「ファイアウォールの設定で、Microsoft Edgeによるネットワークへのアクセスを許可してください」
こんなメッセージが突然表示されて困っていませんか?
あるいは、特定のサイトから位置情報やカメラへのアクセスを求められて戸惑っていませんか?
Microsoft Edgeを使っていると、さまざまな「アクセス許可」に関する設定が必要になることがあります。でも、どこで何を設定すればいいのか分かりにくいですよね。
この記事では、Edgeのネットワークアクセス許可について、初心者の方でも分かるように丁寧に解説します。ファイアウォール設定から、サイトごとの細かい許可設定まで、すべて網羅しています。
それでは、さっそく見ていきましょう!
Microsoft Edgeの「アクセス許可」とは?

まず、アクセス許可の基本を理解しておきましょう。
ネットワークアクセス許可
Edgeがインターネットに接続するための許可です。WindowsのファイアウォールやセキュリティソフトがEdgeの通信をブロックしていると、インターネットにつながりません。
サイトのアクセス許可
ウェブサイトが、あなたの位置情報やカメラ、マイクなどにアクセスするための許可です。例えば、地図アプリが現在地を知りたいときなどに求められます。
ローカルネットワークアクセス許可
ウェブサイトが、あなたの家庭内ネットワーク(スマート家電など)にアクセスするための許可です。セキュリティ上、慎重に扱う必要があります。
今回は、これらすべての設定方法をご紹介します。
【最重要】Windowsファイアウォールでネットワークアクセスを許可する
「インターネットアクセスがブロックされています」というメッセージが表示される場合、まずはこの設定を確認しましょう。
手順1:Windows Securityを開く
- キーボードで「Windows + S」を押す
- 「Windows セキュリティ」と入力
- 表示された「Windows セキュリティ」をクリック
手順2:ファイアウォール設定を開く
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリック
- 「ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリック
- 「設定の変更」ボタンをクリック
※管理者権限が必要です
手順3:Microsoft Edgeを許可する
- 一覧から「Microsoft Edge」を探す
- 「プライベート」と「パブリック」の両方にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
Microsoft Edgeが一覧にない場合
- 「別のアプリの許可」ボタンをクリック
- 「参照」ボタンをクリック
- 以下のパスに移動してmsedge.exeを選択:
C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application - 「追加」ボタンをクリック
- プライベートとパブリックの両方にチェックを入れる
これで、Edgeがファイアウォールを通過できるようになります。
セキュリティソフトでのネットワークアクセス許可
Windowsファイアウォールだけでなく、セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)もEdgeの通信をブロックすることがあります。
主なセキュリティソフトでの設定方法
Norton(ノートン)の場合:
- Nortonを開く
- 「設定」→「ファイアウォール」をクリック
- 「プログラム制御」を選択
- 「Microsoft Edge」を探して「許可」に設定
McAfee(マカフィー)の場合:
- McAfeeを開く
- 「ファイアウォール」→「ネットアクセス」をクリック
- プログラムリストから「Microsoft Edge」を探す
- アクセスを「許可」に設定
ウイルスバスターの場合:
- ウイルスバスターを開く
- 「設定」→「ファイアウォール」をクリック
- 「アプリケーションの管理」を選択
- 「Microsoft Edge」を「許可」に設定
お使いのセキュリティソフトによって手順が異なるため、各製品のサポートページも確認してみてください。
Edge内でのサイトアクセス許可を管理する
特定のウェブサイトに対して、細かいアクセス許可を設定できます。
基本的な設定手順
- Edgeを開く
- 右上の「…」(3つの点)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 右側を下にスクロールして「サイトのアクセス許可」をクリック
- 「すべてのアクセス許可」をクリック
ここで、さまざまなアクセス許可を個別に設定できます。
主なアクセス許可の種類と設定方法
それぞれのアクセス許可について、詳しく見ていきましょう。
位置情報(場所)
地図アプリなどが現在地を知るために使います。
設定方法:
- 「すべてのアクセス許可」から「場所」を選択
- 「アクセスする前に確認する(推奨)」をオンにする
- 特定のサイトを常に許可またはブロックすることも可能
カメラとマイク
ビデオ会議アプリなどで使用します。
設定方法:
- 「カメラ」または「マイク」を選択
- 「アクセスする前に確認する(推奨)」をオンにする
- 信頼できるサイトだけを「許可」リストに追加
通知
ウェブサイトからの通知を受け取るかどうかの設定です。
設定方法:
- 「通知」を選択
- 「サイトが通知の表示を求めることができる」をオフにすれば、すべてブロック
- サイトごとに個別設定も可能
Cookie(クッキー)とサイトデータ
ウェブサイトがあなたのログイン情報などを保存するために使います。
設定方法:
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択
- 「Cookieデータの保存と読み取りをサイトに許可する(推奨)」を有効にする
- 特定のサイトだけブロックすることも可能
ポップアップとリダイレクト
広告などでよく使われる小さな画面のことです。
設定方法:
- 「ポップアップとリダイレクト」を選択
- 基本的には「ブロック(推奨)」にしておく
- 必要なサイトだけ「許可」リストに追加
JavaScript
ウェブサイトの動作に必要なプログラムです。
設定方法:
- 「JavaScript」を選択
- 基本的には「許可(推奨)」のまま
- JavaScriptをブロックすると、ほとんどのサイトが正常に動作しなくなります
ローカルネットワークアクセスを制御する

家庭内のスマート家電やプリンターなど、ローカルネットワーク上のデバイスへのアクセスを制御できます。
なぜこの設定が必要?
悪意のあるウェブサイトが、あなたの家庭内ネットワークにある機器に勝手にアクセスするのを防ぐためです。
設定方法:
- Edgeを開く
- アドレスバーに「edge://flags/#local-network-access-check」と入力してEnter
- 「Local Network Access Checks」のドロップダウンから選択:
- 「Enabled to block requests」:ブロックする(推奨)
- 「Enabled to show warnings」:警告を表示する
- 右下の「Restart」ボタンをクリック
通常のアクセス許可設定でも管理可能:
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」を開く
- 「サイトのアクセス許可」→「すべてのアクセス許可」をクリック
- 「ローカルネットワークアクセス」を選択
- 「アクセスする前に確認する(推奨)」をオンにする
拡張機能のサイトアクセス許可を変更する
インストールした拡張機能(広告ブロッカーなど)も、ウェブサイトのデータにアクセスする権限を持っています。
設定方法:
- Edgeを開く
- 右上の拡張機能アイコン(パズルピースマーク)をクリック
- 「拡張機能の管理」を選択
- 設定したい拡張機能の「…」(3つの点)をクリック
- 「サイト データの読み取りと変更が可能」の項目で選択:
選択肢の意味:
- クリック時のみ:拡張機能のアイコンをクリックしたときだけ動作
- 特定のサイト:指定したサイトでのみ動作
- すべてのサイト:どのサイトでも自動的に動作
セキュリティを考えると、「クリック時のみ」または「特定のサイト」がおすすめです。
トラブルシューティング:それでもつながらない場合
上記の設定をしてもEdgeがつながらない場合、以下を試してみてください。
VPNを使用している場合
VPNが原因でEdgeがブロックされることがあります。一時的にVPNを無効化して確認してみましょう。
DNSキャッシュをクリアする
- キーボードで「Windows + X」を押す
- 「Windows PowerShell(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキー:
ipconfig /flushdns
ネットワーク設定をリセットする
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開く
- 「ネットワークのリセット」をクリック
- 「今すぐリセット」をクリック
- パソコンを再起動
Edgeの設定をリセットする
- Edgeの「設定」を開く
- 「設定のリセット」を選択
- 「設定を復元して規定値に戻します」をクリック
- 「リセット」ボタンをクリック
セキュリティのベストプラクティス
アクセス許可を設定する際の注意点をまとめました。
許可は必要最小限に
すべてのサイトに無条件で許可を与えるのは危険です。信頼できるサイトだけに、必要な権限だけを与えましょう。
定期的に見直す
一度許可したサイトでも、もう使わなくなったら許可を取り消しましょう。「サイトのアクセス許可」から「許可」リストを定期的に確認することをおすすめします。
不審なリクエストは拒否
見知らぬサイトが突然カメラやマイクへのアクセスを求めてきたら、必ず拒否してください。本当に必要な場合は、そのサイトが信頼できるかよく確認しましょう。
ポップアップは基本的にブロック
ポップアップは広告や詐欺に使われることが多いです。基本的にはブロックして、必要なサイトだけ個別に許可するのが安全です。
ローカルネットワークアクセスは慎重に
家庭内ネットワークへのアクセスは、特に慎重に扱いましょう。信頼できるサービス(例:スマート家電の公式サイト)以外は許可しないことをおすすめします。
よくある質問
Q. ファイアウォールでEdgeを許可すると、セキュリティが弱くなりませんか?
A. Edgeは信頼できるMicrosoft製のブラウザなので、ファイアウォールで許可しても問題ありません。むしろ、適切に許可しないとインターネットが使えなくなります。ただし、見知らぬアプリは安易に許可しないよう注意してください。
Q. 会社のパソコンでもこれらの設定を変更できますか?
A. 企業環境では、IT部門がセキュリティポリシーで設定を管理していることがあります。「組織によって管理されています」と表示される場合は、システム管理者に相談してください。
Q. すべてのアクセス許可をブロックしたらどうなりますか?
A. JavaScriptや画像をブロックすると、ほとんどのウェブサイトが正常に表示されなくなります。必要な機能だけを許可して、不要な権限だけをブロックするのがおすすめです。
Q. サイトごとに設定を変えるのは面倒です。一括で設定できませんか?
A. 基本設定(「アクセスする前に確認する」など)を有効にしておけば、サイトがアクセスを求めるたびに確認画面が表示されます。そのとき判断すれば大丈夫です。
Q. 拡張機能の権限を減らすと、機能が使えなくなりますか?
A. 広告ブロッカーなど、すべてのサイトでアクセス権限が必要な拡張機能もあります。「クリック時のみ」に設定すると、手動で有効化する必要があります。使い勝手と安全性のバランスを考えて設定しましょう。
まとめ
Microsoft Edgeのネットワークアクセス許可について、設定方法をご紹介しました。
重要なポイント:
- ファイアウォールでEdgeを許可するのが最重要
- セキュリティソフトでもEdgeをブロックしていないか確認
- サイトのアクセス許可は「確認してから許可」が基本
- 位置情報、カメラ、マイクは慎重に許可する
- ローカルネットワークアクセスは特に注意が必要
- 拡張機能の権限も定期的に見直す
おすすめの設定:
- Windowsファイアウォールで「プライベート」「パブリック」両方を許可
- サイトのアクセス許可は「確認する」に設定
- ポップアップは基本的にブロック
- JavaScriptと画像は許可(でないとサイトが表示されない)
- 拡張機能は「クリック時のみ」または「特定のサイト」に設定
適切なアクセス許可の設定は、セキュリティと利便性のバランスが大切です。必要な機能は使えるようにしつつ、不要な権限は与えないよう心がけましょう。
これで、安全で快適なEdgeブラウジングが楽しめます!

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