「さっき見たサイト、家族に見られたくない…」
「プレゼント探してるの、バレたくないな…」
「仕事のパソコンで個人的な調べ物、履歴残したくない…」
そんなとき便利なのが「シークレットモード」です!
Microsoft Edgeでは「InPrivateブラウズ」という名前で提供されています。この機能を使えば、閲覧履歴を残さずにWebサイトを見ることができるんです。
この記事では、シークレットモードの使い方から実用的な活用法、よくある誤解まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
シークレットモード(InPrivate)って何?

シークレットモードとは、閲覧履歴を残さずにWebサイトを見られる特別なブラウジングモードです。
普通のモードとの違い
通常のブラウジング
- 見たサイトの履歴が残る
- Cookieが保存される
- パスワードが記憶される
- 検索履歴が残る
シークレットモード(InPrivate)
- 見たサイトの履歴が残らない
- Cookieが保存されない(ウィンドウを閉じると削除)
- パスワードが記憶されない
- 検索履歴が残らない
簡単に言うと、「見た痕跡を残さずに使える特別なモード」です。
画面の見た目で分かる
InPrivateモードを使うと、画面全体が黒っぽくなります。
右上には青い「InPrivate」のアイコンが表示されるので、今シークレットモードで使っているかどうかがすぐに分かります。
シークレットモードの開き方(5つの方法)
自分に合った方法を選んでください。どの方法も簡単です!
方法1:キーボードショートカット(最速!)
一番早くて簡単な方法です。
Windows
Ctrl + Shift + N
Mac
Command + Shift + N
この3つのキーを同時に押すだけ。たったこれだけで、新しいInPrivateウィンドウが開きます。
方法2:メニューから開く
マウス操作だけで開きたい場合はこちら。
手順
- Edgeの右上にある「…」(3つの点)をクリック
- 「新しい InPrivate ウィンドウ」を選択
これだけで、黒い画面のInPrivateウィンドウが開きます。
方法3:タスクバーから開く
タスクバーにEdgeがピン留めされている場合に便利です。
手順
- タスクバーのEdgeアイコンを右クリック
- 「新しい InPrivate ウィンドウ」をクリック
これで直接InPrivateモードで起動できます。
方法4:スタートメニューから開く
手順
- スタートメニューで「Edge」と検索
- 検索結果のEdgeを右クリック
- 「新しい InPrivate ウィンドウ」を選択
スタートメニューからも簡単に開けます。
方法5:リンクをInPrivateで開く
特定のリンクだけをシークレットで見たいときに便利です。
手順
- リンクを右クリック
- 「InPrivate ウィンドウでリンクを開く」を選択
そのリンク先だけがInPrivateウィンドウで開きます。
何が保存されて、何が保存されないの?
これが最も大切なポイントです。しっかり理解しておきましょう。
InPrivateモードで保存されないもの
ウィンドウを閉じると自動的に削除されます:
削除されるデータ
- 閲覧履歴
- ダウンロード履歴(ファイル自体は残る)
- Cookie(クッキー)
- キャッシュ(一時ファイル)
- フォームに入力したデータ
- パスワード
- 住所や電話番号などの自動入力情報
- サイトの許可設定
InPrivateモードでも保存されるもの
意外かもしれませんが、以下は保存されます:
保存されるデータ
- お気に入り(ブックマーク)
- ダウンロードしたファイル本体
- コレクション
つまり、「お気に入りに追加」は通常通り使えますし、ファイルをダウンロードすればそのファイルは残ります。ただし、「いつダウンロードしたか」という履歴は残りません。
プロファイルのデータは使える
InPrivateモードでも、開くときに使ったプロファイルの以下のデータにアクセスできます:
- 保存済みのパスワード
- お気に入り
- 自動入力データ
これらは「使える」だけで、InPrivateで新しく保存されることはありません。
シークレットモードの便利な使い道7選
実際にどんな場面で使うのか、具体例を紹介します。
1. プレゼントや旅行の計画を秘密にしたい
家族や恋人へのサプライズプレゼントを探すとき。
通常モードで見ると、検索履歴やサイト履歴から気づかれてしまう可能性があります。InPrivateなら安心です。
2. 共用パソコンで個人的な調べ物
図書館や会社の共用パソコンを使うとき。
次に使う人に自分の閲覧履歴を見られたくない場合に便利です。
3. 複数アカウントに同時ログイン
同じサイトの別のアカウントに同時にログインしたいとき。
例
- 通常ウィンドウ:仕事用のGmailにログイン
- InPrivateウィンドウ:個人用のGmailにログイン
これで2つのアカウントを同時に使えます。
4. サイトのテストや確認
Webサイトを作っている人に特に便利です。
使い道
- Cookieの影響を受けない状態でサイトを確認
- ログインしていない状態の表示をチェック
- 検索結果のパーソナライズされていない状態を確認
5. 広告のパーソナライズを避ける
通常モードでは、検索履歴に基づいて広告が表示されます。
InPrivateなら過去の履歴に影響されない、中立的な検索結果や広告を見ることができます。
6. 誕生日や記念日のリサーチ
家族や友人の誕生日プレゼントのリサーチ。
「○○さんの好きなもの」を検索しても、履歴に残らないので安心です。
7. 医療や法律の相談内容を調べる
センシティブな情報を調べるとき。
病気の症状や法律相談など、他の人に知られたくない検索にも適しています。
InPrivateモードでできないこと・よくある誤解
重要:InPrivateは万能ではありません。以下の点を理解しておきましょう。
誤解1:「完全に匿名になる」
事実:匿名にはなりません
InPrivateモードを使っても、以下には見えています:
- インターネットサービスプロバイダ(ISP)
- 会社や学校のネットワーク管理者
- アクセスしたWebサイトの運営者
つまり、「このパソコンに履歴を残さない」だけで、インターネット上では普通に見えています。
誤解2:「ウイルスやマルウェアから守られる」
事実:セキュリティ機能が強化されるわけではありません
InPrivateモードにしても:
- 危険なサイトから守られるわけではない
- 広告ブロック機能が追加されるわけではない
- マルウェアの感染を防げるわけではない
セキュリティは通常モードと同じです。
誤解3:「ダウンロードも記録されない」
事実:ファイルは普通に残ります
InPrivateでダウンロードしたファイルは、通常と同じようにパソコンに保存されます。
削除されるのは「ダウンロード履歴」だけで、ファイル本体は残ります。
誤解4:「拡張機能も全部使える」
事実:ほとんどの拡張機能は無効になります
デフォルトでは、拡張機能はInPrivateモードでは動作しません。
これは、拡張機能が閲覧履歴を記録してしまうのを防ぐためです。必要な拡張機能は個別に許可できます。
InPrivateを常に使う設定方法(上級者向け)
「毎回InPrivateで起動したい」という場合の設定方法です。
デスクトップショートカットを作成
手順
- デスクトップに既存のEdgeショートカットをコピー
- コピーしたショートカットを右クリック→「プロパティ」
- 「リンク先」の末尾に以下を追加:
--inprivate
- 例:
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --inprivate
- 「OK」をクリック
- ショートカット名を「Edge InPrivate」などに変更
このショートカットから起動すれば、常にInPrivateモードで開きます。
タスクバーのショートカットを変更
タスクバーにピン留めしているEdgeを常にInPrivateで開く方法です。
手順
- タスクバーのEdgeアイコンを右クリック
- 「Microsoft Edge」を右クリック→「プロパティ」
- リンク先の末尾に「–inprivate」を追加
- 適用→OK
注意:この方法は管理者権限が必要な場合があります。
追跡防止機能を強化する
InPrivateモードの効果をさらに高める方法があります。
厳密な追跡防止を有効化
InPrivateモードでは、追跡防止を「厳密」に設定できます。
設定方法
- Edgeの「設定」を開く
- 「プライバシー、検索、サービス」を選択
- 「InPrivateで閲覧するときは、常に”厳密”な追跡防止を使用する」をオンにする
これで、さらに多くのトラッカー(追跡ツール)がブロックされます。
追跡防止レベルの違い
基本
- あまり訪問しないサイトのトラッカーをブロック
- ほとんどのサイトが正常に動作
バランス(推奨)
- 多くのトラッカーをブロック
- 大部分のサイトが正常に動作
厳密
- ほぼすべてのトラッカーをブロック
- 一部のサイトが正常に動作しない可能性
InPrivateでは「厳密」を設定しても問題ありません。なぜなら、設定はInPrivateウィンドウを閉じれば元に戻らないからです。
モバイル版でもInPrivateを使える
スマホやタブレットのEdgeでもInPrivateモードが使えます。
iPhone/iPadでの使い方
手順
- Edgeアプリを開く
- 下部の「…」(その他)をタップ
- 「新しい InPrivate タブ」をタップ
Androidでの使い方
手順
- Edgeアプリを開く
- 画面下部の「タブ」アイコンをタップ
- 「InPrivate」をタップ
- 「+」をタップして新しいタブを開く
よくある質問
Q1:InPrivateモードだと動作が遅くなりますか?
答え:少し遅く感じることがあります。
InPrivateモードでは、Cookieやキャッシュを使わないため、毎回サイトのデータを読み込む必要があります。そのため、2回目以降のアクセスでも高速化されません。
ただし、体感できるほどの差ではない場合がほとんどです。
Q2:InPrivateモードでログインできますか?
答え:できます。
普通にログインできます。ただし、ウィンドウを閉じるとログアウトされます。次回は再度ログインが必要です。
Q3:会社のネットワークで見ても大丈夫?
答え:管理者には見えています。
InPrivateモードでも、会社のネットワーク管理者はアクセス先を確認できます。業務外のサイトへのアクセスは避けましょう。
Q4:家族とパソコンを共有しています。InPrivateだけで十分?
答え:状況によります。
一時的な使用なら十分ですが、長期的には以下も検討してください:
- Windowsの別ユーザーアカウントを作成
- Edgeの別プロファイルを使用
これらの方が確実にプライバシーを保護できます。
Q5:拡張機能を使いたい場合は?
答え:個別に許可が必要です。
設定方法
- Edgeの「拡張機能」を開く
- 使いたい拡張機能を選択
- 「InPrivate で許可する」をオンにする
ただし、拡張機能によっては閲覧履歴を記録する可能性があるので注意してください。
Q6:InPrivateモードが使えなくなりました
答え:管理者が無効化している可能性があります。
学校や会社のパソコンでは、管理者がInPrivateモードを無効化していることがあります。
自分のパソコンで使えない場合は、Edgeの再インストールを試してください。
Q7:通常モードとInPrivateを同時に使えますか?
答え:使えます。
通常のEdgeウィンドウとInPrivateウィンドウは、同時に開いて使用できます。
タスクバーには別々のアイコンとして表示されます。
InPrivateモードを閉じる方法
使い終わったら、必ず閉じましょう。
通常の閉じ方
方法1:ウィンドウを閉じる
右上の「×」をクリックすれば、そのInPrivateウィンドウが閉じます。
方法2:InPrivateアイコンから閉じる
- 右上の青い「InPrivate」アイコンをクリック
- 「InPrivate ウィンドウを閉じる」をクリック
これで開いているすべてのInPrivateウィンドウが一度に閉じます。
ショートカットキーで閉じる
Windows
Ctrl + Shift + P
このショートカットで、すべてのInPrivateウィンドウを一度に閉じられます。
確実にデータを削除するために
InPrivateウィンドウを閉じれば、自動的にデータは削除されます。
ただし、確実を期すなら:
- すべてのInPrivateウィンドウを閉じる
- Edge自体も一度完全に終了する
これで完璧です。
セキュリティとプライバシーの追加対策
InPrivateモードだけでは不十分な場合の追加対策です。
VPNの使用を検討
より高いプライバシーを求めるなら、VPN(仮想プライベートネットワーク)の使用を検討しましょう。
VPNのメリット
- IPアドレスを隠せる
- ISPにも見られにくくなる
- 公共Wi-Fiでの安全性向上
プライバシー重視の検索エンジン
InPrivateモードと組み合わせて使うと効果的です。
おすすめの検索エンジン
- DuckDuckGo(追跡しない)
- Startpage(Googleの結果を匿名で)
- Brave Search
定期的なデータクリア
InPrivateを使っていても、念のため定期的にブラウザデータをクリアしましょう。
手順
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「今すぐ閲覧データをクリア」
- 「すべての期間」を選択
- 全項目にチェック
- 「今すぐクリア」
企業・教育機関での管理
管理者向けの情報です。
InPrivateモードの制御
企業や学校では、グループポリシーでInPrivateモードを制御できます。
設定オプション
- 有効(デフォルト):ユーザーが自由に使える
- 無効:InPrivateモードが使えない
- 強制:常にInPrivateモードで起動
セキュリティポリシーとの連携
Microsoft Defender や Azure Active Directory と連携すれば、InPrivateモードでも監査ログを記録できます。
これにより、プライバシーとセキュリティのバランスを取ることができます。
まとめ:InPrivateモードを賢く使おう
Microsoft EdgeのInPrivate(シークレット)モードについて解説しました。
この記事で学んだこと
InPrivateの基本
- 閲覧履歴を残さないモード
- Ctrl + Shift + N で簡単起動
- 画面が黒くなるのが目印
何が保存されて何が保存されないか
- 履歴、Cookie、パスワードは保存されない
- お気に入りとダウンロードファイルは保存される
- ウィンドウを閉じれば自動削除
便利な使い道
- プレゼント探し
- 共用パソコンの使用
- 複数アカウントへのログイン
- サイトのテスト
よくある誤解
- 完全匿名ではない
- ISPや管理者には見える
- セキュリティが強化されるわけではない
InPrivateモードを使うべき場面
以下のような場合に積極的に使いましょう:
使うべき場面
- 他人と共用するパソコンを使うとき
- サプライズの準備をするとき
- センシティブな情報を調べるとき
- Webサイトのテストをするとき
- 複数アカウントを使い分けるとき
通常モードで十分な場面
- 自分専用のパソコンで普段使い
- ログイン状態を保ちたいとき
- ダウンロード履歴も残したいとき
最後に
InPrivateモードは便利な機能ですが、万能ではありません。
覚えておくべきポイント
- パソコンに履歴を残さないだけ
- ネットワーク上では見える
- セキュリティは通常と同じ
プライバシーを守りたい場合は、InPrivateモードに加えて:
- 信頼できるセキュリティソフトを使用
- 怪しいサイトにはアクセスしない
- 必要に応じてVPNを利用
- 定期的にブラウザデータをクリア
これらを組み合わせることで、より安全にインターネットを楽しめます。
さあ、必要なときにはInPrivateモードを活用して、プライバシーを守りながら快適にWebを楽しみましょう!

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