「Microsoft Edgeで『この署名の有効性を確認できませんでした』と表示されてファイルがダウンロードできない…」
ファイルをダウンロードしようとしたり、Webサイトにアクセスしようとしたりした際に、このようなエラーメッセージに遭遇したことはありませんか?
このエラーは、ファイルのデジタル署名やWebサイトの証明書に問題があると表示されるセキュリティ警告です。しかし、信頼できるサイトでも表示されることがあり、戸惑う方も多いでしょう。
この記事では、「署名の有効性を確認できませんでした」というエラーが表示される原因と、状況別の解決方法を詳しく解説していきます。
エラーメッセージの種類と意味

Microsoft Edgeでは、セキュリティに関連するさまざまなエラーメッセージが表示されることがあります。
よく表示されるエラーメッセージ
1. 「この署名の有効性を確認できませんでした」
- ファイルのデジタル署名が検証できない
- 証明書の検証に失敗した
2. 「安全にダウンロードすることはできません」
- HTTP通信でのファイルダウンロードがブロックされた
- 安全性が確認できないファイル
3. 「一般的にダウンロードされていません」
- Microsoft Defender SmartScreenによる警告
- ダウンロード頻度が低いファイル
4. 「このサイトは安全ではありません」
- SSL/TLS証明書に問題がある
- フィッシングサイトの可能性
これらのメッセージは、すべてMicrosoft Edgeのセキュリティ機能によって表示されます。
「署名の有効性を確認できませんでした」が表示される原因
原因1:デジタル署名の問題
ソフトウェアやファイルには、開発元を証明するための「デジタル署名」が付与されています。
デジタル署名とは:
- ファイルの発行元を証明する電子的な印
- ファイルが改ざんされていないことを保証
- 信頼できる証明機関(CA)が発行
署名の検証に失敗する理由:
- 署名が付与されていない
- 署名用の証明書が期限切れ
- 証明書が失効している
- 信頼されていない証明機関が発行した署名
原因2:証明書チェーンの問題
デジタル証明書は「証明書チェーン」という仕組みで信頼性を確認します。
証明書チェーンとは:
ルート証明書(最上位の信頼)
↓
中間証明書
↓
エンドエンティティ証明書(実際のファイル/サイト)
チェーンが切れる原因:
- 中間証明書がインストールされていない
- ルート証明書が信頼されたストアにない
- 証明書の発行者情報が不完全
原因3:システム時刻のズレ
証明書には有効期限があり、システム時刻がずれていると検証に失敗します。
時刻ズレによる影響:
- 証明書の有効期間外と判断される
- 時刻が未来にずれている場合も失敗
- タイムゾーンの設定ミス
原因4:HTTP通信でのダウンロード
Microsoft Edgeは、セキュリティ保護されていないHTTP通信からのダウンロードを段階的にブロックしています。
HTTPSとHTTPの違い:
- HTTPS:暗号化された安全な通信
- HTTP:暗号化されていない通信(警告対象)
Edge 124以降の変更:
2024年4月のEdge 124アップデート以降、HTTP通信でのファイルダウンロード時に警告が強化されました。
原因5:Microsoft Defender SmartScreen
SmartScreenは、ダウンロードしたファイルの安全性を自動的にチェックする機能です。
SmartScreenの動作:
- ファイルの評判を確認
- ダウンロード頻度の低いファイルに警告
- 既知のマルウェアをブロック
解決方法1:一時的にファイルをダウンロードする
信頼できるサイトからのダウンロードで警告が出た場合、一時的に許可してダウンロードできます。
手順:警告を無視してダウンロード
ステップ1:ダウンロード警告の確認
- ファイルのダウンロードを試みる
- 画面右上に「安全にダウンロードすることはできません」などのメッセージが表示される
ステップ2:メッセージからファイルを保存
- 表示されたメッセージにマウスカーソルを合わせる
- 「…」(その他のアクション)ボタンをクリック
- 「保存」をクリック
ステップ3:安全性の確認
「(ファイル名)を開く前に、信頼できることを確認してください」というメッセージが表示されます。
- ダウンロード元が信頼できるか確認
- 信頼できる場合:「削除」ボタン右側の「∨」をクリック → 「保持する」を選択
- 不明な場合:「削除」をクリック
重要な注意点:
- 必ず信頼できるサイトからのファイルのみ「保持する」を選択してください
- 不明なサイトからのファイルは、マルウェアの可能性があります
- ウイルス対策ソフトでスキャンすることを推奨します
解決方法2:サイトを例外設定に追加する
いつも利用している信頼できるサイトでエラーが出る場合、そのサイトを例外設定に追加できます。
手順:HTTP通信を許可する
ステップ1:Edgeの設定を開く
- Microsoft Edgeを起動
- 画面右上の「…」(設定など)をクリック
- 「設定」をクリック
ステップ2:セキュリティ設定を変更
- 左メニューで「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 右側で「セキュリティで保護されていないコンテンツ」をクリック
ステップ3:サイトを追加
- 「許可」セクションの「追加」ボタンをクリック
- ファイルをダウンロードするサイトのURLを入力
- 例:
http://example.com(http://から入力)
- 「追加」ボタンをクリック
ステップ4:設定を永続化する(オプション)
デフォルトでは、Edgeを閉じると追加したサイト情報が削除されます。設定を保持したい場合:
- 左メニューで「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 右側で「ブラウザーを閉じるたびにクリアするデータを選択する」をクリック
- 「サイトのアクセス許可」のスイッチをオフにする
注意事項:
- 信頼できるサイトのみ追加してください
- HTTP通信は暗号化されていないため、機密情報の送受信には適しません
- 可能な限り、HTTPSに対応したサイトを利用しましょう
解決方法3:証明書をインストールする
クライアント証明書が必要なサイトや、企業の社内システムにアクセスする場合、証明書のインストールが必要です。
手順:クライアント証明書のインストール
ステップ1:証明書ファイルの入手
- システム管理者から証明書ファイル(
.pfxファイル)を入手 - 証明書のパスワードも確認
ステップ2:証明書をインストール
- 証明書ファイル(
ユーザー名.pfxなど)をダブルクリック - 「証明書インポートウィザード」が開始される
- 保存場所:「現在のユーザー」を選択 → 「次へ」
- ファイル名が正しいことを確認 → 「次へ」
- パスワードを入力
- 「このキーをエクスポート可能にする」にチェック(必要に応じて)
- 「証明書の種類に基づいて、自動的に証明書ストアを選択する」を選択 → 「次へ」
- 「完了」をクリック
ステップ3:インストールの確認
- Edgeの「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「セキュリティ」→「証明書の管理」
- 「個人」タブを確認
- インストールした証明書が表示されていればOK
中間証明書のインストール(必要な場合)
「情報不足のため、この証明書を検証できません」と表示される場合、中間CA証明書が必要です。
手順:
- 証明書発行元のサイトから中間CA証明書をダウンロード
- ダウンロードした
.cerファイルをダブルクリック - 「証明書のインストール」をクリック
- 「証明書の種類に基づいて、自動的に証明書ストアを選択する」を選択
- ウィザードに従ってインストール完了
解決方法4:システム日時を修正する
証明書の有効期限チェックは、システム時刻に基づいて行われます。
手順:日時設定の確認と修正
Windows 10/11の場合:
ステップ1:日時設定を開く
- タスクバー右下の時刻表示をクリック
- 「日付と時刻の設定」または「日付と時刻の調整」をクリック
ステップ2:自動設定を有効にする
- 「時刻を自動的に設定する」をオンにする
- 「タイムゾーンを自動的に設定する」をオンにする
ステップ3:手動で同期
- 「今すぐ同期」ボタンをクリック(表示されている場合)
- PCを再起動
時刻がずれる原因:
- CMOS電池の消耗(デスクトップPC)
- マザーボードの故障
- デュアルブート環境でのWindowsとLinuxの時刻設定の競合
BIOSレベルで時刻がずれる場合:
CMOS電池の交換が必要な可能性があります。PCメーカーや修理業者に相談してください。
解決方法5:Edgeのキャッシュとクッキーをクリア

古い証明書情報がキャッシュに残っていると、エラーが発生することがあります。
手順:閲覧データのクリア
ステップ1:設定を開く
- Microsoft Edgeを起動
Ctrl + Shift + Deleteキーを同時に押す
- または、「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリア」
ステップ2:クリアする項目を選択
- 期間:「すべての期間」を選択
- 以下の項目にチェックを入れる:
- ☑ 閲覧履歴
- ☑ ダウンロード履歴
- ☑ Cookieおよびその他のサイトデータ
- ☑ キャッシュされた画像とファイル
- 「今すぐクリア」をクリック
ステップ3:Edgeを再起動
データクリア後、Edgeを完全に閉じて再起動してください。
注意点:
- クッキーをクリアすると、ほとんどのサイトでログアウト状態になります
- 保存したパスワードは削除されません(別項目)
解決方法6:SmartScreenの設定を調整する
Microsoft Defender SmartScreenの設定を確認・調整することで、エラーを回避できる場合があります。
手順:SmartScreen設定の確認
ステップ1:Edgeのセキュリティ設定
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「セキュリティ」セクションまでスクロール
ステップ2:SmartScreenの状態を確認
- 「Microsoft Defender SmartScreen」がオンになっているか確認
- 通常はオンのまま推奨(セキュリティ保護のため)
ステップ3:一時的に無効化する(非推奨)
どうしても必要な場合のみ:
- 「Microsoft Defender SmartScreen」をオフにする
- ファイルをダウンロード
- ダウンロード後、必ずオンに戻す
重要な警告:
SmartScreenを無効にすると、マルウェアやフィッシングサイトからの保護が失われます。無効化は最終手段として、一時的にのみ使用してください。
解決方法7:Edgeの修復と再インストール
上記の方法で解決しない場合、Edge自体に問題がある可能性があります。
手順:Edgeの修復
ステップ1:Windowsの設定を開く
- 「スタート」→「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」(Windows 11)
- Windows 10:「アプリと機能」
- 「Microsoft Edge」を検索
ステップ2:修復を実行
- Microsoft Edgeの右側にある「…」をクリック
- 「変更」を選択
- ユーザーアカウント制御の確認が出たら「はい」
- 「修復」ボタンをクリック
- 修復完了後、Edgeを再起動
修復で改善しない場合:再インストール
- 公式サイトからEdgeのインストーラーをダウンロード
- URL:https://www.microsoft.com/edge
- インストーラーを実行
- 既存のEdgeが自動的に更新される
注意:
ブックマーク、パスワード、設定は、Microsoftアカウントで同期していれば保持されます。念のため、事前にエクスポートしておくことを推奨します。
解決方法8:Windowsアップデートを実行
古いWindowsや証明書ストアが原因でエラーが出ることがあります。
手順:Windows Updateの実行
ステップ1:更新プログラムの確認
- 「スタート」→「設定」→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
ステップ2:すべての更新をインストール
- 利用可能な更新プログラムをすべてインストール
- PCを再起動
特に重要な更新:
- ルート証明書の更新
- セキュリティパッチ
- .NET Frameworkの更新
トラブルシューティング:よくある質問
Q1. 信頼できるサイトかどうか判断する方法は?
確認ポイント:
- URLを確認
- HTTPSで始まっているか
- スペルミスがないか
- 似た偽サイトでないか
- 運営元を確認
- 公式サイトか
- 連絡先情報が明記されているか
- 会社情報が確認できるか
- 評判を検索
- サイト名で検索して評判を確認
- レビューサイトで評価を見る
- ブラウザのアドレスバー
- 鍵マークが表示されているか
- 「保護された通信」と表示されているか
Q2. 「保持する」を選んでも安全?
判断基準:
保持しても安全な場合:
- 企業の公式サイト(メーカーサイトなど)
- 政府機関のサイト
- 大学や研究機関のサイト
- よく利用している信頼できるサイト
絶対に保持してはいけない場合:
- 知らないサイトからのファイル
- メールやSNSのリンクから飛んだサイト
- スペルが微妙に違う偽サイト
- アダルトサイトや違法サイト
不明な場合:
まずウイルス対策ソフトでスキャンしてから判断しましょう。
Q3. HTTPSサイトでもエラーが出るのはなぜ?
HTTPSサイトでもエラーが出る原因:
1. 証明書の期限切れ
- サイト運営者が証明書を更新していない
- 一時的な設定ミス
2. 中間証明書の不足
- サイト側の設定が不完全
- ブラウザが証明書チェーンを完成できない
3. 自己署名証明書
- 信頼された証明機関が発行していない証明書
- 社内システムなどで使用されることがある
対処方法:
- しばらく待ってから再度アクセス
- サイト運営者に連絡
- 別のブラウザで試してみる
Q4. スマートフォンでも同じエラーが出る?
はい、スマートフォン版のEdgeでも同様のエラーが表示されます。
スマホでの対処方法:
Android版Edge:
- ダウンロード警告が表示される
- 「…」メニューから「保存」を選択
- 信頼できる場合のみ「保持する」
iOS版Edge:
- 警告メッセージを確認
- 信頼できるサイトか判断
- 「続行」または「キャンセル」を選択
スマホでの注意点:
- 画面が小さいため、URLの確認が難しい
- より慎重に判断する必要がある
Q5. 企業のイントラネットでエラーが出る場合は?
企業内システムでエラーが出る場合、IT管理者に相談してください。
よくある原因:
- クライアント証明書が未インストール
- 社内認証局の証明書が信頼されていない
- プロキシ設定の問題
IT管理者が行う対処:
- 証明書の配布とインストール手順の提供
- グループポリシーでの証明書自動インストール
- SmartScreenの企業向け設定
個人で勝手に設定を変更すると、セキュリティポリシー違反になる可能性があります。
まとめ:エラー対処の基本フロー
Microsoft Edgeで「この署名の有効性を確認できませんでした」というエラーが表示された場合、以下の手順で対処してください。
ステップ1:状況を確認
- どのサイトでエラーが出たか
- ダウンロードしようとしているファイルは何か
- サイトは信頼できるか
ステップ2:簡単な対処から試す
- 一時的な許可
- 「…」→「保存」→「保持する」(信頼できる場合のみ)
- システム時刻の確認
- 日付と時刻が正しいか確認
- 自動設定をオンにする
- キャッシュのクリア
Ctrl + Shift + Delete- 閲覧データをクリア
ステップ3:設定変更が必要な場合
- サイトを例外設定に追加
- 「セキュリティで保護されていないコンテンツ」に追加
- 信頼できるサイトのみ
- 証明書のインストール
- 企業システムなど、必要な場合
- IT管理者の指示に従う
ステップ4:それでも解決しない場合
- Windowsアップデート
- 最新の更新プログラムをインストール
- Edgeの修復
- アプリの設定から「修復」を実行
- 専門家に相談
- IT管理者(企業の場合)
- PCサポート(個人の場合)
重要な注意事項
セキュリティを最優先に:
- 不明なファイルは絶対にダウンロードしない
- SmartScreenは基本的にオンのまま
- HTTPサイトからのダウンロードは慎重に
信頼できるサイトの見分け方:
- 公式サイトか確認
- HTTPSで通信されているか
- 評判を検索して確認
困ったときは:
- 無理に設定を変更しない
- 専門家に相談する
- 安全が確認できるまでダウンロードしない
Microsoft Edgeのセキュリティ警告は、あなたのPCを守るために表示されています。警告を安易に無視せず、本当に信頼できるファイルやサイトか確認してから操作するようにしましょう。
安全なブラウジングで、快適なインターネット利用を!

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