「MSIマザーボードのBIOSを更新したい」
「BIOS画面に入る方法がわからない」
「BIOSアップデートは必要?安全にできる?」
この記事では、MSI製マザーボードのBIOSに関するすべてを網羅的に解説します。
BIOS更新の3つの方法、起動方法、基本設定、トラブルシューティングまで、初心者から上級者まで役立つ情報が満載です!
Part 1:BIOSの基礎知識
BIOSとは?
BIOS(Basic Input/Output System)は、マザーボードに搭載されているファームウェアで、PCの最も基本的な制御を担当しています。
主な役割:
- ハードウェアの初期化
- CPUやメモリの認識
- 起動デバイスの制御
- システム設定の保存
UEFIとBIOSの違い
現代のMSIマザーボードは、正確にはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)を使用していますが、一般的に「BIOS」と呼ばれています。
UEFI BIOSの特徴:
- グラフィカルなインターフェース
- マウス操作対応
- 2TB以上のHDD/SSD対応
- セキュアブート機能
BIOSバージョンの確認方法
方法1:Windows上で確認
- Windows + R キーを押す
- 「msinfo32」と入力してEnter
- システム情報が表示される
- 「BIOSバージョン/日付」を確認
方法2:BIOS画面で確認
- PC起動時にDELキーを連打してBIOS画面に入る
- 画面右上に現在のBIOSバージョンが表示される
- 例:「E7D25IMS.1A0」「Version 1.A0」
Part 2:BIOS画面への入り方
基本的な起動方法
最も簡単な方法:
- PCの電源を入れる(または再起動)
- MSIロゴが表示されたらDELキーを連打
- BIOS画面(Click BIOS 5またはUEFI画面)が表示される
ポイント:
- DELキーは「Delete」キー(BackSpaceの近く)
- ロゴ表示中に押す必要がある
- 押し続けるよりも、連打する方が確実
他の起動方法
方法2:Windows設定から
- 設定 → システム → 回復
- 「今すぐ再起動」(PCの起動をカスタマイズする)
- トラブルシューティング → 詳細オプション → UEFIファームウェアの設定
- 再起動
方法3:Shiftキー+再起動
- スタートメニューの電源ボタンをクリック
- Shiftキーを押しながら「再起動」をクリック
- 上記の方法2と同じ画面が表示される
BIOS画面に入れない場合
トラブルシューティング:
- 高速スタートアップを無効化
- コントロールパネル → 電源オプション → 電源ボタンの動作を選択
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- キーボードを直接マザーボードに接続
- USBハブ経由ではなく、マザーボードのUSBポート直結
- 他のキーを試す
- 一部のノートPCではF2キーの場合もある
Part 3:BIOS更新方法
MSIマザーボードには、3つのBIOS更新方法があります。
BIOS更新は必要?
更新すべきケース:
- 新しいCPUを取り付ける(世代が新しい場合)
- システムが不安定(フリーズ、再起動)
- 新機能やセキュリティ更新が必要
- メモリ互換性の問題がある
更新不要なケース:
- 問題なく動作している
- 特に新しいハードウェアを使う予定がない
原則: 「動いているなら触るな」が基本です。
更新前の重要な注意事項
⚠️ 必ず守ること:
- 正しいBIOSファイルをダウンロード
- 必ず自分のマザーボードの型番と一致するBIOSをダウンロード
- 間違ったBIOSを書き込むとマザーボードが起動不能になる
- 更新中は絶対に電源を切らない
- 更新中の電源断は最悪の場合マザーボードを故障させる
- UPS(無停電電源装置)の使用を推奨
- USBメモリは必ずFAT32フォーマット
- NTFSやexFATでは認識されない
- 重要データのバックアップ
- BIOS更新でデータが消えることは通常ないが、念のため
方法1:M-FLASH(BIOS内蔵ツール)★推奨★
最も安全で確実な方法です。
準備:USBメモリの用意
- 8GB以上のUSBメモリを用意
- USBメモリをFAT32形式でフォーマット
- エクスプローラーでUSBメモリを右クリック → フォーマット
- ファイルシステム:FAT32を選択
- 開始をクリック
ステップ1:BIOSファイルのダウンロード
- MSI公式サイト(https://jp.msi.com/)にアクセス
- 右上の検索アイコンをクリック
- マザーボードの型番を入力(例:MPG Z790 EDGE WIFI)
- 製品ページの「ダウンロード」をクリック
- 「BIOS」セクションから最新版をダウンロード
- ダウンロードしたZIPファイルを右クリック → 「すべて展開」
- 展開されたフォルダ全体をUSBメモリのルートディレクトリにコピー
重要: ルートディレクトリとは、USBメモリを開いた最初の場所です。フォルダの中に入れないでください。
ステップ2:BIOS画面でM-FLASHを起動
- USBメモリをPCに接続
- PCを再起動し、DELキー連打でBIOS画面に入る
- 「M-FLASH」をクリック
- 場所:メイン画面またはUtilitiesタブ
- 「はい」をクリック
- 再起動してM-FLASH環境に入る
ステップ3:BIOS更新を実行
- USBメモリのアイコンをクリック
- BIOSファイル(拡張子なしまたは.○○○形式)を選択
- 例:E7D25IMS.1A0
- 「はい」をクリックして更新開始
- プログレスバーが表示される
- 更新中は絶対に電源を切らない
- 更新完了後、自動的に再起動
ステップ4:BIOS設定の確認
- 再起動後、再度DELキーでBIOS画面に入る
- BIOSバージョンが更新されているか確認
- 必要に応じて設定を調整(XMP、起動順序等)
- Save & Exitで保存して終了
方法2:Flash BIOSボタン(CPU不要)
CPUやメモリなしでBIOS更新できる画期的な機能です。
対応マザーボード確認方法:
マザーボード背面I/Oパネルに「Flash BIOS Button」または「BIOS FLASHBACK+」と書かれた物理ボタンがあるか確認してください。
メリット:
- CPUやメモリを装着しなくても更新可能
- 新しいCPUに対応していないBIOSでも更新できる
- BIOS起動失敗時の復旧に使える
準備:BIOSファイルの用意
- USBメモリをFAT32でフォーマット
- MSI公式サイトから最新BIOSをダウンロード
- ダウンロードしたZIPファイルを展開
- BIOSファイルを「MSI.ROM」にリネーム
- 重要:ファイル名は必ず「MSI.ROM」にする
- 大文字で入力
- リネームしたファイルをUSBメモリのルートにコピー
ステップ1:ハードウェアの準備
- マザーボードに24ピン電源を接続
- CPU 8ピン電源も接続
- 注:CPUは装着不要ですが、電源コネクタは必要
- その他のケーブルは不要
ステップ2:Flash BIOS実行
- 「BIOS」と書かれたUSBポートに、BIOSファイル入りUSBメモリを挿す
- 重要:専用ポートに挿すこと(通常は背面I/O)
- 電源ユニットのスイッチをONにする
- Flash BIOSボタンを3〜5秒長押し
- LEDが点滅開始(頻繁に点滅)
- 点滅が止まるまで待つ(5〜10分)
- LED消灯 = 更新完了
注意事項:
- 更新中は電源を切らない
- USBメモリを抜かない
- 点滅が止まるまで待つ
方法3:MSI Center(Windows上)
Windows上でBIOS更新できますが、リスクが高いため非推奨です。
メリット:
- Windowsから簡単に実行できる
- USBメモリ不要
デメリット:
- Windows上での実行のため、フリーズリスクあり
- M-FLASHより安全性が低い
手順:
- MSI Centerをインストール
- MSI Centerを起動
- 「サポート」タブを開く
- 「ライブアップデート」を選択
- BIOS更新が利用可能な場合は表示される
- 更新ボタンをクリック
- 画面の指示に従う
注意: この方法は初心者には推奨しません。M-FLASHを使用してください。
Part 4:BIOS基本設定
EZ ModeとAdvanced Modeの切り替え
MSI BIOSには2つのモードがあります。
EZ Mode(簡易モード):
- 初心者向け
- 基本設定のみ
- 視覚的にわかりやすい
Advanced Mode(詳細モード):
- 上級者向け
- すべての設定にアクセス可能
切り替え方法:
- F7キーを押すか、画面右上の「Advanced」または「EZ Mode」をクリック
よく使う基本設定
1. 起動順序(Boot Priority)の設定
場所:Settings → 起動 → ハードディスクBBS優先順位
- OSがインストールされているドライブを最優先に設定
- SSDが最速なので、SSDを1番目に
2. XMP設定(メモリオーバークロック)
場所:OC → メモリ → XMP
- XMPプロファイルを有効化すると、メモリが定格以上の速度で動作
- DDR4-3200等の高速メモリを購入した場合は必須設定
手順:
- OC(またはOverclock)タブを開く
- 「XMP」を探す
- 「XMP Profile 1」または「A-XMP」を選択
- Save & Exit
3. セキュアブート設定
場所:Settings → セキュリティ → Secure Boot
- Windows 11では有効化が必須
- 一部のLinuxディストリビューションでは無効化が必要
4. ファン速度制御
場所:Settings → 詳細 → ファンコントロール
- CPU温度に応じてファン速度を自動調整
- 静音重視 or 冷却重視を選択可能
BIOS設定の保存
設定変更後は必ず保存してください。
保存方法:
- F10キーを押す
- または「Save & Exit」をクリック
- 確認画面で「はい」
保存せずに終了:
- 「Exit Without Saving」を選択
Part 5:BIOSリセット・初期化
BIOS設定を工場出荷状態に戻す方法です。
BIOS画面から初期化
方法1:Load Optimized Defaults
- BIOS画面に入る(DELキー)
- F9キーを押す
- または「Load Optimized Defaults」をクリック
- 「はい」で確認
- F10キーで保存して終了
CMOSクリア(物理的な初期化)
BIOS画面に入れない場合や、完全に初期化したい場合に使用します。
方法1:CMOSバッテリーを抜く
- PCの電源を完全に切る
- 電源ケーブルを抜く
- PCケースを開ける
- マザーボード上のCR2032ボタン電池を取り外す
- 10秒〜30秒待つ
- バッテリーを元に戻す
- PCを起動
方法2:CMOSクリアジャンパを使う
- マザーボード上の「JBAT1」または「Clear CMOS」ジャンパを探す
- ジャンパピンを2-3ピンに移動(通常は1-2に刺さっている)
- 10秒待つ
- ジャンパピンを元の位置(1-2)に戻す
方法3:マザーボードのCMOSクリアボタン
一部の高級マザーボードには、背面I/OにCMOSクリアボタンがあります。
- 電源ケーブルを抜く
- ボタンを5秒間長押し
- 電源ケーブルを接続して起動
Part 6:トラブルシューティング
BIOS更新後に起動しない
原因1:BIOS設定がリセットされた
解決方法:
- BIOS画面に入る
- XMPを再設定
- 起動順序を確認
- Save & Exit
原因2:BIOS更新失敗
解決方法:
- Flash BIOSボタンで再度更新を試す
- CMOSクリアを実行
- それでもダメならMSIサポートに連絡
BIOS画面が真っ暗・表示されない
解決方法:
- モニターケーブルの接続確認
- グラフィックカード搭載PCは、GPU側に接続されているか確認
- マザーボード側のHDMIに接続していると表示されない場合がある
- CMOSクリアを実行
- 別のモニターで試す
BIOS更新中にフリーズした
⚠️ 絶対にやってはいけないこと:
- 電源ボタンを押して強制終了
正しい対処法:
- 3〜5分待つ
- 見た目は固まっていても、内部では処理中の場合がある
- 10分以上経過しても変化なし
- 電源ボタン長押しで強制終了
- Flash BIOSボタンで再更新を試みる
- Flash BIOSでも復旧不可
- MSIサポートまたは修理業者に依頼
- BIOSチップ交換またはマザーボード交換が必要
「BIOS Update Required」エラー
新しいCPUを取り付けた際によく起こります。
解決方法:
- 古いCPUを一時的に戻す
- 古いCPUでBIOS起動
- M-FLASHで最新BIOSに更新
- 新しいCPUに交換
- 古いCPUがない場合
- Flash BIOSボタンで更新(CPUなしで可能)
よくあるエラーメッセージと対処法
「CPU Fan Error」
- CPUファンが検出されていない
- ファンケーブルがCPU_FANコネクタに接続されているか確認
「Boot Device Not Found」
- 起動ドライブが見つからない
- 起動順序を確認、SATAケーブルを確認
「CMOS Checksum Error」
- CMOS設定が壊れている
- Load Optimized Defaultsを実行
よくある質問
Q. BIOSバージョンは最新にすべき?
A. 必ずしも最新にする必要はありません。以下の場合のみ更新を検討してください:
- 新しいCPUを使用する
- システムに不具合がある
- セキュリティ更新が必要
- 新機能が欲しい
問題なく動作しているなら、無理に更新する必要はありません。
Q. BIOS更新中に電源が切れたらどうなる?
A. 最悪の場合、マザーボードが起動不能(文鎮化)します。Flash BIOSボタン機能があれば復旧可能ですが、ない場合は修理が必要です。必ずUPSを使用するか、電源が安定している環境で更新してください。
Q. M-FLASHで「ルートフォルダ上にBIOSファイルがありません」と表示される
A. 以下を確認してください:
- USBメモリがFAT32フォーマットか
- BIOSファイルがUSBメモリの最上位(ルート)にあるか
- フォルダの中にBIOSファイルを入れていないか
- ファイル名を変更していないか(M-FLASH用は不要、Flash BIOSボタン用は「MSI.ROM」が必要)
Q. BIOS更新でデータは消える?
A. 通常は消えません。BIOS更新はマザーボードのファームウェアを更新するだけで、SSD/HDDのデータには影響しません。ただし、念のためバックアップを推奨します。
Q. Flash BIOSボタンの LED が点滅し続ける
A. 以下を確認してください:
- ファイル名が「MSI.ROM」(大文字)になっているか
- 正しいBIOSファイルか(マザーボードの型番と一致)
- USBメモリがFAT32フォーマットか
- 専用USBポート(「BIOS」と書かれたポート)に挿しているか
通常5〜10分で完了しますが、30分以上点滅が続く場合は異常です。
Q. BIOS設定を間違えてPCが起動しなくなった
A. CMOSクリアを実行してください:
- PCの電源を切る
- CMOSバッテリーを抜いて30秒待つ
- バッテリーを戻して起動
- BIOS設定が初期化される
Q. Windows 11にアップグレードするにはBIOS設定が必要?
A. はい、以下の設定が必要です:
- セキュアブート:有効
- TPM 2.0:有効
- UEFIモードで起動(レガシーBIOSモードは不可)
これらはBIOSのSecurityまたはAdvancedタブで設定できます。
まとめ:MSIマザーボードBIOS完全ガイド
BIOS画面への入り方:
- PC起動時にDELキーを連打(最も簡単)
- またはWindows設定 → 回復 → UEFIファームウェアの設定
BIOS更新方法3つ:
- M-FLASH(推奨)
- BIOS内蔵ツール
- 最も安全で確実
- USBメモリ(FAT32)にBIOSファイルをコピー → BIOS画面でM-FLASH実行
- Flash BIOSボタン
- CPU不要で更新可能
- 新CPU対応やBIOS起動失敗時に有効
- BIOSファイルを「MSI.ROM」にリネーム → 専用USBポートに挿してボタン長押し
- MSI Center(非推奨)
- Windows上で実行
- リスクが高いため初心者には推奨しない
BIOS更新の注意点:
- 必ず正しいBIOSファイルをダウンロード
- USBメモリはFAT32フォーマット
- 更新中は絶対に電源を切らない
- 問題なく動作中なら無理に更新しない
基本設定:
- 起動順序:OS入りSSD/HDDを最優先に
- XMP:高速メモリの性能を引き出す(有効化推奨)
- セキュアブート:Windows 11では有効化必須
BIOSリセット方法:
- BIOS画面でF9キー → Load Optimized Defaults
- または CMOSクリア(バッテリー取り外し)
トラブル時の対処:
- 起動しない → CMOSクリア
- BIOS更新失敗 → Flash BIOSボタンで再更新
- 表示されない → モニターケーブル接続確認
重要な原則:
「動いているなら触るな」— BIOS更新は必要な時だけ行ってください!
MSIマザーボードのBIOSは、適切に扱えば非常に安全で強力なツールです。このガイドを参考に、自信を持ってBIOS管理を行ってください!


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