MSI拡張子完全ガイド|Windowsインストーラーファイルの使い方と開き方

ソフトウェアをダウンロードしたら、「○○.msi」というファイルが出てきた。

「これって何?どうやって使うの?」と疑問に思ったことはありませんか?

MSIファイルは、Windowsでソフトウェアをインストールするための専用ファイル形式です。実は、私たちが普段何気なく使っているWindowsの仕組みを支えている重要な存在なんです。

この記事では、MSI拡張子とは何か、どうやって使うのか、EXEファイルとの違い、そしてトラブル対処法まで、わかりやすく解説していきます。

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MSI拡張子とは?基本を理解しよう

MSIの正式名称と由来

MSIは「Microsoft Installer」または「Windows Installer Package」の略称です。

もともとは「Microsoft Installer」と呼ばれていましたが、後に「Windows Installer」に名称変更されました。

でも、ファイルの拡張子は「.msi」のまま残っているため、今でもMSIという呼び方が一般的なんです。

読み方は「エムエスアイ」です。

MSIファイルって何が入っているの?

MSIファイルは、簡単に言えば「ソフトウェアのインストールに必要な情報が全部詰まった箱」です。

具体的には、以下のような情報が含まれています:

プログラム本体のファイル

  • 実行ファイル(.exe)
  • DLL(動的リンクライブラリ)ファイル
  • 設定ファイル
  • 画像やアイコンなどのリソースファイル

インストールに関する情報

  • インストール先のフォルダパス
  • ショートカットの作成場所
  • レジストリへの登録情報
  • アンインストールの方法

その他の付属データ

  • 言語パック(複数言語対応の場合)
  • ライセンス情報
  • インストール手順

MSIファイルは、データベース形式で構造化されているため、Windows Installerがこれらの情報を読み取って、順序立ててインストールを実行できるんです。

MSIファイルの使い方:基本操作

MSIファイルの使い方は、とてもシンプルです。

インストールの手順

1. MSIファイルをダブルクリックする

ダウンロードしたMSIファイルをダブルクリックするだけです。

すると、Windows Installerが自動的に起動します。

2. インストールウィザードに従う

インストーラー画面が表示されるので、画面の指示に従って進めていきます。

通常、以下のような手順になります:

  • ライセンス条項への同意
  • インストール先フォルダの選択
  • インストールオプションの選択(機能の選択など)
  • インストールの実行
  • 完了

3. インストール完了

「完了」ボタンをクリックすれば、ソフトウェアが使えるようになります。

注意点:

Windowsには「Windows Installer」というサービスが最初から組み込まれているため、特別なソフトをインストールする必要はありません。

MSIファイルをダブルクリックすれば、自動的にインストーラーが起動します。

アンインストールの方法

MSIファイルでインストールしたソフトウェアは、Windowsの標準機能で簡単にアンインストールできます。

Windows 10/11の場合:

  1. 「設定」を開く
  2. 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選択
  3. アンインストールしたいアプリを見つける
  4. 「…」メニューから「アンインストール」を選択

MSI形式でインストールされたソフトウェアは、きれいにアンインストールできるのが大きなメリットです。

ファイルやレジストリの残骸が残りにくいんですよ。

MSIファイルとEXEファイルの違い

ソフトウェアをダウンロードすると、「.msi」と「.exe」の両方が提供されていることがあります。

「どっちを選べばいいの?」と迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。

EXEファイルとは

EXE(エグゼ)ファイルは「Executable(実行可能)」ファイルの略で、Windows上で実行できるプログラムファイル全般を指します。

ソフトのインストーラーだけでなく、普通のアプリケーション(メモ帳やブラウザなど)もすべてEXEファイルなんです。

両者の主な違い

1. 標準化の違い

MSIファイル:

  • Windows Installerという統一された仕組みを使用
  • すべてのMSIファイルが同じ方式でインストールされる
  • インストールコマンドが標準化されている

EXEファイル:

  • 開発者が自由に作成できる
  • インストール方法がソフトウェアごとに異なる
  • 柔軟性が高い反面、統一性がない

2. サイレントインストール(無人インストール)

MSIファイル:

  • 標準化されたコマンドで簡単にサイレントインストールできる
  • 企業での一括展開に最適
  • msiexec /i ソフト名.msi /quiet で実行可能

EXEファイル:

  • ソフトウェアごとにサイレントインストールのコマンドが異なる
  • 調べる手間がかかる

3. ロールバック(巻き戻し)機能

MSIファイル:

  • インストール中にエラーが発生した場合、自動的に元の状態に戻してくれる
  • 途中でキャンセルしても、中途半端な状態にならない

EXEファイル:

  • ロールバック機能は開発者次第
  • 実装されていない場合もある

4. セキュリティ

MSIファイル:

  • インストーラー専用の形式なので、比較的安全
  • 企業環境で推奨されることが多い

EXEファイル:

  • どんなプログラムでも実行できるため、マルウェアが紛れ込む可能性がある
  • 信頼できる提供元からのみダウンロードすべき

どちらを選ぶべき?

個人ユーザーの場合:

どちらでも構いません。提供元が信頼できるなら、使いやすい方を選んでください。

多くの場合、EXEファイルの方が使い勝手が良いことが多いです(必要な.NET Frameworkなども一緒にインストールしてくれるため)。

企業のIT管理者の場合:

MSIファイルを優先的に使用することをおすすめします。

標準化されたコマンドで複数のPCに一括展開できるため、管理が楽になります。

MSIファイルの中身を見る・展開する方法

「インストールせずに、MSIファイルの中身を確認したい」という場面もあるでしょう。

方法1:7-Zipで展開する(最も簡単)

無料の解凍ソフト「7-Zip」を使えば、MSIファイルの中身を簡単に取り出せます。

手順:

  1. 7-Zipをインストール(https://www.7-zip.org/ から無料でダウンロード)
  2. MSIファイルを右クリック
  3. 「7-Zip」→「展開」または「開く」を選択
  4. 中のファイルが表示される

この方法で、インストール前にどんなファイルが含まれているか確認できますよ。

注意点:

展開したファイルは、そのままでは正常に動作しない可能性があります。

インストール時には、レジストリへの登録やショートカットの作成なども行われるため、ファイルをコピーするだけでは不十分なんです。

方法2:msiexecコマンドで展開する

Windowsの標準機能を使って展開する方法もあります。

手順:

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. 以下のコマンドを入力
msiexec /a "MSIファイルのパス" /qb TARGETDIR="展開先フォルダ"

例:

msiexec /a "C:\Downloads\software.msi" /qb TARGETDIR="C:\Extracted"

この方法は、管理者権限が必要な場合があります。

方法3:Orcaで編集する(上級者向け)

Microsoft公式の「Orca」というツールを使えば、MSIファイルの詳細情報を表示・編集できます。

Orcaは「Windows SDK」に含まれていますが、単体でもダウンロード可能です。

ただし、MSIファイルの内部構造(データベーステーブル)を理解している上級者向けのツールです。

初心者の方が不用意に編集すると、インストーラーが壊れる可能性があるので注意してください。

MSIファイルのコマンドライン操作

IT管理者やパワーユーザー向けに、MSIファイルをコマンドラインから操作する方法をご紹介します。

基本コマンド:msiexec

MSIファイルを操作する標準コマンドは「msiexec」です。

全オプションを表示:

msiexec /?

コマンドプロンプトでこれを実行すると、使用可能なすべてのオプションが表示されます。

よく使うコマンド例

サイレントインストール(画面なし):

msiexec /i software.msi /quiet

インストールログを記録:

msiexec /i software.msi /l*v install.log

トラブルシューティング時に、ログファイルがあると原因を特定しやすくなります。

サイレントアンインストール:

msiexec /x software.msi /quiet

または製品コードを使って:

msiexec /x {製品コード} /quiet

修復インストール:

msiexec /f software.msi

ソフトウェアが破損した場合に、再インストールせずに修復できます。

複数オプションの組み合わせ

オプションは組み合わせて使えます。

例:サイレントインストールでログも記録

msiexec /i software.msi /quiet /l*v C:\Logs\install.log

MSIファイルの主な用途

MSIファイルは、私たちのWindowsライフのあちこちで活躍しています。

1. ソフトウェアのインストール

これが最も一般的な用途です。

多くの企業や開発者が、自社ソフトウェアをMSI形式で配布しています。

特に:

  • ビジネスソフトウェア
  • 開発ツール
  • ユーティリティソフト

などでよく使われます。

2. Windows Update

Windowsの更新プログラムの一部も、内部的にはMSI形式を使用しています。

セキュリティパッチや機能更新プログラムなど、Windowsの根幹を支える重要な役割を果たしているんです。

3. Microsoft Storeアプリ

Microsoft Storeからアプリをインストールする際も、裏側ではMSI技術が使われていることがあります。

4. Windows組み込みアプリの更新

ペイント、ビデオエディター、フォトなどのWindows標準アプリも、MSIファイルで更新されています。

5. 企業での一括展開

企業のIT部門では、Active DirectoryのグループポリシーやSCCMを使って、社内の全PCに一斉にソフトウェアをインストールする際にMSIファイルを活用します。

標準化されたインストールプロセスのおかげで、大規模展開がスムーズに行えるんです。

MSIファイルのトラブルシューティング

MSIファイルを使っていると、時々エラーに遭遇することがあります。

エラー1:「別のインストールが実行中です」

原因:

Windows Installerは、同時に複数のMSIインストールを実行できません。

すでに別のMSIファイルがインストール中の場合、このエラーが表示されます。

対処法:

  1. 実行中のインストールが完了するまで待つ
  2. タスクマネージャーで「msiexec.exe」プロセスを確認
  3. 不要なmsiexec.exeプロセスがあれば終了させる(注意:必要なプロセスを終了させないこと)
  4. パソコンを再起動してから再度試す

エラー2:「このWindowsインストーラパッケージには問題があります」

原因:

  • MSIファイルが破損している
  • ダウンロードが不完全だった
  • ファイルが改ざんされている

対処法:

  1. MSIファイルを再ダウンロードする
  2. ダウンロード元が信頼できるか確認する
  3. アンチウイルスソフトが干渉していないか確認する(一時的に無効化して試す)

エラー3:「管理者権限が必要です」

原因:

一部のMSIファイルは、システムフォルダにファイルをコピーしたり、レジストリを変更したりするため、管理者権限が必要です。

対処法:

  1. MSIファイルを右クリック
  2. 「管理者として実行」を選択

エラー4:インストール後もソフトウェアが起動しない

原因:

  • 必要な前提ソフトウェアがインストールされていない(.NET Frameworkなど)
  • Windows Updateが必要
  • システムとの互換性の問題

対処法:

  1. ソフトウェアの動作要件を確認
  2. 必要な前提条件(.NET Framework、Visual C++ Redistributableなど)をインストール
  3. Windows Updateを実行して最新の状態にする
  4. 互換モードで実行してみる

Windows Installer Serviceが起動しない

対処法:

  1. 「Windows + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. 「services.msc」と入力してEnter
  3. 「Windows Installer」サービスを探す
  4. サービスが停止している場合は、右クリックして「開始」を選択
  5. 「スタートアップの種類」を「手動」または「自動」に設定

MSIファイルの作成方法(開発者向け)

開発者向けに、MSIファイルの作成方法も簡単にご紹介します。

主なツール

1. Visual Studio

Visual Studio 2010までは、標準でMSIプロジェクトが含まれていました。

Visual Studio 2012以降は、拡張機能「Microsoft Visual Studio Installer Projects」をインストールすることでMSI作成が可能になります。

2. WiX Toolset(無料)

XMLベースでMSIファイルを作成できる、人気のオープンソースツールです。

コードで細かく制御できるため、上級者に好まれています。

3. InstallShield(商用)

業界標準の商用インストーラー作成ツールです。

GUIで直感的に操作できるため、初心者にも使いやすいのが特徴です。

4. Advanced Installer(商用・無料版あり)

GUIが非常に使いやすく、無料版でも基本的なMSIファイルを作成できます。

有料版では高度な機能が利用できます。

作成の基本的な流れ

  1. プロジェクトを作成
  2. インストールするファイルを追加
  3. インストール先フォルダを指定
  4. ショートカットの設定
  5. レジストリキーの設定(必要な場合)
  6. ライセンス条項の追加
  7. ビルド(コンパイル)

ビルドが完了すると、.msiファイルが生成されます。

MSI形式のメリットとデメリット

最後に、MSI形式の利点と欠点をまとめておきます。

メリット

1. 標準化されている

すべてのMSIファイルが同じ方式で動作するため、IT管理者にとって扱いやすいです。

2. クリーンなアンインストール

インストール時の変更がすべて記録されるため、アンインストール時に残骸が残りにくいです。

3. ロールバック機能

インストール中にエラーが発生しても、自動的に元の状態に戻してくれます。

4. 修復機能

ソフトウェアが破損した場合、再インストールせずに修復できます。

5. 企業展開に最適

サイレントインストールやグループポリシーでの展開が容易です。

6. セキュリティ

インストーラー専用形式なので、EXEファイルよりも安全性が高いとされています。

デメリット

1. 柔軟性が低い

標準化されている分、特殊なインストール処理を実装しにくい場合があります。

2. 処理速度

EXE形式のインストーラーに比べて、若干遅い場合があります。

これは、ロールバック機能のために一時ファイルやレジストリキーを大量に作成するためです。

3. 複雑な依存関係に弱い

.NET Frameworkなどの前提ソフトウェアを一緒にインストールする場合、EXEブートストラッパーが別途必要になることがあります。

まとめ

MSI拡張子について、理解が深まったでしょうか?

この記事のポイントをおさらいすると:

  • MSIはWindowsインストーラー専用のファイル形式
  • ダブルクリックするだけで簡単にソフトウェアをインストールできる
  • EXEファイルより標準化されていて、企業展開に適している
  • 7-Zipなどで中身を確認・展開できる
  • msiexecコマンドでサイレントインストールなど高度な操作が可能
  • クリーンなアンインストールとロールバック機能が大きなメリット

MSIファイルは、一見地味な存在ですが、Windowsのソフトウェア管理を支える重要な技術です。

個人ユーザーの方は、「ダブルクリックすればインストールできるファイル」程度の理解で十分ですが、IT管理者の方なら、コマンドライン操作や一括展開の方法を知っておくと便利ですよ。

ソフトウェアをダウンロードする際、MSIとEXEの両方が提供されている場合は、自分の用途に合わせて選んでくださいね。

普通に使うならどちらでも問題ありませんが、複数のPCに展開したいならMSI、より簡単に使いたいならEXEがおすすめです。

これで、MSIファイルを見かけても「なんだこれ?」と困ることはなくなるはずです!

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