「Edgeでインターネットオプションってどこにあるの?」
Windows 11や10でMicrosoft Edgeを使っていると、従来のInternet Explorerにあった「インターネットオプション」が見つからず困ることありますよね。
実は、Microsoft Edgeには従来のような「インターネットオプション」メニューは存在しないんです。
しかし、Windowsシステム全体のインターネット設定にはアクセスできますし、Edge独自の詳細設定もあります。
この記事では、インターネットオプションの開き方、各設定項目の説明、そしてEdge独自の設定方法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
インターネットオプションとは?

まず、「インターネットオプション」が何なのかを理解しましょう。
Internet Explorer時代の設定画面
インターネットオプションは、Internet Explorer(IE)専用の詳細設定画面として存在していました。
ここでは以下のような設定が可能でした:
- セキュリティ設定:信頼済みサイトの登録、セキュリティレベルの変更
- プライバシー設定:Cookie管理、ポップアップブロック
- 接続設定:プロキシサーバー、ダイヤルアップ設定
- 詳細設定:TLS/SSL、暗号化プロトコルの設定
- プログラム設定:既定のブラウザ指定
Windows 7以前では、コントロールパネルから簡単にアクセスできたため、多くのユーザーが慣れ親しんでいました。
Microsoft Edge時代の変化
Microsoft EdgeはChromiumベースのブラウザとして再設計されたため、従来のInternet Explorerとは完全に別物です。
そのため、Edgeには「インターネットオプション」という概念がなく、Edge独自の設定画面を使用します。
重要なポイント:
- EdgeにはIEのような「インターネットオプション」メニューはありません
- Windowsシステムレベルの「インターネットオプション」は依然として存在します
- Edge独自の設定は「edge://settings」からアクセスします
インターネットオプション(インターネットのプロパティ)の開き方
Windowsシステム全体の「インターネットオプション」を開く方法を紹介します。
どの方法でも同じ設定画面が開きますので、やりやすい方法を選んでください。
方法1:ファイル名を指定して実行(最速)
キーボード操作に慣れている人におすすめの方法です。
手順:
- キーボードの Windows + R キーを同時に押します
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが開きます
- 名前欄に以下を入力します:
inetcpl.cpl
- Enter キーを押すか「OK」をクリックします
- 「インターネットのプロパティ」画面が開きます
この方法が最も速く、覚えておくと便利ですよ。
方法2:スタートメニュー検索
一番わかりやすい方法です。
手順:
- タスクバーの スタートボタン をクリックします
(またはキーボードの Windows キーを押します) - 検索ボックスに「インターネットオプション」と入力します
- 検索結果に「インターネットオプション」が表示されます
- クリックして起動します
初心者の方はこの方法が最も確実です。
方法3:コントロールパネルから(Windows 11)
コントロールパネル経由でアクセスする方法です。
手順:
- スタートボタン を右クリックします
- 表示されたメニューから「ファイル名を指定して実行」を選択します
- 「control」と入力して Enter を押します
- コントロールパネルが開きます
- 右上の「表示方法」を 「大きいアイコン」 または 「小さいアイコン」 に変更します
- 一覧から「インターネットオプション」をクリックします
表示方法が「カテゴリ」の場合:
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「インターネットオプション」をクリック
方法4:Windows設定から(Windows 11)
Windows設定画面からアクセスする方法です。
手順:
- Windows + I キーを押して設定を開きます
(またはスタートボタンから「設定」をクリック) - 左側のメニューから 「ネットワークとインターネット」 をクリックします
- 下にスクロールして 「ネットワークの詳細設定」 をクリックします
- 「関連設定」セクションにある 「インターネットオプション」 をクリックします
- 「インターネットのプロパティ」画面が開きます
方法5:タスクトレイから(Windows 11)
ネットワークアイコンから素早くアクセスする方法です。
手順:
- タスクバー右下の ネットワークアイコン を右クリックします
(Wi-Fiマークまたはイーサネットアイコン) - 「ネットワークとインターネットの設定」 をクリックします
- 「ネットワークの詳細設定」 をクリックします
- 「インターネットオプション」 をクリックします
インターネットオプションの各タブと設定内容
「インターネットのプロパティ」画面には7つのタブがあります。
それぞれの役割を理解しましょう。
「全般」タブ
主な設定項目:
ホームページ:
- Internet Explorerを起動した時に最初に表示されるページを設定
- 現在は主にIEモード使用時に影響
タブ:
- タブブラウジングの動作設定
- ポップアップの扱い方
閲覧の履歴:
- 終了時に閲覧履歴を削除する設定
- 「削除」ボタンから手動で履歴クリア可能
検索:
- 既定の検索プロバイダーの設定
外観:
- 色、言語、フォント、アクセシビリティの設定
注意点:
これらの設定は主にInternet Explorerまたは、EdgeのIEモードで有効です。Edge本体の動作には影響しません。
「セキュリティ」タブ
Webサイトごとにセキュリティレベルを設定できます。
4つのゾーン:
インターネット:
- 一般的なWebサイト
- 既定レベル:中高
ローカルイントラネット:
- 企業内ネットワークのサイト
- 既定レベル:中低
信頼済みサイト:
- 安全だと確認したサイトを手動で登録
- セキュリティレベルを下げても安全
制限付きサイト:
- 危険なサイトを登録
- アクセス制限を強化
よく使う機能:
信頼済みサイトへの追加:
- 「セキュリティ」タブで「信頼済みサイト」を選択
- 「サイト」ボタンをクリック
- Webサイトのアドレス(URL)を入力
- 「追加」ボタンをクリック
- 「閉じる」をクリック
これにより、特定のサイト(例:会社の業務システム)で必要な設定を許可できます。
レベルのカスタマイズ:
「レベルのカスタマイズ」ボタンから、ActiveXコントロール、スクリプト、ダウンロードなど細かい設定が可能です。
保護モード:
有効にすると、悪意のあるソフトウェアからPCを保護します(Windows Vista以降)。
「プライバシー」タブ
プライバシーとデータ保護に関する設定です。
主な設定:
Cookie:
- スライダーでCookie受け入れレベルを調整
- 「詳細設定」からファーストパーティ/サードパーティCookieを個別設定
ポップアップブロック:
- ポップアップウィンドウを自動的にブロック
- 「設定」から許可するサイトを登録可能
位置情報:
- WebサイトがPCの物理的な位置を要求することを許可/拒否
InPrivateブラウズ:
- InPrivateモード時のツールバーと拡張機能の設定
注意:
EdgeではEdge独自のプライバシー設定を使用するため、ここでの設定は主にIEモードに影響します。
「コンテンツ」タブ
証明書とオートコンプリートに関する設定です。
主な機能:
証明書:
- デジタル証明書の管理
- 電子署名や暗号化通信で使用
オートコンプリート:
- フォームへの入力を自動補完
- ユーザー名やパスワードの記憶
フィード:
- RSSフィードの設定(IE用)
ファミリーセーフティ:
- 保護者による制限機能
これらの設定も主にIE時代の機能ですが、証明書管理はシステム全体に影響します。
「接続」タブ
インターネット接続とプロキシに関する設定です。
主な設定:
ダイヤルアップと仮想プライベートネットワークの設定:
- VPN接続の管理
- ダイヤルアップ接続の設定
ローカルエリアネットワーク(LAN)の設定:
- 「LANの設定」ボタン が最も重要
LANの設定で可能なこと:
- 「LANの設定」ボタンをクリック
- 以下の設定が可能:
- 自動構成スクリプトの使用
- プロキシサーバーの設定
- 自動的に設定を検出
プロキシ設定の例:
企業ネットワークでインターネットにアクセスする場合、プロキシサーバーの設定が必要なことがあります。
- 「プロキシサーバー」の「LANにプロキシサーバーを使用する」にチェック
- アドレスとポートを入力
- 「OK」をクリック
重要:
プロキシ設定はWindowsシステム全体に影響し、Microsoft EdgeやChromeなどのブラウザでも適用されます。
「プログラム」タブ
インターネットプログラムの管理設定です。
主な設定:
既定のWebブラウザー:
- Internet Explorerを既定のブラウザーに設定
- 現在はほぼ使用されません
HTMLエディター:
- HTMLファイルを編集するプログラムの指定
電子メール、ニュースグループ、インターネット電話など:
- 各種インターネットサービスで使用するプログラムの指定
注意:
これらの設定は主にIE時代の機能です。現在は各アプリケーション側で設定することが一般的です。
「詳細設定」タブ
上級者向けの細かい設定項目が多数あります。
主な設定カテゴリ:
セキュリティ:
- SSL/TLSプロトコルのバージョン設定
- 証明書の検証オプション
- 暗号化レベルの設定
マルチメディア:
- 画像、アニメーション、サウンドの表示設定
ブラウズ:
- HTTP/1.1の設定
- スクリプトエラーの表示
国際:
- 文字コード自動選択など
重要な設定:TLS/SSL
古いWebサイトにアクセスする必要がある場合、TLS設定を変更することがあります。
- 「詳細設定」タブを開く
- 下にスクロールして「セキュリティ」セクションを探す
- 以下の項目を確認:
- TLS 1.0の使用
- TLS 1.1の使用
- TLS 1.2の使用
- TLS 1.3の使用(最新)
セキュリティ上の注意:
TLS 1.0と1.1は古く脆弱なため、特別な理由がない限りオフにしておくことを推奨します。
設定の初期化:
「既定値に戻す」ボタンをクリックすると、詳細設定をすべて初期状態に戻せます。
Microsoft Edge独自の設定へのアクセス方法
EdgeにはEdge専用の設定画面があります。
こちらの方が現在のEdgeユーザーには重要です。
Edge設定画面の開き方
方法1:メニューから
- Edgeを起動します
- 右上の 「…」(設定など) をクリックします
- メニューから 「設定」 を選択します
- Edge設定画面が開きます
方法2:URLから直接
アドレスバーに以下を入力して Enter を押します:
edge://settings
これが最も速い方法です。
Edge設定の主な項目
Edge設定画面には以下のような項目があります:
プロファイル:
- アカウント同期
- パスワード管理
- 支払い情報
- アドレスと連絡先
プライバシー、検索、サービス:
- トラッキング防止
- Cookie管理
- サイトのアクセス許可
- Microsoft Defender SmartScreen
外観:
- テーマ(ダーク/ライト)
- フォント
- ツールバーのカスタマイズ
サイトのアクセス許可:
- Cookie
- 位置情報
- カメラとマイク
- 通知
- ポップアップとリダイレクト
既定のブラウザー:
- 既定のブラウザー設定
- Internet Explorerモードの設定
ダウンロード:
- ダウンロード先フォルダ
- ダウンロード動作
システムとパフォーマンス:
- ハードウェアアクセラレーション
- 効率モード(バッテリー節約)
- スタートアップブースト
これらの設定は、従来のInternet Explorerの「インターネットオプション」に相当する機能を含んでいます。
Internet Explorerモード(IEモード)の設定
EdgeでIEモードを使うと、古いWebサイトをInternet Explorer互換で表示できます。
IEモードとは?
Internet Explorer専用に作られた古いWebサイトやシステムを、Edge上で動作させる機能です。
使用例:
- 企業の古い業務システム
- 銀行のネットバンキング(一部)
- 電子申請システム
- ActiveXコントロールを使用するサイト
IEモードの有効化(個人向け)
手順:
- Edgeのアドレスバーに以下を入力して Enter を押します:
edge://settings/defaultbrowser
- 「既定のブラウザー」設定ページが開きます
- 「Internet Explorerモードでサイトの再読み込みを許可」 のトグルスイッチを オン にします
- Edgeを再起動します
注意:
企業管理のPCでは、この設定がグレーアウトして変更できない場合があります。その場合はIT管理者に相談してください。
IEモードで特定のサイトを開く
一時的にIEモードで開く:
- 開きたいWebページにアクセスします
- 右上の 「…」 をクリックします
- 「Internet Explorerモードで再読み込みする」 を選択します
- ページがIEモードで再読み込みされます
IEモードで開いている間は、アドレスバーの左側にInternet Explorerのアイコンが表示されます。
特定のサイトを常にIEモードで開く:
edge://settings/defaultbrowserにアクセスします- 「Internet Explorerモードページ」セクションで 「追加」 ボタンをクリックします
- WebサイトのURL(例:
https://example.com)を入力します - 「追加」 をクリックします
- 追加されたサイトは30日間、自動的にIEモードで開きます
IEモードを終了する
IEモードで表示中のページを通常のEdgeモードに戻すには:
- 右上の 「…」 をクリック
- 「Internet Explorerモードを終了する」 を選択
または、ツールバーに表示される「終了」ボタンをクリックします。
Edgeとインターネットオプションの関係
多くの人が混乱するポイントを整理しましょう。
インターネットオプションはEdgeに影響するか?
結論:ほとんど影響しません。
インターネットオプション(インターネットのプロパティ)は、本来Internet Explorer専用の設定でした。
Microsoft Edgeは独自の設定システムを持っているため、インターネットオプションでの設定はEdgeには適用されません。
例外:一部のシステムレベル設定
以下の設定はWindowsシステム全体に影響するため、Edgeにも間接的に影響します:
- プロキシサーバー設定(接続タブ → LANの設定)
- TLS/SSLプロトコル設定(詳細設定タブ)
- デジタル証明書(コンテンツタブ)
それ以外の設定(Cookie、セキュリティゾーン、ポップアップブロックなど)は、EdgeではEdge独自の設定を使用します。
設定を変更する正しい場所
Edgeを使用している場合:
→ Edge設定(edge://settings)を使用
IEモードを使用している場合:
→ インターネットオプションの設定が適用される
システム全体の接続設定(プロキシなど):
→ インターネットオプションまたはWindows設定を使用
よくある質問
Q1:Edgeでインターネットオプションはどこにありますか?
EdgeにはInternet Explorerのような「インターネットオプション」メニューはありません。代わりにEdge独自の設定画面(edge://settings)を使用します。ただし、Windowsシステムレベルの「インターネットオプション」には、ファイル名を指定して実行から「inetcpl.cpl」と入力することでアクセスできます。
Q2:インターネットオプションで変更した設定はEdgeに反映されますか?
ほとんどの設定は反映されません。EdgeはChromiumベースの独立したブラウザで、独自の設定システムを使用しています。ただし、プロキシサーバー設定やTLS/SSL設定など、システム全体に影響する一部の設定は間接的に反映される場合があります。
Q3:EdgeでCookieを削除するにはどうすればいいですか?
Edgeで「Ctrl + Shift + Delete」を押すと「閲覧データのクリア」画面が開きます。ここで「Cookieおよびその他のサイトデータ」にチェックを入れて「今すぐクリア」をクリックすれば削除できます。
Q4:インターネットオプションは何のために残っているのですか?
主に以下の理由で残されています:
- EdgeのInternet Explorerモード(IEモード)使用時の設定
- Windowsシステム全体のプロキシ設定など
- 一部のレガシーアプリケーションとの互換性維持
Q5:信頼済みサイトに追加したサイトはEdgeでも有効ですか?
いいえ、基本的には有効ではありません。信頼済みサイトの設定はInternet Explorer(およびIEモード)専用です。Edgeで特定のサイトの権限を管理したい場合は、edge://settings/content/all から個別に設定してください。
Q6:Windows 11でもインターネットオプションは使えますか?
はい、Windows 11でもインターネットオプションにアクセスできます。ただし、その用途は限定的で、主にIEモード使用時やシステム全体のプロキシ設定などに使われます。日常的なブラウザ設定はEdge設定画面を使用してください。
Q7:プロキシ設定はどこでやればいいですか?
プロキシ設定は以下のどちらかで行えます:
- インターネットオプション → 接続タブ → LANの設定
- Windows設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ
どちらで設定しても同じ結果になります。設定はEdgeを含むすべてのアプリケーションに適用されます。
Q8:IEモードとInternet Explorerの違いは?
IEモードはEdge内でInternet Explorerの互換表示を行う機能です。実際のInternet Explorer 11アプリケーションとは別物で、Edgeのセキュリティとパフォーマンスのメリットを保ちながらIE互換性を提供します。Internet Explorer 11は2022年6月にサポートが終了しています。
インターネットオプションのショートカット作成
頻繁にアクセスする場合、デスクトップにショートカットを作成すると便利です。
ショートカット作成手順
- デスクトップの空白部分を右クリックします
- 「新規作成」 → 「ショートカット」 を選択します
- 「項目の場所を入力してください」欄に以下を入力します:
inetcpl.cpl
- 「次へ」 をクリックします
- ショートカットの名前を入力します(例:「インターネットオプション」)
- 「完了」 をクリックします
これで、デスクトップのショートカットをダブルクリックするだけでインターネットオプションが開けます。
まとめ
Microsoft Edgeとインターネットオプションの関係について理解が深まりましたか?
重要なポイントのおさらい:
- EdgeにはIE時代の「インターネットオプション」メニューは存在しない
- Edge独自の設定画面(
edge://settings)を使用
- Windowsシステムレベルの「インターネットオプション」は依然としてアクセス可能
- 開き方:「Win + R」→「inetcpl.cpl」が最速
- インターネットオプションの主な用途(現在):
- EdgeのIEモード使用時の設定
- システム全体のプロキシ設定
- TLS/SSL設定
- デジタル証明書管理
- EdgeとIEモード:
- 古いWebサイトはIEモードで表示可能
edge://settings/defaultbrowserで設定
- 設定を変更する正しい場所:
- 通常のEdge使用 →
edge://settings - IEモード使用 → インターネットオプション
- プロキシ設定 → インターネットオプションまたはWindows設定
最終的なアドバイス:
日常的にEdgeを使用している場合は、「インターネットオプション」のことは忘れて、Edge設定画面(edge://settings)を使いこなすことをおすすめします。
インターネットオプションが必要になるのは、企業の古い業務システムにアクセスする時など、特殊な状況に限られます。
困った時は、まずEdge設定から探してみて、見つからなければインターネットオプションを確認する、という順序で対応すると良いでしょう!

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