Microsoft EdgeでWebサイトを閲覧しているときに、「もっと画面を広く使いたい」と思ったことはありませんか？
全画面表示（フルスクリーンモード）を使えば、タブやアドレスバー、タスクバーなどをすべて非表示にして、Webページのコンテンツだけを画面いっぱいに表示できます。動画を視聴するときや、プレゼンテーションを行うときに特に便利な機能です。
この記事では、Microsoft Edgeで全画面表示にする方法から、常に全画面で起動する設定、トラブル対処法まで、詳しく解説していきます。
全画面表示と最大化の違いを理解しよう
最大化とは
最初に押さえておきたいのが、全画面表示と最大化は別物だということです。
ウィンドウを最大化した場合、ブラウザ画面は大きくなりますが、タスクバーやアドレスバー、タブ、お気に入りバーなどはすべて表示されたままです。つまり、画面の上下左右に各種メニューやバーが残っている状態ですね。
全画面表示とは
一方、全画面表示（フルスクリーンモード）では、これらの要素がすべて非表示になります。
Webページのコンテンツだけが画面全体に表示されるため、より没入感のある閲覧体験が得られます。解像度の低いディスプレイを使っているときや、動画視聴、電子書籍の読書などに最適な表示方法です。
【基本】全画面表示にする3つの方法
方法1：F11キーを使う（最も簡単）
全画面表示にする最も簡単な方法は、キーボードの「F11」キーを押すことです。
手順
Edgeでお好きなWebページを開いている状態で、キーボードの「F11」キーを1回押すだけです。すると画面がフルスクリーンモードに切り替わります。
元の表示に戻したいときも、もう一度「F11」キーを押せばOKです。とてもシンプルですよね。
ポイント
F11キーはMicrosoft Edgeだけでなく、Google ChromeやMozilla Firefoxなど、ほとんどのWebブラウザで共通して使える全画面表示のショートカットキーです。一度覚えておけば、どのブラウザでも使えるので便利です。
方法2：メニューから設定する
キーボードを使わずに、マウス操作だけで全画面表示にすることもできます。
手順
Edgeを起動して、画面右上にある「…」（三点リーダー）のアイコンをクリックします。このアイコンは「設定など」と呼ばれるメニューです。
表示されたメニューの中央あたりに「ズーム」という項目があり、その右側に「全画面表示にする」アイコン（対角線の矢印マーク）が表示されています。これをクリックすると全画面表示に切り替わります。
解除方法
全画面表示を解除したいときは、マウスポインターを画面の一番上に移動させます。すると画面上部に隠れていたメニューバーが現れるので、その中から全画面表示の解除ボタンをクリックしましょう。
方法3：特別なショートカットキー（Windows 10標準アプリ用）
実は、Windows 10の標準アプリには、もう一つの全画面表示ショートカットが用意されています。
手順
「Shift」キー + 「Windows」キー + 「Enter」キーを同時に押します。
この方法は、Microsoft EdgeだけでなくWindows 10のメールアプリやWindows Defenderなどの標準アプリでも使える共通のショートカットです。ただし、EdgeではF11キーの方が簡単なので、通常はF11キーを使うことをおすすめします。
全画面表示を解除する方法
F11キーで解除
全画面表示中に「F11」キーを押すだけで、すぐに元の表示に戻ります。
マウス操作で解除
画面上部にメニューを表示させる
マウスポインターを画面の最上部まで移動させると、隠れていたメニューが表示されます。
解除ボタンをクリック
表示されたメニューの右端に「全画面表示の終了（F11）」または矢印マークのボタンがあるので、それをクリックしてください。
閉じるボタンをクリック
環境によっては、画面右上に丸い「×」ボタンや「画面縮小」ボタンが表示される場合もあります。これらをクリックしても全画面表示を解除できます。
Escキーで解除（動画視聴時）
YouTubeなどの動画サイトで動画プレーヤーを全画面表示にしている場合は、「Esc」キーを押すことでも全画面表示を解除できます。
Edgeを常に全画面表示で起動する設定方法
毎回F11キーを押すのが面倒だという方には、Edgeを起動したときに自動的に全画面表示になるよう設定する方法があります。
ショートカットの設定を変更する方法
デスクトップのショートカットを探す
デスクトップにMicrosoft Edgeのショートカットアイコンがあれば、それを使います。なければ、タスクバーのEdgeアイコンを右クリックして「タスクバーからピン留めを外す」を選び、新たにショートカットを作成してください。
プロパティを開く
デスクトップのEdgeショートカットを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
リンク先を編集
「ショートカット」タブの中に「リンク先」という欄があります。この欄の末尾（一番後ろ）をクリックして、半角スペースを1つ入力した後に、以下のコマンドを追加してください。
--start-fullscreen正しく入力すると、リンク先は次のようになります（パスは環境によって異なります）。
"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --start-fullscreen設定を保存
「適用」をクリックしてから「OK」をクリックして、設定を保存します。
動作確認
デスクトップのショートカットからEdgeを起動してみてください。自動的に全画面表示で起動するはずです。
全画面表示を解除したい場合は、通常通り「F11」キーを押せばOKです。
特定のWebサイトを全画面で開く設定
さらに、起動時に特定のWebサイトを全画面で表示させることもできます。
キオスクモードを使う
ショートカットのプロパティで、リンク先の末尾に以下のように入力します。
--kiosk https://www.example.com --edge-kiosk-type=fullscreen「https://www.example.com」の部分を、実際に開きたいWebサイトのURLに置き換えてください。
このキオスクモードは、店舗のディスプレイボードや展示用PCなど、常に特定のWebページを全画面で表示し続けたい場合に便利です。
PC起動時に自動的にEdgeを全画面表示で開く方法
パソコンを起動したときに、自動的にEdgeが全画面表示で立ち上がるようにすることもできます。
スタートアップフォルダに登録
スタートアップフォルダを開く
キーボードで「Windows」キー + 「R」キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
そこに「shell:startup」と入力して「OK」をクリックすると、スタートアップフォルダが開きます。
ショートカットをコピー
先ほど作成した全画面表示用のEdgeショートカット（–start-fullscreenを追加したもの）を、このスタートアップフォルダにコピーまたは移動します。
動作確認
パソコンを再起動してみてください。起動時に自動的にEdgeが全画面表示で立ち上がるはずです。
注意点
この設定を有効にするには、Edgeの「スタートアップ ブースト」機能を無効にしておく必要があります。
スタートアップ ブーストを無効にする手順
Edgeを開いて「設定」→「システムとパフォーマンス」へ進み、「スタートアップ ブースト」をオフにします。
この機能がオンになっていると、Edgeがバックグラウンドで既に起動している状態になり、全画面表示での自動起動が正しく機能しない場合があります。
全画面表示に関するトラブルシューティング
勝手に全画面表示になる問題
Microsoft Edgeを使っていて、キーボードを触っていないのに勝手に全画面表示になってしまう場合があります。
原因
この問題の主な原因は、キーボードのF11キーやWindowsキーが物理的に押されっぱなしになっている、または誤動作していることです。
対処法1：キーボードの清掃
キーボードの隙間にゴミや埃が詰まっていないか確認してください。特にF11キーの周辺を丁寧に清掃しましょう。
対処法2：外付けキーボードのチェック
外付けキーボードを使用している場合は、一時的に取り外してみて問題が解決するか確認してください。キーボード自体に問題がある可能性があります。
対処法3：全画面表示機能を無効にする
どうしても問題が解決しない場合は、レジストリエディタを使ってEdgeの全画面表示機能自体を無効にすることができます。
レジストリで全画面表示を無効にする方法
重要な注意事項
レジストリの編集は、間違えるとWindowsが正常に動作しなくなる可能性があります。必ずバックアップを取ってから作業してください。この方法は、上級者向けの対処法です。
手順
タスクバーの検索ボックスに「レジストリ」と入力して、「レジストリ エディター」を起動します。
以下のパスに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge「Edge」というキーが存在しない場合は、「Microsoft」を右クリックして「新規」→「キー」を選択し、「Edge」という名前のキーを作成してください。
「Edge」キーを選択した状態で、右側の空白部分を右クリックして「新規」→「DWORD（32ビット）値」を選択します。
新しい値の名前を「FullscreenAllowed」にします。
「FullscreenAllowed」をダブルクリックして、値のデータを「0」に設定します（全画面表示を無効にする場合）。
「OK」をクリックして、レジストリエディタを閉じます。
パソコンを再起動すると、設定が反映されます。
全画面表示が解除できない場合の対処法
全画面表示になったものの、元に戻せなくなってしまった場合の対処法です。
F11キーを押す
まずは基本の「F11」キーを押してみてください。ほとんどの場合、これで解除できます。
マウスで画面上部を確認
F11キーで解除できない場合は、マウスポインターを画面の一番上まで移動させてください。
隠れていたメニューが現れるので、その中の「全画面表示の終了」ボタンや「×」ボタンをクリックします。
Alt + F4キーで閉じる
どうしても解除できない場合は、「Alt」キー + 「F4」キーを同時に押してEdgeを終了させることもできます。ただし、この方法だと作業中のデータが保存されない可能性があるので、最終手段として考えてください。
タスクマネージャーから終了
それでもダメな場合は、タスクマネージャーを使います。
「Ctrl」キー + 「Shift」キー + 「Esc」キーを同時に押してタスクマネージャーを開き、「Microsoft Edge」を選択して「タスクの終了」をクリックしてください。
全画面表示をより快適に使うコツ
ホームページの設定と組み合わせる
全画面表示で起動する設定と、お気に入りのWebサイトをホームページに設定することを組み合わせると、より便利に使えます。
ホームページの設定方法
Edgeの「設定」→「スタート、ホーム、新しいタブ」へ進み、「Microsoft Edgeの起動時」で「これらのページを開く」を選択します。
「新しいページを追加してください」をクリックして、開きたいWebサイトのURLを入力すれば完了です。
タブレットモードとの違い
Windows 10のタブレットモードも画面いっぱいにアプリを表示しますが、全画面表示とは異なります。
タブレットモードでは、アドレスバーや戻る・進むボタン、ブックマークメニューなどが表示されたままです。完全にコンテンツだけを表示したい場合は、全画面表示を使いましょう。
YouTubeの全画面表示との使い分け
YouTube動画を視聴する場合、プレーヤーの全画面表示ボタンを使う方法と、Edge自体を全画面表示にする方法の2種類があります。
動画だけを大きく見たい場合は、YouTubeプレーヤーの全画面表示（または「F」キーを押す）を使うのがおすすめです。
一方、Webページ全体を広く見たい場合は、EdgeのF11キーでの全画面表示を使いましょう。
全画面表示のメリットとデメリット
メリット
画面を広く使える
何といっても最大のメリットは、ディスプレイの全領域をコンテンツ表示に使えることです。特に小さめのノートPCや、解像度の低いモニターを使っている場合に効果を実感できます。
集中力が高まる
余計な要素が視界に入らないため、コンテンツに集中しやすくなります。電子書籍を読むときや、記事を執筆するときに便利です。
プレゼンテーションに最適
スクリーンに投影してプレゼンテーションを行う際、ブラウザのメニューやタブが表示されないため、プロフェッショナルな印象を与えられます。
デメリット
操作性が低下する
アドレスバーやタブが隠れてしまうため、別のページに移動したり、新しいタブを開いたりするのが少し面倒になります。
戸惑う可能性がある
初めて全画面表示を使う人は、「ブラウザが消えた」と思って戸惑うかもしれません。特にパソコンに不慣れな家族が使う場合は注意が必要です。
マルチタスクには不向き
複数のアプリを切り替えながら作業する場合、全画面表示だと効率が悪くなることがあります。
まとめ
Microsoft Edgeの全画面表示は、画面を最大限に活用してWebコンテンツを楽しむための便利な機能です。
基本的な使い方
- F11キーを押すだけで全画面表示と通常表示を切り替えられる
- メニューからも全画面表示に切り替え可能
- 解除もF11キーまたはマウス操作で簡単にできる
高度な設定
- ショートカットにコマンドを追加すれば、常に全画面で起動できる
- スタートアップに登録すれば、PC起動時に自動的に全画面表示で開く
- キオスクモードを使えば、特定のWebサイトを全画面で固定表示できる
トラブル対処
- 勝手に全画面表示になる場合は、キーボードの清掃や交換を検討
- レジストリ編集で全画面表示機能を無効にすることも可能
- 解除できない場合は、F11キーやマウス操作、タスクマネージャーで対処
使い方次第で、動画視聴、読書、プレゼンテーション、作業への集中など、さまざまな場面で活躍する全画面表示。ぜひ活用してみてください！
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