「このファイルはMicrosoft Edgeによってブロックされました」
ファイルをダウンロードしようとしたら、突然こんなメッセージが表示されて困ったことはありませんか?または、Webページを見ようとしたら「このページはMicrosoft Edgeによってブロックされました」と出てしまった経験があるかもしれません。
実は、これはMicrosoft Edgeのセキュリティ機能が働いている証拠なんです。ウイルスや詐欺サイトからあなたのパソコンを守るため、Edgeが危険だと判断したものをブロックしているんですね。
でも、時には安全なファイルや信頼できるWebサイトまでブロックされてしまうことがあります。「これは大丈夫なのに!」と分かっている場合、どうすればブロックを解除できるのでしょうか?
この記事では、Edgeでブロックされる3つの主なパターンと、それぞれの安全な解除方法を詳しく解説します。セキュリティを守りながら、必要なファイルやサイトにアクセスする方法を学びましょう。
Edgeがブロックする主な原因

Microsoft Defender SmartScreen機能
SmartScreen(スマートスクリーン)は、Edgeに組み込まれているセキュリティ機能です。
この機能は、Webサイトやダウンロードファイルを常に監視していて、危険だと判断したものを自動的にブロックします。具体的には、次のようなチェックを行っています。
- フィッシング詐欺サイトかどうか
- マルウェア(悪意のあるソフト)を配布していないか
- 他のユーザーがあまりダウンロードしていないファイルか
- デジタル署名がない、または信頼できない署名か
SmartScreenは、Microsoftが持つ膨大なデータベースと照合して判断するため、かなり正確です。でも、完璧ではありません。新しいソフトウェアや、あまり有名でないサイトは「危険」と誤判定されることがあるんです。
トラッキング防止機能
Edgeには、トラッキング防止という機能もあります。
これは、Webサイトがあなたの行動を追跡するのを防ぐ機能です。広告会社などが、あなたがどんなサイトを見ているか監視できないようにブロックしてくれます。
設定を「厳重」にしていると、多くの広告やトラッキング要素がブロックされて、「このページはMicrosoft Edgeによってブロックされました」というメッセージが表示されることがあります。
サードパーティCookieのブロック
Cookie(クッキー)は、Webサイトがあなたの情報を記憶するための小さなファイルです。
Edgeでは、「サードパーティCookie」(訪問しているサイト以外が作るCookie)をブロックする設定があります。これも、プライバシー保護のための機能です。
ただし、この設定が原因で、一部のWebサイトが正常に動作しなくなることがあります。
パターン1:ダウンロード時のブロック
よくあるメッセージ
ファイルをダウンロードしようとすると、以下のようなメッセージが表示されます。
- 「一般的にダウンロードされていません」
- 「安全にダウンロードすることはできません」
- 「お使いのデバイスに問題を起こす可能性があるため、ブロックされました」
- 「〇〇.exeのダウンロードは安全でないため、Windows Defender SmartScreenによりブロックされました」
これらは、SmartScreenがファイルを危険と判断したサインです。
安全なファイルかどうか確認する
ブロックを解除する前に、本当に安全なファイルかどうか確認しましょう。
以下のチェックリストを使ってください。
✅ 信頼できるサイトからのダウンロードか?
- 公式サイトや有名企業のサイトなら安全性が高い
- 知らないサイトや怪しいサイトなら要注意
✅ ダウンロードしようとしたファイルか?
- 自分で意図してダウンロードボタンを押したか
- 勝手にダウンロードが始まった場合は危険
✅ ファイルの拡張子は何か?
- .exe、.msi、.bat などは実行ファイル(注意が必要)
- .pdf、.docx、.jpg などは比較的安全
✅ ウイルス対策ソフトの反応は?
- 別のセキュリティソフトも警告を出している場合は危険
これらを確認して、安全だと判断できた場合のみ、次のステップに進みましょう。
ブロックされたファイルをダウンロードする方法
安全性を確認したら、以下の手順でダウンロードできます。
手順1:ダウンロードメニューを開く
- 画面右上のメッセージにマウスポインターを合わせる
- 「…」(3つの点)が表示される
- 「…」をクリックして、メニューを表示
手順2:ダウンロードを実行
- メニューから「保存」または「保持する」を選択
- 確認画面が表示される場合がある
- 「詳細表示」をクリック
- 「保持する」または「ダウンロードする」をクリック
これでファイルがダウンロードされます。
また、ダウンロード履歴から操作することもできます。
- Ctrl + J キーを押す(またはメニューから「ダウンロード」を選択)
- ブロックされたファイルを右クリック
- 「安全でないファイルをダウンロード」を選択
ダウンロードしたファイルを開く際の注意
ダウンロードできても、まだ安心はできません。
ファイルを開く前に、もう一度確認しましょう。
- ウイルススキャンを実行:Windows Defenderや他のセキュリティソフトでスキャン
- 拡張子を確認:ファイル名と拡張子が一致しているか
- 送信元を再確認:本当に信頼できる相手からのファイルか
「WindowsによってPCが保護されました」というメッセージが出た場合も、同様に慎重に判断してください。
パターン2:Webページ閲覧時のブロック
「このページはMicrosoft Edgeによってブロックされました」の原因
Webページを見ているときに、アドレスバーの右側に盾のようなアイコンと共にこのメッセージが出ることがあります。
これは主に、トラッキング防止機能が原因です。
アイコンをクリックすると、「○個のサイトがブロックされています」と表示されて、具体的に何がブロックされているか確認できます。多くの場合、広告や分析ツールがブロックされています。
トラッキング防止の設定を変更する
この問題を解決するには、トラッキング防止の設定を調整します。
設定手順:
- 右上の「…」をクリック
- 「設定」を選択
- 左側メニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリック
- 「トラッキングの防止」の項目を探す
- 現在「厳重」になっていたら、「バランス」に変更
「バランス」に変更すると、プライバシーは保護しつつ、多くのWebサイトが正常に動作するようになります。
それでも問題が解決しない場合は、「基本」に変更してみてください。ただし、「基本」にするとトラッキング防止の効果が弱まるので、普段は「バランス」がおすすめです。
サードパーティCookieの設定を変更する
トラッキング防止を変更しても解決しない場合は、Cookieの設定も確認しましょう。
設定手順:
- 「設定」→「Cookie とサイトのアクセス許可」
- 「サードパーティの Cookie をブロックする」を探す
- 現在オンになっていたら、オフに変更
この設定をオフにすると、多くのWebサイトが正常に動作するようになります。ただし、プライバシー保護は弱まります。
特定のサイトを例外に設定する
すべての設定を変更したくない場合は、特定のサイトだけ例外として許可できます。
手順:
- ブロックされているサイトを開く
- アドレスバー左側の鍵マークをクリック
- 「このサイトの Cookie とサイトのデータ」をクリック
- 「許可」を選択
- ページを再読み込み
これで、そのサイトだけはブロックされなくなります。
パターン3:インターネットアクセス自体がブロック

「インターネット アクセスがブロックされています」
Edge起動時に「申し訳ございません。インターネット アクセスがブロックされています」と表示されて、どのWebページも見られないことがあります。
これは、ファイアウォールやセキュリティソフトがEdgeをブロックしている可能性が高いです。
ファイアウォールの設定を確認
Windowsファイアウォールの設定を確認しましょう。
手順:
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」(または「更新とセキュリティ」)をクリック
- 「Windowsセキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」
- 「アプリをファイアウォール経由で許可する」をクリック
- 一覧から「Microsoft Edge」を探す
- 両方のチェックボックス(プライベート・パブリック)がオンになっているか確認
- オフになっていたら、チェックを入れる
これでEdgeの通信が許可されます。
セキュリティソフトを一時的に無効化
Norton、McAfee、ウイルスバスターなどのセキュリティソフトが原因の場合があります。
確認方法:
- セキュリティソフトを一時的に無効化
- Edgeが動作するか確認
- 動作すれば、セキュリティソフトが原因
セキュリティソフトが原因だった場合は、そのソフトの設定でEdgeを除外リストに追加してください。具体的な手順は、各セキュリティソフトのマニュアルを参照してください。
Edgeの修復またはリセット
設定を変えても解決しない場合は、Edge自体を修復しましょう。
修復手順:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」
- 「Microsoft Edge」を探す
- 右側の「…」→「変更」をクリック
- 「修復」を選択
修復で解決しない場合は、リセットも試してみてください。ただし、リセットすると拡張機能や設定が初期化されるので、注意が必要です。
SmartScreenを完全に無効化する方法(非推奨)
無効化はおすすめしません
SmartScreenを完全に無効化することもできますが、強くおすすめしません。
無効化すると、以下のリスクがあります。
- ウイルスに感染しやすくなる
- フィッシング詐欺に遭いやすくなる
- 危険なファイルを誤ってダウンロードする可能性が高まる
- パソコンが深刻なダメージを受ける恐れがある
セキュリティを捨ててまで無効化する価値は、ほとんどありません。
それでも無効化する場合の手順
自己責任で無効化する場合は、以下の手順です。
Edgeの設定から:
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「セキュリティ」セクションまでスクロール
- 「Microsoft Defender SmartScreen」をオフにする
- 確認画面が表示されたら「オフにする」
Windowsセキュリティから:
- スタートメニューから「Windowsセキュリティ」を開く
- 「アプリとブラウザーコントロール」をクリック
- 「評判ベースの保護の設定」をクリック
- 「Microsoft EdgeのSmartScreen」をオフにする
無効化した場合は、必ず別のセキュリティ対策を強化してください。
よくある質問と回答
会社のファイルもブロックされる場合は?
会社で配布されるソフトウェアやドキュメントがブロックされることがあります。
この場合は、IT部門に連絡して、適切な対処を依頼しましょう。企業では、グループポリシーで一括設定できるので、個人で対応するより安全です。
公式サイトからのダウンロードでもブロックされる?
はい、公式サイトでもブロックされることがあります。
特に、新しいバージョンのソフトウェアや、マイナーなソフトウェアは、まだ多くの人がダウンロードしていないため、SmartScreenが「一般的ではない」と判断してブロックします。
公式サイトであることを確認できれば、安全にダウンロードできます。
ブロックを解除したらウイルスに感染した場合は?
もしウイルスに感染してしまった場合は、すぐに対処が必要です。
- インターネット接続を切断
- ウイルススキャンを実行(Windows Defender または他のセキュリティソフト)
- 検出されたウイルスを削除
- パスワードを変更(重要なアカウント)
- 必要に応じて専門家に相談
予防が最善の対策です。怪しいファイルは、絶対にダウンロードしないようにしましょう。
市役所や官公庁のサイトでブロックされる?
官公庁のWebサイトでも、ブロックされることがあります。
これは、古いシステムを使っていたり、セキュリティ証明書の設定に問題があったりするためです。こうした場合は、トラッキング防止を「基本」に変更することで、多くの場合は解決します。
それでも解決しない場合は、該当機関に問い合わせることをおすすめします。
まとめ
「Microsoft Edgeによってブロックされました」というメッセージは、セキュリティ機能が正常に動作している証拠です。
ダウンロード時のブロックは、SmartScreen機能によるものです。安全性を確認してから、「…」メニューの「保存」または「保持する」を選択することで、ダウンロードできます。
Webページ閲覧時のブロックは、トラッキング防止やCookie設定が原因です。設定を「厳重」から「バランス」に変更するか、特定のサイトを例外に設定することで解決します。
インターネットアクセス自体がブロックされる場合は、ファイアウォールやセキュリティソフトが原因です。Edgeを許可リストに追加するか、セキュリティソフトの設定を見直しましょう。
最も重要なことは、ブロックを解除する前に、本当に安全かどうか確認することです。信頼できないファイルやサイトは、絶対にブロックを解除しないでください。
SmartScreenの完全な無効化は、セキュリティリスクが高いため、おすすめしません。どうしても必要な場合のみ、自己責任で行ってください。
セキュリティとのバランスを取りながら、Edgeを快適に使いこなしましょう。少しの手間をかけるだけで、安全にインターネットを楽しめますよ。


コメント