「Microsoft Edge Updateって何?削除できないの?」
「アンインストールボタンがグレーアウトしていて押せない…」
パソコンのアプリ一覧を見ていると、「Microsoft Edge Update」というプログラムがあることに気づいた方も多いのではないでしょうか。削除しようと思っても、なぜかアンインストールボタンが押せない状態になっていて困りますよね。
実は、Microsoft Edge Updateは通常の方法では削除できない仕様になっています。でも、どうしても削除したい場合や、Edgeそのものをアンインストールしたい場合には、いくつかの方法があります。
この記事では、Microsoft Edge Updateとは何か、なぜ削除できないのか、そしてどうしても削除したい場合の方法と注意点を詳しく解説します。
重要:この記事で紹介する強制削除方法は、システムの安定性に影響を与える可能性があります。実行は自己責任でお願いします。
それでは、見ていきましょう!
Microsoft Edge Updateとは?

まず、Microsoft Edge Updateが何をするプログラムなのか理解しておきましょう。
Microsoft Edge Updateの役割
Microsoft Edge Updateは、Microsoft Edgeブラウザを最新の状態に保つためのプログラムです。バックグラウンドで自動的に動作し、新しいバージョンが公開されると自動的にダウンロードしてインストールします。
なぜ必要なの?
ブラウザは常にセキュリティの脅威にさらされています。新しい脆弱性(セキュリティの弱点)が発見されると、それを修正するためのアップデートが必要になります。Edge Updateがあることで、ユーザーが意識しなくても常に安全な状態を保てるんです。
WebView2との関係
Microsoft Edge WebView2 Runtimeという別のプログラムも、Edge Updateによって管理されています。WebView2は、Windowsの写真アプリなど、多くのアプリが内部で使用しているコンポーネント(部品)です。
なぜMicrosoft Edge Updateは削除できないの?
「設定」→「アプリ」→「Microsoft Edge Update」を開いても、アンインストールボタンがグレーアウト(押せない状態)になっていますよね。
Microsoftの公式見解
Microsoftは、EdgeをWindowsの重要なコンポーネントとして位置づけています。理由は以下の通りです:
- Windowsの多くの機能がEdgeに依存している
- ヘルプ機能(F1キー)がEdgeで開く
- ウィジェットの天気予報などがEdgeを使用
- 一部のWindowsアプリがWebView2を使用
つまり、EdgeとEdge Updateは「単なるブラウザ」ではなく、「Windowsシステムの一部」として扱われているんです。
アンインストールできない理由
- システムの安定性を保つため
- セキュリティを確保するため
- 他のアプリケーションとの互換性を維持するため
削除する前に知っておくべきリスク
どうしてもEdge Updateを削除したいと考えている方へ。削除する前に、以下のリスクを理解しておく必要があります。
削除後に起こりうる問題
一部のWindowsアプリが動作しなくなる
- Microsoft Photosの編集機能
- Lenovo USB Recovery Creator Tool
- PowerToysのFile Explorer拡張機能
- Xboxアプリの一部機能
これらのアプリはEdgeまたはWebView2に依存しているため、削除すると正常に動作しなくなる可能性があります。
Windows Updateで自動的に再インストールされる
Edgeを削除しても、Windows Updateの際に自動的に再インストールされることがあります。毎回削除し直す必要が出てくる可能性があります。
IEモードが使えなくなる
業務システムでInternet Explorerモードを使っている場合、Edgeがないと使えなくなります。企業の基幹システムに影響が出る可能性があるため、会社のパソコンでは特に注意が必要です。
セキュリティリスク
ブラウザの自動更新がなくなると、セキュリティの脆弱性が放置される可能性があります。
おすすめの代替方法:削除せずに対処する
リスクを考えると、完全に削除するよりも、以下の方法で対処するほうが安全です。
方法1:既定のブラウザを変更する
Edgeを使わないようにするだけなら、既定のブラウザを変更するのが最も安全です。
- 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開く
- 「Webブラウザー」の項目で、ChromeやFirefoxなど好きなブラウザを選択
これで、リンクをクリックしたときに開くブラウザが変わります。
方法2:Edgeの自動起動を無効にする
パソコンを起動したときにEdgeが自動的に開くのを止める方法です。
- Edgeを開く
- 右上の「…」→「設定」をクリック
- 「起動時」の設定で「新しいタブページを開く」以外を選択
- 「バックグラウンドでアプリを実行する」をオフにする
方法3:タスクスケジューラでEdge Updateを無効化
Edge Updateの自動実行を停止する方法です。
- 「Windows + R」を押す
- 「taskschd.msc」と入力してEnter
- 左側のツリーから「タスクスケジューラ ライブラリ」→「Microsoft」→「EdgeUpdate」を開く
- 表示されたタスクをそれぞれ右クリックして「無効化」を選択
※この方法では、Edgeの自動更新が停止しますが、手動で更新することは可能です。
フリーソフトを使ったアンインストール方法
どうしても削除したい場合、「Revo Uninstaller」というフリーソフトを使う方法が最も簡単で安全性が高いです。
Revo Uninstallerを使った手順
ステップ1:インストーラーをダウンロード
- Revo Uninstallerの公式サイトにアクセス
https://www.revouninstaller.com/revo-uninstaller-free-download/ - 「Revo Uninstaller Free」をダウンロード
ステップ2:Edgeの再インストーラーを準備
削除後に再インストールが必要になった場合に備えて、先にEdgeのインストーラーをダウンロードしておきます。
- Microsoft Edgeの公式サイトにアクセス
https://www.microsoft.com/edge - 「ダウンロード」ボタンをクリックしてインストーラーを保存
ステップ3:Revo Uninstallerでアンインストール
- Revo Uninstallerを起動
- 一覧から「Microsoft Edge」を探して右クリック
- 「アンインストール」を選択
- 「標準モード」を選択して「スキャン」をクリック
- 残留レジストリ項目が表示されたら「削除」をクリック
- 残留ファイルとフォルダが表示されたら「削除」をクリック
ステップ4:残骸ファイルの削除(任意)
以下のフォルダも削除することで、完全に削除できます:
C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge
C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeUpdate
※フォルダを削除する前に、他のプログラムを閉じておいてください。
コマンドプロンプトを使った削除方法
上級者向けに、コマンドプロンプトを使った削除方法もご紹介します。
事前準備:Edgeのバージョンを確認
- Edgeを開く
- 右上の「…」→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」をクリック
- バージョン番号をメモ(例:120.0.2210.121)
削除手順
- 「Windows + X」を押す
- 「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力(バージョン番号は自分のものに置き換える):
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\【バージョン番号】\Installer"
例:
cd "C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\120.0.2210.121\Installer"
- 次のコマンドを入力してEnter:
setup.exe --uninstall --system-level --verbose-logging --force-uninstall
- アンインストールが完了するまで待つ
PowerShellで残りのパッケージを削除
- PowerShellを管理者として開く
- 以下のコマンドを入力:
Get-AppxPackage Microsoft.MicrosoftEdge.Stable | Remove-AppxPackage
Windows Updateでの自動再インストールを防ぐ方法

Edgeを削除しても、Windows Updateで自動的に再インストールされることがあります。これを防ぐ方法をご紹介します。
レジストリ編集による方法
警告:レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った編集はシステムの不具合を引き起こす可能性があります。
- 「Windows + R」を押す
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下のキーに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
- 「Microsoft」フォルダを右クリック→「新規」→「キー」
- 新しいキーに「EdgeUpdate」と名前を付ける
- 「EdgeUpdate」を右クリック→「新規」→「DWORD(32ビット)値」
- 「DoNotUpdateToEdgeWithChromium」と名前を付ける
- 作成した値をダブルクリックして、値を「1」に変更
- レジストリエディタを閉じる
業務環境での注意点
会社のパソコンでEdgeを削除する場合は、特に注意が必要です。
確認すべきポイント
- 社内システムでIEモードを使用していないか
- Webベースの勤怠管理システムが正常に動作するか
- 社内ポータルサイトが表示されるか
- IT部門の許可を得ているか
IEモード依存のシステム例
- 古い基幹システム
- ActiveXを使用したシステム
- 社内の経費精算システム
- 勤怠管理システム
これらのシステムがある場合、Edgeを削除すると業務に支障をきたす可能性があります。必ずIT部門に相談してください。
再インストールする方法
削除後に問題が発生した場合や、やはりEdgeが必要になった場合の再インストール方法です。
手順
- 事前にダウンロードしておいた「MicrosoftEdgeSetup.exe」をダブルクリック
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック
- インストールが完了するまで待つ(30秒〜1分程度)
インストールが完了すると、デスクトップやスタートメニューにEdgeのアイコンが復活します。
よくある質問
Q. Microsoft Edge Updateだけをアンインストールできますか?
A. いいえ、Edge Update単体でのアンインストールは基本的にできません。Edgeを削除すると、自動的にEdge Updateも削除されます。
Q. 削除したのに勝手に戻ってきます
A. Windows Updateによって自動的に再インストールされている可能性があります。前述のレジストリ編集で自動再インストールを防げますが、セキュリティ面でのリスクがあることを理解してください。
Q. Edge UpdateのサービスだけをWindows 11/10から止めることはできますか?
A. タスクスケジューラでEdge Updateのタスクを無効化することで、自動更新を止めることができます。ただし、セキュリティアップデートが適用されなくなるため推奨しません。
Q. WebView2だけ残してEdgeを削除できますか?
A. 技術的には可能ですが、WebView2もEdge Updateによって更新されるため、完全に独立させることは難しいです。
Q. アンインストールに失敗します
A. Edgeのプロセスが実行中の可能性があります。タスクマネージャーでEdge関連のプロセスをすべて終了してから、再度試してみてください。
まとめ
Microsoft Edge Updateのアンインストールについて、詳しく解説しました。
重要なポイント:
- Edge UpdateはWindowsの重要なコンポーネントで、通常は削除できない
- 削除すると一部のアプリが動作しなくなる可能性がある
- Windows Updateで自動的に再インストールされることがある
- 業務環境では特に慎重に判断する必要がある
推奨される対処法:
- 既定のブラウザを変更する(最も安全)
- Edgeの自動起動を無効にする
- タスクスケジューラでEdge Updateを無効化
どうしても削除したい場合:
- Revo Uninstallerを使う(初心者向け)
- コマンドプロンプトで削除する(上級者向け)
- レジストリ編集で自動再インストールを防ぐ
最後に注意点
EdgeとEdge Updateの削除は、システムの安定性やセキュリティに影響を与える可能性があります。本当に削除が必要かよく考え、リスクを理解した上で実行してください。多くの場合、既定のブラウザを変更するだけで十分です。
削除を実行する場合は、必ずEdgeの再インストーラーを事前にダウンロードしておき、いつでも元に戻せる準備をしておくことをおすすめします。
安全で快適なパソコン環境を保てるよう、この記事が参考になれば幸いです!

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