Microsoft Edgeは2025年9月時点でバージョン140.0.3485.94が最新安定版であり、全プラットフォームで自動アップデートが標準設定となっています。
本レポートでは、Windows、Mac、モバイル端末における手動・自動アップデート手順、最新バージョン情報、トラブルシューティング方法、そして企業環境での管理手法まで、実用的かつ正確な情報を提供します。
2025年には複数のゼロデイ脆弱性(CVE-2025-6554、CVE-2025-6558など)が実際に悪用されており、タイムリーなアップデートがセキュリティ上極めて重要です。
Microsoftは4週間ごとに安定版をリリースし、AIを活用したCopilotモード、データ損失防止機能、300ミリ秒以下のFirst Contentful Paint達成など、セキュリティと機能の両面で継続的な改善を実施しています。
各プラットフォームでの基本アップデート手順
Microsoft Edgeのアップデート方法はプラットフォームにより異なりますが、すべてのバージョンで自動アップデートが初期設定で有効になっています。
Windows版の手動アップデート
最も直接的な方法は、Edgeブラウザ内から確認することです。
- ブラウザの右上にある三点リーダー(⋯)をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」にマウスを合わせる
- 「Microsoft Edgeについて」を選択
または、アドレスバーに edge://settings/help
と入力してEnterキーを押すと、同じページに直接アクセスできます。
このページを開くと、Edgeは自動的に更新プログラムの確認を開始します。
更新状況の3つのパターン
更新状況に応じて以下のメッセージが表示されます:
- 「Microsoft Edgeは最新の状態です」 – アクションは不要
- 「更新プログラムを利用できます」 – 「ダウンロードしてインストール」ボタンをクリック
- 「更新を完了するには再起動してください」 – 「再起動」ボタンをクリックで適用完了
従量制課金接続を使用している場合:
設定ページで以下のトグルオプションが表示されることがあります:
- 「更新プログラムを自動的にダウンロードしてインストールする」
- 「従量制課金接続で更新プログラムをダウンロードする」
後者を有効にするとデータ使用量が増加する可能性があるため、データプランに制限がある場合は注意が必要です。
Mac版の手動アップデート
Mac版もWindows版とほぼ同じ手順です。
- Edgeブラウザを開く
- 右上の三点リーダー(⋯)をクリック
- 「ヘルプとフィードバック」から「Microsoft Edgeについて」を選択
またはアドレスバーに edge://settings/help
を入力します。
ページが開くと自動的に更新プログラムの確認が始まり、利用可能な更新がある場合は「ダウンロードしてインストール」をクリックし、その後「再起動」をクリックして更新を適用します。
Mac固有の重要情報
Microsoft Edgeバージョン113(2023年)以降、MacではMicrosoft AutoUpdateではなくEdgeUpdaterが更新管理を担当しています。
更新が失敗する場合の確認事項:
- システム環境設定の「プライバシーとセキュリティ」で、Microsoft EdgeとMicrosoft AutoUpdate(存在する場合)にフルディスクアクセスの権限が付与されているか確認
代替インストール方法
ブラウザ内での更新が失敗した場合:
- 公式Microsoftウェブサイト(https://www.microsoft.com/edge/download)にアクセス
- Macプラットフォームを選択
- Apple SiliconまたはIntelプロセッサに適したバージョンをダウンロード
- .dmgファイルを開いてMicrosoft Edgeをアプリケーションフォルダにドラッグ
既存のバージョンが自動的に置き換えられます。
iOS版(iPhone/iPad)のアップデート
iOSデバイスでは、App Storeを通じて更新します。
手動更新の手順:
- App Storeアプリを開く
- 右上のプロフィール画像をタップ
- 下にスクロールして「今後の自動アップデート」セクションを表示
- Microsoft Edgeを探して横にある「アップデート」ボタンをタップ
リストにEdgeが表示されない場合、既に最新バージョンになっています。
iOS版の自動更新設定(推奨)
- 設定アプリを開く
- 「App Store」を選択
- 「Appのアップデート」トグルがオンになっていることを確認
これにより、iOSが自動的にEdgeを含むすべてのアプリを最新の状態に保ちます。
2025年9月時点の要件:
- 最新バージョン:140.x
- 必要OS:iOS 16.0以降
- iOS 18.4以降では拡張機能のサポートが利用可能
Android版のアップデート
AndroidデバイスではGoogle Playストアから更新します。
手動更新の手順:
- Google Playストアアプリを開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 「アプリとデバイスの管理」を選択
- 「利用可能なアップデート」タブに移動
- Microsoft Edgeの横にある「更新」ボタンをタップ
または「すべて更新」をタップしてすべてのアプリを一度に更新することもできます。
自動更新の設定
- Google Playストアを開く
- プロフィールアイコンをタップして設定を選択
- 「ネットワーク設定」を選ぶ
- 「アプリの自動更新」をタップ
- 「ネットワークの指定なし」または「Wi-Fi経由のみ」を選択
2025年9月時点の要件:
- 最新バージョン:140.x
- 必要OS:Android 8.0以降
- 更新は1~2日かけて段階的に展開される
自動アップデート設定と推奨構成
Microsoft Edgeは初期設定で自動更新が有効になっており、これはセキュリティと安定性の観点から強く推奨される設定です。
2025年には実際に悪用されているゼロデイ脆弱性が複数パッチされており、タイムリーな更新が攻撃からシステムを保護する唯一の方法となっています。
個人ユーザー向けの設定
edge://settings/help
にアクセスすると、デバイスによって「更新プログラムを自動的にダウンロードしてインストールする」というトグルが表示される場合があります。
これはオンのままにしておくべきです。
自動更新により、ブラウザを再起動するたびに最新のセキュリティパッチと機能が自動的に適用されます。
手動更新が必要な場合:
- 新機能に即座にアクセスしたい場合
- 従量制課金接続で自動更新が無効になっている場合
従量制課金接続の設定
「従量制課金接続で更新プログラムをダウンロードする」トグルは慎重に判断してください。
- セキュリティ更新は重要
- モバイルデータプランに制限がある場合は、Wi-Fi接続時のみの更新も選択肢
- 可能な限りセキュリティのために有効にすることを推奨
企業環境でのグループポリシー管理
企業のIT管理者は、グループポリシーを通じて更新動作を詳細に制御できます。
最も重要なポリシー:UpdateDefault
レジストリパス:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\EdgeUpdate
値名:UpdateDefault
タイプ:REG_DWORD
設定値のオプション:
- 0:更新を無効化(非推奨)
- 1:常に更新を許可(推奨)
- 2:手動更新のみ
- 3:自動サイレント更新のみ
Microsoftの公式推奨は常に値1(常に更新を許可)です。
これにより、4週間ごとのメジャーリリースサイクルで提供される重要なセキュリティパッチがタイムリーに適用されます。
チャネル固有のポリシー
Stable、Beta、Dev、Canaryの各チャネルに対して個別に更新ポリシーを設定できます。
レジストリパスはチャネルごとに異なるGUIDを使用:
- Stable用:
Update{56EB18F8-B008-4CBD-B6D2-8C97FE7E9062}
これにより、本番環境ユーザーには安定版を展開しながら、テストユーザーグループにベータチャネルを展開するといった柔軟な管理が可能になります。
更新の抑制とタイミング制御
業務時間中の更新確認を避けたい企業向けに、「UpdatesSuppressed」ポリシーが用意されています。
設定可能な項目:
- 開始時刻(時と分)
- 継続時間(最大960分)
例:午前8時から午後5時までの9時間を抑制期間として設定
これにより、業務時間中の帯域幅使用や予期しない再起動を防げます。
ただし、抑制期間は必要最小限に留め、セキュリティ更新が過度に遅延しないようにすべきです。
2025年9月時点の最新バージョンと新機能
現在の最新安定版は、2025年9月28日にリリースされたバージョン140.0.3485.94です。
メジャーバージョン140は2025年9月第1週にリリースされ、その後のマイナー更新でセキュリティ修正とバグ修正が含まれています。
特に注目すべきは、バージョン140.0.3485.81に含まれていたCVE-2025-10585の修正で、これは実際に悪用されていた脆弱性です。
最近のメジャーアップデート内容
バージョン140(2025年9月)の主な機能
ウェブプラットフォーム:
- キャレットアニメーションCSSプロパティの新しい値
- counter()とcounters()関数の拡張CSSコンテンツプロパティサポート
- Base64とHexデータ変換のための新しいUint8Arrayメソッド
- highlightsFromPoint APIによる特定ドキュメントポイントでのカスタムハイライト操作
セキュリティ:
- 最新のChromiumセキュリティ更新を組み込み
- 実際に悪用されていたCVE-2025-10585を修正
バージョン139(2025年8月)- 革新的なAI機能
最も注目すべき新機能:
- ブラウザに組み込まれたPhi-4-miniローカル言語モデルによるWeb AI API
- Prompt APIとWriting Assistance APIがデフォルトで有効
- JavaScriptからAIプロンプト機能にアクセス可能
プライバシーの強化:
- モデルはローカルで実行
- データがクラウドに送信されない
- 初回使用時にダウンロードされ、すべてのドメイン間で共有
Microsoft 365 Copilot統合:
- ページ要約がBusiness Chatワークタブに表示
- 開いているページへのコンテキストクエリが可能
バージョン138(2025年6月~7月)- 企業向け機能強化
Microsoft Purviewとの統合:
- Edge for Businessのインライン保護を実現
- ブラウザ拡張機能なしでDLPポリシーを適用
- 管理されていないAIアプリと共有される機密情報を検出
AI駆動の履歴検索機能:
- 同義語、フレーズ、タイプミスに寛容な検索
- オンデバイスモデルで実行(データがデバイスから離れない)
2025年7月に導入されたCopilotモード
2025年7月28日に発表されたCopilotモードは、ブラウジング体験を革新する新機能です。
主な特徴:
- チャット、検索、ウェブナビゲーションを単一の入力に統合
- 音声制御ナビゲーションでハンズフリーブラウジング
- 複数のタブを認識し、より良いコンテキストを提供
- 予約、買い物リスト、コンテンツ作成などのタスク支援
現在は実験段階中に無料で利用可能(オプトイン方式)。
パフォーマンスの大幅向上
2025年7月にMicrosoft Edgeは重要なマイルストーンを達成しました。
グローバルなFirst Contentful Paint(FCP)が300ミリ秒未満になったのです。
達成された改善:
- 13のブラウザ機能全体で平均40%のロード時間削減
- 設定UIの読み込みが劇的に高速化
- 音声読み上げの開始遅延が減少
- 分割画面ナビゲーションがほぼ瞬時に
効率性の向上
- 効率モード:平均25分のバッテリー寿命延長
- スリープタブ機能:非アクティブなタブをスリープ状態にしてリソース削減
- スタートアップブースト:バックグラウンドプロセスによる起動時間の劇的短縮
トラブルシューティング:よくあるエラーと解決方法
アップデートが失敗する場合、いくつかの一般的なエラーコードとそれぞれに対応する解決策があります。
最も頻繁なエラーコードと意味
エラー0x80040902(エラーコード7)
意味:不特定のエラーによりインストールが失敗
メッセージ:
「不特定のエラーによりインストールに失敗しました。Microsoft Edgeが現在実行中の場合は、閉じてから再試行してください」
原因:
- プロセスの競合
- 破損した更新ファイル
- Windows Updateサービスの問題
エラー0x800700C1(エラーコード3)
意味:コンポーネント作成の失敗や破損したシステムファイル
メッセージ:
「そのコンポーネントを作成できませんでした」
原因:
- 破損したWindows Updateキャッシュ
- 欠落したDLLファイル
- レジストリの破損
ネットワーク接続エラーシリーズ
エラーコード:0x80072742、0x80072EE2、0x80072EE7、0x80072EFD、0x80072EFE
意味:Microsoftの更新サーバーへの接続が失敗
原因:
- ネットワーク問題
- ファイアウォールブロック
- DNS問題
- プロキシ設定
Mac環境のエラーコード9
意味:Mac上の更新サービス障害
メッセージ:
「エラーが発生しました(エラーコード:9)(追加コード:0)」
原因:
- Microsoft AutoUpdateサービスの問題
- 診断データ収集が無効
効果的な解決手順
1. 設定からEdgeを修復する(成功率:約60%)
最初に試すべき最も効果的な方法です。
手順:
- すべてのEdgeブラウザウィンドウを完全に閉じる
- 設定 > アプリ > インストール済みアプリ(Windows 11)またはアプリと機能(Windows 10)を開く
- Microsoft Edgeを見つけ、三点リーダーをクリックまたは「変更」を選択
- 「修復」をクリック
- インターネット接続がアクティブであることを確認
- 修復が完了するまで待つ
ブラウザのデータと設定は保持されます。
2. Edge更新サービスの状態確認(成功率:約40%)
手順:
- Win + Rを押して
services.msc
と入力してEnter - 「Microsoft Edge Update Service (edgeupdate)」を見つける
- 右クリックして「プロパティ」を選択
- スタートアップの種類を「自動」に設定
- サービスが停止している場合は「開始」をクリック
- 「Microsoft Edge Update Service (edgeupdatem)」も同様に確認
コマンドラインから実行する場合(管理者権限):
sc config edgeupdate start=auto
sc start edgeupdate
3. システムファイルの修復(破損問題に対して約50%の成功率)
SFCツールの実行:
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
sfc /scannow
を実行- 完了まで15~30分待つ
- 修復が行われた場合は再起動
SFCが失敗した場合のDISMツール:
管理者権限のコマンドプロンプトで順番に実行:
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
RestoreHealthは30分以上かかることがあります。
完了後、再度sfc /scannow
を実行し、コンピュータを再起動します。
オフラインインストーラーによる代替方法(成功率:約80%)
すべての方法が失敗した場合、最も信頼性の高い解決策です。
手順:
- Microsoft Edge Enterprise のダウンロードページ(microsoft.com/edge/business/download)にアクセス
- チャネル:「Stable」、ビルド:「最新」を選択
- プラットフォームに適切なWindows版(32ビット、64ビット、またはARM64)を選択
- 「ダウンロード」をクリックし、「同意してダウンロード」をクリック
- MSIファイル(約135~170 MB)を保存
- すべてのEdgeインスタンスを閉じる
- MSIインストーラーを管理者として実行
メリット:
- インターネット接続がインストール中に不要
- 複数のコンピュータにインストール可能
- Edge更新サービスに依存しない
ネットワーク関連エラーの解決
DNS設定の修正が効果的です。
手順:
- コントロールパネル > ネットワークとインターネット > ネットワーク接続
- アクティブな接続を右クリックしてプロパティを選択
- 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択してプロパティ
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択
- 優先DNSサーバー:8.8.8.8、代替DNSサーバー:8.8.4.4を入力
- OKをクリック
その後、管理者権限のコマンドプロンプトで実行:
ipconfig /flushdns
ipconfig /release
ipconfig /renew
セキュリティとパフォーマンスのためにアップデートが不可欠な理由
Microsoft Edgeの更新は単なる機能追加ではなく、セキュリティ保護の最前線であることを理解する必要があります。
2024年から2025年にかけて、Microsoftは実際に悪用されている複数のゼロデイ脆弱性にパッチを適用してきました。
実際に悪用された脆弱性の具体例
2025年に修正された悪用中の脆弱性
- CVE-2025-6554(2025年7月1日)
- V8 JavaScriptエンジンにおける型混同の欠陥
- 攻撃者は細工されたHTMLページを通じてシステム全体を侵害可能
- バージョン138.0.3351.65で修正
- CVE-2025-6558(7月16日)
- CVE-2025-5419(6月3日)
- CVE-2025-4664(5月15日)
- CVE-2025-2783(3月26日)
- CVE-2025-24201(3月11日)
すべて確認された実際の悪用を伴う脆弱性でした。
2024年の重大な脆弱性
- CVE-2024-7971とCVE-2024-7965(2024年8月22日)
- 両方とも積極的に悪用
- バージョン128.0.2739.42に影響
- CVE-2024-5274(5月24日)
- CVE-2024-4947、CVE-2024-4761、CVE-2024-4671(4月~5月)
- CVE-2024-2883(3月27日)
- CVE-2024-0519(1月17日)
すべて実際に悪用が確認されたゼロデイ脆弱性で、即時パッチが必要でした。
ブラウザ攻撃の現状
2024年から2025年の調査データは警戒すべき傾向を示しています。
統計データ:
- 組織の95%が2024年にブラウザベースの攻撃を経験
- ブラウザベースのフィッシング攻撃は2023年後半に198%増加
- Chromiumベースのブラウザだけで2024年に50以上の重大な脆弱性
- フィッシング攻撃の30%が従来のセキュリティをバイパス
- 2025年には重要インフラに対するブラウザベースのランサムウェア攻撃が72%急増
ブラウザは現在、サイバー脅威の主要な攻撃対象となっています。
新たな脅威の特徴:
- フィッシング攻撃は電子メールではなくブラウザから始まることが増加
- フィッシングリンクの75%は既知の信頼できるウェブサイトでホスト
- 署名がないゼロアワーフィッシング攻撃が大幅に増加
- 2024年後半には35以上のブラウザ拡張機能が侵害
拡張セキュリティモードの重要性
Microsoft Edgeの拡張セキュリティモードは多くの脆弱性を軽減します。
軽減される脆弱性:
- CVE-2024-7971
- CVE-2024-4947
- CVE-2024-4761
- CVE-2024-4671
このオプトイン機能は、ゼロデイが発見された場合でも追加の保護を提供します。
設定場所:edge://settings/privacy
高セキュリティ環境には有効化を推奨します。
企業・組織でのアップデート管理方法
大規模組織では、Microsoft Edgeの更新を一元管理し、制御された展開が可能です。
更新チャネルの選択戦略
Microsoft Edgeは5つの異なる更新チャネルを提供しています。
各チャネルの特徴
Stable チャネル:
- 約4週間ごとに更新
- 広範な展開と大多数のユーザー向け
- 次のリリースまで完全にサポート
Extended Stable チャネル:
- 8週間ごとに更新
- より長い検証タイムラインが必要な組織向け
- 偶数番号のバージョンのみ(94、96、98、100など)
- 奇数バージョンの機能は次の偶数リリースに累積的に含まれる
Beta チャネル:
- 4~6週間ごとに更新
- Stable リリース前の検証用
- 代表的なサンプルユーザーへの本番展開に適している
Dev チャネル:
- 週次更新
- 開発者向けの最新機能の早期プレビュー
- プレビュー/サポート対象外
Canary チャネル:
- 毎日更新
- 最先端バージョン
- 他のチャネルと並行してインストール可能
推奨される展開戦略
- 組織の90~95%:Stable チャネル
- 5~10%の代表的サンプル:Beta チャネル(検証用)
- 基幹業務アプリが多い環境:Extended Stable
- IT/開発者チームのみ:Dev/Canary(早期機能プレビュー用)
グループポリシーによる詳細な制御
企業管理者は、ADMXテンプレートファイルを通じて包括的な制御を行えます。
3つの管理テンプレートファイル
- msedge.admx – Microsoft Edgeブラウザ設定の構成
- msedgeupdate.admx – Microsoft Edge更新の管理
- msedgewebview2.admx – WebView2設定の構成
ダウンロード先:Microsoft Edge Enterpriseランディングページ(https://aka.ms/EdgeEnterprise)
インストール場所:
- Active Directoryの中央ストア:
%systemroot%\sysvol\domain\policies\PolicyDefinitions
- ローカルコンピュータ:
C:\Windows\PolicyDefinitions
主要な更新制御ポリシー
UpdateDefault(更新ポリシーの既定の上書き)
場所:コンピュータの構成 > 管理用テンプレート > Microsoft Edge Update > アプリケーション
設定値:
- 値1:常に更新を許可(推奨)
- 値2:手動更新のみ
- 値3:自動サイレント更新のみ
- 値0:更新を無効化(非推奨)
Update(チャネル固有の更新ポリシー)
Stable、Beta、Dev、Canaryごとに異なる更新設定が可能。
レジストリパスはチャネル固有のGUIDを使用。
Microsoft IntuneとWSUS/SCCMの統合
Microsoft Intuneでのクラウドベース管理
手順:
- Microsoft Endpoint Manager管理センター(https://endpoint.microsoft.com)にサインイン
- デバイス > 構成(ポリシー配下)> 作成 > 新しいポリシー
- プラットフォーム:Windows 10以降、プロファイルの種類:設定カタログ
- Microsoft EdgeまたはMicrosoft Edge Updateの設定を検索して選択
- 値を構成
- Microsoft Entraグループに割り当てて展開
WSUS/SCCM(Configuration Manager)での管理
オンプレミスまたはハイブリッド環境に最適。
Configuration Manager 1910以降の機能:
- Microsoft Edgeアプリケーション(バージョン77以降)の展開
- ソフトウェア更新プログラムによるEdge更新の管理
- 組み込みダッシュボードによる展開状態の監視
設定手順:
- ソフトウェア更新ポイントコンポーネントの構成
- 製品タブで「Microsoft Edge」を有効化
- 分類タブで「更新プログラム」を有効化
- ソフトウェア更新プログラムの同期を実行
まとめ:継続的な保護と最適化のために
Microsoft Edgeのアップデートは、セキュリティ、パフォーマンス、生産性の3つの柱を強化する不可欠なプロセスです。
2025年9月の最新バージョン140.0.3485.94は、実際に悪用されているゼロデイ脆弱性CVE-2025-10585を含む重要な修正を提供しており、すべてのユーザーと組織が速やかに適用すべきです。
自動更新を有効に保つことで、ユーザーは手動介入なしに最新のセキュリティパッチと革新的な機能を受け取ることができます。
企業環境でのベストプラクティス
Extended Stable チャネルの8週間サイクルとBeta チャネルでのパイロット展開を組み合わせることで、セキュリティを維持しながら十分な検証時間を確保できます。
グループポリシー、Microsoft Intune、WSUS/SCCMの統合により、組織の規模とインフラに応じた柔軟な管理が実現します。
2025年の革新的機能
- Copilotモード
- AI駆動の履歴検索
- Microsoft Purview統合によるインラインDLP保護
- 300ミリ秒以下のFirst Contentful Paint達成
これらの機能は、Edgeがセキュリティブラウザとしてだけでなく、生産性ツールとしても進化していることを示しています。
推奨事項
ブラウザが現代の主要なワークスペースとなった今、更新を最新の状態に保つことは:
- 攻撃からの保護
- 日々の業務を改善するイノベーションへのアクセス
これらを意味します。
確認すべき項目:
- すべてのプラットフォームで自動更新が有効になっているか
- 組織のポリシーが適切に構成されているか
- 定期的に
edge://settings/help
で現在のバージョンを確認
2025年のサイバーセキュリティ環境において、タイムリーなブラウザ更新は選択肢ではなく、必須要件です。
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