「家族と共用のパソコンだから、見たサイトの履歴を消したい」
「仕事で使うパソコンでプライベートサイトを見てしまった」
「ページの表示がおかしいから履歴をリセットしたい」
こんな場面で役立つのが、Microsoft Edgeの閲覧履歴削除機能です。
この記事では、初心者の方でも安全に履歴を削除できるよう、手順と注意点を詳しく説明します。
閲覧履歴とは何か?理解してから削除しよう

閲覧履歴に含まれる情報
基本的な履歴情報
- 訪問したWebサイトのURL
- ページのタイトル
- 訪問した日時
- 訪問回数
- サイト内での滞在時間
関連する保存データ
- 検索キーワードの履歴
- フォームに入力した文字の履歴(オートコンプリート)
- ダウンロードしたファイルの履歴
- サイトに対する権限設定(カメラ、マイク、位置情報など)
履歴削除で影響を受ける機能
便利機能への影響
- よく使うサイトの候補表示がリセット
- 検索時の予測変換がリセット
- サイトへの自動ログイン情報が削除される場合
- お気に入りサイトの読み込み速度が一時的に遅くなる
個人設定への影響
- サイトごとの表示設定(文字サイズ、言語など)
- プライバシー設定(Cookie の許可状況など)
- 通知の許可設定
- ダークモード/ライトモードの設定
閲覧履歴を削除する4つの方法

方法1:キーボードショートカット(最速)
最も早く履歴削除画面にアクセスできる方法です。
操作手順
- Microsoft Edge を開く
- ショートカットキーを押す
- Windows:
Ctrl + Shift + Delete
- Mac:
Command + Shift + Delete
- Windows:
- 「閲覧データの消去」画面が表示される
この方法のメリット
- 最も早くアクセスできる
- 覚えやすいショートカット
- どのページを開いていても実行可能
方法2:メニューから操作(確実)
メニューを使った確実な方法です。
詳細な手順
- Edge を開く
- メニューを開く
- 画面右上の「…」(3つの点)をクリック
- 履歴を選択
- メニューから「履歴」をクリック
- 履歴管理画面へ
- 「履歴の管理」または「閲覧データを消去」をクリック
- 削除実行
- 「閲覧データを消去」ボタンをクリック
方法3:設定画面から操作(詳細設定可能)
最も詳細な設定ができる方法です。
ステップバイステップ手順
- 設定画面を開く
- 右上の「…」→「設定」をクリック
- または、アドレスバーに
edge://settings/
と入力
- プライバシー設定に移動
- 左サイドバーの「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 閲覧データのクリア
- 「閲覧データをクリアする」セクションを探す
- 「今すぐクリア」ボタンをクリック
- 詳細設定(必要に応じて)
- 「クリアするデータの選択」で詳細設定
- 自動削除の設定も可能
方法4:アドレスバー直接入力(上級者向け)
直接コマンド入力
- アドレスバーに
edge://settings/clearBrowserData
と入力 - Enter キーを押す
- 直接削除画面が表示される
削除できるデータの種類と選択のコツ

基本的な削除項目
閲覧履歴
- 訪問したWebサイトの記録
- 検索履歴
- 削除推奨度:★★★★★
ダウンロード履歴
- ダウンロードしたファイルのリスト(ファイル自体は削除されない)
- 削除推奨度:★★★☆☆
Cookie とその他のサイトデータ
- ログイン状態を保持するデータ
- サイトの設定情報
- 削除推奨度:★★★☆☆(注意:ログアウトされる)
高度な削除項目
キャッシュされた画像とファイル
- サイトの表示を速くするための一時ファイル
- 削除推奨度:★★★★☆(表示速度は一時的に低下)
パスワード
- 保存されたログイン情報
- 削除推奨度:★☆☆☆☆(慎重に判断)
オートフィル データ
- フォームに自動入力される個人情報
- 削除推奨度:★★☆☆☆(再入力が必要)
サイトのアクセス許可
- カメラ、マイク、位置情報の許可設定
- 削除推奨度:★★☆☆☆
削除する期間の選択
時間範囲の設定
- 過去1時間:直前の履歴のみ削除
- 過去24時間:今日の履歴を削除
- 過去7日間:1週間分の履歴を削除
- 過去4週間:1ヶ月分の履歴を削除
- すべての期間:すべての履歴を削除
場面別の推奨設定
- 共用PC使用後:過去24時間 + 閲覧履歴 + Cookie
- 定期メンテナンス:過去4週間 + 閲覧履歴 + キャッシュ
- トラブル解決:すべての期間 + すべてのデータ
- プライバシー重視:すべての期間 + 閲覧履歴 + Cookie + パスワード
自動削除の設定:手間を省く便利機能

Edge 終了時の自動削除設定
設定方法
- 設定画面を開く
- Edge メニュー →「設定」
- プライバシー設定へ
- 「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 自動クリア設定
- 「Microsoft Edge を閉じたときにクリアするデータを選択」をクリック
- 削除項目を選択
- 削除したい項目にチェックを入れる
- 毎回 Edge 終了時に自動削除される
推奨する自動削除設定
プライバシー重視の設定
- ☑ 閲覧履歴
- ☑ ダウンロード履歴
- ☑ Cookie とその他のサイトデータ
- ☑ キャッシュされた画像とファイル
- ☐ パスワード(自動削除は非推奨)
- ☐ オートフィル データ(自動削除は非推奨)
バランス重視の設定
- ☑ 閲覧履歴
- ☐ ダウンロード履歴
- ☐ Cookie とその他のサイトデータ(ログイン維持のため)
- ☑ キャッシュされた画像とファイル
- ☐ パスワード
- ☐ オートフィル データ
InPrivate ブラウズの活用
InPrivate モードとは
- 履歴を残さずにブラウジングできる機能
- 自動的に履歴が削除される
- プライベートな検索に最適
InPrivate モードの開き方
- ショートカット:
Ctrl + Shift + N
(Mac:Command + Shift + N
) - メニューから:「…」→「新しい InPrivate ウィンドウ」
InPrivate モードの特徴
- 閲覧履歴が保存されない
- Cookie が一時的のみ保存
- ダウンロード履歴は残る(ファイル自体も保存される)
- ブックマークと設定は通常通り使用可能
削除時の注意点とよくある問題

データ削除前の確認事項
重要な情報のバックアップ
- パスワードの確認
- 重要サイトのパスワードをメモまたは別途保存
- パスワード管理ツールの利用を検討
- ブックマークのバックアップ
- お気に入りサイトが削除されないか確認
- 必要に応じてブックマークをエクスポート
- 自動入力データの確認
- よく使うフォーム情報をメモ
- クレジットカード情報など重要データの別途保存
Microsoft アカウント同期への影響
同期が有効な場合の注意点
- 削除したデータが他のデバイスからも消える可能性
- スマートフォンやタブレットの Edge にも影響
- 職場と自宅のパソコンで同じアカウントを使っている場合
同期設定の確認方法
- 設定 →「プロファイル」
- 「同期」設定を確認
- 必要に応じて同期をオフにしてから削除実行
削除後に起こりうる問題と対処法
ログアウトされる
- 各サイトに再ログインが必要
- パスワードを忘れている場合はパスワードリセットを実行
サイトの表示が変わる
- Cookie 削除により、サイトの設定がリセット
- 言語設定、表示設定などを再設定
検索候補が出ない
- 検索履歴削除により、予測変換が効かない
- しばらく使用すれば新しい履歴が蓄積される
サイトの読み込みが遅い
- キャッシュ削除により、一時的に表示速度が低下
- 数回アクセスすれば元の速度に戻る
特定サイトのみの履歴削除

個別サイトの履歴削除方法
方法1:履歴画面から削除
Ctrl + H
で履歴画面を開く- 削除したいサイトを検索
- サイト名の右にある「×」をクリック
- 「削除」を確認
方法2:アドレスバーから削除
- アドレスバーに削除したいサイトの一部を入力
- 候補が表示されたら、削除したい項目を選択
Shift + Delete
キーを押す- その項目のみが履歴から削除される
サイト別の詳細設定
特定サイトの Cookie のみ削除
- 設定 →「Cookie とサイトのアクセス許可」
- 「すべての Cookie とサイト データを表示」
- 削除したいサイトを検索
- サイト名の右にある「削除」アイコンをクリック
サイト別の権限設定リセット
- 削除したいサイトを開く
- アドレスバー左の鍵アイコンをクリック
- 「このサイトのアクセス許可」で各項目をリセット
セキュリティとプライバシーの強化

より安全な閲覧のための設定
追跡防止の強化
- 設定 →「プライバシー、検索、サービス」
- 「追跡防止」を「厳格」に設定
- 「InPrivate ブラウズで常に厳格な追跡防止を使用」をオン
広告とトラッキングのブロック
- Microsoft Defender SmartScreen を有効化
- 「望ましくないアプリをブロック」をオン
- 「フィッシングサイトや悪意のあるソフトウェアから保護」をオン
プライベート検索の利用
- Bing の代わりに DuckDuckGo などの検索エンジンを使用
- 検索履歴を残さない検索エンジンの活用
- VPN の利用でより強固なプライバシー保護
定期的なメンテナンススケジュール
週次メンテナンス
- InPrivate ブラウズの積極的な活用
- 不要な拡張機能の確認と削除
- パスワードの定期的な変更
月次メンテナンス
- 全閲覧履歴の削除
- Cookie とキャッシュのクリア
- ダウンロードフォルダの整理
必要に応じて
- Microsoft アカウントからのデバイス削除
- 不要なサイトの権限削除
- セキュリティ設定の見直し
トラブルシューティング:削除できない場合の対処法

一般的な問題と解決策
削除ボタンが反応しない
- Edge を一度完全に終了して再起動
- 他のタブをすべて閉じてから再試行
- パソコン自体の再起動
一部のデータが削除されない
- 管理者権限で Edge を実行
- ウイルス対策ソフトを一時的に無効化
- Windows の「ディスククリーンアップ」を実行
削除後もサイトが覚えている
- サイト側のアカウント設定で履歴を削除
- ブラウザの完全リセットを検討
- 新しいユーザープロファイルの作成
Edge の完全リセット方法
プロファイルのリセット
- 設定 →「プロファイル」→「プロファイルをリセット」
- 「設定をリセットして復元」を実行
- すべての設定が初期状態に戻る
新規プロファイルの作成
- 設定 →「プロファイル」→「プロファイルの追加」
- 新しいプロファイルを作成
- 古いプロファイルは削除
まとめ:安全で効率的な履歴管理を習慣化しよう
Microsoft Edge の閲覧履歴削除は、プライバシー保護とブラウザの最適化の両方に効果的です。適切な方法と頻度で実行することで、安全で快適なWeb閲覧環境を維持できます。
今日から実践できること
基本の削除方法をマスター
Ctrl + Shift + Delete
のショートカットを覚える- 削除する項目の意味を理解する
- 適切な期間設定を選択する
自動化で手間を省く
- 終了時の自動削除設定を活用
- InPrivate ブラウズを日常的に使用
- 定期的なメンテナンスを習慣化
セキュリティ意識を高める
- 共用PC使用後は必ず履歴削除
- 重要な作業前後の履歴管理
- パスワード管理ツールの導入検討
使い分けのガイドライン
日常的な使用
- InPrivate ブラウズで機密性の高い検索
- 週1回程度の軽い履歴削除
- Cookie は基本的に残しておく
共用環境での使用
- 使用前後に必ず履歴削除
- すべてのデータを削除
- 自動削除設定の活用
トラブル解決時
- 全期間のデータを削除
- キャッシュとCookie も同時削除
- 必要に応じてブラウザリセット
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