資料を見ながら文章を書きたい。2つのウェブサイトを比較したい。動画を見ながら作業したい。そんな時、画面を何度も切り替えるのは面倒ですよね。
実は、Microsoft Edgeには画面を分割して2つのページを同時に表示できる便利な機能があります。タブを行ったり来たりする必要がなくなり、作業効率が大幅にアップするんです。
しかも、縦分割や横分割など、用途に応じて表示方法を選べます。複数のモニターを使えば、さらに快適な環境が作れますよ。
この記事では、Microsoft Edgeで2画面表示する方法を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
Edgeの2画面表示とは?

Microsoft Edgeで「2画面表示」と言う場合、主に以下の方法を指します。
1. 分割表示(Split Screen)
1つのウィンドウ内で、左右または上下に画面を分割して、2つのタブを同時に表示する機能です。
特徴:
- 1つのウィンドウで完結
- 簡単に切り替え可能
- 画面を有効活用できる
2. ウィンドウを並べて表示
複数のEdgeウィンドウを開いて、Windowsの機能で並べて表示する方法です。
特徴:
- それぞれが独立したウィンドウ
- 自由にサイズ調整できる
- 他のアプリとも組み合わせ可能
3. マルチモニター表示
2台以上のディスプレイを使って、それぞれの画面でEdgeを表示する方法です。
特徴:
- 最も広い作業スペース
- それぞれの画面をフル活用
- 本格的な作業環境
方法1:分割表示機能を使う【最も簡単】
EdgeにはWindows 11で追加された「分割表示」機能があります。
分割表示の手順
ステップ1:タブを準備する
- Microsoft Edgeを開く
- 表示したい2つのサイトをそれぞれタブで開く
- どちらかのタブをアクティブにする
ステップ2:分割表示を開始する
- タブを右クリック
- メニューから「タブを分割ビューで開く」を選択
- または「タブを垂直方向に分割」
- 画面が2つに分割される
- もう一方の画面に表示したいタブを選択
分割の種類
横並び(左右分割):
- デフォルトの表示方法
- 2つのサイトを比較するのに最適
- ショッピングサイトの比較などに便利
縦並び(上下分割):
- 縦に長いページの表示に最適
- 記事を読みながらメモを取る時に便利
- SNSのフィードを見る時に使いやすい
分割比率の調整
画面の分割比率は自由に変更できます。
調整方法:
- 2つの画面の境界線にマウスカーソルを合わせる
- カーソルが「⇔」の形に変わる
- そのままドラッグして移動
- 好みの比率で離す
おすすめの比率:
- 50:50 → 両方同じくらい見たい時
- 70:30 → メインとサブを分ける時
- 60:40 → バランス良く使いたい時
分割表示の解除
方法1:タブを閉じる
- どちらかのタブを閉じると、自動的に通常表示に戻る
方法2:分割を解除する
- タブを右クリック
- 「分割ビューを終了」を選択
方法3:タブをドラッグ
- 分割されているタブを通常のタブバーにドラッグ
方法2:Windowsのスナップ機能を使う
Windows標準の機能を使って、複数のウィンドウを整列させる方法です。
Windows 11のスナップレイアウト
Windows 11には、ウィンドウを簡単に整列できる「スナップレイアウト」機能があります。
手順:
- Edgeウィンドウを2つ開く
- それぞれに表示したいページを開いておく
- 1つ目のウィンドウの最大化ボタンにマウスカーソルを合わせる
- 画面右上の□マーク
- スナップレイアウトが表示される
- 6種類のレイアウトから選べる
- 左右に分割するレイアウトを選択
- 左半分(または右半分)にウィンドウが配置される
- もう一方の領域に表示するウィンドウを選択
- 2つのウィンドウが画面いっぱいに並ぶ
Windows 10のスナップ機能
Windows 10でも同様の機能が使えます。
手順:
- 1つ目のEdgeウィンドウを開く
- Windowsキー + 左矢印キーを押す
- ウィンドウが画面左半分に配置される
- 2つ目のEdgeウィンドウを開く
- Windowsキー + 右矢印キーを押す
- ウィンドウが画面右半分に配置される
ショートカットキー一覧
基本操作:
- Windowsキー + 左矢印:左半分に配置
- Windowsキー + 右矢印:右半分に配置
- Windowsキー + 上矢印:最大化
- Windowsキー + 下矢印:最小化または元のサイズに戻す
4分割:
- Windowsキー + 左(または右)
- 続けて上(または下)
- 画面の4分の1に配置される
方法3:タブグループ機能を活用する
タブグループは、関連するタブをまとめて管理する機能です。2画面表示と組み合わせると便利です。
タブグループの作成
手順:
- タブを右クリック
- 「タブをグループに追加」→「新しいグループ」を選択
- グループ名を入力(例:「参考資料」「作業用」)
- 色を選択
- 関連するタブをドラッグしてグループに追加
タブグループと分割表示の組み合わせ
活用例:
- 「調査用」グループと「作業用」グループを作成
- 「調査用」グループのタブを左側に表示
- 「作業用」グループのタブを右側に表示
- 効率的に作業を進められる
方法4:コレクション機能を使う
コレクションは、ウェブページやメモをまとめて保存する機能です。
コレクションの基本
作成手順:
- Edgeの右上の「コレクション」アイコンをクリック
- ハートと+のマーク
- 「新しいコレクション」を作成
- 名前をつける(例:「プロジェクトA」)
- ページを追加
- アドレスバーの右にある「+」をクリック
- または、ページを右クリック→「コレクションに追加」
コレクションを分割表示で使う
活用方法:
- コレクションを開く
- サイドバーで表示される
- メインウィンドウで作業しながら参照できる
- コレクション内のリンクをクリックすると、メインウィンドウで開く
マルチモニター環境での活用法
2台以上のディスプレイを使っている場合の最適な使い方です。
基本的な配置
パターン1:メイン画面で作業、サブ画面で参照
- メインモニター:Word、Excel、メールなどの作業
- サブモニター:Edgeで資料を表示
パターン2:両方にEdgeを表示
- メインモニター:作業中のページ
- サブモニター:参考資料や動画
パターン3:3画面以上
- モニター1:メイン作業
- モニター2:参考資料
- モニター3:コミュニケーション(メール、チャット)
ウィンドウの移動方法
マウスでの移動:
- ウィンドウのタイトルバーをドラッグ
- 別のモニターまで移動
- 好きな位置で離す
ショートカットキーでの移動:
- Shift + Windowsキー + 左矢印:左のモニターに移動
- Shift + Windowsキー + 右矢印:右のモニターに移動
マルチモニターでの注意点
ディスプレイ設定の確認:
- デスクトップを右クリック
- 「ディスプレイ設定」を選択
- モニターの配置を確認
- 必要に応じて並び順を調整
拡張モードの確認:
「表示画面を複製する」ではなく、「表示画面を拡張する」になっているか確認しましょう。
Macでの2画面表示方法

MacでもEdgeの2画面表示ができます。
Split View機能(macOS)
手順:
- Edgeウィンドウを2つ開く
- 1つ目のウィンドウの緑色のボタン(最大化ボタン)を長押し
- 「ウィンドウを画面左側にタイル表示」を選択
- 左半分にウィンドウが配置される
- 右側に表示するウィンドウを選択
- 2つのウィンドウが並んで表示される
ショートカットキー(Mac)
基本操作:
- Control + Command + F:フルスクリーン
- Command + N:新しいウィンドウ
- Command + T:新しいタブ
実用的な活用シーン
シーン1:レポート作成
左画面:参考資料のウェブページ
右画面:WordやGoogleドキュメント
テキストや画像をコピーしながら、スムーズに作業できます。
シーン2:オンラインショッピング
左画面:商品A
右画面:商品B
価格やスペックを比較しながら、最適な選択ができます。
シーン3:動画視聴しながら作業
左画面:YouTube、Netflix、Prime Videoなどの動画
右画面:メール返信、SNS、軽作業
動画を見ながらでも、他の作業を進められます。
シーン4:語学学習
左画面:英語のニュース記事
右画面:オンライン辞書や翻訳サイト
分からない単語をすぐに調べられます。
シーン5:プログラミング
左画面:コードエディタ
右画面:リファレンスやStack Overflow
コードを書きながら、すぐに情報を参照できます。
シーン6:データ入力
左画面:入力元のPDFや画像
右画面:入力先のフォームやスプレッドシート
効率的にデータを転記できます。
トラブルシューティング
分割表示オプションが表示されない
原因:
Edgeのバージョンが古い可能性があります。
対処法:
- Edge右上の「…」→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」
- 自動的に最新版への更新が始まる
- 更新後、Edgeを再起動
分割表示が突然解除される
原因:
タブを閉じる、別のタブに切り替えるなどの操作で解除されます。
対処法:
- もう一度分割表示を設定する
- または、ウィンドウを分けて表示する方法に切り替える
ウィンドウがうまく並ばない
原因:
スナップ機能が無効になっている可能性があります。
対処法(Windows 11):
- 設定→システム→マルチタスク
- 「ウィンドウのスナップ」がオンになっているか確認
- 下の詳細設定もすべてオンにする
対処法(Windows 10):
- 設定→システム→マルチタスク
- 「ウィンドウのスナップ」をオンにする
画面の境界がずれる
原因:
マウス操作のタイミングや精度の問題です。
対処法:
- ゆっくりとドラッグする
- ショートカットキーを使う
- スナップ機能を活用する
サブモニターに移動できない
原因:
ディスプレイ設定が正しくない可能性があります。
対処法:
- デスクトップ右クリック→「ディスプレイ設定」
- モニターの並び順を確認
- 「表示画面を拡張する」になっているか確認
- 必要に応じて配置を調整
便利な追加機能
垂直タブバー
タブを画面左側に縦に表示する機能です。
有効化:
- Edge右上の「…」→「設定」
- 「外観」を選択
- 「タブバーをカスタマイズ」→「垂直タブバー」を有効化
メリット:
- タブの数が多くても見やすい
- タブの名前が全部見える
- 横幅を有効活用できる
サイドバー機能
画面右側にツールを表示できます。
利用できるツール:
- Microsoft 365アプリ
- 辞書
- 翻訳
- 電卓
- カレンダー
使い方:
- Edge画面右上のサイドバーアイコンをクリック
- 使いたいツールを選択
- サイドバーに表示される
- メインウィンドウと同時に使える
リーディングモード
集中して記事を読みたい時に便利です。
起動方法:
- アドレスバー右側の本のアイコンをクリック
- 余計な広告や装飾が消える
- 読みやすい表示になる
2画面表示との組み合わせ:
- 左画面:リーディングモードで記事
- 右画面:メモ取り
パフォーマンスへの影響と対策
メモリ使用量の増加
2画面表示すると、メモリ使用量が増えます。
メモリとは、パソコンが作業に使う一時的な記憶領域のことです。
対策:
- 不要なタブを閉じる
- 使わない拡張機能を無効化
- 定期的にEdgeを再起動
バッテリー消費への影響
ノートパソコンでは、バッテリー消費が早くなります。
対策:
- 輝度を下げる
- 動画の自動再生を無効化
- 必要な時だけ2画面表示を使う
動作が重くなる場合
効率化モードを有効化:
- Edge右上の「…」→「設定」
- 「システムとパフォーマンス」を選択
- 「効率モード」を有効化
- パフォーマンスが向上する
よくある質問
Q1:3画面以上に分割できる?
Edge標準の分割機能は2画面までです。3画面以上表示したい場合は、複数のウィンドウを開いて、Windowsのスナップ機能で配置しましょう。
Q2:縦と横の分割を同時にできる?
標準機能では2分割のみです。より複雑な分割が必要な場合は、複数のウィンドウを組み合わせる必要があります。
Q3:分割表示の設定は保存される?
いいえ、Edgeを閉じると設定は保存されません。毎回設定し直す必要があります。ただし、ウィンドウの位置やサイズは記憶されることがあります。
Q4:スマホでも2画面表示できる?
Android版Edgeでは、Androidの分割画面機能を使えば可能です。ただし、画面が小さいため実用性は限定的です。
Q5:どのくらいのパソコンスペックが必要?
通常の使用なら、特別に高いスペックは不要です。ただし、メモリは最低8GB、できれば16GB以上あると快適です。
Q6:会社のパソコンでも使える?
はい。ただし、会社のポリシーで機能が制限されている場合があります。IT部門に確認しましょう。
まとめ:作業効率を劇的に向上させよう
Microsoft Edgeの2画面表示機能を使えば、作業効率が大きく向上します。
おすすめの方法:
初心者向け:
- Windowsのスナップ機能を使う
- 簡単で確実
- 他のアプリとも組み合わせ可能
中級者向け:
- Edge標準の分割表示機能
- 1つのウィンドウで完結
- タブグループと組み合わせて効率化
上級者向け:
- マルチモニター環境を構築
- 最も広い作業スペース
- プロフェッショナルな環境
ショートカットキーまとめ:
| 操作 | ショートカット |
|---|---|
| ウィンドウを左半分に | Windowsキー + 左矢印 |
| ウィンドウを右半分に | Windowsキー + 右矢印 |
| ウィンドウを最大化 | Windowsキー + 上矢印 |
| 新しいタブ | Ctrl + T |
| 新しいウィンドウ | Ctrl + N |
| タブを閉じる | Ctrl + W |
実用シーンまとめ:
- レポート作成:資料とエディタ
- 比較検討:2つの商品ページ
- 動画視聴:エンタメと作業
- 学習:教材と辞書
- 開発:エディタとリファレンス
- データ入力:元データと入力先
設定のポイント:
- スナップ機能を有効化
- タブグループで整理
- コレクション機能を活用
- 垂直タブバーも検討
- サイドバーツールを使いこなす
パフォーマンス最適化:
- 不要なタブを閉じる
- 効率モードを有効化
- 定期的に再起動
- メモリ使用量を監視
2画面表示を使いこなせば、タブの切り替え回数が減り、集中力も維持しやすくなります。資料を見ながら作業する、2つのサイトを比較する、動画を見ながら別の作業をするなど、様々なシーンで活躍します。
最初は慣れないかもしれませんが、一度習慣になると、もう元には戻れないくらい便利です。ぜひ、自分の作業スタイルに合った方法を見つけて、Microsoft Edgeの2画面表示を活用してください!

コメント