「デバイスマネージャーを開いたら、変な名前のデバイスがある…」 「Microsoft Device Association Root Enumeratorって削除していい?」 「黄色い!マークが付いてるけど、大丈夫?」 「ウイルスじゃないよね?」
パソコンのトラブルシューティングをしていて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、この長い名前のデバイスはWindowsの重要なシステムコンポーネントなんです。削除したり無効化したりすると、思わぬトラブルの原因になることも。
今回は、Microsoft Device Association Root Enumeratorの正体から、エラーの対処法、関連するトラブルまで、すべてを分かりやすく解説します!
Microsoft Device Association Root Enumeratorって何?

簡単に言うと…
一言で説明: **Windowsがワイヤレスデバイスやネットワーク機器を管理するための「仲介役」**です。
例えるなら:
- Windows = 会社
- 各種デバイス = 社員
- Device Association Root Enumerator = 人事部
人事部が社員を管理するように、このコンポーネントがデバイスの接続を管理しています。
技術的な役割
主な機能:
- デバイスの検出と列挙
- 新しいデバイスを発見
- デバイスリストの作成
- 接続状態の監視
- ワイヤレスデバイスの関連付け
- Bluetoothデバイス
- Wi-Fi Direct対応機器
- Miracast(ワイヤレスディスプレイ)
- ネットワークプリンターの管理
- ネットワーク上のプリンター検出
- 自動接続の管理
なぜ必要なの?
このコンポーネントがないと:
- Bluetoothデバイスが接続できない
- ワイヤレスディスプレイが使えない
- ネットワークプリンターが見つからない
- スマホとの連携ができない
つまり、現代のワイヤレス機能に必須なんです!
デバイスマネージャーでの見え方と正常な状態
どこに表示される?
デバイスマネージャーでの位置:
- ソフトウェアデバイスカテゴリ内
- 最も一般的な場所
- 他のシステムデバイスと一緒
- システムデバイスカテゴリ内
- Windowsバージョンによって異なる
- その他のデバイス(エラー時)
- 黄色い!マーク付き
- ドライバーの問題を示す
正常な状態とは
正常な表示:
ソフトウェアデバイス
└─ Microsoft Device Association Root Enumerator
状態:このデバイスは正常に動作しています
アイコン:エラーマークなし
プロパティで確認すべき項目:
- デバイスの状態:「正常に動作」
- ドライバーの日付:最新のWindows Update日付
- ドライバーのバージョン:10.0.xxxxx.xxx
よくあるエラーと解決方法
エラー1:黄色い警告マーク(!)が表示される
原因:
- ドライバーの破損
- Windows Updateの失敗
- レジストリの問題
解決方法:
方法1:ドライバーの更新
- デバイスを右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーを自動的に検索」
- 再起動
方法2:デバイスの再インストール
- デバイスを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」
- PCを再起動(自動で再インストール)
方法3:Windows Update実行
設定→更新とセキュリティ→Windows Update
→更新プログラムのチェック
エラー2:コード28「このデバイスのドライバーがインストールされていません」
解決手順:
- システムファイルチェッカーを実行
管理者権限でコマンドプロンプト sfc /scannow
- DISMツールで修復
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 手動でドライバー更新
- Microsoftカタログからダウンロード
- 手動でインストール
エラー3:デバイスが表示されない
原因と対策:
サービスの確認:
- services.mscを実行
- 以下のサービスを確認:
- Device Association Service
- Device Install Service
- Plug and Play Service
- 「自動」で「実行中」か確認
レジストリの修復:
- システムの復元を使用
- または、レジストリのバックアップから復元
削除してもいい?触ってはいけない理由
絶対に削除してはいけない!
削除するとどうなる?
- 即座に起こる問題:
- Bluetoothが使えなくなる
- ワイヤレスディスプレイ接続不可
- 一部のUSBデバイスが認識されない
- 後から気づく問題:
- Windows Updateでエラー
- 新しいデバイスが接続できない
- システムの不安定化
- 最悪の場合:
- Windowsの起動に問題
- システムの復元が必要
無効化もダメ!
無効化の影響:
- 削除と同じような問題が発生
- 再有効化しても正常に戻らない場合あり
- トラブルシューティングが複雑に
触っていい場合は?
基本的になし!
ただし、以下の場合は操作可能:
- Microsoftサポートの指示がある時
- 上級者で復旧方法を理解している時
- システムバックアップがある時
関連するWindowsの機能とサービス
Device Association Service
役割:
- デバイスのペアリング管理
- 自動接続の制御
- セキュリティ確認
確認方法:
- Win + R → services.msc
- 「Device Association Service」を探す
- 状態:実行中、スタートアップ:自動
Plug and Play(PnP)
関係性:
- Root Enumeratorと密接に連携
- デバイスの自動認識を実現
- ドライバーの自動インストール
Windows Connect Now(WCN)
機能:
- Wi-Fi機器の簡単接続
- WPSボタンでの接続
- Root Enumeratorが管理
トラブルシューティング:問題が起きた時の対処法

基本的なトラブルシューティング手順
ステップ1:再起動
- まず最初に試すべき
- 多くの問題が解決
ステップ2:Windows Updateの確認
設定→更新とセキュリティ
→Windows Update→更新プログラムのチェック
ステップ3:トラブルシューティングツール
設定→更新とセキュリティ
→トラブルシューティング
→追加のトラブルシューティング
→ハードウェアとデバイス
ステップ4:ドライバーの再インストール
- デバイスマネージャーで削除
- ハードウェア変更のスキャン
- 自動再インストール
上級者向けの対処法
レジストリの確認:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\ROOT\
※レジストリ編集は危険!バックアップ必須
イベントビューアーで詳細確認:
- eventvwr.mscを実行
- Windowsログ→システム
- エラーや警告を確認
クリーンブート:
- msconfigを実行
- 「サービス」タブ
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」
- 「すべて無効」→再起動
よくある質問と誤解
Q1:ウイルスやマルウェアの可能性は?
A:正規のWindowsコンポーネントです。
確認方法:
- デジタル署名が「Microsoft Windows」
- 場所がSystem32フォルダ内
- Windows標準で存在
注意:
- 名前を偽装したマルウェアの可能性もゼロではない
- 不安ならウイルススキャンを実行
Q2:パフォーマンスに影響する?
A:ほとんど影響しません。
リソース使用:
- CPU:0%(ほぼ使用しない)
- メモリ:数KB程度
- 常駐はするが負荷はない
Q3:古いPCなら削除していい?
A:古くても削除はNG!
理由:
- USBデバイスも管理
- システムの安定性に関わる
- 将来的な機器接続に必要
Q4:複数表示されることがある?
A:正常な場合があります。
複数ある理由:
- 異なるバージョンの共存
- アップデート時の一時的な状態
- 通常は問題なし
Q5:Surface や特定のPCだけの機能?
A:すべてのWindows 10/11に存在します。
- デスクトップPC
- ノートPC
- タブレット すべてに必要な基本コンポーネント
関連するトラブル事例と解決策
Bluetoothが突然使えなくなった
確認事項:
- Device Association Root Enumeratorの状態
- Bluetooth Support Serviceの状態
- 両方正常なら別の原因
ネットワークプリンターが見つからない
対処法:
- Root Enumeratorが正常か確認
- Print Spoolerサービスを再起動
- ネットワーク探索が有効か確認
Miracastが接続できない
チェックポイント:
- Root Enumeratorのエラー確認
- Wi-Fiドライバーの更新
- ワイヤレスディスプレイの互換性
メンテナンスのベストプラクティス
定期的な確認事項
月1回チェック:
- デバイスマネージャーでエラー確認
- Windows Updateの実行
- システムファイルチェッカー実行
予防的メンテナンス
推奨事項:
- 定期的なWindows Update
- ドライバーの自動更新を有効化
- システムの復元ポイント作成
- 定期的なディスククリーンアップ
バックアップの重要性
バックアップすべきもの:
- システムイメージ
- レジストリ
- 重要なデータ
まとめ:小さく見えて実は重要な縁の下の力持ち
Microsoft Device Association Root Enumeratorは、名前は難しいですが、現代のワイヤレス時代に欠かせない重要なコンポーネントです。
覚えておくべきポイント:
✅ 絶対に削除・無効化しない
- システムの重要な一部
- 削除すると様々な問題が発生
- 復旧が困難
✅ 正常な状態を維持する
- Windows Updateを定期実行
- エラーが出たら早めに対処
- 無視すると問題が拡大
✅ エラーの対処法を知っておく
- まず再起動
- ドライバーの更新
- Windows Updateの確認
✅ これは正規のWindowsコンポーネント
- ウイルスではない
- 必要な機能
- すべてのWindows PCに存在
✅ トラブル時は慎重に
- むやみに触らない
- 必要ならサポートに相談
- バックアップを取ってから操作
最後に一言: デバイスマネージャーで見慣れない項目を見つけても、慌てて削除しないでください。特に「Microsoft」と名前が付いているものは、Windowsの重要な機能である可能性が高いです。
分からない時は、削除するより調べる。これが、パソコンと上手に付き合うコツです!
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