「パソコンを起動するたびに、勝手にMicrosoft Edgeが開いて困る…」
「Google Chromeを使っているのに、なぜかEdgeが起動してしまう」
こんな経験はありませんか?
Microsoft Edge(マイクロソフト エッジ)は、Windowsに標準で入っているブラウザ(インターネットを見るソフト)です。でも、他のブラウザを使っている人にとっては、勝手に起動されると邪魔ですよね。
この記事では、Edgeが自動的に起動しないようにする方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。複数の設定箇所があるので、順番に確認していきましょう。
なぜEdgeが勝手に起動するの?

まず、どうしてEdgeが勝手に起動してしまうのか、その仕組みを理解しておきましょう。
Microsoftの戦略
MicrosoftはEdgeのシェア(利用者の割合)を増やしたいと考えています。
そのため、Windowsのアップデート(更新)のタイミングで、勝手にEdgeを自動起動する設定がオンになることがあります。
特に2024年9月のWindows Updateでは、ユーザーに確認なく自動起動設定が有効になったという報告が多数ありました。
自動起動の仕組み
Edgeが勝手に起動する原因は、主に以下の設定が関係しています。
1. Edge自体の自動起動設定
Edgeには「Windowsにサインインすると自動的に開く」という設定があります。
2. Windowsのスタートアップ機能
パソコン起動時に自動的に開くアプリを登録する機能です。
3. スタートアップブースト
Edgeをバックグラウンド(画面に表示されていない裏側)で起動しておく機能です。
4. 前回のアプリを再起動する機能
前回パソコンをシャットダウンしたときに開いていたアプリを、次回起動時に自動で開く機能です。
自動起動を止める7つの方法
それでは、Edgeの自動起動を止める方法を、効果が高い順番に紹介します。
すべて試す必要はありませんが、1つ試してダメだったら次の方法を試す、という形で進めてください。
方法1:Edge自体の設定をオフにする
難易度:★☆☆☆☆
効果:★★★★★
まずはEdge自体の設定から確認しましょう。
これが一番確実で効果の高い方法です。
手順
- Microsoft Edgeを起動する
- 画面右上の「…」(3つの点)をクリック
- 「設定」をクリック
- 左側のメニューから「スタート、ホーム、および新規タブ」を選択
- 下にスクロールする
- 「Windows デバイスの起動時」という項目を探す
- 「Windowsにサインインすると、Microsoft Edgeが自動的に開きます」のスイッチをオフにする
注意点
このオプションが表示されないEdgeのバージョンもあります。
表示されない場合は、次の方法に進んでください。
方法2:Windowsのスタートアップ設定で無効にする
難易度:★☆☆☆☆
効果:★★★★★
Windowsには、パソコン起動時に自動的に開くアプリを管理する「スタートアップ」という機能があります。
Windows 11の場合
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
- 左側のメニューから「アプリ」を選択
- 「スタートアップ」をクリック
- アプリの一覧から「Microsoft Edge」を探す
- スイッチをオフにする
Windows 10の場合
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
- 「アプリ」をクリック
- 左側のメニューから「スタートアップ」を選択
- アプリの一覧から「Microsoft Edge」を探す
- スイッチをオフにする
ポイント
この設定は、2024年9月のWindows Update以降、特に重要になりました。
アップデート時に勝手にオンにされることがあるので、定期的に確認しましょう。
方法3:タスクマネージャーで無効化する
難易度:★★☆☆☆
効果:★★★★☆
タスクマネージャーからもスタートアップを管理できます。
方法2と合わせて設定すると、より確実です。
手順
- タスクバー(画面下のバー)を右クリック
- 「タスクマネージャー」を選択
- 「スタートアップ」タブをクリック
- 一覧から「Microsoft Edge」または「msedge.exe」を探す
- 項目を選択して右クリック
- 「無効化」をクリック
確認方法
「状態」の列が「無効」になっていればOKです。
「有効」になっている場合は、上記の手順で無効にしてください。
方法4:スタートアップブーストを無効にする
難易度:★★☆☆☆
効果:★★★★☆
スタートアップブーストは、Edgeの起動を速くするための機能です。
でも、Edgeを使わない人にとっては、パソコンのメモリを無駄に使う邪魔な機能です。
スタートアップブーストとは?
この機能がオンになっていると、Edgeを起動していなくてもバックグラウンドでEdgeが動き続けます。
常にメモリを200MB程度消費するので、メモリが少ないパソコンでは動作が遅くなる原因になります。
無効化の手順
- Microsoft Edgeを起動
- 画面右上の「…」をクリック
- 「設定」をクリック
- 左側のメニューから「システムとパフォーマンス」を選択
- 「スタートアップブースト」のスイッチをオフにする
追加の設定
同じページにある以下の設定もオフにすることをおすすめします。
「Microsoft Edgeが終了してもバックグラウンドの拡張機能およびアプリの実行を続行する」
この設定がオンだと、Edgeを閉じてもバックグラウンドで動き続けます。
これもオフにしておきましょう。
方法5:サインインオプションを変更する
難易度:★★☆☆☆
効果:★★★☆☆
Windowsには、前回パソコンをシャットダウンしたときに開いていたアプリを、次回起動時に自動で開く機能があります。
手順
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」をクリック
- 「アカウント」を選択
- 「サインイン オプション」をクリック
- 「再起動可能なアプリを自動的に保存し、再度サインインしたときに再起動する」をオフにする
この設定の効果
この機能をオフにすると、前回Edgeを開いていても、次回起動時には自動で開かなくなります。
方法6:スタートアップフォルダを確認する
難易度:★★★☆☆
効果:★★☆☆☆
Windowsには「スタートアップフォルダ」という特殊なフォルダがあり、ここにショートカットを入れると自動起動します。
開き方
- キーボードの「Windowsキー」と「R」を同時に押す
- 「shell:startup」と入力
- 「OK」をクリック
確認と削除
開いたフォルダの中に「Microsoft Edge」のショートカットがあれば、それを削除してください。
通常は何も入っていませんが、念のため確認しておきましょう。
方法7:ロック画面の設定を変更する

難易度:★★☆☆☆
効果:★★☆☆☆
ロック画面(パソコンにサインインする前の画面)で「Windowsスポットライト」を使っていると、Edgeが自動起動することがあります。
手順
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」をクリック
- 「個人用設定」を選択
- 「ロック画面」をクリック
- 「ロック画面を個人用に設定」で「Windows スポットライト」以外を選択
例えば「画像」や「スライドショー」を選ぶと良いでしょう。
確認方法:本当に止まったかチェック
設定を変更したら、本当にEdgeの自動起動が止まったか確認しましょう。
確認手順
- パソコンを再起動する
- サインイン後、Edgeが開かないか確認
- タスクマネージャーを開く(タスクバーを右クリック→タスクマネージャー)
- 「プロセス」タブで「Microsoft Edge」がないか確認
バックグラウンドでの起動も確認
画面にEdgeが表示されていなくても、バックグラウンドで動いている可能性があります。
タスクマネージャーの「プロセス」タブで「msedge.exe」を探してみてください。
もし見つかったら、まだどこかの設定が残っている可能性があります。
この記事の方法を、もう一度最初から確認してみましょう。
それでも起動してしまう場合
すべての方法を試しても、まだEdgeが起動してしまう場合の対処法です。
Windows Updateを確認
Windowsのアップデートで設定が勝手に変更されることがあります。
- 「スタート」→「設定」→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 最新の状態にアップデート
- 再度この記事の設定を確認
Edgeのアップデートを確認
- Edgeを開く
- 右上の「…」→「設定」
- 左側の「Microsoft Edgeについて」をクリック
- 自動的に更新プログラムがチェックされる
- 最新版になったら、再度設定を確認
グループポリシーでの設定(上級者向け)
注意:この方法は上級者向けです。間違えるとWindowsの動作に影響します。
Windowsのグループポリシーを使って、より強制的にEdgeの自動起動を止めることもできます。
手順
- Windowsキー+Rを押す
- 「gpedit.msc」と入力してEnter
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「Microsoft Edge」
- 以下の項目をダブルクリックして「無効」に設定:
- 「Windowsの起動時、システムがアイドル状態のとき、およびMicrosoft Edgeを閉じるたびに、Microsoft Edgeの事前起動を許可する」
- 「Windowsの起動時およびMicrosoft Edgeを閉じるたびに、Microsoft Edgeを起動してスタートページと新しいタブページを読み込むことを許可する」
注意点
この方法は、Windows 11 HomeエディションやWindows 10 Homeエディションでは使えません。
ProエディションやEnterpriseエディションのみで利用できます。
よくある質問と答え
Q1. Edgeを完全にアンインストールできますか?
A. 基本的にはできません。
Edgeは、Windowsに深く組み込まれているため、通常の方法ではアンインストールできません。
無理にアンインストールすると、Windowsの動作に問題が出る可能性があります。
この記事で紹介した方法で自動起動を止めるだけで十分です。
Q2. 設定を変更しても、Windows Updateのたびに元に戻ってしまいます
A. 残念ながら、これはMicrosoftの仕様です。
Windows UpdateやEdgeの更新のタイミングで、設定が勝手に変更されることがあります。
特に大型アップデートの後は、設定を再確認することをおすすめします。
Q3. スタートアップブーストをオフにすると、何か問題はありますか?
A. Edgeを使わない人にとっては、全く問題ありません。
むしろ、メモリの節約になってパソコンの動作が軽くなります。
Edgeをメインブラウザとして使っている人も、起動速度の差はほとんど感じられないレベルです。
Q4. Chrome使っているのに、リンクをクリックするとEdgeが開きます
A. Edgeが「既定のブラウザ」に設定されているためです。
以下の手順で変更できます:
- 「スタート」→「設定」→「アプリ」
- 「既定のアプリ」をクリック
- 「Webブラウザー」をクリック
- 使いたいブラウザ(Chromeなど)を選択
Q5. PDFファイルを開くとEdgeが起動します
A. PDFファイルの関連付けがEdgeになっているためです。
以下の手順で変更できます:
- PDFファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「別のプログラムを選択」
- 使いたいプログラム(Adobe Readerなど)を選択
- 「常にこのアプリを使って.pdfファイルを開く」にチェック
- 「OK」をクリック
Edgeを使いたいときはどうする?
自動起動を止めても、必要なときにEdgeを使うことはできます。
起動方法
方法1:スタートメニューから
- 「スタート」ボタンをクリック
- アプリ一覧から「Microsoft Edge」を探してクリック
方法2:検索から
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- 「edge」と入力
- 表示された「Microsoft Edge」をクリック
方法3:ピン留め
よく使う場合は、タスクバーにピン留めしておくと便利です。
- Edgeを起動
- タスクバーのEdgeアイコンを右クリック
- 「タスクバーにピン留めする」をクリック
まとめ
Microsoft Edgeの自動起動を止める方法について解説しました。
効果が高い順番でまとめると:
- Edge自体の設定をオフ(最優先)
- 「Windowsにサインインすると自動的に開く」をオフ
- Windowsのスタートアップ設定で無効化(重要)
- 2024年9月以降、特に確認が必要
- タスクマネージャーで無効化(推奨)
- 方法2と合わせて設定
- スタートアップブーストをオフ(推奨)
- メモリの節約にもなる
- サインインオプションを変更(任意)
- 前回のアプリ再起動を防ぐ
- スタートアップフォルダを確認(念のため)
- 通常は何も入っていない
- ロック画面の設定を変更(必要に応じて)
- Windowsスポットライト使用時のみ
重要なポイント
- すべての方法を試す必要はありません。上から順番に試して、止まったら終了でOK
- Windows Updateのたびに確認。設定が勝手に戻ることがある
- 複数の設定を組み合わせると、より確実に止められる
Edgeの自動起動は邪魔ですが、この記事の方法で確実に止めることができます。
Google ChromeやFirefoxなど、好きなブラウザを快適に使いましょう!
設定は5分もあれば完了します。
今すぐ試して、煩わしい自動起動から解放されてくださいね。

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