Windows 10や11を使っていて、「Microsoft Edgeをアンインストールしたいのに、ボタンがグレーアウトしていて削除できない」という経験はありませんか?
実は、これはMicrosoftが意図的に設定している仕様なんです。でも、Edgeを使わないから削除したい、別のブラウザを使いたい、という気持ちもよく分かります。
この記事では、なぜMicrosoft Edgeをアンインストールできないのか、その理由を解説します。さらに、本当に削除が必要な場合の方法や、削除せずにEdgeを使わないようにする実用的な対処法もご紹介しますね。
なぜMicrosoft Edgeはアンインストールできないの?

Microsoftの公式見解
Microsoftは公式サポートページで、以下のように説明しています。
「Microsoft Edgeは、Microsoftによって推奨されるWebブラウザーであり、Windowsの既定のWebブラウザです。WindowsはWebプラットフォームに依存するアプリケーションをサポートしているため、既定のWebブラウザーはオペレーティングシステムの重要なコンポーネントであり、アンインストールすることはできません。」
つまり、EdgeはWindowsというOSに深く組み込まれた必須コンポーネントという扱いなんです。
Edgeが削除できない具体的な理由
1. Windowsシステムとの統合
Edgeはただのブラウザではなく、Windows OSの一部として機能しています。以下のような機能でEdgeが使われています。
- F1キーで開くヘルプ機能
- 天気ウィジェットの「詳しい予報を見る」
- Windows検索のWeb検索結果表示
- Copilot(AI機能)
- 一部のアプリ内でのWebコンテンツ表示
2. セキュリティとアップデート
MicrosoftはEdgeを通じて、セキュリティパッチやシステムアップデートの配信も行っています。Edgeがないと、これらの重要な更新を受け取れなくなる可能性があります。
3. アプリの互換性
多くのWindowsアプリやサービスがEdgeのエンジン(WebView2)を利用しています。Edgeを削除すると、これらのアプリが正常に動作しなくなる恐れがあるんです。
アンインストールボタンがグレーアウトしている理由
「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」でMicrosoft Edgeを見ると、「アンインストール」ボタンがグレーアウト(薄い灰色で押せない状態)になっています。
これは、Edgeが以下のように分類されているためです。
- システムアプリとして保護されている
- レジストリで削除を制限されている
- Windows Updateで強制的に再インストールされる仕組みがある
つまり、通常の方法では削除できないように、何重にもロックがかかっているということなんです。
Edge削除前に試したい代替案
実は、Edgeを完全に削除しなくても、使わないようにする方法があります。削除にはリスクも伴うので、まずはこちらの方法を試してみてください。
既定のブラウザを変更する
ChromeやFirefoxなど、お好みのブラウザを既定のブラウザに設定しましょう。
設定手順:
- 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」を開く
- 使いたいブラウザ(Chrome、Firefoxなど)を選択
- 「既定値に設定」をクリック
または、各ファイル形式ごとに設定する方法もあります。
- 「既定のアプリ」画面で下にスクロール
- 「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」をクリック
- 「.htm」「.html」などを探して、好きなブラウザに設定
注意点:
Windows Updateで大型アップデートが行われると、勝手にEdgeが既定のブラウザに戻されることがあります。その場合は、再度設定し直してください。
スタートアップでの自動起動を無効にする
Edgeが勝手に起動して困る場合は、スタートアップから削除しましょう。
- 「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」を開く
- 「Microsoft Edge」を探してオフにする
または、タスクマネージャーから設定する方法もあります。
- Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開く
- 「スタートアップ」タブをクリック
- 「Microsoft Edge」を右クリック→「無効化」
EdgeのURLを他のブラウザで開く設定
MSEdgeRedirectというツールを使うと、Edgeで開こうとしたリンクを自動的に別のブラウザで開けます。
これにより、天気ウィジェットやCopilotのリンクをChrome、Firefox、Vivaldiなどで開くことが可能になります。
それでもアンインストールしたい場合の方法
ここからは、どうしてもEdgeを削除したい方向けの情報です。ただし、以下の方法は自己責任で実施してください。
アンインストール前の重要な注意事項
リスクを理解する
- Windowsの一部機能が使えなくなる可能性がある
- システムが不安定になる恐れがある
- Windows Updateで自動的に再インストールされることがある
- Microsoftはサポート対象外となる
削除してはいけないケース
- 企業や学校のPCで管理されている場合
- 他にブラウザをインストールしていない場合
- Windows標準機能を多用している場合
- システムに関する知識が十分でない場合
事前準備
- 別のブラウザ(Chrome、Firefoxなど)をインストールしておく
- システムの復元ポイントを作成する
- 重要なデータをバックアップする
方法1:Revo Uninstaller Freeを使う方法
最も安全で確実なのが、専用のアンインストールソフトを使う方法です。
Revo Uninstaller Freeとは
無料で使えるアンインストール支援ソフトで、通常では削除できないアプリも削除できます。インストール不要の実行ファイル型なので、PCを汚しません。
削除手順:
- Revo Uninstaller FreeをVectorなどからダウンロード
- ソフトを起動する
- 一覧から「Microsoft Edge」を右クリック
- 「アンインストール」を選択
- 「標準モード」を選択して「スキャン」をクリック
- 残留レジストリ項目が表示されたら「削除」をクリック
- 残留ファイルとフォルダが表示されたら「削除」をクリック
- 削除完了まで数十秒待つ
この方法なら、Edgeに関連するレジストリやファイルもまとめて削除できます。
方法2:コマンドプロンプトを使う方法
より技術的な方法として、コマンドプロンプトから削除する方法もあります。
事前準備:Edgeのバージョンを確認
- Edgeを起動
- 右上の「…」(設定)→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」
- バージョン番号をメモまたはコピー
削除手順:
- Windowsキー+Sで検索を開く
- 「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を右クリック→「管理者として実行」
- 以下のコマンドを入力(【バージョン】は確認した番号に置き換え)
cd C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\【バージョン】\Installer
- Enterキーを押す
- 次のコマンドを入力
setup.exe --uninstall --system-level --verbose-logging --force-uninstall
- Enterキーを押す
- 何も表示されずにプロンプトが戻れば削除成功
方法3:セーフモードから削除する方法
より徹底的に削除したい場合は、Windowsをセーフモードで起動してから削除します。
セーフモードの起動手順:
- 「設定」→「システム」→「回復」を開く
- 「今すぐ再起動」をクリック
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」
- 再起動後、「4」または「F4」キーを押してセーフモード起動
セーフモード起動後、上記のRevo Uninstallerまたはコマンドプロンプトの方法を実行します。
Edge削除後のトラブルと対処法

Windows Updateで再インストールされる
Edgeを削除しても、Windows Updateで自動的に再インストールされることがあります。
対処法:レジストリで自動インストールを防ぐ
- Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下の場所に移動
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft
- 「Microsoft」フォルダを右クリック→「新規」→「キー」
- キー名を「EdgeUpdate」とする
- 「EdgeUpdate」を右クリック→「新規」→「DWORD(32ビット)値」
- 名前を「DoNotUpdateToEdgeWithChromium」とする
- 値を「1」に設定
一部の機能が使えなくなった
Edge削除後、以下の機能が使えなくなる可能性があります。
- 天気ウィジェットのリンク
- Windows検索のWeb結果
- Copilot
- F1ヘルプ
- 一部のWindowsストアアプリ
対処法:
- MSEdgeRedirectで別ブラウザを起動させる
- EdgeWebView2 Runtimeは残しておく(削除しない)
- 必要に応じてEdgeを再インストールする
Edgeが完全に消えない
削除後もスタートメニューにアイコンが残る場合があります。
対処法:
- スタートメニューのEdgeアイコンを右クリック
- 「アンインストール」または「スタートからピン留めを外す」を選択
- それでも消えない場合は、再起動してみる
Edgeを再インストールする方法
削除後にやっぱりEdgeが必要になった場合、簡単に再インストールできます。
再インストール手順:
- Microsoft Edgeの公式ページにアクセス
- 「Microsoft Edgeをダウンロード」ボタンをクリック
- ダウンロードしたインストーラーを実行
- 画面の指示に従ってインストール
ポイント:
削除前にEdgeのインストーラーをダウンロードしておくと、オフラインでも再インストールできて安心です。
Edgeを使わない設定のまとめ
削除ではなく「使わない」という選択肢もあります。こちらの方がリスクが少なくおすすめです。
推奨される設定:
- 既定のブラウザを変更
- Chrome、Firefox、Vivaldiなどに設定
- スタートアップから削除
- 自動起動を無効化
- タスクバーのピン留めを外す
- 右クリック→「タスクバーからピン留めを外す」
- スタートメニューから削除
- 右クリック→「スタートからピン留めを外す」
- MSEdgeRedirectを導入
- Edgeのリンクを別ブラウザで開く
この設定なら、Edgeを削除せずに、ほとんど使わない状態にできます。
よくある質問
Q1:Edgeを削除するとWindowsが壊れますか?
通常の使用であれば大きな問題にはなりませんが、一部の機能が使えなくなります。重要なシステムファイルではないので、Windows自体が起動しなくなることはありません。
Q2:Edgeを削除してもChromiumは残しておくべき?
EdgeWebView2 Runtime(Chromiumエンジン)は削除しないことをおすすめします。これは多くのアプリで使用されているため、削除するとアプリが動かなくなる可能性があります。
Q3:Windows 11でもEdgeは削除できますか?
はい、Windows 11でも同じ方法で削除できます。ただし、Windows 11はEdgeとの統合がより深いため、削除後の影響も大きくなる可能性があります。
Q4:削除したEdgeは本当に完全になくなりますか?
Windows Updateで自動的に再インストールされることがあります。完全に防ぐには、レジストリで自動インストールをブロックする必要があります。
Q5:企業PCでもEdgeを削除できますか?
企業や学校で管理されているPCの場合、管理者の許可なくEdgeを削除してはいけません。グループポリシーで管理されていることが多いため、勝手に削除すると問題になる可能性があります。
まとめ
Microsoft Edgeがアンインストールできない理由と対処法について解説しました。
重要なポイント:
- EdgeはWindows OSの重要なコンポーネントとして扱われている
- アンインストールボタンがグレーアウトしているのは意図的な仕様
- 削除するには専用ソフトやコマンドプロンプトを使う必要がある
- 削除にはリスクが伴うため、自己責任で実施すること
- 削除しなくても、既定のブラウザ変更で十分対応できる
おすすめの対応:
- まずは既定のブラウザを変更してみる
- それでも不満なら、スタートアップや自動起動を無効化
- どうしても削除したい場合は、Revo Uninstaller Freeを使用
- 削除前に必ず復元ポイントとバックアップを作成
Edgeを完全に削除するのはリスクもありますが、「使わない」状態にするだけなら、安全に実現できます。ご自身の環境や用途に合わせて、最適な方法を選んでくださいね。

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