「XMLファイルを開いたら、真っ白な画面しか表示されない…」
e-Govから届いた電子公文書や、設定ファイル、RSSフィードなど、XMLファイルを開こうとしたら空白ページが表示されて困ったことはありませんか?以前は普通に開けていたのに、突然見られなくなったという経験をした方もいるかもしれません。
実は、Microsoft EdgeはセキュリティのためにXMLファイルの表示方法を制限しているんです。そのため、特別な設定や操作をしないと、XMLファイルの内容を正しく表示できないことがあります。
でも安心してください。この記事では、EdgeでXMLファイルが表示できない原因と、5つの確実な解決方法を詳しく解説します。
特に、e-Govなどの電子公文書(年金事務所や労働基準監督署からの通知など)を開く必要がある方にとって、実用的な情報をお届けします。初心者の方でも迷わず実践できるよう、画像付きで丁寧に説明していきますよ。
XMLファイルとは何か

データを保存するための形式
XML(エックスエムエル)は、「eXtensible Markup Language」の略で、データを保存・交換するための形式です。
簡単に言うと、「タグ」を使って情報を整理して記録するファイル形式なんです。例えば、こんな感じです。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<本棚>
<本>
<タイトル>料理の基本</タイトル>
<著者>山田太郎</著者>
<価格>2000円</価格>
</本>
</本棚>
このように、データに意味を持たせて構造的に保存できるのがXMLの特徴です。
どこで使われているのか
XMLファイルは、様々な場面で使われています。
- 電子公文書:e-Govからダウンロードする年金や労災の通知
- 設定ファイル:ソフトウェアの設定情報
- RSSフィード:ブログやニュースサイトの更新情報
- データ交換:異なるシステム間でのデータのやり取り
特に、役所や年金事務所からの電子申請の結果通知は、多くの場合XMLファイル形式で提供されます。
EdgeでXMLが表示できない原因
XSLTスタイルシートが適用されない
EdgeでXMLファイルを開いても空白ページになる最大の原因は、XSLTスタイルシートが適用されないことです。
XMLファイルは、データだけを持っています。それを「見やすい形」に変換するには、XSLファイル(スタイルシート)が必要なんです。これはHTMLにおけるCSSのような役割を果たします。
従来のInternet Explorerは、このXSLファイルを自動的に読み込んで、XMLを見やすく表示してくれました。しかし、Microsoft EdgeはセキュリティのためにXSLファイルの自動読み込みを制限しているんです。
セキュリティ制限によるブロック
Edgeがローカルファイル(パソコン内のファイル)のXSLを読み込まないのは、セキュリティ上の理由です。
具体的には、CORS(Cross-Origin Resource Sharing)というセキュリティ機能が働いています。これは、異なる場所にあるファイル同士がアクセスし合うのを防ぐ仕組みです。
EdgeでXMLファイルを開こうとすると、開発者ツールのコンソールに次のようなエラーが表示されます。
「file:// URLs are treated as unique security origins(file://プロトコルのURLは独立したセキュリティ領域として扱われます)」
このセキュリティ制限のため、XMLファイルがXSLファイルにアクセスできず、結果として空白ページになってしまうんです。
ZIP解凍が不完全
e-Govなどからダウンロードした電子公文書は、ZIPファイルで圧縮されています。
このZIPファイルをダブルクリックして開いただけでは、ファイルは一時的な場所に展開されているだけです。この状態でXMLファイルを開こうとしても、正しく表示されません。
必ず「すべて展開」を選択して、完全に解凍してからXMLファイルを開く必要があります。
解決方法1:IEモードで表示する(公式推奨)
最も確実な方法
XMLファイルを表示する最も確実な方法は、Internet Explorerモード(IEモード)を使うことです。
これはMicrosoftが公式に推奨している方法で、最も安全かつ確実にXMLファイルを表示できます。
IEモードを有効にする設定
まず、IEモードを使えるようにする設定を行います。
手順:
- Microsoft Edgeを開く
- アドレスバーに edge://settings/defaultbrowser と入力してEnter
- 「Internet Explorerの互換性」セクションを探す
- 「Internet ExplorerモードでサイトXの再読み込みを許可」を「許可」に変更
- 「再起動」ボタンをクリック
これで、IEモードが使えるようになります。
XMLファイルをIEモードで開く手順
次に、実際にXMLファイルをIEモードで表示します。
手順:
- ZIPファイルを右クリック→「すべて展開」を選択
- 展開したフォルダ内のXMLファイル(.xml)を探す
- XMLファイルをMicrosoft Edgeで開く(右クリック→「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」)
- 空白ページが表示される
- XMLファイルのURL(file:///C:/…)をアドレスバーからコピー
- 新しいタブで edge://settings/defaultbrowser を開く
- 下にスクロールして「Internet Explorerモードページ」を探す
- 「追加」ボタンをクリック
- コピーしたURLを貼り付けて「追加」
- XMLファイルのタブに戻ってページを更新(F5キー)
- XMLファイルが正しく表示される
この方法は手順が多いですが、最も確実に表示できます。
注意点
IEモードで一度設定すれば、30日間はそのURLがIEモードで自動的に開かれます。
ただし、異なるXMLファイルを開く場合は、毎回この設定を行う必要があります。少し手間ですが、セキュリティを保ちながら表示できる公式な方法です。
解決方法2:IEモードボタンを使う(従来の方法)
以前は簡単だった
以前のMicrosoft Edgeには、「IEモードで再読み込み」というボタンがありました。
このボタンをクリックするだけで、簡単にIEモードに切り替えられたんです。しかし、最近のアップデートでこのボタンが削除されてしまいました。
ボタンを復活させる方法(非公式)
実は、このボタンを強制的に復活させる方法があります。ただし、これは非公式の方法です。
レジストリを変更する必要があるため、パソコンに詳しくない方や、会社のパソコンでは推奨しません。自己責任で行ってください。
手順(概要):
- レジストリエディタを開く
- 特定のキーを追加する
- Edgeを再起動
具体的な手順は複雑なため、ここでは割愛します。興味がある方は、専門のサイトや情シスの担当者に相談してください。
解決方法3:メモ帳で内容を確認する

中身だけ見たい場合
「見た目は気にしないから、とにかく中身を確認したい」という場合は、メモ帳で開くのが最も簡単です。
手順:
- XMLファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「メモ帳」を選択
メモ帳で開くと、XMLのコード(タグ)がそのまま表示されます。
整形されていないので読みにくいですが、データの内容を確認することはできます。テキストエディタに慣れている方なら、この方法でも十分かもしれません。
解決方法4:Chromeなど他のブラウザを使う
他のブラウザでも同じ問題
実は、Google ChromeやFirefoxでも同じ問題が発生します。
これらのブラウザもEdgeと同様、セキュリティのためにローカルファイルのXSL読み込みを制限しています。そのため、XMLファイルを開いても空白ページになることが多いです。
オンライン表示ツールを使う
インターネット上には、XMLファイルを表示してくれる無料ツールがあります。
ただし、機密情報が含まれているファイルは絶対にアップロードしないでください。個人情報や会社の情報が漏れる危険があります。
公開情報や練習用のXMLファイルであれば、こうしたツールも選択肢の一つです。
解決方法5:ローカルサーバーを立てる(上級者向け)
開発者向けの方法
プログラミングに詳しい方は、ローカルサーバーを立てる方法もあります。
これは、file://プロトコルではなくhttp://プロトコルでXMLファイルにアクセスすることで、CORS制限を回避する方法です。
Python 3を使う例:
# XMLファイルがあるフォルダに移動
cd C:\path\to\xml
# ローカルサーバーを起動
python -m http.server 8000
# ブラウザで以下にアクセス
http://localhost:8000/file.xml
この方法なら、Edgeでも正しくXMLが表示されます。
ただし、プログラミングの知識が必要なので、一般の方にはおすすめしません。
電子公文書(e-Gov)を開く際の注意点
必ずZIPファイルを完全に展開
e-Govからダウンロードした電子公文書は、必ずZIPファイルを完全に展開してください。
正しい手順:
- ZIPファイルを右クリック
- 「すべて展開」を選択
- 展開先を指定して「展開」
間違った方法:
- ZIPファイルをダブルクリックして開いた状態で、中のXMLファイルをダブルクリック
ダブルクリックで開いただけでは、一時フォルダに展開されているだけです。この状態では、XMLファイルとXSLファイルが同じ場所にないため、正しく表示されません。
XMLとXSLファイルをセットで扱う
展開したフォルダ内には、複数のファイルが入っています。
- .xmlファイル:公文書の本体
- .xslファイル:見た目を整えるスタイルシート
- .csvファイル:申請者情報など
これらのファイルはすべて必要です。XMLファイルだけを別の場所に移動させると、XSLファイルが見つからなくなり、表示できなくなります。
フォルダごと管理することをおすすめします。
ファイル名に日本語が含まれる場合
XMLファイルのファイル名に日本語が含まれていると、IEモードの設定がうまくいかないことがあります。
その場合は、次の方法を試してください。
- XMLファイルを右クリック
- 「パスのコピー」(またはCtrl + Shift + C)
- コピーしたパスの前後にある「”」を削除してから、IEモードページに追加
よくある質問と回答
XMLファイルの拡張子が表示されない場合は?
Windowsの初期設定では、ファイルの拡張子が非表示になっていることがあります。
拡張子を表示する方法:
- エクスプローラー(フォルダ)を開く
- 上部の「表示」タブをクリック
- 「ファイル名拡張子」にチェックを入れる
これで、ファイル名の後ろに「.xml」「.xsl」などの拡張子が表示されるようになります。
EdgeではなくExcelでXMLが開いてしまう場合は?
パソコンの設定によっては、XMLファイルをダブルクリックするとExcelで開いてしまうことがあります。
Edgeで開くように変更する方法:
- スタートメニュー→「設定」
- 「アプリ」→「既定のアプリ」
- 「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」をクリック
- 一覧から「.xml」を探す
- 現在設定されているアプリをクリック
- 「Microsoft Edge」を選択
これで、次回からXMLファイルをダブルクリックするとEdgeで開くようになります。
会社のパソコンでIEモードが使えない場合は?
企業や組織で管理されているパソコンの場合、IEモードの設定がグループポリシーでロックされていることがあります。
その場合、個人では設定を変更できません。IT部門や情報システム担当者に相談してください。
企業側で一括設定を行ってもらえる場合があります。
PDFに変換して保存することはできる?
はい、XMLファイルをIEモードで正しく表示できたら、PDF形式で保存することができます。
手順:
- XMLファイルをIEモードで表示
- 右上の「…」→「印刷」
- プリンターの選択で「Microsoft Print to PDF」を選択
- 「印刷」ボタンをクリック
- 保存先を指定して「保存」
これで、XMLの内容がPDFとして保存されます。印刷したい場合や、他の人に共有する場合に便利です。
まとめ
Microsoft EdgeでXMLファイルが表示できない主な原因は、セキュリティ制限によりXSLスタイルシートが適用されないことです。
最も確実な解決方法は、IEモードを使うことです。手順は次の通りです。
- edge://settings/defaultbrowser でIEモードを有効化
- ZIPファイルを「すべて展開」で完全に解凍
- XMLファイルをEdgeで開く
- XMLファイルのURLをIEモードページに登録
- ページを更新して表示
この方法は公式推奨で、安全かつ確実にXMLを表示できます。
簡易的な方法としては、メモ帳で開くこともできます。見た目は整いませんが、中身を確認するだけなら十分です。
電子公文書を開く際の注意点は、必ずZIPファイルを完全に展開すること、XMLとXSLファイルを同じフォルダに置いておくことです。
EdgeでXMLを表示するのは少し手間がかかりますが、一度設定してしまえば30日間は有効です。特にe-Govの電子公文書を頻繁に扱う方は、この方法を覚えておくと便利ですよ。
セキュリティを保ちながら、必要なXMLファイルを快適に閲覧できるようになりましょう。

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