「Microsoft Visual C++ 2005、2008、2010、2013、2015-2022…なんでこんなにあるの!?」 「削除したらパソコンが壊れる?それとも無駄なゴミ?」 「ゲームインストールしたら勝手に入ってきた…これウイルス?」
Windowsの「プログラムと機能」を開いて、この大量のMicrosoft Visual C++に驚いた経験、ありませんか?
実はこれ、多くのソフトウェアを動かすための必須部品なんです。家で例えるなら、電気配線や水道管のような「インフラ」。普段は意識しないけど、なくなると大変なことになる重要な存在です。
この記事では、Microsoft Visual C++とは何か、なぜ複数のバージョンが必要なのか、削除してもいいのか、エラーが出た時の対処法まで、すべての疑問に答えます。
読み終わる頃には、あの謎の羅列が「大切な仲間たち」に見えてくるはずです!
Microsoft Visual C++を身近なもので例えると

図書館の辞書のような存在
プログラムと再頒布可能パッケージの関係:
小説を書く時:
- 作家は辞書を持っていなくても
- 図書館の辞書を参照して書ける
- 読者は辞書がなくても小説を読める
プログラムの場合:
- 開発者はVisual C++で開発
- 共通部品は「再頒布可能パッケージ」として提供
- ユーザーのPCにインストールされて動作
つまり、多くのソフトが共通で使う「部品集」なんです!
家電製品のコンセント規格
なぜ統一された部品が必要?
家電の例:
- すべての家電が独自のコンセント形状だったら?
- 家電ごとに専用のコンセントが必要で大変!
- だから規格を統一
ソフトウェアの例:
- すべてのソフトが独自の基本機能を作ったら?
- 容量が膨大になり、開発も大変
- だからMicrosoftが共通部品を提供
Visual C++の2つの顔
1. 開発環境としてのVisual C++
プログラマーが使うツール:
- C++言語でプログラムを作成
- Visual Studio に含まれる
- コンパイラ、デバッガー、エディタのセット
これは一般ユーザーには不要!
2. 再頒布可能パッケージ(これが重要!)
一般ユーザーのPCに入っているもの:
- Visual C++ Redistributable
- ランタイムライブラリ
- 実行に必要な部品集
これがないとソフトが動かない!
なぜ複数のバージョンが必要なの?

年代別のバージョン一覧
バージョン | リリース年 | 主な用途 | 削除可否 |
---|---|---|---|
VC++ 2005 | 2005年 | 古いソフト用 | △ 要確認 |
VC++ 2008 | 2008年 | Windows 7時代のソフト | △ 要確認 |
VC++ 2010 | 2010年 | 多くの定番ソフト | × 削除非推奨 |
VC++ 2012 | 2012年 | Windows 8時代 | × 削除非推奨 |
VC++ 2013 | 2013年 | 現役ソフト多数 | × 削除非推奨 |
VC++ 2015-2022 | 統合版 | 最新ソフト | × 絶対削除NG |
バージョンが混在する理由
ソフトウェアの開発時期による:
2010年に作られたゲーム → VC++ 2010が必要
2015年に作られたアプリ → VC++ 2015が必要
2022年に作られたソフト → VC++ 2015-2022が必要
すべて同時に使うから、全部必要!
後方互換性の問題:
- 新しいバージョンが古いバージョンを完全に置き換えられない
- 微妙な違いでソフトが動かなくなる可能性
- だから複数バージョンの共存が必要
x86とx64の違い
なぜ同じバージョンが2つ?
Microsoft Visual C++ 2019 x86
Microsoft Visual C++ 2019 x64
違いの説明:
- x86:32ビット版(古いソフト、軽量ソフト用)
- x64:64ビット版(最新ソフト、大容量処理用)
両方必要な理由:
32ビットのゲーム → x86版が必要
64ビットの動画編集ソフト → x64版が必要
両方使うなら → 両方インストール必要
どのソフトが何を使っているか
有名ソフトウェアの依存関係
ゲーム関係:
- Steam:複数のVC++バージョン
- Minecraft:Java版は不要、統合版は必要
- 各種PCゲーム:ほぼ必須
オフィス・生産性:
- Adobe Creative Cloud:最新版必要
- AutoCAD:複数バージョン必要
- Zoom:最新版推奨
エンターテイメント:
- iTunes:特定バージョン必要
- VLCメディアプレーヤー:基本的に必要
インストールとアップデート
正しいインストール方法
公式サイトからダウンロード:
- Microsoft公式サイトにアクセス
- 「Microsoft Visual C++ Redistributable」で検索
- 必要なバージョンを選択
- 最新版は「Microsoft Visual C++ 2015-2022」
- x86とx64の両方をダウンロード
- インストール手順
1. ダウンロードしたファイルを実行 2. 「同意する」にチェック 3. 「インストール」をクリック 4. 完了まで待つ(通常1分以内)
Windows Updateでの自動更新
自動更新される場合:
- セキュリティ更新
- 重要なバグ修正
手動確認が必要な場合:
- 新バージョンの追加
- 特定のソフトが要求する場合
よくあるエラーと対処法
「VCRUNTIME140.dll が見つかりません」
原因: Visual C++ 2015-2022 が未インストールまたは破損
解決方法:
- 最新版をダウンロード
- 既存版をアンインストール
- 再インストール
- PCを再起動
「MSVCP○○.dll が見つかりません」
○○の数字とバージョンの対応:
MSVCP71.dll → VC++ 2003
MSVCP80.dll → VC++ 2005
MSVCP90.dll → VC++ 2008
MSVCP100.dll → VC++ 2010
MSVCP110.dll → VC++ 2012
MSVCP120.dll → VC++ 2013
MSVCP140.dll → VC++ 2015-2022
該当するバージョンをインストール!
インストールできない時
エラー 0x80070666:
「別バージョンが既にインストールされています」
解決:
1. プログラムと機能を開く
2. 該当バージョンをアンインストール
3. PCを再起動
4. 再インストール
削除してもいい?ダメ?

削除してはいけないケース
絶対NG:
- 現在使用中のソフトがある
- どのソフトが使っているか不明
- PCの動作に問題がない
削除するとどうなる?
削除前:ソフトが正常動作
↓
削除後:
- ソフトが起動しない
- エラーメッセージ連発
- 最悪、Windowsが不安定に
削除を検討してもいいケース
条件付きでOK:
- 明らかに使っていない古いバージョン(2005など)
- 該当ソフトをアンインストール済み
- ディスク容量が極端に少ない
安全な削除手順:
- システムの復元ポイント作成
- 最も古いバージョンから1つずつ
- 削除後、PCを再起動して動作確認
- 問題があれば即座に再インストール
容量とパフォーマンス
実際の使用容量
各バージョンの容量:
VC++ 2005:約5MB
VC++ 2008:約10MB
VC++ 2010:約20MB
VC++ 2012:約25MB
VC++ 2013:約25MB
VC++ 2015-2022:約30MB
全部合わせても:200MB以下
(最近のSSDなら0.1%未満)
結論:容量を気にする必要なし!
パフォーマンスへの影響
起動時:
- 影響なし(常駐プログラムではない)
実行時:
- むしろ共通化で効率的
- メモリ使用量の削減効果
アップデート時:
- Windows Update で若干時間がかかる程度
セキュリティの重要性

なぜアップデートが重要?
脆弱性の問題:
古いバージョン:セキュリティホールがある可能性
↓
攻撃者が悪用
↓
ウイルス感染やデータ流出
対策:
- Windows Update を有効に
- 定期的に手動確認
- 古すぎるバージョンは更新
偽物に注意!
本物の見分け方:
- 発行元:Microsoft Corporation
- デジタル署名:あり
- ダウンロード元:Microsoft公式サイトのみ
偽物の手口:
- 「VC++が古い」という偽警告
- 非公式サイトへ誘導
- マルウェアをインストール
トラブルシューティング完全版
修復ツールの使用
Microsoft公式ツール:
- Visual C++ Redistributable Repair Tool
- Windows トラブルシューティング ツール
手動修復手順:
# 管理者権限でコマンドプロンプト
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
クリーンインストール手順
すべてを入れ直す場合:
- 既存版をすべてアンインストール
- 新しいものから順に
- 再起動は最後に1回
- Visual C++ AIO をダウンロード
- All-in-One パッケージ
- 全バージョン一括インストール
- 順番にインストール
- 古いバージョンから
- x86 → x64 の順
Visual Studioとの関係
開発者向け vs 一般ユーザー向け
Visual Studio(開発環境):
- プログラマー用
- 有料版と無料版あり
- 数GB~数十GBの容量
Visual C++ Redistributable:
- 一般ユーザー用
- 完全無料
- 数十MBの容量
関係性:
開発者:Visual Studio でプログラム作成
↓
プログラムを配布
↓
ユーザー:Redistributable があれば動く
よくある質問
Q1:アンインストールしたソフトのVC++は削除していい?
A: 他のソフトも使っている可能性があるので、残しておく方が安全です。容量も小さいので、そのままでOK。
Q2:同じ年のものが複数ある理由は?
A: Update版やService Pack版の違い。最新版があれば古いものは理論上不要ですが、互換性のために残すことを推奨。
Q3:32ビットWindowsに64ビット版は必要?
A: 不要です。32ビットWindowsでは64ビットソフトは動作しません。
Q4:新しいPCに移行する時は?
A: 必要に応じて自動インストールされるので、事前インストールは不要です。
まとめ:小さな縁の下の力持ち
Microsoft Visual C++ Redistributableは、多くのソフトウェアを支える重要な基盤です。
覚えておくべきポイント:
- 削除は基本的にNG
- どのソフトが使っているか分からない
- 容量も大した問題ではない
- 複数バージョンの共存は正常
- ソフトごとに必要なバージョンが違う
- 全部あっても問題なし
- セキュリティ更新は重要
- Windows Update で自動更新
- 定期的な確認を
今すぐ確認すべきこと:
- インストール状況の確認(1分)
- コントロールパネル → プログラムと機能
- Visual C++ の一覧を確認
- 最新版の確認(3分)
- Microsoft公式サイトで最新版チェック
- 2015-2022版があればOK
- Windows Update の実行(5分)
- 更新プログラムの確認
- セキュリティ更新を適用
あの大量のVisual C++は、実はあなたのPCで多くのソフトを動かすための「チーム」。一見無駄に見えても、それぞれが大切な役割を持っています。
触らぬ神に祟りなし。そっとしておくのが一番です!
最後に: もしソフトが「Visual C++が必要です」と言ってきたら、慌てずにMicrosoft公式サイトからダウンロード。これで、ほとんどの問題は解決します!
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