Nahimic 3って何?実は知らずに使っているかも
PCで音楽を聴いたり、ゲームをプレイしたりしているときに、「Nahimic」という名前を見かけたことはありませんか?
実はこれ、MSIやASRock、Lenovoなどのゲーミングノートやマザーボードに最初から入っているオーディオソフトウェアなんです。「いつの間にかインストールされていた」という人も多いでしょう。
Nahimic 3(ナヒミック スリー)は、フランスのA-Volute社が開発したオーディオ強化ソフトです。この会社は元々、軍事用の戦闘機シミュレーター向けに3Dサウンド技術を開発していました。その技術が、私たちのPCにも使えるようになったんですね。
現在は、ゲーミングデバイスで有名なSteelSeriesが2020年4月に買収して、さらに開発を続けています。
どんな機能があるの?Nahimic 3でできること
Nahimic 3には、大きく分けて3つの機能カテゴリーがあります。
オーディオエフェクト機能
まず最初に知っておきたいのが、音質を向上させる機能です。
バーチャルサラウンドサウンドは、普通のステレオイヤホンやヘッドホンでも、まるで7.1chスピーカーに囲まれているような立体的な音を楽しめる技術。映画館のような迫力ある音響体験ができます。
10バンドイコライザーを使えば、低音から高音まで細かく調整可能です。ゲーム用、音楽用、映画用といった用途に合わせて、自分好みの音に変えられるんですよ。
他にも、音量の急な変化を抑えるボリュームスタビライザーや、低音を強化するベースブースト、声を聞き取りやすくするボイスクラリティなどの機能が搭載されています。
マイクエフェクト機能
ボイスチャットや配信をする人にとって嬉しいのが、マイク機能の強化です。
ノイズサプレッションは、エアコンやキーボードのタイプ音といった雑音を除去してくれます。エコーキャンセレーションは、スピーカーから出た音をマイクが拾ってしまうのを防ぎます。
ボイススタビライザーを使えば、マイクとの距離が変わっても音量が一定に保たれるので、聞きやすい声を届けられるでしょう。
サウンドトラッカー機能
ゲーマー向けの特徴的な機能が、このサウンドトラッカーです。
これは、ゲーム内の足音や銃声がどの方向から聞こえているかを、画面上にレーダー表示してくれる機能。視覚的に敵の位置が分かるので、FPSゲームなどでは有利になります。
ただし、対応しているゲームが限られている点には注意が必要です。APEXやVALORANTなど、最新のゲームには対応していないケースも多いんです。
どのメーカーのPCに入っているの?
Nahimic 3は、特定のPCメーカーと提携して提供されています。
主な採用メーカーは以下の通りです。
- MSI(マザーボード、ゲーミングノートPC)
- ASRock(マザーボード)
- Lenovo(Legionシリーズ)
- Dell(Alienwareシリーズ含む)
- Gigabyte(一部マザーボード)
- Huawei、Honor(一部ノートPC)
これらのメーカーのゲーミング製品を購入すると、最初からNahimic 3がプリインストールされていることが多いです。Microsoft Storeからアプリをダウンロードして、追加機能を使えるようにする必要がある場合もあります。
Nahimic 3のメリットとデメリット
実際に使ってみて感じるメリットとデメリットをまとめました。
メリット
簡単に音質を向上できるのが最大のメリットでしょう。難しい設定をしなくても、プリセットを選ぶだけで最適な音質になります。
メーカー問わず使える点も魅力です。高級なゲーミングヘッドセットでなくても、普通のイヤホンでバーチャルサラウンド効果を体験できます。
ゲーム、音楽、映画、通話と、用途に応じたプロファイルが用意されているので、切り替えるだけで最適な設定になるのも便利です。
デメリット
一方で、互換性の問題が報告されています。特定のゲームやアプリケーションで音が出なくなったり、クラッシュしたりするケースがあるようです。
音質の好みは人それぞれ。「Nahimicを無効にした方が音が良い」という意見も少なくありません。特にオーディオマニアや音楽制作をする人からは、「余計な加工がされる」という声も聞かれます。
また、システムリソースを消費するため、低スペックなPCでは動作が重くなる可能性があります。
Windowsアップデート後に勝手に再インストールされてしまうという報告もあり、「完全に削除したいのにできない」と感じる人もいるでしょう。
DTMやレコーディングをする人は要注意
音楽制作やレコーディングをする人は、Nahimic 3に注意が必要です。
Nahimicは入力される音声にも自動的にエフェクトをかけてしまうため、録音した音が意図しない形で加工されてしまうケースがあります。
実際に、「マイクで録音すると高音域が12dBもブーストされていた」という報告があります。これでは、正確な音で録音できませんよね。
DTMやボーカル録音、楽器の録音をする場合は、Nahimicを無効化するか、アンインストールすることをおすすめします。
Nahimic 3が必要かどうかの判断基準
では、Nahimic 3は実際に使うべきなのでしょうか?判断のポイントをまとめました。
使った方が良い人
カジュアルにゲームを楽しむ人には向いています。特別な知識がなくても、簡単に臨場感のある音を楽しめるからです。
手軽に音質を改善したい人にもおすすめ。イコライザーの設定方法が分からなくても、プリセットを選ぶだけで十分です。
ボイスチャットをよく使う人なら、マイクエフェクト機能が役立つでしょう。相手に聞き取りやすい声を届けられます。
使わない方が良い人
本格的なオーディオ環境を構築している人は、Nahimicが邪魔になる可能性があります。専用のDAC(デジタル-アナログ変換器)やアンプを使っている場合、余計な加工は音質を損なうかもしれません。
音楽制作やレコーディングをする人は、前述の通り無効化すべきです。
トラブルが発生している人も、一度Nahimicを無効にしてみると解決することがあります。ゲームがクラッシュする、音が出ないといった問題が起きているなら、試してみる価値があるでしょう。
Nahimic 3のアンインストール方法
「Nahimicを削除したい」という場合の手順を紹介します。ただし、慎重に作業を進めてください。
基本的な削除手順
- まず「Realtek High Definition Audio Driver」をアンインストールします
- PCを再起動します
- 次に「Nahimic」をアンインストールします
- 再度PCを再起動します
- 必要に応じて「Realtek High Definition Audio Driver」を再インストールします
この順序が重要です。Nahimicだけをアンインストールしようとしても、Realtekドライバと連動しているため、うまく削除できないことがあるんです。
注意点
アンインストール後は、PCのスピーカーから音が出なくなる場合があります。これは正常な状態で、Realtekドライバを再インストールすれば解決します。
また、メーカーによってはNahimicが音響設計の一部になっている場合があります。削除すると、メーカーが意図した音質から変わってしまう可能性も頭に入れておきましょう。
まとめ:自分の用途に合わせて判断しよう
Nahimic 3は、ゲーミングPCユーザーにとって便利なオーディオソフトウェアです。手軽に音質を向上させたり、ボイスチャットを快適にしたりできます。
ただし、すべての人に必要なわけではありません。
カジュアルなゲームプレイや動画視聴が主な用途なら、Nahimicの恩恵を受けられるでしょう。一方で、本格的なオーディオ環境を持っている人や、音楽制作をする人には不要、あるいは邪魔になることもあります。
もし互換性の問題やトラブルが発生しているなら、一度無効化してみることをおすすめします。自分の使い方に合わせて、Nahimicを活用するか削除するか判断してくださいね。
Nahimicに関する最新情報は、SteelSeriesの公式サイト(https://jp.steelseries.com/nahimic)で確認できますよ。

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