Microsoft Edgeでインターネットを閲覧していると、訪問したWebサイトの履歴やアドレスバーに入力した検索キーワード、フォームに入力した個人情報などがどんどん蓄積されていきます。
「家族や友人に自分の閲覧履歴を見られたくない」「パソコンを修理に出す前にデータを削除したい」「アドレスバーに表示される過去の検索履歴が邪魔」といった理由で、これらの履歴を削除したいと思ったことはありませんか?
この記事では、Microsoft Edgeで蓄積される様々な入力履歴や閲覧データを削除する方法を、初心者の方でも分かりやすく解説します。手動での削除方法から自動削除の設定、さらにはプライバシーを守るための便利な機能まで、網羅的にご紹介していきます。
Edgeに保存される「履歴」の種類を理解しよう

削除方法を学ぶ前に、Microsoft Edgeにどんな種類の履歴が保存されているのか理解しておきましょう。
閲覧履歴(ブラウジング履歴)
訪問したWebサイトのURL、ページタイトル、訪問日時などの記録です。アドレスバーに文字を入力すると、過去に訪問したサイトが候補として表示されるのは、この閲覧履歴があるからです。
ダウンロード履歴
Edgeでダウンロードしたファイルの記録です。ファイル名、ダウンロード日時、ダウンロード元のURLなどが保存されています。
ダウンロード履歴を削除しても、ダウンロードしたファイル自体は削除されません。あくまで「ダウンロードした」という記録が消えるだけです。
Cookie(クッキー)とサイトデータ
Webサイトがあなたのパソコンに保存する小さなデータファイルです。ログイン状態の保持や、サイトの設定、ショッピングカートの内容などを記憶するために使われます。
Cookieを削除すると、ログイン状態が解除されたり、サイトの設定がリセットされたりします。
キャッシュされた画像とファイル
一度訪問したWebサイトの画像やファイルを一時的に保存したものです。次回同じサイトを訪問したときに、保存済みのデータを使うことでページの表示を高速化します。
ただし、古いキャッシュが残っていると、サイトの更新内容が反映されないことがあります。
フォームデータ(オートフィル)
Webフォームに入力した名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの情報です。次回同じようなフォームを入力するときに、自動的に候補として表示されます。
パスワード
Webサイトにログインするときに入力したIDとパスワードの組み合わせです。Edgeが記憶してくれているので、次回からは自動入力されます。
サイトのアクセス許可
特定のWebサイトに与えた権限の記録です。位置情報の使用許可、通知の許可、カメラやマイクへのアクセス許可などが含まれます。
【基本】閲覧履歴を手動で削除する方法
まずは、最も基本的な閲覧履歴の削除方法から解説します。
方法1:設定画面から削除する
手順1:設定を開く
Edgeを起動し、画面右上の「…」(三点リーダー)をクリックします。
表示されたメニューから「設定」を選択してください。
手順2:プライバシー設定へ移動
左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリックします。
もし左側のメニューが表示されていない場合は、ウィンドウの横幅を広げるか、左上の三本線アイコンをクリックしてください。
手順3:閲覧データの削除
右側の画面を下にスクロールすると「閲覧データをクリア」というセクションがあります。
「クリアするデータの選択」ボタンをクリックしてください。
手順4:削除する項目を選択
「時間の範囲」のドロップダウンメニューで、削除したい期間を選択します。
- 過去1時間
- 過去24時間
- 過去1週間
- 過去4週間
- すべての期間
すべての履歴を削除したい場合は「すべての期間」を選択しましょう。
手順5:削除する種類を選択
削除したいデータの種類にチェックを入れます。
- 閲覧の履歴
- ダウンロードの履歴
- Cookieおよびその他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- パスワード
- オートフィルフォームデータ
- サイトのアクセス許可
手順6:削除を実行
選択が完了したら「今すぐクリア」ボタンをクリックします。
確認画面は表示されず、すぐに削除が実行されるので注意してください。削除が完了すると、ボタンの上に完了メッセージが表示されます。
方法2:ショートカットキーで素早く削除
もっと手軽に削除したい場合は、キーボードショートカットが便利です。
「Ctrl」キー + 「Shift」キー + 「Delete」キーを同時に押すと、閲覧データの削除画面が直接開きます。
あとは方法1の手順4から同じ操作を行えばOKです。
方法3:履歴ページから削除
履歴ページを開く
「Ctrl」キー + 「H」キーを同時に押すと、履歴ページが開きます。
または、アドレスバーに「edge://history/」と入力してEnterキーを押しても開けます。
個別に削除する
削除したいWebページの右側にある「×」ボタンをクリックすると、その項目だけを削除できます。
まとめて削除する
画面右上の「…」(三点リーダー)をクリックして「閲覧データをクリア」を選択すると、設定画面の削除画面が開きます。
アドレスバーの入力履歴を個別に削除する
アドレスバーに特定のキーワードを入力したときに表示される候補を、個別に削除できます。
検索候補を1つずつ削除
手順
アドレスバーに文字を入力すると、過去の検索履歴や閲覧履歴が候補として表示されます。
削除したい候補の右端に表示される「X」ボタンをクリックします。
これで、その特定の検索語句や訪問履歴だけが削除されます。
注意点
この方法は、表示された候補を個別に削除するだけで、閲覧履歴全体から完全に削除されるわけではありません。完全に削除したい場合は、前述の方法で閲覧履歴を削除してください。
フォーム入力データ(オートフィル)を削除する
Webフォームに入力した住所や電話番号などのデータを削除する方法です。
すべてのフォームデータを削除
前述の「閲覧履歴を手動で削除する方法」で、「オートフィルフォームデータ(住所やその他を含む)」にチェックを入れて削除を実行すれば、すべてのフォームデータが削除されます。
個別のフォームデータを削除
手順1:設定を開く
「…」→「設定」→「プロファイル」の順にクリックします。
手順2:オートフィル設定へ
「個人情報」セクションから「住所やその他の情報」をクリックします。
手順3:データを削除
保存されている住所や電話番号などの一覧が表示されるので、削除したい項目の右側にある「…」をクリックして「削除」を選択します。
パスワードの削除方法

保存されているパスワードを削除する方法です。
すべてのパスワードを削除
閲覧データの削除画面で「パスワード」にチェックを入れて削除を実行すると、保存されているすべてのパスワードが削除されます。
個別のパスワードを削除
手順1:パスワード管理画面を開く
「…」→「設定」→「プロファイル」→「パスワード」の順にクリックします。
手順2:パスワードを表示
「保存されたパスワード」セクションに、保存されているWebサイトとアカウント情報の一覧が表示されます。
手順3:削除する
削除したいパスワードの右側にある「…」をクリックして「削除」を選択します。
自動削除機能を設定する
Edgeを閉じるたびに自動的に閲覧データを削除する設定です。
自動削除の設定手順
手順1:設定画面を開く
「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」の順にクリックします。
手順2:自動削除設定へ移動
「閲覧データをクリア」セクションまでスクロールし、「ブラウザーを閉じるたびにクリアするデータを選択する」をクリックします。
手順3:削除する項目を選択
自動的に削除したいデータの種類のスイッチをオンにします。
- 閲覧の履歴
- ダウンロードの履歴
- Cookieおよびその他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- パスワード
- オートフィルフォームデータ
- サイトのアクセス許可
- ホストされたアプリのデータ
ポイント
「Cookieおよびその他のサイトデータ」をオンにすると、ブラウザを閉じるたびにすべてのWebサイトからログアウトされます。
よく使うサイトで毎回ログインするのが面倒な場合は、例外として削除しないサイトを指定できます。「追加」ボタンをクリックして、Cookieを残したいサイトのURLを入力してください。
InPrivateモードで履歴を残さずに閲覧する
履歴を削除する手間を省きたい場合は、最初から履歴を残さないInPrivateモード(プライベートブラウジング)が便利です。
InPrivateモードとは
InPrivateモードで閲覧すると、以下のデータがパソコンに保存されません。
- 閲覧の履歴
- ダウンロードの履歴
- Cookie
- 一時的なファイル
- フォームデータ
- パスワード
InPrivateウィンドウをすべて閉じると、そのセッション中のデータは自動的に削除されます。
InPrivateウィンドウの開き方
方法1:メニューから開く
Edgeの「…」をクリックして「新しいInPrivateウィンドウ」を選択します。
方法2:ショートカットキーで開く
「Ctrl」キー + 「Shift」キー + 「N」キーを同時に押すと、InPrivateウィンドウが開きます。
方法3:リンクをInPrivateで開く
通常のEdgeウィンドウでリンクを右クリックし、「InPrivateウィンドウで開く」を選択すると、そのリンク先だけをInPrivateモードで閲覧できます。
InPrivateモードの注意点
InPrivateモードは、あくまで「自分のパソコンに履歴が残らない」だけです。
- 訪問したWebサイトには、あなたのアクセス記録が残ります
- 会社や学校のネットワーク管理者は、あなたの閲覧履歴を確認できる場合があります
- プロバイダーには通信記録が残ります
- ダウンロードしたファイルは、パソコンに保存されます
完全な匿名性を保証するものではない点に注意してください。
特定のWebページのキャッシュだけを削除する
Webページが正しく更新されない場合、そのページのキャッシュだけを削除すると解決することがあります。
開発者ツールを使った削除方法
手順1:該当ページを開く
キャッシュを削除したいWebページを開きます。
手順2:開発者ツールを起動
「F12」キーを押すか、「Ctrl」キー + 「Shift」キー + 「I」キーを同時に押します。
または、「…」→「その他のツール」→「開発者ツール」の順にクリックしても開けます。
手順3:キャッシュをクリア
画面の上部または下部に開発者ツールが表示されます。
ページの「更新」ボタン(アドレスバーの左側にある円矢印アイコン)を長押しします。
メニューが表示されるので「キャッシュの消去とハード再読み込み」を選択してください。
これで、そのページのキャッシュだけが削除され、最新の状態でページが再読み込みされます。
履歴の表示と検索
削除する前に、どんな履歴が保存されているか確認したい場合の方法です。
履歴ページの表示
「Ctrl」キー + 「H」キーを押すか、「…」→「履歴」の順にクリックすると、履歴ページが開きます。
履歴の検索
履歴ページの上部に検索ボックスがあります。
キーワードを入力すると、そのキーワードを含むページだけが表示されます。特定のサイトの履歴を探すときに便利です。
日付別の表示
履歴は日付ごとに整理されて表示されます。「今日」「昨日」「先週」「今月」といった区切りで探すことができます。
最近閉じたタブの表示
履歴ページの上部にある「最近閉じた項目」タブをクリックすると、最近閉じたタブの一覧が表示されます。
誤って閉じてしまったタブを復元するのに便利です。
Microsoftアカウントと同期している場合の注意点
Microsoftアカウントでサインインして、複数のデバイス間でEdgeを同期している場合、削除方法に注意が必要です。
1つのデバイスだけで削除する場合
現在使っているデバイスでのみ履歴を削除したい場合は、まず同期をオフにします。
同期をオフにする手順
「…」→「設定」→「プロファイル」→「同期」の順に進みます。
「同期をオフにする」ボタンをクリックしてください。
その後、通常の方法で閲覧データを削除すれば、そのデバイスからだけ削除されます。
すべての同期デバイスから削除する場合
すべてのデバイスから履歴を削除したい場合は、同期をオンにしたまま閲覧データを削除します。
削除されたデータは、同期されている他のデバイスからも削除されます。
クラウドに保存されたデータを削除する
Microsoftのクラウドに保存されている閲覧データを削除するには、Microsoftのプライバシーダッシュボードにアクセスする必要があります。
「account.microsoft.com」にアクセスし、サインインしてプライバシーダッシュボードから閲覧データを管理・削除できます。
履歴を残さない・削除する理由
なぜ閲覧履歴を削除する必要があるのか、改めて考えてみましょう。
プライバシーの保護
家族や友人と共有しているパソコンの場合、自分がどんなWebサイトを見ていたのか知られたくないことがあります。
また、サプライズプレゼントを探していた履歴などは、見られると台無しになってしまいますね。
パソコンの動作改善
キャッシュや閲覧データが大量に蓄積されると、ブラウザの動作が遅くなることがあります。
定期的に削除することで、Edgeの動作を軽快に保つことができます。
セキュリティ対策
公共のパソコンやネットカフェなど、他人も使用するパソコンでは、使用後に必ず履歴を削除すべきです。
パスワードやクレジットカード情報などが残っていると、悪用される危険があります。
パソコンの譲渡・修理前の準備
パソコンを他人に譲ったり、修理に出したりする前には、個人情報が含まれる閲覧履歴をすべて削除しておくのが安全です。
よくある質問(FAQ)

Q1:履歴を削除すると、お気に入りも消えますか?
いいえ、消えません。お気に入り(ブックマーク)は閲覧履歴とは別に管理されているため、履歴を削除しても影響を受けません。
Q2:履歴削除後、元に戻すことはできますか?
残念ながら、一度削除した履歴を復元することはできません。削除は慎重に行ってください。
Q3:ダウンロード履歴を削除すると、ダウンロードしたファイルも消えますか?
いいえ、消えません。ダウンロード履歴はあくまで「ダウンロードした記録」なので、実際のファイルは削除されずにパソコンに残ります。
Q4:Cookieを削除すると、どうなりますか?
ログイン状態が解除され、次回訪問時に再度ログインが必要になります。また、サイトの設定や言語設定なども初期状態に戻ります。
Q5:会社や学校のパソコンでも履歴を削除できますか?
操作自体は可能ですが、ネットワーク管理者によっては、あなたの閲覧履歴をサーバー側で記録している場合があります。その場合、パソコンから削除しても管理者側には記録が残ります。
Q6:スマートフォン版のEdgeでも同じように削除できますか?
はい、基本的な操作は同じです。アプリのメニューから「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧データのクリア」と進めば削除できます。
おすすめの運用方法
実際にどのように履歴管理をすればよいのか、シーン別におすすめの方法をご紹介します。
日常使いの場合
おすすめ設定
- 定期的に手動で削除(月1回程度)
- キャッシュと閲覧履歴だけを削除
- パスワードとオートフィルは残す
日常使いでは、利便性を保ちながら定期的にデータを整理するのがおすすめです。
プライバシーを重視する場合
おすすめ設定
- ブラウザを閉じるたびに自動削除をオンにする
- または、常にInPrivateモードを使用
- パスワード管理は専用アプリを検討
履歴を極力残したくない場合は、自動削除機能やInPrivateモードを積極的に活用しましょう。
家族と共有しているパソコンの場合
おすすめ設定
- 各自で別々のプロファイルを作成
- 使用後は必ずサインアウト
- 必要に応じてInPrivateモードを使用
プロファイルを分けることで、お互いのプライバシーを守りながら快適に使えます。
公共のパソコンを使う場合
必須設定
- 使用前から InPrivateモードで開始
- 使用後は必ず全ての閲覧データを削除
- パスワードは絶対に保存しない
- 可能であれば、ブラウザ自体を閉じる
公共のパソコンでは、個人情報が残らないよう最大限の注意が必要です。
まとめ
Microsoft Edgeの入力履歴や閲覧データを削除する方法について、詳しく解説してきました。
基本的な削除方法
- 手動削除:設定画面から、またはCtrl+Shift+Deleteで簡単に削除
- 個別削除:アドレスバーの候補や履歴ページから1つずつ削除
- 自動削除:ブラウザを閉じるたびに自動的に削除する設定も可能
プライバシー保護機能
- InPrivateモード:最初から履歴を残さずに閲覧
- 特定サイトのCookie保持:便利なサイトのログイン状態は維持できる
注意すべきポイント
- 削除した履歴は復元できない
- 同期している場合は、全デバイスから削除される
- お気に入りやダウンロードファイルは削除されない
あなたの使用環境やプライバシーに対する考え方に合わせて、最適な設定を選んでください。定期的なメンテナンスを行うことで、Edgeを快適かつ安全に使い続けることができます。
この記事が、あなたのプライバシー保護とブラウザ管理のお役に立てば幸いです!


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