出ない、または音質が劣化する
- 複数のサラウンドソフトを同時に使ってはいけない
バーチャルサラウンドが向いているコンテンツ・向いていないコンテンツ
【向いている】サラウンドを使うべきコンテンツ
1. 映画・ドラマ(特に5.1ch/7.1ch音源)
- Netflix、Amazon Prime Video、Blu-ray
- アクション映画、SF映画、ホラー映画
- 臨場感が格段に向上
2. アクションゲーム
- バトルフィールド、コール オブ デューティ(カジュアル)
- Fortnite、Apex Legends(カジュアル)
- ホラーゲーム(バイオハザード、Dead Spaceなど)
- 音の方向がわかり、没入感が増す
3. オープンワールドゲーム
- The Witcher 3、Skyrim、GTA V
- 環境音が立体的に聞こえ、世界に入り込める
4. オーケストラ・ライブ音源
- クラシック音楽、オーケストラ
- ライブ録音、コンサート音源
- まるで会場にいるような臨場感
5. ASMR動画
- バイノーラル録音のASMR
- 雨音、自然音
- 音の立体感が強調され、リラックス効果が増す
【向いていない】サラウンドを使わないほうがいいコンテンツ
1. ステレオ前提の音楽(ポップス、ロック、ジャズ)
- アーティストがステレオミックスで作った音楽
- ボーカルが奥に引っ込む、音が不自然になる
- 音楽を聴くときは、サラウンドをオフ推奨
2. 競技FPS(ランク戦、トーナメント)
- CS:GO、VALORANT、Rainbow Six Siege(ランク戦)
- 音の距離感が狂い、不利になる
- プロゲーマーの多くは、サラウンドをオフにしている
3. 音ゲー(リズムゲーム)
- osu!、ビートセイバー、太鼓の達人
- 処理遅延により、タイミングがずれる
4. ボイスチャット・Web会議
- Discord、Zoom、Teams
- 音声の明瞭度が下がる可能性
- Communicationプロファイルを使うか、サラウンドをオフ
トラブルシューティング|サラウンドがうまく機能しない場合
問題1:サラウンドをオンにしても効果を感じない
原因と解決策:
原因1:ステレオ音源を再生している
- Nahimicのバーチャルサラウンドは、5.1ch/7.1ch音源で最も効果を発揮する
- ステレオ(2ch)音源では、効果が限定的
解決策:
- YouTubeで「7.1 surround sound test」と検索して、7.1ch音源で試す
- Netflix、Amazon Prime Videoで5.1ch音声トラックを選択
原因2:Music プロファイルを使っている
- Music プロファイルは、サラウンド効果が控えめ
解決策:
- Movie または Gaming プロファイルに切り替える
原因3:スピーカーで再生している
- バーチャルサラウンドは、ヘッドホン/イヤホンで最も効果を発揮する
- スピーカーでは効果が限定的
解決策:
- ヘッドホンまたはイヤホンで試す
問題2:サラウンドをオンにすると音が出ない
原因: 他のサラウンドソフトと競合している
解決策:
以下のサラウンドソフトを無効化またはアンインストール:
- Razer Surround
- Dolby Atmos for Headphones
- DTS:Headphone X
- Windows Sonic for Headphones
- SteelSeries Sonar
手順:
- Windowsの「設定」→「システム」→「サウンド」
- 出力デバイスをクリック
- 「空間オーディオ」を「オフ」にする
問題3:サラウンドをオンにすると音質が悪くなる
原因1:イコライザー設定が極端
解決策:
- イコライザーをすべて0dB(Flat)に戻す
- バスブースト、高音強調、音声の明瞭度をすべて0にする
原因2:複数のエフェクトを重ねがけしている
解決策:
- Nahimic以外の音声エフェクト(Windows の拡張機能、ドライバーのエフェクトなど)をすべてオフにする
問題4:ゲーム内でサラウンドが効かない
原因: ゲーム側の音声設定がステレオになっている
解決策:
- ゲームのオーディオ設定を開く
- 「スピーカー構成」または「Audio Output」を「7.1 Surround」または「5.1 Surround」に変更
- ゲームを再起動
例:Apex Legends の場合
- 設定→オーディオ→「スピーカー」を「7.1 Surround」に変更
- ただし、Apex Legendsは音の不具合が多いため、「ステレオ」推奨
よくある質問と回答

Q1:Nahimicのサラウンドと、高級7.1chヘッドセットの違いは?
A: どちらも「バーチャル」サラウンドです。
高級7.1chヘッドセットは、イヤーカップ内に複数の小型スピーカーを搭載していますが、実際には「物理的なサラウンド」ではなく、Nahimicと同じ「バーチャル」サラウンド処理を使っています。
つまり、Nahimicを使えば、安いイヤホンでも同等の効果が得られます。
Q2:バーチャルサラウンドは、すべてのヘッドホンで同じ効果ですか?
いいえ、ヘッドホンの性能によって効果が異なります。
効果が高いヘッドホン:
- オープンバック型(開放型)
- 音場が広いヘッドホン
- 高音域の再生能力が高いヘッドホン
効果が限定的なヘッドホン:
- クローズドバック型(密閉型)
- 音場が狭いヘッドホン
- 低音重視のヘッドホン
ただし、100円イヤホンでも効果は実感できます。
Q3:サラウンドをオンにすると、音量が小さくなりますか?
はい、わずかに小さくなることがあります。
サラウンド処理により、音の情報が分散されるため、体感的に音量が下がることがあります。その場合は、Windowsの音量を上げるか、Nahimicの「Smart Loudness」機能を使ってください。
Q4:Bluetooth イヤホン/ヘッドホンでもサラウンドは使えますか?
はい、使えます。
Bluetoothでも、有線でも、USB接続でも、Nahimicのサラウンドは機能します。ただし、Bluetoothの場合は、接続の遅延(レイテンシ)により、音ゲーやFPSゲームでは不利になる可能性があります。
Q5:サラウンドは、PCのスピーカーでも効果がありますか?
効果は限定的です。
バーチャルサラウンドは、左右の音の違いを利用して立体感を作る技術なので、ヘッドホン/イヤホンで最も効果を発揮します。スピーカーの場合、左右のスピーカーから出た音が混ざってしまうため、効果が薄れます。
Q6:サラウンドをオンにすると、バッテリー消費は増えますか?
ほとんど変わりません。
サラウンド処理は、CPU負荷が非常に低いため、バッテリー消費への影響はごくわずかです。
Q7:FPSゲームで、サラウンドはオンとオフ、どちらがいいですか?
カジュアルプレイ:オン推奨
- 臨場感が増し、ゲームが楽しくなる
- 音の方向がわかりやすい
競技プレイ(ランク戦、トーナメント):オフ推奨
- 音の距離感が正確
- プロゲーマーの多くはオフにしている
Q8:NahimicのサラウンドとDolby Atmos、どちらが高音質ですか?
Dolby Atmos for Headphonesの方が高音質です(有料、約2,000円)。
Nahimicは無料で使える点が利点ですが、音質ではDolby Atmosが優れています。ただし、「高音質」と「効果が高い」は別の話で、Nahimicも十分な品質です。
まとめ:Nahimicのバーチャルサラウンドを活用しよう
Nahimicのバーチャルサラウンドは、安いイヤホンでも7.1chサラウンドを体験できる優れた機能です。
重要なポイント
- ワンクリックでオン/オフ可能:設定→オーディオ→バーチャルサラウンド技術
- コンテンツに応じて使い分ける:映画・ゲーム→オン、音楽→オフ
- イコライザーと組み合わせると効果的:特にFPSゲームで足音を強調したい場合
- 他のサラウンドソフトと同時に使わない:競合して音が出なくなる
推奨設定
映画鑑賞:
- プロファイル:Movie
- サラウンド:オン
- 音声の明瞭度:+3~+6
- バスブースト:+6
FPSゲーム(カジュアル):
- プロファイル:Gaming
- サラウンド:オン
- 高音強調:+3~+6
- イコライザー:「Eargasm Explosion」設定
FPSゲーム(競技):
- プロファイル:Gaming
- サラウンド:オフ
- 高音強調:+3~+6
- イコライザー:Apex Legends推奨設定
音楽:
- プロファイル:Music
- サラウンド:オフ
- すべての補助機能:0(Flat)
Nahimicのバーチャルサラウンドを使いこなして、最高のオーディオ体験を楽しんでください!

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