友達が自分のパソコンで何かを調べたいと言ってきたとき、そのままログインした状態で貸すのはちょっと不安ですよね。
自分のブックマークが見られたり、保存してあるパスワードが使われたり、閲覧履歴が残ったり…個人情報が筒抜けになってしまうかもしれません。
そんなときに役立つのが、Microsoft Edgeの「ゲストモード」です。一時的に他の人にブラウザを使ってもらうための、プライバシーを守る特別なモードなんですよ。
この記事では、ゲストモードの基本から使い方、InPrivateモードとの違いまで、わかりやすく解説していきます。
ゲストモードとは何か

一時的な利用者向けの機能
ゲストモードは、他の人に一時的にブラウザを使ってもらうための機能です。
通常のブラウザとの違い:
- 個人情報が一切表示されない
- ブックマークや履歴にアクセスできない
- パスワードが保存されない
- 終了すると履歴が残らない
ホテルのゲストルームのようなイメージですね。使っている間だけ利用できて、チェックアウトしたらきれいに片付けられます。
プライバシー保護が目的
自分の情報を守りながら、他の人にパソコンを貸せます。
守られる情報:
- 保存されたパスワード
- 支払い情報(クレジットカード番号など)
- 自動入力データ(住所、電話番号など)
- ブックマーク(お気に入り)
- 閲覧履歴
- Cookie
相手に見られたくない情報を完全に隠せます。
共有パソコンでの利用にも便利
家族で共有しているパソコンでも活躍します。
使用例:
- 図書館の公共パソコン
- 学校のコンピュータ室
- ネットカフェ
- 家族共有のPC
自分のアカウントにログインせず、安全に使えます。
ゲストモードとInPrivateモードの違い
InPrivate(プライベート)モードとは
どちらもプライバシー保護の機能ですが、目的が異なります。
InPrivateモードの特徴:
- 自分専用のプライベートブラウジング
- 履歴を残したくない検索に使う
- 自分のブックマークやパスワードは使える
- ウィンドウを閉じると履歴が消える
「自分の履歴を残したくない」ときに使うモードです。
主な違いを比較
それぞれの特徴を表で見てみましょう。
機能比較:
| 機能 | 通常モード | InPrivate | ゲストモード |
|---|---|---|---|
| ブックマーク使用 | ○ | ○ | × |
| パスワード使用 | ○ | ○ | × |
| 自動入力 | ○ | ○ | × |
| 履歴記録 | ○ | × | × |
| 拡張機能 | ○ | 一部○ | × |
| 対象者 | 本人 | 本人 | 他人 |
ゲストモードは「他人に貸す」ための機能だと覚えましょう。
使い分けのポイント
状況に応じて使い分けます。
InPrivateを使う場面:
- プレゼントを検索(家族に見られたくない)
- 医療情報の調査(デリケートな内容)
- 複数アカウントの同時ログイン
ゲストモードを使う場面:
- 友人にパソコンを貸す
- 家族に一時的に使わせる
- 公共のパソコンを使う
どちらも「履歴を残さない」点は同じですが、誰が使うかが違います。
ゲストモードの主な特徴
完全な情報の分離
あなたの個人データに一切アクセスできません。
隔離される情報:
- Microsoftアカウントのログイン状態
- 保存されたID・パスワード
- お気に入り(ブックマーク)
- 閲覧履歴
- ダウンロード履歴
- フォーム入力の自動入力データ
- Cookie(サイトの記憶)
まっさらな状態のEdgeが起動するイメージです。
一時的なセッション
ゲストモードを終了すると、すべてが消えます。
消去されるもの:
- 閲覧したサイトの履歴
- 入力したフォームデータ
- ダウンロードしたファイルのリスト
- Cookie
- キャッシュ
次にゲストモードを起動したときは、また新しいセッションが始まります。
制限された機能
一部の機能は使えません。
使えない機能:
- 拡張機能(アドオン)
- 同期機能
- お気に入りの追加
- パスワードの保存
- プロファイルのカスタマイズ
必要最小限の機能だけが提供されます。
インターネット接続は共有
ネットワーク設定は共有されます。
共有されるもの:
- Wi-Fi接続
- プロキシ設定
- VPN接続
これらは切り替えなくても使えます。
ゲストモードの起動方法

プロファイルアイコンから起動
最も簡単な方法です。
手順:
- Microsoft Edgeを起動
- 右上のプロファイルアイコン(人型マーク)をクリック
- 「ゲストとして参照」をクリック
- 新しいウィンドウでゲストモードが開く
既存のEdgeウィンドウはそのまま残ります。
スタートメニューから起動
直接ゲストモードで起動することもできます。
手順:
- Edgeのアイコンを右クリック
- 「ゲストとして起動」を選択(ある場合)
この機能は、Edgeのバージョンによって表示されないこともあります。
設定画面から起動
設定メニューからもアクセスできます。
手順:
- 「…」→「設定」→「プロファイル」
- 「ゲストモード」セクションを探す
- 「ゲストとして参照」をクリック
どの方法でも同じゲストモードが起動します。
ゲストモードの見分け方
今ゲストモードかどうか確認する方法です。
確認ポイント:
- ウィンドウ上部に「ゲスト」と表示される
- プロファイルアイコンが人型(特別なマーク)
- タイトルバーに「ゲスト – Microsoft Edge」
間違えて通常モードで作業しないよう、必ず確認しましょう。
ゲストモードの使い方
基本的な操作
通常のブラウザとほぼ同じように使えます。
できること:
- Webサイトの閲覧
- 検索
- 動画視聴
- オンラインショッピング(ただし毎回ログイン必要)
- ファイルのダウンロード
普通にインターネットを使う分には問題ありません。
ログインとログアウト
サイトへのログインは毎回必要です。
注意点:
- パスワードは保存されない
- 毎回手動で入力する必要がある
- 「ログイン状態を保持」は機能しない
終了時に自動的にログアウトされます。
ファイルのダウンロード
ダウンロードは可能ですが、記録は残りません。
ダウンロードの扱い:
- ファイルは通常のダウンロードフォルダに保存される
- ファイル自体は残る
- ダウンロード履歴は消える
重要:ダウンロードしたファイル本体は残るので、必要なら削除してください。
ブックマークの代替
ブックマークは使えませんが、代替手段があります。
代替方法:
- URLをメモ帳にコピー
- スクリーンショットを撮る
- メールで自分に送る
一時的な利用なら、これで十分対応できます。
ゲストモードを終了する方法
ウィンドウを閉じる
最もシンプルな方法です。
手順:
- ゲストモードのウィンドウ右上の「×」をクリック
- 確認メッセージが表示される(場合による)
- 「終了」を選択
すべてのデータが自動的に消去されます。
「ゲストの終了」ボタン
専用のボタンからも終了できます。
手順:
- プロファイルアイコンをクリック
- 「ゲストの終了」を選択
- ウィンドウが閉じる
どちらの方法でも、データは確実に削除されます。
終了後の確認
本当にデータが消えたか確認しましょう。
確認方法:
- 通常モードのEdgeで履歴を開く(Ctrl + H)
- ゲストモードで見たサイトが記録されていないか確認
正しく終了できていれば、履歴には何も残りません。
ゲストモードの便利な使い方
友人にパソコンを貸す
最も一般的な使い方です。
シーン:
「ちょっとメール確認させて」と友人に頼まれた
手順:
- ゲストモードを起動
- 友人に使ってもらう
- 終了してもらう
- 自動的にデータが消える
安心してパソコンを貸せます。
公共のパソコンを使う
図書館やネットカフェで安全に使えます。
注意ポイント:
- ゲストモードを起動
- 自分のアカウントにログイン
- 作業を終えたら必ずログアウト
- ゲストモードを終了
公共のPCでは、さらに慎重に扱いましょう。
複数アカウントの同時利用
別のアカウントでログインしたいときにも使えます。
例:仕事用と個人用のGmail
- 通常モード:仕事用アカウント
- ゲストモード:個人用アカウント
InPrivateモードでも同様のことができますが、ゲストモードならより完全に分離されます。
プレゼントの購入
家族に内緒で買い物するときに便利です。
使い方:
- ゲストモードでショッピングサイトを開く
- プレゼントを検索
- 購入手続き
- 終了(履歴が残らない)
サプライズを守れます。
Webサイトの動作確認
Web開発者やブロガー向けの使い方です。
確認内容:
- ログインしていない状態の表示
- Cookieがない状態の挙動
- 新規訪問者の体験
クリーンな環境でテストできます。
セキュリティとプライバシー

保護される情報
ゲストモードで守られるデータです。
完全に隠蔽:
- 保存されたパスワード
- クレジットカード情報
- 住所や電話番号(自動入力データ)
- ブックマーク
- 閲覧履歴
- ダウンロード履歴
他人に見られる心配がありません。
保護されない情報
注意が必要な点もあります。
残る可能性があるもの:
- ダウンロードしたファイル本体
- スクリーンショット
- クリップボードの内容
- ネットワーク管理者が見るアクセスログ
完全に痕跡が消えるわけではないことを理解しておきましょう。
公共Wi-Fiでの注意点
ゲストモードでも、ネットワークのセキュリティは別問題です。
追加の対策:
- HTTPS接続のサイトのみ利用
- 重要な情報の入力は避ける
- VPNの使用を検討
- オンラインバンキングは避ける
ゲストモード+公共Wi-Fiは、リスクが高い組み合わせです。
企業や学校のネットワーク
管理者には履歴が見える可能性があります。
注意点:
- ネットワークレベルでログを取られている
- プロキシサーバーが記録している
- フィルタリングは適用される
ゲストモードは、あくまでローカルのパソコン上でのプライバシー保護です。
ゲストモードの制限事項
使えない機能
通常モードでは使える機能が制限されます。
主な制限:
拡張機能(アドオン):
- すべての拡張機能が無効
- 広告ブロッカーも使えない
- 翻訳ツールなども利用不可
同期機能:
- Microsoftアカウントと同期しない
- ブックマークの同期なし
- 設定の同期なし
カスタマイズ:
- テーマ変更不可
- ホームページ設定不可
- 検索エンジン変更不可
パフォーマンスへの影響
通常モードより若干遅く感じることがあります。
理由:
- キャッシュが使えない
- Cookieがない(毎回新規扱い)
- 拡張機能の最適化なし
一時的な利用なら、大きな問題にはなりません。
一部のサイトでの問題
正常に動作しないサイトもあります。
問題が起きやすいケース:
- Cookieを必須とするサイト
- ローカルストレージを使うWebアプリ
- 複雑な認証を使うサイト
この場合は、通常モードまたはInPrivateモードを使いましょう。
トラブルシューティング
ゲストモードが起動できない
メニューに表示されない場合があります。
原因と対処:
原因1:Edgeのバージョンが古い
- Edgeを最新版にアップデート
- 「…」→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」
原因2:グループポリシーで無効化されている
- 企業や学校のPCでは管理者が無効化している可能性
- IT部門に確認
原因3:機能がまだ展開されていない
- 段階的な展開中の場合がある
- しばらく待ってから再確認
データが残ってしまう
ゲストモードを終了したのに履歴が残っている場合です。
確認ポイント:
1. 本当にゲストモードだったか
- InPrivateモードと間違えていないか
- ウィンドウ上部の表示を確認
2. 別のプロファイルの履歴ではないか
- 複数プロファイルを使っている場合
- どのプロファイルの履歴か確認
3. ダウンロードファイルの扱い
- ファイル本体は残る仕様
- 手動で削除が必要
ログイン状態が保持されない
意図的な仕様ですが、不便に感じることもあります。
対処法:
頻繁にログインが必要な場合:
- 通常モードまたはInPrivateモードを使う
- パスワードマネージャーアプリを別途使う
一時的なログインが必要な場合:
- パスワードをメモ帳に一時保存
- 作業後に削除
サイトが正常に表示されない
Cookieやキャッシュがないことが原因です。
対処法:
- ページを再読み込み(F5)
- 強制再読み込み(Ctrl + F5)
- それでもダメなら通常モードを使う
複雑なWebアプリは、ゲストモードに向かないこともあります。
他のブラウザのゲスト機能との比較
Google Chromeのゲストモード
Chromeにも同様の機能があります。
Chromeの特徴:
- 「ゲストとして閲覧」
- 機能はEdgeとほぼ同じ
- 履歴が残らない
- 個人情報にアクセスできない
Edgeとの違い:
- 基本的な仕組みは同じ
- UIが若干異なる程度
Firefoxのプライベートブラウジング
Firefoxは少し仕組みが違います。
Firefoxの特徴:
- プライベートウィンドウ
- ゲスト専用モードはない
- InPrivateに近い
Edgeの優位点:
- ゲスト専用の明確な分離
- より直感的
Safariのプライベートブラウズ
Macの標準ブラウザです。
Safariの特徴:
- プライベートブラウズモード
- ゲストモードはない
- iOS/macOS統合
どのブラウザも基本的なプライバシー保護機能は備えています。
よくある質問
Q:ゲストモードでも完全に匿名ですか?
いいえ、完全な匿名性はありません。インターネット上では、IPアドレスや接続元の情報は相手に伝わります。ゲストモードは、あくまで「そのパソコンを使っている他の人に見られない」ための機能です。Webサイトの運営者やインターネットプロバイダーには、アクセス記録が残ります。
Q:ゲストモードとInPrivateモード、どちらが安全ですか?
プライバシー保護のレベルは同じです。違いは「誰のための機能か」です。他人に貸す場合はゲストモード、自分で履歴を残したくない場合はInPrivateモードを使いましょう。セキュリティ面では、どちらも同等です。
Q:ゲストモードでダウンロードしたファイルは自動で削除されますか?
いいえ、されません。ダウンロードしたファイル本体は、通常通りダウンロードフォルダに保存されます。ダウンロード履歴(リスト)は消えますが、ファイル自体は残るので、必要に応じて手動で削除してください。
Q:家族共有のパソコンでは常にゲストモードを使うべきですか?
いいえ、それぞれ専用のプロファイルを作る方が便利です。Edgeは複数のプロファイルを作成できるので、家族それぞれに1つずつプロファイルを用意しましょう。ゲストモードは、たまにしか使わない人や、一時的な利用者のための機能です。
Q:ゲストモードは子供に使わせても安全ですか?
基本的には安全ですが、完全ではありません。有害サイトのフィルタリングは別途設定が必要です。子供専用のプロファイルを作成して、ペアレンタルコントロールを設定する方が安全です。Microsoft ファミリーセーフティなどの機能を活用しましょう。
Q:公共のパソコンで自分のMicrosoftアカウントにログインしても大丈夫ですか?
ゲストモードなら比較的安全ですが、完全に安全とは言えません。重要な作業(オンラインバンキングなど)は避けるべきです。どうしても必要な場合は、作業後に必ずログアウトし、ゲストモードを終了してください。また、パスワード変更も検討しましょう。
まとめ:ゲストモードで安心してパソコンを共有しよう
Microsoft Edgeのゲストモードは、一時的に他の人にブラウザを使ってもらうための便利な機能です。
この記事のポイント:
- 個人情報を完全に隠せる
- 履歴が一切残らない
- 簡単に起動・終了できる
- 友人にパソコンを貸すときに最適
- InPrivateモードとは用途が異なる
- ダウンロードしたファイルは残るので注意
効果的な使い方:
- 他人に貸すときは必ずゲストモードで
- 終了時にデータが消えることを確認
- ダウンロードファイルは手動で削除
- 公共のパソコンでも活用
- 家族間の一時利用にも便利
ゲストモードは、プライバシーを守りながら、気軽にパソコンを共有できる優れた機能です。
「パソコン貸して」と言われて困ることも、「自分の履歴が見られたらどうしよう」と心配することもなくなります。友人との関係も、自分のプライバシーも、両方守れるんです。
家族や友人と一緒に過ごす時間が多い人、公共のパソコンをよく使う人は、ぜひゲストモードを活用してみてください。安心してブラウザを共有できる環境が、あなたの生活をもっと快適にしてくれますよ!

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