Windows 10や11に標準搭載されているMicrosoft Edge。初めて起動した時、どう設定すればいいのか迷っていませんか?
「設定項目が多すぎてどこから手をつければいいか分からない」「とりあえず使い始めたけど、もっと便利に使える方法があるはず」そんな風に感じている方も多いでしょう。
実は、Edgeは最初にいくつかの基本設定をするだけで、驚くほど使いやすくなります。ブックマークの同期、起動ページの設定、プライバシー保護など、知っておくべき設定があるんです。
この記事では、Microsoft Edgeを初めて使う方でも分かるように、必須の初期設定から便利な追加設定まで、順を追って解説していきます。
Microsoft Edgeとは?基本を理解しよう
まず、Microsoft Edgeの特徴を簡単に確認しておきましょう。
Microsoft Edgeの特徴:
2020年5月から正式にChromium版として配布が始まった、Windows 10/11の標準ブラウザです。Google製ブラウザであるChromeのシステムを基に作られているため、ほぼChromeと同じ仕様といえます。
主な機能:
- 高速なブラウジング
- Chromiumベースで動作が軽快
- ページの読み込みが速い
- Microsoftアカウントとの連携
- ブックマークやパスワードの同期
- 複数デバイスで設定を共有
- セキュリティ機能
- SmartScreen機能で危険なサイトをブロック
- トラッキング防止機能
- 拡張機能のサポート
- Chrome拡張機能が使える
- 独自の拡張機能も充実
初回起動時のセットアップ
Edgeを初めて起動すると、「Microsoft Edgeへようこそ」という画面が表示されます。この画面では、基本的な設定を順番に進めていきます。
ステップ1:データのインポート
他のブラウザから設定を移行できます。
画面の選択肢:
「サインインせずにデータをインポートする」または「ユーザーデータを使用せずに開始」を選択できます。
おすすめの対応:
- ChromeやFirefoxを使っていた場合
- 「データをインポートする」を選択
- ブックマークやパスワードが移行される
- 初めてブラウザを使う場合
- 「ユーザーデータを使用せずに開始」を選択
- まっさらな状態から始められる
ステップ2:Microsoftアカウントでサインイン
Microsoft アカウントで同期(サインイン)することで、ブックマーク・パスワード・履歴などの利用状況を記憶できます。複数の端末(パソコンやスマホなど)でまったく同じ状態のまま使えます。
サインインの手順:
- Microsoftアカウントのメールアドレスを入力
- パスワードを入力
- 二段階認証がある場合は認証コードを入力
- 「サインイン」をクリック
サインインするメリット:
- ブックマークがすべてのデバイスで共有
- パスワードが自動で保存・同期
- 設定が引き継がれる
- 新しいパソコンでもすぐに使える
ステップ3:テーマの選択
「テーマを使用してMicrosoft Edgeをカスタマイズして自分を表現する」と表示され、外観を変更できます。
選択できるテーマ:
- ライトモード(明るい背景)
- ダークモード(暗い背景)
- システムに合わせる(Windowsの設定に従う)
- カラフルなテーマ
おすすめ:
目の疲れを軽減したい場合は「ダークモード」、標準的な見た目が良ければ「ライトモード」を選びましょう。
ステップ4:タスクバーへのピン留め
「Windowsタスクバーから、お気に入りのサイトにアクセスできます」と表示され、タスクバーにピン留めしたいサイトを選択できます。
よく使うサイトがあれば、ここで選択しておくと便利です。
必須設定1:Microsoftアカウントでサインインする
初回セットアップで設定していない場合は、後から設定できます。
手順:
- Edgeを起動
- 右上の「…」アイコンをクリック、出てきたメニューの「設定」をクリック
- 左側のメニューから「プロファイル」を選択
- 「サインインしてデータを同期」ボタンを押す
- Microsoftアカウントのメールアドレスを入力
- パスワードを入力
- サインイン完了
同期する項目の選択
サインイン後、何を同期するか選べます。
設定方法:
- 設定→プロファイル
- 「同期」を選択
- 以下の項目を個別にオン・オフできる:
- お気に入り
- 設定
- パスワード
- コレクション
- 履歴
- 開いているタブ
- 拡張機能
おすすめ設定:
すべてオンにしておくと便利ですが、履歴は同期したくない場合はオフにしましょう。
必須設定2:起動時のページを設定する
Edgeを開いた時に表示されるページを設定します。
設定方法:
- 設定→「スタート、ホーム、および新規タブ」
- 「Microsoft Edgeの起動時」で以下から選択:
- 新しいタブページを開く(初期設定)
- 中断したところから続行する
- 特定のページまたは複数のページを開く
パターン1:新しいタブページを開く
Edgeのデフォルトの新規タブページが表示されます。ニュースや天気などが表示される便利なページです。
パターン2:中断したところから続行する
前回閉じた時のタブがすべて復元されます。作業を継続したい場合に便利です。
パターン3:特定のページを開く
お気に入りのサイトを起動時に開きます。
設定手順:
- 「特定のページまたは複数のページを開く」を選択
- 「新しいページを追加してください」をクリック
- URLを入力(例:google.com、yahoo.co.jp)
- 「追加」をクリック
- 複数のページを追加できる
必須設定3:既定のブラウザに設定する
Edgeをメインのブラウザとして使うなら、既定のブラウザに設定しましょう。
既定のブラウザとは、リンクをクリックした時やHTMLファイルを開く時に、自動的に使われるブラウザのことです。
設定方法:
- 設定→「既定のブラウザー」
- 「Microsoft Edge は既定のブラウザーです」と表示されていれば、すでに設定済み
- 設定されていない場合:
- 「既定に設定」ボタンをクリック
- Windowsの設定画面が開く
- Windows 11の場合:
- 「規定値に設定」をクリック
- Windows 10の場合:
- 「Web ブラウザー」をクリックし、「Microsoft Edge」を選択
必須設定4:検索エンジンを選ぶ
アドレスバーで検索する時に使う検索エンジンを設定します。
設定方法:
- 設定→「プライバシー、検索、サービス」
- 下にスクロールして「アドレスバーと検索」を選択
- 「アドレスバーで使用する検索エンジン」で選択:
- Bing(Microsoft):デフォルト
- Yahoo! JAPAN
- その他
おすすめ:
普段使っている検索エンジンを選びましょう。Googleに慣れている方は、Googleに変更すると使いやすくなります。
検索エンジンの追加
リストにない検索エンジンも追加できます。
手順:
- 同じ画面で「検索エンジンの管理」をクリック
- 追加したい検索エンジンのサイトを訪問
- 自動的にリストに追加される
- 追加されたエンジンを選択して有効化
必須設定5:プライバシーとセキュリティを設定する
安全にブラウジングするための設定です。
トラッキング防止
ウェブサイトによる追跡を防ぐ機能です。
設定方法:
- 設定→「プライバシー、検索、サービス」
- 「トラッキングの防止」セクション
- レベルを選択:
- 基本:最小限の防止
- バランス(推奨):広告トラッキングをブロック
- 厳重:すべてのトラッキングをブロック
おすすめ:
「バランス」がおすすめです。プライバシーを守りつつ、サイトの機能も正常に動作します。
SmartScreen
危険なウェブサイトやダウンロードから保護する機能です。
確認方法:
- 同じ「プライバシー、検索、サービス」画面
- 「セキュリティ」セクション
- 「Microsoft Defender SmartScreen」がオンになっているか確認
推奨:
必ずオンにしておきましょう。フィッシングサイトやマルウェアから守ってくれます。
Cookie設定
設定方法:
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」をクリック
- 「Cookieとサイトデータの管理と削除」を選択
- 「Cookieデータの保存と読み取りをサイトに許可する」を確認
おすすめ設定:
- Cookieを許可:オン
- サードパーティCookieをブロック:オン
これで、サイトは正常に動作しながら、広告トラッキングは制限されます。
必須設定6:パスワード管理を有効にする
Edgeには、パスワードを保存・管理する機能があります。
設定方法:
- 設定→「プロファイル」
- 「パスワード」を選択
- 「パスワードの保存を提案」をオンにする
- 「自動的にサインインする」もオンにする(推奨)
パスワード保護機能
保存されたパスワードを保護できます。
設定項目:
- 同じパスワード設定画面
- 「パスワードの入力が必要」を確認
- Windows Helloや生体認証と連携できる
必須設定7:ホームボタンを表示する
ホームボタンを押すと、設定したページにすぐアクセスできます。
設定方法:
- 設定→「外観」
- 「ツールバーのカスタマイズ」セクション
- 「ホーム ボタンを表示する」をオンにする
- ホームページのURLを入力:
- 新しいタブページ(デフォルト)
- カスタムURL(好きなサイト)
便利な追加設定
お気に入りバーを表示
よく使うサイトのブックマークを常に表示できます。
設定方法:
- 設定→「外観」
- 「お気に入りバーを表示する」で選択:
- 常に
- 新しいタブページのみ
- なし
おすすめ:
「常に」にしておくと、いつでもワンクリックでアクセスできます。
サイドバーを設定
画面右側にツールを表示できます。
利用できるツール:
- Microsoft 365アプリ
- 検索
- Copilot(AI アシスタント)
- ツール(電卓、翻訳など)
設定方法:
- 画面右上のサイドバーアイコンをクリック
- 使いたいツールを選択
- ピン留めすると常に表示される
垂直タブバー
タブを画面左側に縦に表示できます。
有効化:
- 設定→「外観」
- 「タブ バーをカスタマイズ」
- 「垂直タブバー」を選択
メリット:
- タブの数が多くても見やすい
- タブ名が全文表示される
- 画面の横幅を有効活用
ダウンロードフォルダを変更
ダウンロードしたファイルの保存先を変更できます。
設定方法:
- 設定→「ダウンロード」
- 「場所」で「変更」をクリック
- 保存先フォルダを選択
おすすめ:
デスクトップやドキュメントフォルダに変更すると、ファイルが見つけやすくなります。
新しいタブページのカスタマイズ
新規タブページの表示内容を変更できます。
設定方法:
- 新しいタブを開く
- 右上の歯車アイコン(ページのカスタマイズ)をクリック
- 以下を設定:
- レイアウト(集中、ひらめき、情報)
- 背景(カスタム画像も可能)
- クイックリンク(よく使うサイト)
- コンテンツ(ニュース、天気など)
拡張機能のインストール
Edgeの機能を拡張できます。
インストール方法:
- edge://extensions/ にアクセス
- 左下の「Microsoft Edge アドオンを取得」をクリック
- Microsoft Edge アドオンストアが開く
- 検索またはカテゴリから探す
- 「インストール」をクリック
おすすめ拡張機能
広告ブロック:
- uBlock Origin
- AdBlock
生産性:
- OneNote Web Clipper
- Grammarly(英文添削)
セキュリティ:
- Bitwarden(パスワードマネージャー)
- HTTPS Everywhere
便利ツール:
- Google翻訳
- Evernote Web Clipper
他のブラウザからデータをインポートする
初回セットアップで設定していない場合、後からインポートできます。
手順:
- 設定→「プロファイル」
- 「ブラウザー データのインポート」をクリック
- インポート元のブラウザを選択:
- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Internet Explorer
- 他のブラウザ
- インポートする項目を選択:
- お気に入り/ブックマーク
- 保存されたパスワード
- 閲覧履歴
- 設定
- 開いているタブ
- 「インポート」をクリック
モバイル版Edgeの初期設定
スマートフォンでもEdgeを使う場合の設定です。
iPhoneの場合
手順:
- App StoreからMicrosoft Edgeをダウンロード
- アプリを起動
- Microsoftアカウントでサインイン
- パソコン版と同期される
- 設定→「全般」で細かい設定を調整
Androidの場合
手順:
- Google PlayストアからMicrosoft Edgeをダウンロード
- アプリを起動
- Microsoftアカウントでサインイン
- 設定→「同期」で同期項目を確認
モバイル版でのおすすめ設定
既定のブラウザに設定:
- iOS:設定→Edge→デフォルトのブラウザApp
- Android:設定→アプリ→デフォルトアプリ→ブラウザ
広告ブロック:
- 設定→コンテンツブロッカー→広告ブロッカー
ダークモード:
- 設定→外観→テーマ→ダーク
初期設定後のメンテナンス
定期的な確認項目
週1回:
- 不要なタブを閉じる
- ダウンロードフォルダを整理
月1回:
- 閲覧データのクリア(キャッシュのみ)
- 拡張機能の見直し
- パスワードの安全性チェック
半年に1回:
- 保存されたパスワードの整理
- ブックマークの整理
- 設定の見直し
パフォーマンス最適化
効率モード:
- 設定→「システムとパフォーマンス」
- 「効率モード」をオンにする
- バッテリー駆動時やリソース不足時に自動で最適化
スタートアップブースト:
- 同じ「システムとパフォーマンス」画面
- 「スタートアップブースト」をオンにする
- Edgeの起動が速くなる
トラブルシューティング
設定がリセットされる
原因:
同期設定に問題がある可能性があります。
対処法:
- サインアウトしてから再度サインイン
- 同期設定を確認
設定を初期状態に戻したい
手順:
- 設定→「設定のリセット」をクリック
- 「設定を復元して既定値に戻します」をクリック
- 「リセット」をクリック
注意:
ブックマークやパスワードは削除されませんが、設定はすべて初期状態に戻ります。
同期がうまくいかない
対処法:
- インターネット接続を確認
- Microsoftアカウントでサインインしているか確認
- 同期設定で対象項目がオンになっているか確認
- Edgeを再起動
- デバイスを再起動
よくある質問
Q1:初期設定をスキップしてもいい?
はい、後から設定できます。ただし、Microsoftアカウントでのサインインだけは最初に済ませておくことをおすすめします。
Q2:Chromeの設定をそのまま使える?
はい。インポート機能を使えば、ブックマークや拡張機能など、ほとんどの設定を移行できます。
Q3:会社のパソコンでも同じ設定ができる?
基本的にはできますが、会社のIT部門がポリシーで制限している場合があります。不明な点は管理者に確認しましょう。
Q4:スマホとパソコンで別々の設定にできる?
一部の設定(外観など)はデバイスごとに設定できますが、ブックマークやパスワードは同期されます。
Q5:設定を間違えたらどうすればいい?
いつでも設定画面から変更できます。最悪の場合は、設定のリセット機能で初期状態に戻せます。
Q6:どのくらいの時間がかかる?
基本的な初期設定なら5〜10分程度です。細かくカスタマイズする場合は30分程度見ておきましょう。
まとめ:快適なEdge環境を整えよう
Microsoft Edgeの初期設定は、最初に済ませておけば、その後ずっと快適に使えます。
必須の7つの設定:
- Microsoftアカウントでサインイン
- すべてのデバイスで同期
- 最も重要な設定
- 起動時のページを設定
- 作業効率が向上
- 好みに合わせて選択
- 既定のブラウザに設定
- メインブラウザとして使用
- リンクが自動でEdgeで開く
- 検索エンジンを選ぶ
- 普段使うエンジンに変更
- 検索が快適に
- プライバシーとセキュリティ
- トラッキング防止:バランス
- SmartScreen:オン
- パスワード管理を有効化
- 自動保存で便利
- セキュリティも確保
- ホームボタンを表示
- よく使うページにすぐアクセス
- 作業効率アップ
便利な追加設定:
- お気に入りバーの表示
- サイドバーの活用
- 垂直タブバー
- 新しいタブページのカスタマイズ
- 拡張機能のインストール
設定のポイント:
- 一度に全部やろうとしない
- 必須設定から順番に
- 使いながら調整
- 定期的に見直す
メンテナンス:
- 月1回のキャッシュクリア
- 拡張機能の整理
- パスワードの安全性確認
- ブックマークの整理
Microsoft Edgeは、適切な初期設定をすることで、非常に使いやすいブラウザになります。この記事で紹介した設定を参考に、自分に合った環境を作り上げてください。
最初は時間がかかるかもしれませんが、一度設定してしまえば、その後の作業効率が大きく向上します。快適なブラウジング環境で、インターネットをもっと楽しく、もっと便利に使いましょう!


コメント