「このサイトの色、どうやって作ってるんだろう?」
「画像のサイズを確認したいな…」
「なんかページの表示がおかしい…」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、Microsoft Edgeには「開発者ツール」という超便利な機能が最初から入っています。「開発者」という名前がついていますが、プログラマーじゃなくても全然使えるんです!
この記事では、開発者ツールの基本的な使い方から、日常で役立つ活用法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。難しい専門用語は使わないので、安心してくださいね。
開発者ツールって何?どんなことができるの?

開発者ツール(DevTools)とは、Webページの「裏側」を見ることができるツールです。
家に例えると分かりやすい
普段私たちがWebページを見ているのは、完成した「家の外観」を眺めているようなものです。
開発者ツールを使うと:
- 家の「設計図」が見られる
- どんな「材料」で作られているか分かる
- 部屋の「配置」を確認できる
- 一時的に「模様替え」してみることもできる
つまり、Webページがどう作られているのかを詳しく調べられるツールなんです。
具体的にできること
プログラマーじゃなくても使える機能
- 気になる色のカラーコードを調べる
- フォント(文字の種類)を確認する
- 画像のサイズを知る
- ボタンのデザインを研究する
- エラーの原因を見つける
少し慣れると使える機能
- ページの表示速度を測定
- モバイル表示をパソコンで確認
- HTMLやCSSを一時的に編集してテスト
- JavaScriptのエラーをチェック
安心してください。変更は一時的なもので、ページを更新すれば元に戻ります。サイトに影響を与えることはありません。
開発者ツールの開き方(3つの方法)
開発者ツールを開く方法は主に3つあります。自分が使いやすい方法を選んでください。
方法1:キーボードのF12キーを押す(一番簡単!)
これが最も簡単で素早い方法です。
手順
- 調べたいWebページを開く
- キーボードの「F12」キーを押す
たったこれだけ!画面の右側(または下側)に開発者ツールが表示されます。
F12が効かない場合
一部のパソコンでは、F12キーを押しても反応しないことがあります。その場合は以下を試してください。
- 「Fn」キーを押しながら「F12」を押す
- または「Ctrl + Shift + I」(アイ)を同時に押す
方法2:右クリックメニューから開く(確実な方法)
特定の部分を調べたいときに便利です。
手順
- 調べたい部分(文字、画像、ボタンなど)の上で右クリック
- メニューから「検証」を選択
開発者ツールが開き、しかも右クリックした部分のコードが自動的に選択された状態で表示されます。これは非常に便利!
方法3:メニューから開く(設定確認も同時にできる)
少し手順が多いですが、確実に開けます。
手順
- Edgeの右上にある「…」(3つの点)をクリック
- 「その他のツール」にカーソルを合わせる
- 「開発者ツール」をクリック
これで開発者ツールが表示されます。
開発者ツールが開かないときの対処法
F12キーを押しても何も起きない場合、設定で無効になっている可能性があります。
確認と有効化の手順
- Edgeの右上「…」→「設定」をクリック
- 左メニューから「システムとパフォーマンス」を選択
- 下にスクロールして「開発者ツール」セクションを探す
- 「F12キーを使用して開発者ツールを開く」をオンにする
これでF12キーが使えるようになります。
開発者ツールの画面構成を理解しよう
開発者ツールを開くと、たくさんのタブやボタンが表示されて戸惑うかもしれません。でも大丈夫、最初は主要な3つだけ覚えれば十分です。
画面の基本レイアウト
開発者ツールは大きく2つのエリアに分かれています:
上部:アクティビティバー(メインツールバー)
ここに主要なツールがタブとして並んでいます。
下部:クイックビューパネル
追加の情報を表示できるエリアです。「Esc」キーで表示・非表示を切り替えられます。
表示位置を変更する方法
開発者ツールは、作業しやすい位置に移動できます。
位置の変更方法
- 開発者ツール右上の「…」(カスタマイズメニュー)をクリック
- ドッキング位置のアイコンを選択
- 右側にドッキング(デフォルト)
- 下側にドッキング
- 左側にドッキング
- 別ウィンドウで表示
私のおすすめは「下側」か「別ウィンドウ」です。画面を広く使えます。
【超重要】最初に覚えたい3つの基本ツール

開発者ツールには30以上の機能がありますが、最初は以下の3つだけで十分です。
1. Elementsツール(要素タブ)- ページの構造を見る
このタブでは、HTMLとCSSを確認できます。Webページの「設計図」を見るようなものです。
できること
- ページのHTML構造を確認
- CSSのスタイル(色、サイズ、配置など)を見る
- 一時的にデザインを変更してテスト
実際の使い方
例えば、気になる見出しの色を調べたい場合:
- 見出しを右クリック→「検証」
- Elementsタブが開き、その見出しのHTMLが選択される
- 右側の「Styles」パネルで色情報を確認
- 「color: #3498db」のような記述が色コード
これで、その色を自分のサイトでも使えるようになります!
一時的な変更を試す
CSSの値をダブルクリックすると編集できます。
- フォントサイズを変更してみる
- 色を変えてみる
- 余白を調整してみる
ページを更新すれば元に戻るので、気軽に試せますよ。
2. Consoleツール(コンソールタブ)- エラーを確認する
コンソールは、ページのエラーやメッセージを表示する場所です。
できること
- JavaScriptのエラーを確認
- 警告メッセージを見る
- 簡単なJavaScriptコードを実行
エラーの見方
赤い文字で表示されているのがエラーです。
- エラーメッセージを読むと何が問題か分かる
- 行番号も表示されるので、どこでエラーが起きているか特定できる
一般ユーザーにとっての使い道
「このページ、なんか変だな」と思ったとき、コンソールを見ると原因のヒントが見つかることがあります。サイト管理者に問題を報告する際にも役立ちます。
3. Networkツール(ネットワークタブ)- 通信状況を見る
このタブでは、ページが読み込まれる際の通信を確認できます。
できること
- どのファイルが読み込まれているか確認
- 読み込み速度を測定
- 画像やスクリプトのサイズを確認
実用例
「このページ、読み込みが遅いな」と思ったとき:
- Networkタブを開く
- ページを更新(F5キー)
- 読み込まれた全ファイルの一覧が表示される
- どのファイルが重いか、どこで時間がかかっているか確認できる
日常で使える!便利な活用例5選
開発者ツールの実用的な使い方を紹介します。プログラミングの知識がなくても使えます。
活用例1:Webサイトの色を調べる
お気に入りのサイトで使われている色を自分のサイトでも使いたい!
手順
- 色を知りたい部分を右クリック→「検証」
- 右側の「Styles」で「color」や「background-color」を探す
- 「#3498db」のようなコードをメモ
これがカラーコードです。デザインツールやWebサイト作成に使えます。
活用例2:フォント(文字の種類)を確認する
「このサイトの文字、読みやすくていいな」と思ったとき。
手順
- 文字部分を右クリック→「検証」
- 右側の「Styles」で「font-family」を探す
- 使われているフォント名を確認
「Helvetica」「游ゴシック」「Noto Sans」など、フォント名が分かります。
活用例3:画像のサイズを調べる
気になる画像の実際のサイズを知りたいとき。
手順
- 画像を右クリック→「検証」
- HTMLで「」タグを探す
- 「width」「height」の値を確認
または、Elementsタブで画像要素を選択すると、右下に実際のサイズが表示されます。
活用例4:ボタンのデザインを研究する
おしゃれなボタンの作り方を知りたい!
手順
- ボタンを右クリック→「検証」
- Stylesパネルで以下をチェック
- background-color(背景色)
- border-radius(角の丸み)
- padding(内側の余白)
- box-shadow(影の効果)
これらの値を参考にすれば、同じようなボタンが作れます。
活用例5:モバイル表示を確認する
「このページ、スマホで見るとどう見えるんだろう?」
手順
- 開発者ツールを開く
- 「Ctrl + Shift + M」を押す(またはツールバーのデバイスアイコン)
- デバイスエミュレーションモードに切り替わる
- 上部のドロップダウンで「iPhone 12」「Galaxy S21」などを選択
パソコンでスマホの表示を確認できます。便利!
もう少し慣れたら使いたい便利機能
基本をマスターしたら、これらの機能も試してみましょう。
Sourcesツール – ファイルの中身を見る
Webページを構成するファイル(HTML、CSS、JavaScript)を直接見ることができます。
使い道
- サイトの構造を学ぶ
- 他のサイトのコードを参考にする(学習目的で)
- 自分のサイトのデバッグ
Applicationツール – 保存データを確認
ブラウザに保存されているデータを確認できます。
見られるもの
- Cookie(クッキー)
- ローカルストレージ
- セッションストレージ
- キャッシュされたファイル
「このサイト、ログイン状態が保存されないな」といった問題の原因を調べられます。
Performanceツール – ページ速度を測定
ページの読み込み速度や動作のスムーズさを詳しく分析できます。
使い道
- 自分のサイトがどこで遅くなっているか特定
- 改善ポイントを見つける
Lighthouseツール – サイトを総合評価
サイトの品質を自動でチェックしてくれるツールです。
評価項目
- パフォーマンス
- アクセシビリティ
- SEO(検索エンジン最適化)
- ベストプラクティス
自分のサイトを改善したい人には必須のツールです。
よくある質問と答え
Q1:開発者ツールを使うと相手にバレますか?
バレません。 開発者ツールは自分のブラウザの中だけで動作します。
サイトの運営者には、あなたが開発者ツールを使っていることは一切分かりません。普通にページを見ているのと同じです。
Q2:変更した内容は保存されますか?
基本的に保存されません。 開発者ツールでの変更は一時的なものです。
ページを更新(F5)すれば元に戻ります。元のファイルには一切影響しません。
Q3:開発者ツールを使うのは違法ですか?
違法ではありません。 自分のブラウザで表示されているページを調べるだけなので、全く問題ありません。
ただし、以下には注意が必要です:
- 調べた情報を悪用しない
- セキュリティテストは許可が必要
- 他人のサイトを無断で改ざんしない(これは犯罪)
閲覧と学習目的なら全く問題ありません。
Q4:ChromeのDevToolsとの違いは?
ほぼ同じです。 EdgeもChromeも同じChromiumというエンジンをベースにしています。
そのため、操作方法も機能もほとんど同じです。Chromeで覚えた知識はEdgeでも使えますし、その逆も可能です。
Q5:スマホ版Edgeでも使えますか?
使えません。 開発者ツールはデスクトップ版(パソコン版)のみの機能です。
スマホやタブレットのEdgeでは利用できません。
Q6:WordPressサイトも調査できますか?
できます。 WordPressで作られたサイトも、普通のWebサイトと同じようにフロントエンド(見た目の部分)は調査できます。
ただし、管理画面やデータベースの中身など、サーバー側の情報は見られません。
Q7:HTMLやCSSが分からなくても使えますか?
はい、使えます! この記事で紹介した「色を調べる」「画像サイズを確認する」といった使い方は、専門知識がなくてもできます。
HTMLやCSSを勉強したい人にとっては、開発者ツールは最高の学習ツールにもなります。
開発者ツールを学習に活用する方法
プログラミングを学びたい人にとって、開発者ツールは最高の教材です。
実際のサイトから学ぶ
効果的な学習方法
- お気に入りのサイトを開く
- 開発者ツールでHTMLとCSSを見る
- 「なぜこの部分がこう表示されるのか」を考える
- CSSの値を変更して、どう変わるか実験する
これが最も実践的な学習方法です。
コードを実験する
Consoleタブでは、JavaScriptのコードを試すことができます。
例:簡単な計算
2 + 2
Enterを押すと、すぐに結果が表示されます。
例:ページ要素を操作
document.body.style.backgroundColor = "lightblue";
これでページの背景色が変わります。
プログラミング学習の練習場として最適です。
他のサイトのテクニックを研究
優れたWebデザインを見つけたら:
- どんなCSSが使われているか確認
- レイアウトの構造を研究
- アニメーションの実装方法を学ぶ
プロのテクニックを無料で学べます。
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
開発者ツールの表示が崩れている
対処法
- ブラウザの表示倍率を確認(100%に戻す)
- 開発者ツールのウィンドウサイズを広げる
- Edgeを再起動
タブが見つからない
開発者ツールのタブは移動や削除ができます。
復元方法
- 開発者ツール内の「…」→「設定」
- 「基本設定」タブ
- 「既定値を復元して更新」をクリック
これですべてのタブがデフォルトの位置に戻ります。
動作が重い・遅い
開発者ツールを開いたままだと、少しパフォーマンスが落ちます。
対処法
- 使わないときは閉じる
- 不要なタブは閉じる
- Networkタブの記録を停止
変更が反映されない
開発者ツールで変更しても反映されない場合:
確認事項
- 正しい要素を選択しているか
- CSSの優先順位で上書きされていないか
- JavaScriptでスタイルが制御されていないか
右側のStylesパネルで、打ち消し線が引かれているCSSは無効になっています。
プライバシーとセキュリティの注意点
開発者ツールを使う際の注意事項です。
個人情報の取り扱い
開発者ツールでは、自分のブラウザに保存されているデータが見られます。
- パスワード
- Cookie
- 閲覧履歴
注意
- 公共のパソコンでは使用後にプライベートブラウジングを終了
- 他人に画面を見せる際は個人情報をマスク
怪しいコードの実行に注意
Consoleタブでは任意のJavaScriptコードを実行できます。
危険な例
「このコードを実行すれば○○できる」といった怪しい指示に従ってはいけません。
悪意のあるコードを実行すると:
- アカウントを乗っ取られる
- 個人情報が盗まれる
- 不正な操作をされる
ルール
信頼できないコードは絶対に実行しないこと。
まとめ:開発者ツールは誰でも使える便利ツール
Microsoft Edgeの開発者ツールについて、基礎から実用的な使い方まで解説しました。
この記事で学んだこと
開発者ツールの基本
- F12キーで簡単に開ける
- 「開発者」という名前だが一般ユーザーも使える
- ページを調査しても相手にはバレない
主要な3つのツール
- Elements:HTML/CSSを確認
- Console:エラーをチェック
- Network:通信状況を監視
実用的な活用法
- 色やフォントの調査
- 画像サイズの確認
- ボタンデザインの研究
- モバイル表示のチェック
学習への活用
- 実際のサイトから学ぶ
- コードを実験する
- プロのテクニックを研究
最初の一歩
まずは以下を試してみてください:
- F12キーで開発者ツールを開く
- 気になる文字を右クリック→「検証」
- 色のコードを確認してみる
これだけでも開発者ツールの便利さが実感できるはずです。
さらに深く学びたい方へ
開発者ツールは奥が深いツールです。今回紹介した基本機能をマスターしたら、以下にも挑戦してみてください:
- Performanceツールでサイト速度を分析
- Lighthouseで総合評価
- Sourcesツールでデバッグ
- モバイルエミュレーションの詳細設定
参考リソース
- Microsoft公式ドキュメント
- Web開発者コミュニティ
- オンライン学習サイト
開発者ツールを使いこなせば、Webに対する理解が深まります。自分でサイトを作りたい人はもちろん、普段Webを使う上でも役立つ知識が得られますよ。
最初は難しく感じるかもしれませんが、触っているうちに慣れてきます。失敗を恐れず、いろいろ試してみてください。ページを更新すれば元に戻るので、気軽に実験できます。
さあ、F12キーを押して、Webの世界をもっと深く探検してみましょう!


コメント