Webサイトを見ていると、突然画面に広告やお知らせが飛び出してくることがありますよね。
これが「ポップアップ」と呼ばれるもので、時には便利ですが、ほとんどの場合は邪魔に感じます。
Microsoft Edgeには、こうした不要なポップアップをブロックする機能が標準で搭載されています。この記事では、ポップアップ設定の方法を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
ポップアップとは何か

ポップアップの基本
ポップアップ とは、Webサイトを閲覧している時に、自動的に新しいウィンドウやタブが開いたり、画面の上に別の小さなウィンドウが表示されたりする現象のことです。
英語の「Pop-up(飛び出す)」という言葉の通り、突然画面に現れるのが特徴です。
ポップアップの種類
広告ポップアップ
多くのWebサイトで見られる、商品やサービスの広告です。クリックを誘導する目的で表示されます。
お知らせポップアップ
ニュースサイトやブログで、「メールマガジン登録」や「プッシュ通知の許可」を求めるものです。
機能的なポップアップ
オンラインバンキングや電子申請システムなど、サービスを正常に利用するために必要なポップアップもあります。
ポップアップブロックが必要な理由
閲覧の邪魔になる
記事を読んでいる最中に広告が飛び出してくると、集中力が途切れてしまいます。
セキュリティリスク
悪質なポップアップの中には、ウイルスやマルウェアが仕込まれているものもあります。不用意にクリックすると、個人情報が盗まれる危険性があります。
通信量の無駄
スマートフォンでモバイルデータ通信を使っている場合、不要なポップアップの読み込みでデータ容量を消費してしまいます。
Microsoft Edgeのポップアップブロック機能は、こうした問題から守ってくれる大切な機能です。
ポップアップブロックの基本設定
ポップアップブロックを有効にする方法
Microsoft Edgeでは、ポップアップブロック機能が デフォルト(初期設定)で有効 になっています。つまり、特別な設定をしなくても、ほとんどのポップアップは自動的にブロックされます。
念のため、現在の設定を確認する手順を説明します。
ステップ1:Edgeの設定を開く
Microsoft Edgeを起動し、画面右上にある「…」(3つの点)のアイコンをクリックします。
メニューが表示されたら、「設定」を選択しましょう。
ステップ2:プライバシー設定に進む
設定画面が開いたら、左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリックします。
左側にメニューが表示されていない場合は、画面左上にある「≡」(三本線)のアイコンをクリックすると表示されます。
ステップ3:サイトのアクセス許可を開く
「プライバシー、検索、サービス」の画面を下にスクロールすると、「サイトのアクセス許可」という項目があります。
これをクリックし、さらに「すべてのアクセス許可」を選択します。
ステップ4:ポップアップ設定を確認する
「すべてのアクセス許可」の一覧から「ポップアップとリダイレクト」を見つけてクリックします。
ここで「ブロック済み(推奨)」のスイッチが青色(オン)になっていれば、ポップアップブロックが有効になっています。
設定へのショートカット
毎回この長い手順を踏むのは面倒ですよね。実は、別の方法もあります。
方法1:Cookieとサイトのアクセス許可から
設定画面の左メニューから「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択すると、直接「ポップアップとリダイレクト」にアクセスできます。
方法2:検索機能を使う
設定画面の上部にある検索ボックスに「ポップアップ」と入力すると、関連する設定が素早く見つかります。
ポップアップがブロックされた時の表示
ポップアップがブロックされると、アドレスバー(URLを入力する場所)の右側に ブロックアイコン が表示されます。
このアイコンをクリックすると、どのポップアップがブロックされたか確認できます。
特定のサイトでポップアップを許可する
なぜ特定サイトの許可が必要か
すべてのポップアップが悪いわけではありません。例えば:
- オンラインバンキングで明細を別画面で表示する
- チケット予約サイトで座席選択画面が開く
- 電子申請システムで書類プレビューが表示される
こうした 機能的なポップアップ は、サービスを利用する上で必要不可欠です。
特定サイトを許可リストに追加する方法
ステップ1:ポップアップ設定画面を開く
前述の手順で「ポップアップとリダイレクト」の設定画面を開きます。
ステップ2:許可セクションを見つける
画面を下にスクロールすると、「許可」というセクションがあります。
「ブロック済み(推奨)」がオンになっている場合、このセクションのタイトルは「ポップアップの送信とリダイレクトの使用を許可しました」となっています。
ステップ3:サイトを追加する
「追加」ボタンをクリックします。
小さなウィンドウが開くので、ポップアップを許可したいWebサイトのURLを入力します。
入力例:
https://www.example.com
URLは https:// から始まる完全な形式で入力しましょう。
ステップ4:追加を確定する
URLを入力したら「追加」ボタンをクリックします。
これで、指定したサイトからのポップアップは表示されるようになります。
ワイルドカードを使った設定
特定のドメイン全体を許可したい場合、ワイルドカード(*)を使うと便利です。
例:
[*.]example.com
この設定により、以下のすべてが許可されます:
- example.com
- www.example.com
- shop.example.com
- その他、example.comで終わるすべてのサブドメイン
アドレスバーから直接許可する方法
実は、もっと簡単な方法もあります。
ポップアップがブロックされた時にアドレスバーに表示されるブロックアイコンをクリックすると、「このサイトのポップアップとリダイレクトを常に許可する」というオプションが表示されます。
これを選択すれば、設定画面を開かずに許可リストに追加できます。
ポップアップブロックを一時的に無効にする
全サイトでブロックを解除する方法
どうしても必要な場合は、ポップアップブロックを完全に無効にすることもできます。
「ポップアップとリダイレクト」の設定画面で、「ブロック済み(推奨)」のスイッチを オフ(白色) にするだけです。
注意: この設定では、すべてのWebサイトでポップアップが表示されるようになります。広告やセキュリティリスクにさらされる可能性が高まるため、必要がなくなったら必ず再度オンに戻しましょう。
ブロックを解除する際のリスク
ポップアップブロックを無効にすると:
- 大量の広告が表示される可能性がある
- 悪質なサイトからのポップアップも表示される
- ブラウジング速度が遅くなることがある
- データ通信量が増加する
できる限り、個別にサイトを許可する方法を使うことをおすすめします。
ポップアップがブロックされない場合の対処法

Edgeを最新版に更新する
古いバージョンのEdgeでは、ポップアップブロック機能が正常に動作しないことがあります。
更新手順:
- 設定画面を開く
- 左メニューから「Microsoft Edgeについて」を選択
- 自動的に更新がチェックされ、利用可能な更新があればインストールされます
更新後は、Edgeを再起動しましょう。
サードパーティCookieをブロックする
一部のポップアップは、サードパーティCookie(第三者のWebサイトが設置するCookie)を利用しています。
設定方法:
- 設定→プライバシー、検索、サービスを開く
- 「Cookieとサイトデータ」の項目を見つける
- 「サードパーティのCookieをブロックする」をオンにする
ブラウザのキャッシュをクリアする
古いキャッシュデータが原因で、ポップアップブロックがうまく機能しないことがあります。
クリア手順:
- 設定→プライバシー、検索、サービスを開く
- 「閲覧データのクリア」セクションで「クリアするデータの選択」をクリック
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる
- 「今すぐクリア」をクリック
拡張機能の干渉をチェックする
インストールしている拡張機能(アドオン)が、ポップアップブロック機能と競合している可能性があります。
確認方法:
- 設定→拡張機能を開く
- 一時的にすべての拡張機能をオフにする
- ポップアップブロックが正常に機能するか確認する
- 問題が解決した場合、拡張機能を1つずつオンにして原因を特定する
それでもブロックされない場合
上記の方法を試してもポップアップが表示され続ける場合、それは以下のいずれかの可能性があります。
Webサイトの広告
ポップアップのように見えますが、実際にはWebページ内に埋め込まれた広告かもしれません。こうした広告は、Edgeのポップアップブロッカーでは防げません。
ユーザーアクションによるポップアップ
ボタンやリンクをクリックした結果として開くポップアップは、ブロックされません。これは正常な動作です。
マルウェアの可能性
デバイス自体がマルウェアに感染している可能性があります。Windowsセキュリティでスキャンを実行しましょう。
セキュリティとプライバシーのベストプラクティス
ポップアップブロックは常にオンにする
基本的に、ポップアップブロック機能は 常に有効 にしておくべきです。
必要な場合のみ、特定のサイトを許可リストに追加する方式が最も安全です。
信頼できるサイトのみ許可する
許可リストに追加するのは、以下のような信頼できるサイトに限定しましょう:
- 公式の銀行・証券会社サイト
- 政府機関の電子申請システム
- 企業の正規ECサイト
- 教育機関のオンラインシステム
見知らぬサイトや、出所が不明なサイトを安易に許可するのは避けてください。
不審なポップアップには注意
以下のようなポップアップは、フィッシング(詐欺)の可能性があります:
- 「ウイルスに感染しました」という警告
- 「今すぐクリックして賞品を獲得」といった文言
- 個人情報やクレジットカード情報を求めるもの
- 見慣れないセキュリティソフトのインストールを促すもの
こうしたポップアップが表示されても、絶対にクリックせず、ブラウザを閉じましょう。
リダイレクトにも注意
ポップアップブロック設定には「リダイレクト」という言葉も含まれています。
リダイレクト とは、あるWebページから別のページへ自動的に移動させられることです。
悪質なサイトでは、リダイレクトを使って偽の警告画面や詐欺サイトに誘導することがあります。Edgeのポップアップブロック機能は、こうした危険なリダイレクトも防いでくれます。
モバイル版Edgeでの設定
スマートフォン・タブレットでの設定方法
モバイルデバイスでも、ポップアップブロック機能を利用できます。
iOS(iPhone/iPad)の場合
- Edgeアプリを開く
- 画面下部の「…」(3つの点)をタップ
- 「設定」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップ
- 「ポップアップとリダイレクト」を見つけてタップ
- スイッチをオン・オフして設定
Androidの場合
- Edgeアプリを開く
- 画面下部の「…」をタップ
- 「設定」を選択
- 「サイトのアクセス許可」をタップ
- 「ポップアップとリダイレクト」を選択
- 「ブロック」のスイッチで設定
モバイルでの注意点
スマートフォンやタブレットでは、画面サイズが小さいため、ポップアップがより邪魔に感じられます。
また、モバイルデータ通信を使っている場合、不要なポップアップの読み込みで データ容量を無駄に消費 してしまいます。
モバイル版では特に、ポップアップブロックを有効にしておくことをおすすめします。
よくある質問
Q1:ポップアップブロックで正当なサービスが使えなくなった場合はどうすればいいですか?
そのサイトを許可リストに追加してください。アドレスバーのブロックアイコンから簡単に設定できます。
Q2:ポップアップブロックを有効にしても一部の広告が表示されるのはなぜですか?
Webページ内に埋め込まれた広告は、ポップアップではないためブロックされません。こうした広告をブロックしたい場合は、広告ブロック用の拡張機能を検討してください。
Q3:許可リストに追加したサイトを削除するには?
「ポップアップとリダイレクト」の設定画面で、許可リストの中から削除したいサイトを見つけ、右側にある「…」をクリックして「削除」を選択します。
Q4:会社や学校のパソコンでポップアップ設定が変更できません
管理者によって設定がロックされている可能性があります。IT部門に相談してください。
Q5:ポップアップブロックとプライベートブラウジングは関係ありますか?
InPrivate(プライベート)モードでも、通常のブラウジングと同じポップアップブロック設定が適用されます。ただし、InPrivateモードでは閲覧履歴やCookieが保存されないため、セッション終了後は許可した設定も消えます。
Q6:ポップアップブロックの例外設定はデバイス間で同期されますか?
Microsoftアカウントでサインインして同期を有効にしている場合、ポップアップ設定も他のデバイスと同期されます。
まとめ
Microsoft Edgeのポップアップブロック機能を正しく設定することで、より快適で安全なブラウジング体験が実現できます。
重要なポイント
- ポップアップブロックは初期設定でオンになっている
- 設定は「プライバシー、検索、サービス」→「サイトのアクセス許可」から変更可能
- 必要なサイトは個別に許可リストに追加する
- 全サイトでブロック解除するのはセキュリティリスクが高い
- 不審なポップアップには絶対にクリックしない
基本的には ポップアップブロックを有効 にしたまま、信頼できるサイトのみを許可する使い方がベストです。
この設定により、邪魔な広告やセキュリティリスクから守られながら、必要なサービスは問題なく利用できます。
まだポップアップブロック設定を確認していない方は、ぜひこの機会に一度チェックしてみてください。


コメント