「会社のネットワークに接続するためにプロキシ設定が必要って言われたけど、どうすればいいの?」
「EdgeのLAN設定ってどこにあるの?」
学校や会社でインターネットを使うとき、「プロキシ設定をしてください」と言われて困った経験はありませんか?あるいは、特定のサイトにアクセスするためにLAN設定を変更する必要があるけど、やり方が分からない…そんな悩みを抱えている方も多いはずです。
実は、Microsoft EdgeにはEdge単独のLAN設定やプロキシ設定がありません。EdgeはWindowsのシステム設定を使用します。でも安心してください。この記事では、Edgeで使うLAN設定(プロキシ設定)の方法を、初心者の方でも分かるように丁寧に解説します。
それでは、さっそく見ていきましょう!
プロキシとLAN設定って何?

まず、基本的な用語を理解しておきましょう。
プロキシサーバーとは?
プロキシサーバーは、あなたのパソコンとインターネットの間に入る「中継役」のようなものです。あなたがウェブサイトにアクセスする際、直接サイトにつながるのではなく、まずプロキシサーバーを経由してからサイトにつながります。
なぜプロキシが必要?
- セキュリティ向上:外部からの攻撃を防ぎやすくなります
- アクセス制御:会社や学校で、特定のサイトへのアクセスを管理できます
- 速度向上:よく見るサイトのデータをプロキシが保存して、表示を速くできます
- IPアドレスの隠蔽:あなたの実際のIPアドレスが見えなくなります
LAN設定とは?
LAN(ローカルエリアネットワーク)設定は、会社や学校などの内部ネットワークに接続するための設定です。プロキシ設定も、このLAN設定の一部として行います。
EdgeがWindowsの設定を使う理由
「なぜEdgeには独自のプロキシ設定がないの?」と思う方もいるでしょう。
システム統合のメリット
EdgeはWindowsのシステム設定を使うことで、以下のメリットがあります:
- 設定の一元管理:すべてのアプリで同じプロキシ設定を使える
- 変更が簡単:一か所変更すれば、Edge以外のアプリにも反映される
- 企業管理がしやすい:IT部門が一括で設定を管理できる
つまり、EdgeのLAN設定を変更するということは、Windowsのネットワーク設定を変更することになります。
【方法1】Windowsの設定からプロキシを設定する
最も簡単で一般的な方法です。
Windows 11の場合
ステップ1:設定を開く
- 「Windows + I」キーを同時に押す
- または、スタートボタン→「設定」(歯車マーク)をクリック
ステップ2:ネットワーク設定を開く
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 左側のメニューから「プロキシ」をクリック
ステップ3:プロキシを設定する
自動プロキシ設定の場合:
- 「設定を自動的に検出する」をオンにする
- ネットワークが自動的にプロキシ設定を検出してくれます
- または「セットアップスクリプトを使う」をオンにして、スクリプトのURL(例:http://proxy.example.com/proxy.pac)を入力
手動プロキシ設定の場合:
- 「手動プロキシセットアップ」の「プロキシサーバーを使う」をオンにする
- 「アドレス」欄にプロキシサーバーのアドレスを入力(例:proxy.company.com)
- 「ポート」欄にポート番号を入力(例:8080)
- 必要に応じて、プロキシを使わないアドレスを「次で始まるアドレス以外にプロキシサーバーを使用する」欄に入力
- 「保存」をクリック
Windows 10の場合
手順はWindows 11とほぼ同じです:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 「プロキシ」をクリック
- 自動または手動でプロキシを設定
【方法2】インターネットオプションから設定する(従来の方法)
Windows 7時代から続く、従来の方法です。こちらの方が詳細な設定ができます。
手順
ステップ1:インターネットオプションを開く
Edgeから開く方法:
- Edgeを開く
- 右上の「…」(3つの点)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「システムとパフォーマンス」をクリック
- 「コンピューターのプロキシ設定を開く」をクリック
コントロールパネルから開く方法:
- 「Windows + R」キーを押す
- 「control」と入力してEnter
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「インターネットオプション」をクリック
検索から開く方法:
- タスクバーの検索ボックスに「インターネットオプション」と入力
- 表示された「インターネットオプション」をクリック
ステップ2:LAN設定を開く
- 「接続」タブをクリック
- 下部にある「LANの設定」ボタンをクリック
ステップ3:プロキシを設定する
自動構成の場合:
- 「設定を自動的に検出する」にチェックを入れる
- または「自動構成スクリプトを使用する」にチェックを入れて、アドレス欄にスクリプトのURLを入力
手動設定の場合:
- 「LANにプロキシサーバーを使用する」にチェックを入れる
- 「アドレス」欄にプロキシサーバーのアドレスを入力
- 「ポート」欄にポート番号を入力
- ローカルアドレスにはプロキシを使わない場合は、「ローカルアドレスにはプロキシサーバーを使用しない」にチェック
- 「OK」をクリック
ステップ4:詳細設定(必要な場合)
- 「詳細設定」ボタンをクリック
- プロトコルごとに異なるプロキシサーバーを設定できます:
- HTTP用プロキシ
- Secure(HTTPS)用プロキシ
- FTP用プロキシ
- Socks用プロキシ
- 例外を設定する欄で、プロキシを使わないアドレスを指定できます
プロキシ例外の設定方法
「社内サイトはプロキシを使わずに直接アクセスしたい」という場合、例外設定が便利です。
例外の設定手順
- LAN設定画面で「詳細設定」をクリック
- 「次で始まるアドレスにはプロキシを使用しない」欄に、例外とするアドレスを入力
入力例:
*.company.com;192.168.*.*;localhost
説明:
*.company.com:company.comで終わるすべてのアドレス192.168.*.*:192.168で始まるすべてのローカルアドレスlocalhost:自分のコンピューター- セミコロン(;)で区切って複数指定できます
Edgeから直接プロキシ設定画面を開く方法

Edgeを使っていて、すぐにプロキシ設定を変更したい場合の便利な方法です。
方法1:設定メニューから
- Edgeを開く
- 右上の「…」→「設定」をクリック
- 検索ボックスに「プロキシ」と入力
- 「コンピューターのプロキシ設定を開く」をクリック
方法2:アドレスバーから
- Edgeのアドレスバーに以下を入力してEnter:
edge://settings/system
- 「コンピューターのプロキシ設定を開く」をクリック
どちらの方法でも、Windowsのプロキシ設定画面が開きます。
会社や学校でよくある設定パターン
実際の現場でよく使われる設定例をご紹介します。
パターン1:自動検出を使う(最も簡単)
- 「設定を自動的に検出する」をオンにするだけ
- ネットワークが自動的にプロキシを見つけてくれます
- 会社のネットワーク管理者が事前に設定している場合に有効
パターン2:PACスクリプトを使う
http://proxy.company.com/proxy.pac
このようなURLを指定することで、複雑なプロキシルールを自動適用できます。
パターン3:固定プロキシを使う
- アドレス:proxy.company.com
- ポート:8080
- 例外:.company.com;192.168..*
この設定で、社外サイトはプロキシ経由、社内サイトは直接アクセスになります。
コマンドラインでEdgeを起動する方法(上級者向け)
特定のプロキシ設定でEdgeを起動したい場合、コマンドラインオプションが使えます。
基本的な使い方
- 「Windows + R」キーを押す
- 以下のようなコマンドを入力:
プロキシサーバーを指定して起動:
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --proxy-server="proxy.example.com:8080"
プロトコルごとに異なるプロキシを指定:
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --proxy-server="http=proxy1:8080;https=proxy2:8080"
プロキシを使わずに起動:
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --no-proxy-server
PACスクリプトを指定:
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --proxy-pac-url="http://proxy.example.com/proxy.pac"
この方法は、一時的に異なるプロキシ設定でEdgeを使いたい場合に便利です。
プロキシ設定のトラブルシューティング
設定してもうまくいかない場合の対処法です。
問題1:設定したのにインターネットにつながらない
確認ポイント:
- プロキシサーバーのアドレスとポート番号が正しいか
- ユーザー名とパスワードが必要な場合、入力したか
- プロキシサーバーが稼働しているか
- ファイアウォールがEdgeをブロックしていないか
解決策:
- 設定を一度オフにして、直接接続できるか確認
- 他のブラウザで同じプロキシ設定が動作するか確認
- IT部門に設定内容を確認
問題2:社内サイトにアクセスできない
原因:
社内サイトもプロキシ経由になっている可能性があります。
解決策:
- プロキシ例外設定に社内サイトのアドレスを追加
- 「ローカルアドレスにはプロキシサーバーを使用しない」にチェックを入れる
問題3:プロキシ認証のダイアログが何度も表示される
原因:
ユーザー名やパスワードが保存されていない、または間違っています。
解決策:
- 正しい認証情報を入力
- 「資格情報を記憶する」にチェックを入れる
- それでもダメな場合は、IT部門に相談
問題4:設定を変更したのに反映されない
解決策:
- Edgeを完全に閉じて再起動
- パソコンを再起動
- タスクマネージャーでEdgeのプロセスがすべて終了しているか確認
プロキシ設定を確認・テストする方法
設定が正しく動作しているか確認する方法です。
方法1:接続テストサイトを使う
- Edgeで以下のサイトにアクセス:
- https://www.whatismyip.com/
- https://browserleaks.com/ip
- 表示されるIPアドレスがプロキシサーバーのものか確認
方法2:Edgeの開発者ツールで確認
- Edgeで「F12」キーを押す
- 「ネットワーク」タブをクリック
- 任意のサイトにアクセス
- リクエストヘッダーに「Via」や「X-Forwarded-For」が含まれていればプロキシ経由
方法3:コマンドで確認
- コマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを実行:
netsh winhttp show proxy
現在のプロキシ設定が表示されます。
企業環境での注意点
会社のパソコンでプロキシ設定を変更する場合の注意点です。
勝手に設定を変更しない
多くの企業では、IT部門がグループポリシーでプロキシ設定を管理しています。勝手に変更すると、以下の問題が起こる可能性があります:
- セキュリティポリシー違反
- 社内システムにアクセスできなくなる
- 業務に支障が出る
グループポリシーで管理されている場合
設定画面に「一部の設定は組織によって管理されています」と表示される場合があります。この場合、個人では変更できません。
変更が必要な場合の手順
- IT部門に連絡
- 変更が必要な理由を説明
- 許可を得てから変更、または代わりに設定してもらう
よくある質問
Q. EdgeとChromeで同じプロキシ設定を使えますか?
A. はい、どちらもWindowsのシステムプロキシ設定を使用するため、同じ設定が適用されます。Firefoxは独自のプロキシ設定を持っています。
Q. プロキシを使うと速度が遅くなりますか?
A. プロキシサーバーの性能や混雑状況によります。会社のプロキシは通常、よく見るサイトをキャッシュして速度を上げていますが、遠くのプロキシサーバーを使うと遅くなることもあります。
Q. 自宅でもプロキシ設定が必要ですか?
A. 通常は不要です。自宅の一般的なインターネット接続では、プロキシ設定なしで使えます。プライバシー保護のために自分でプロキシサービスを契約している場合は別です。
Q. プロキシとVPNの違いは何ですか?
A. プロキシはブラウザの通信のみを中継しますが、VPNはパソコン全体の通信を暗号化して中継します。VPNの方がセキュリティは高いですが、プロキシの方が設定は簡単です。
Q. プロキシ設定を削除するにはどうすればいいですか?
A. プロキシ設定画面で「プロキシサーバーを使う」をオフにするだけです。または「設定を自動的に検出する」もオフにすれば、完全にプロキシを無効化できます。
まとめ
Microsoft EdgeのLAN設定(プロキシ設定)について、詳しく解説しました。
重要なポイント:
- EdgeはWindowsのシステムプロキシ設定を使用する
- Edge単独のプロキシ設定はない
- 設定方法は主に2つ:Windowsの設定 or インターネットオプション
- 自動設定と手動設定がある
- 企業環境では勝手に変更しない
おすすめの設定方法:
初心者の方:
- Windowsの「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」
- 「設定を自動的に検出する」をオンにする
- または、IT部門から指定されたアドレスとポートを手動設定
詳細設定が必要な方:
- インターネットオプション→「接続」タブ→「LANの設定」
- プロトコルごとの設定や例外設定を行う
一時的に変更したい方:
- コマンドラインオプションでEdgeを起動
プロキシ設定は、正しく設定すれば安全で快適なインターネット接続ができます。会社や学校でインターネットを使う際は、IT部門の指示に従って設定してくださいね。
この記事が、皆さんのEdge LAN設定の参考になれば幸いです!

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