ゲームをプレイしていて「もっとスムーズに動いてくれたらな」と思ったことはありませんか?
グラフィックボード(GPU)の性能を最大限に引き出したいとき、多くのPCゲーマーが頼りにしているのが「MSI Afterburner」という無料ソフトです。
この記事では、MSI Afterburnerがどんなソフトなのか、何ができるのか、そして使う上で気をつけたいポイントをわかりやすく解説していきます。
MSI Afterburnerってどんなソフト?

MSI Afterburnerは、台湾のパソコンパーツメーカーMSI(Micro-Star International)が提供している、グラフィックボードの性能を調整・管理するための無料ソフトウェアです。
2009年10月に最初のリリースが行われ、現在まで多くのユーザーに愛用されています。
「MSI」という名前がついていますが、実はMSI製のグラフィックボードだけでなく、NVIDIA、AMD、Intelなど他社製のグラフィックボードでも使えるのが大きな特徴なんです。
デスクトップPCだけでなく、ノートPCのGPUにも対応しているので、幅広い環境で活用できます。
MSI Afterburnerで何ができるの?
MSI Afterburnerには、グラフィックボードの性能を引き出すための様々な機能が搭載されています。主な機能を見ていきましょう。
オーバークロック機能
オーバークロックとは、グラフィックボードの動作速度(クロック周波数)を、メーカーが設定した標準値よりも高く設定することです。
これによってグラフィックボードの処理能力が上がり、ゲームのフレームレート(1秒間に表示される画像の枚数)が向上します。つまり、より滑らかな映像でゲームを楽しめるようになるんですね。
MSI Afterburnerには「OC Scanner」という自動オーバークロック機能も搭載されており、ワンクリックで最適な設定を見つけてくれます。この処理には約30分ほどかかりますが、手動で試行錯誤するよりもずっと簡単です。
ファン速度の制御
グラフィックボードには冷却用のファンが付いていますが、MSI Afterburnerを使えばファンの回転速度を自由に調整できます。
ファンカーブと呼ばれるグラフを使って、「温度が何度になったらファンを何%の速度で回す」という設定を細かくカスタマイズできるんです。
例えば、静かな環境でゲームをしたいときはファンの回転数を抑えたり、逆に高負荷のゲームをするときは積極的に冷却を強化したりと、用途に合わせた調整が可能です。
リアルタイムモニタリング
MSI Afterburnerは、グラフィックボードの状態を常に監視してくれます。
GPU温度、ファンの回転数、消費電力、クロック周波数、メモリ使用量など、様々な情報をリアルタイムで確認できるんです。
これらの情報は数値やグラフで表示されるので、「今グラフィックボードがどんな状態で動いているのか」が一目でわかります。
オンスクリーンディスプレイ(OSD)機能
MSI Afterburnerと一緒にインストールされる「RivaTuner Statistics Server(RTSS)」というソフトを使うと、ゲームのプレイ中に画面上へ様々な情報を表示できます。
フレームレート(FPS)、GPU温度、CPU使用率など、好きな情報をゲーム画面の隅に常時表示させることが可能です。
これにより、ゲームをプレイしながら「今どれくらいスムーズに動いているか」「温度は大丈夫か」といった確認ができるようになります。
電力制限(パワーリミット)の調整
グラフィックボードが使用できる電力の上限を調整することもできます。
電力制限を下げることで消費電力を抑えられるため、省エネや静音化につながります。実際に、電力制限を70%程度に下げても、多くのゲームでは体感できるほどの性能低下は起きないことが報告されています。
夏場の暑い時期など、パソコンの発熱を抑えたいときに特に便利な機能です。
低電圧化(アンダーボルト)
低電圧化とは、グラフィックボードに供給する電圧を下げることです。
電圧を下げることで消費電力が減り、発熱も抑えられるため、静音化や省エネにつながります。
電力制限との違いは、適切に設定すれば処理性能をほとんど落とさずに消費電力だけを抑えられる点です。ただし、電圧を下げすぎると動作が不安定になる可能性があるため、慎重な調整が必要になります。
ベンチマーク・録画機能
MSI Afterburnerには、ゲームのベンチマーク(性能測定)結果をテキストファイルに記録する機能や、ゲームプレイを録画する機能も搭載されています。
オーバークロックの効果を確認したり、お気に入りのプレイシーンを保存したりできるんです。
どんなグラフィックボードで使える?
MSI Afterburnerは非常に高い互換性を持っており、以下のメーカーのグラフィックボードで使用できます。
- NVIDIA製GPU(GeForce RTX、GTXシリーズなど)
- AMD製GPU(Radeonシリーズなど)
- Intel製GPU(統合GPU含む)
MSI製以外のグラフィックボードでも問題なく動作するため、ASUSやGIGABYTE、Zotacなど、どのメーカーの製品を使っていても利用できます。
ただし、ノートPCの場合は一部の機能(特にファンカーブのカスタマイズ)が制限されることがあります。これはメーカーがBIOS(パソコンの基本的な設定)でファン制御を固定しているためです。
ダウンロードとインストールの注意点
MSI Afterburnerを使い始める前に、必ず知っておいてほしい重要な注意点があります。
必ず公式サイトからダウンロードすること
MSI Afterburnerをダウンロードする際は、必ず公式サイトから入手してください。
近年、MSI Afterburnerの偽サイトが多数確認されており、これらのサイトからダウンロードしたファイルにはマルウェア(悪意のあるソフト)やスパイウェアが含まれている可能性があります。
正規のMSI Afterburnerは、以下の2つのサイトからのみ入手できます。
- MSI公式サイト(msi.com)
- Guru3D(guru3d.com、MSI公認のミラーサイト)
検索エンジンで「MSI Afterburner ダウンロード」と検索したとき、上位に表示されるサイトが必ずしも安全とは限りません。ダウンロードする前に、URLのドメインが「msi.com」または「guru3d.com」であることを必ず確認しましょう。
RivaTuner Statistics Serverも一緒にインストールしよう
MSI Afterburnerをインストールする際、「RivaTuner Statistics Server(RTSS)」というソフトも一緒にインストールすることをおすすめします。
これは画面上に情報を表示するための必須ソフトで、フレームレートや温度などをゲーム中に確認したい場合に必要になります。
インストール時にチェックボックスが表示されるので、忘れずにチェックを入れておきましょう。
使用上の注意点
MSI Afterburnerは非常に便利なツールですが、使う上でいくつか気をつけたいポイントがあります。
オーバークロックは自己責任で
オーバークロックによってグラフィックボードの性能を引き出せる一方、過度な設定は動作不安定やハードウェアの故障を引き起こす可能性があります。
メーカー保証の対象外となる行為なので、必ず自己責任で行ってください。
ただし、MSI Afterburnerには安全機能が組み込まれており、GPUが限界に達すると自動的に動作周波数や電圧を下げるようになっています。電圧設定をむやみに上げたり、BIOSを改変したりしない限り、基本的には安全に使用できます。
温度管理に気をつけよう
オーバークロックを行うと、グラフィックボードの発熱が増加します。
ほとんどのグラフィックボードは90度程度まで動作しますが、高温状態が続くとパーツの寿命が短くなる可能性があります。
MSI Afterburnerのモニタリング機能を活用して、温度が高くなりすぎていないか常に確認しましょう。必要に応じてファンの回転数を上げたり、ケース内の通気性を改善したりすることも大切です。
少しずつ設定を変えていこう
オーバークロックを行う際は、いきなり大きく値を変えるのではなく、少しずつ調整していくことが重要です。
クロック周波数を上げる場合は、一度に25MHz程度ずつ上げて、その都度ベンチマークソフトやゲームで動作を確認しましょう。動作が不安定になったら、前の安定していた設定に戻すようにします。
他のソフトと干渉することがある
RivaTuner Statistics Server(RTSS)は、ゲーム画面に情報を表示するためにDirect3Dという仕組みに介入します。
そのため、他のゲーム独自のオーバーレイ表示機能や、Steamのオーバーレイ機能などと同時に使用すると、ゲームが強制終了してしまうことがあります。
もしMSI Afterburnerを使用中に特定のゲームやソフトが原因不明のクラッシュを起こす場合は、一時的にOSD機能をオフにしてみるといいでしょう。
まとめ
MSI Afterburnerは、グラフィックボードの性能を最大限に引き出したいPCゲーマーにとって、非常に強力なツールです。
オーバークロックによる性能向上だけでなく、ファン制御による静音化、電力制限による省エネ、リアルタイムモニタリングによる状態確認など、様々な用途で活用できます。
しかも完全無料で、MSI製以外のグラフィックボードでも使えるという汎用性の高さも魅力です。
ただし、ダウンロードは必ず公式サイトから行うこと、オーバークロックは自己責任で慎重に行うことを忘れないでください。
適切に使えば、お使いのグラフィックボードの潜在能力を引き出し、より快適なゲーム体験を実現できるはずです。
まずは温度やフレームレートのモニタリング機能から試してみて、徐々に他の機能も使いこなしていくことをおすすめします。


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