「チームメンバーとファイルを共有したい」 「部署全員にメールを一斉送信したい」 「プロジェクトごとに情報を整理したい」 「でも、どのグループ機能を使えばいいか分からない…」
こんな悩みを抱えていませんか?
実は、Microsoftには目的別に最適化された様々なグループ機能があります。Microsoft 365グループ、Teamsチーム、配布リスト、セキュリティグループ…それぞれ特徴があり、使い分けることで業務効率が劇的に向上します。
この記事では、各種グループの作成方法から活用術まで、すべてを分かりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたも「グループマスター」になっているはずです!
🏢 Microsoft のグループ種類を理解しよう

グループの種類と使い分け
主要なグループタイプ一覧:
グループ種類 | 用途 | 含まれる機能 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
Microsoft 365 グループ | 総合的なコラボレーション | メール、ファイル共有、予定表、Teams | ⭐⭐⭐ |
Teams チーム | チャット中心の協働 | チャット、ビデオ会議、ファイル共有 | ⭐⭐⭐ |
配布リスト | メール一斉送信のみ | メール配信 | ⭐⭐ |
セキュリティグループ | アクセス権限管理 | 権限設定、リソースアクセス | ⭐⭐ |
動的グループ | 自動メンバー管理 | 条件に基づく自動追加/削除 | ⭐ |
どのグループを選ぶべき?
目的別選択ガイド:
プロジェクト管理をしたい
→ Microsoft 365 グループ or Teams チーム
メールを一斉送信したいだけ
→ 配布リスト
ファイルのアクセス権限を管理したい
→ セキュリティグループ
部署全員を自動でグループ化したい
→ 動的グループ
📧 Microsoft 365 グループの作成(最も万能!)
Outlook から作成する方法
手順(デスクトップ版):
- Outlook を開く
- 左側のナビゲーションで**「グループ」**を右クリック
- **「新しいグループ」**を選択
- グループ情報を入力:
- グループ名:プロジェクトA(例)
- 説明:○○開発プロジェクトチーム
- メールアドレス:projectA@company.onmicrosoft.com
- プライバシー:
- パブリック(誰でも参加可能)
- プライベート(承認必要)
- 作成をクリック
Web版(Outlook.com)での作成:
- outlook.office.com にアクセス
- 左メニューの「グループ」横の**「+」**をクリック
- 「グループの作成」を選択
- 詳細を入力して作成
SharePoint から作成する方法
チームサイト作成と同時にグループ作成:
- SharePoint ホームページにアクセス
- **「+ サイトの作成」**をクリック
- **「チームサイト」**を選択
- グループ情報を入力:
- サイト名(=グループ名)
- サイトの説明
- プライバシー設定
- 言語選択
- 「次へ」→ メンバー追加
- 「完了」
Microsoft 365 管理センターから作成
管理者向けの詳細設定:
- admin.microsoft.com にアクセス
- 「グループ」→「アクティブなグループ」
- **「グループの追加」**をクリック
- グループの種類で**「Microsoft 365」**を選択
- 詳細設定:
- 基本情報入力
- 所有者の指定(最低2名推奨)
- メンバー追加
- グループメールアドレス設定
- プライバシー設定
- 追加オプション:
- ☑ Teams を追加
- ☑ SharePoint サイトを作成
- ☑ 外部ユーザーの許可
💬 Microsoft Teams でチーム(グループ)を作成
新規チームの作成
基本的な作成手順:
- Teams アプリを開く
- 左メニューの**「チーム」**をクリック
- 「チームに参加、またはチームを作成」
- **「チームを作成」**をクリック
- 作成方法を選択:
- 最初から(新規作成)
- グループまたはチームから(既存から)
- テンプレートから(用意されたテンプレート)
チームの種類を選択
4つのチームタイプ:
タイプ | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|
プライベート | 招待制、メンバー限定 | プロジェクトチーム |
パブリック | 誰でも参加可能 | 社内コミュニティ |
組織全体 | 全員自動参加 | 全社連絡用 |
クラス | 教育機関向け | 授業・研修 |
チームの詳細設定
設定項目:
- チーム名(必須)
- 分かりやすく具体的に
- 例:「営業部_2025年度」
- 説明(推奨)
- チームの目的を明記
- 新メンバーが理解しやすく
- プライバシー設定
- チャネル作成
- 「一般」は必須
- 目的別にチャネル追加
既存のMicrosoft 365グループからチーム作成
手順:
- 「チームを作成」→「グループまたはチームから」
- **「Microsoft 365 グループ」**を選択
- グループ一覧から選択
- チャネル構成を設定
- 完了
📨 配布リスト(配布グループ)の作成

Exchange 管理センターでの作成
管理者向け手順:
- Exchange 管理センターにアクセス
- 「受信者」→「グループ」
- 「+ 配布リストの追加」
- 詳細入力:
- 表示名:営業部メーリングリスト
- エイリアス:sales-ml
- メールアドレス:sales@company.com
- 説明:営業部全員への連絡用
- メンバー追加方法:
- 個別選択
- CSVインポート
- 動的メンバーシップ
Outlook での簡易配布リスト作成
連絡先グループとして作成:
- Outlook の**「連絡先」**を開く
- **「新しい連絡先グループ」**をクリック
- グループ名を入力
- 「メンバーの追加」:
- アドレス帳から
- 新しいメール連絡先
- 外部の連絡先
- 「保存して閉じる」
配布リストのベストプラクティス
運用ルール:
- 命名規則を統一(例:dept-営業部)
- 管理者を複数設定
- 定期的なメンバー見直し
- 外部送信の可否を明確化
🔐 セキュリティグループの作成
Azure AD でのセキュリティグループ作成
手順:
- Azure Portal(portal.azure.com)にアクセス
- Azure Active Directoryを選択
- 「グループ」→「新しいグループ」
- 設定項目:
- グループの種類:セキュリティ
- グループ名:Finance_ReadOnly
- 説明:財務データ読み取り専用
- メンバーシップの種類:
- 割り当て済み(手動)
- 動的ユーザー(自動)
- メンバーと所有者を追加
- 作成
アクセス権限の設定例
SharePoint サイトへの権限付与:
1. SharePoint サイトの設定
2. サイトの権限
3. 権限の付与
4. セキュリティグループを選択
5. 権限レベルを選択:
- フルコントロール
- 編集
- 読み取り
- 制限付きアクセス
⚡ 動的グループの作成(自動化の極み)
動的メンバーシップルールの設定
基本的なルール例:
条件 | ルール例 | 結果 |
---|---|---|
部署 | user.department -eq “営業部” | 営業部全員を自動追加 |
役職 | user.jobTitle -contains “Manager” | マネージャー全員 |
場所 | user.city -eq “東京” | 東京オフィス全員 |
入社日 | user.employeeHireDate -ge 2024-01-01 | 2024年以降入社 |
複雑な動的ルールの作成
AND/OR条件の組み合わせ:
(user.department -eq "営業部") -and (user.jobTitle -contains "Manager")
→ 営業部のマネージャーのみ
(user.city -eq "東京") -or (user.city -eq "大阪")
→ 東京または大阪のメンバー
🎯 グループ管理のベストプラクティス
命名規則の重要性
推奨される命名パターン:
種類 | 命名例 | 説明 |
---|---|---|
部署 | DEPT-営業部 | 部署グループ |
プロジェクト | PROJ-WebRenewal2025 | プロジェクト用 |
地域 | LOC-Tokyo-Office | 拠点別 |
期間限定 | TEMP-2025Q1-Campaign | 一時的なグループ |
メンバー管理のコツ
効率的な管理方法:
- 所有者は2名以上
- 不在時の対応
- 責任の分散
- 定期的な棚卸し
- 四半期ごとにメンバー確認
- 不要なメンバーを削除
- 外部ユーザーの管理
- 期限を設定
- アクセス権限を最小限に
グループのライフサイクル管理
作成から削除までの流れ:
1. 作成申請(目的・期間明確化)
↓
2. 承認・作成
↓
3. 運用(メンバー管理)
↓
4. 定期レビュー
↓
5. 有効期限設定
↓
6. アーカイブまたは削除
🛠️ トラブルシューティング

よくある問題と解決法
問題 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
グループが作成できない | 権限不足 | 管理者に権限付与を依頼 |
メンバーを追加できない | グループ設定 | プライバシー設定を確認 |
メールが届かない | 配信制限 | Exchange設定を確認 |
Teams が追加されない | ライセンス不足 | Teams ライセンスを確認 |
外部ユーザーを追加できない | ポリシー制限 | 外部共有設定を有効化 |
グループの復元方法
削除後30日以内なら復元可能:
- Microsoft 365 管理センター
- グループ → 削除済みグループ
- 復元したいグループを選択
- 「グループの復元」をクリック
💡 活用のヒント
グループテンプレートの活用
よく使うグループ構成を保存:
- 標準的なチャネル構成
- アプリの事前設定
- 権限設定のテンプレート化
Power Automate との連携
自動化の例:
- 新メンバー参加時のウェルカムメール
- 定期的なグループ使用状況レポート
- 期限切れグループの自動アーカイブ
グループ分析ツール
利用状況の把握:
- Microsoft 365 使用状況レポート
- Teams 分析
- Power BI でのカスタムレポート
❓ よくある質問(FAQ)
Q1:Microsoft 365グループとTeamsチームの違いは?
A: 密接に関連していますが、用途が異なります:
項目 | Microsoft 365 グループ | Teams チーム |
---|---|---|
主な用途 | メール中心 | チャット中心 |
必須機能 | Outlook, SharePoint | Teams アプリ |
変換 | Teams を追加可能 | 365グループが基盤 |
Q2:グループの上限数は?
A: プランによって異なります:
- グループ数:組織あたり500,000グループ
- メンバー数:グループあたり最大100,000人
- 所有者数:グループあたり最大100人
- ユーザーが参加できるグループ:7,000グループ
Q3:プライベートとパブリックどちらがいい?
A: 用途によります:
プライベート推奨:
- 機密情報を扱う
- メンバーを限定したい
- 外部ユーザーを含む
パブリック推奨:
- 社内情報共有
- 誰でも参加可能にしたい
- 透明性重視
Q4:グループを統合・分割できる?
A: 直接的な機能はありませんが、方法はあります:
統合:
- 新グループを作成
- 両グループのメンバーを追加
- コンテンツを移行
- 旧グループを削除
分割:
- 新グループを作成
- メンバーを振り分け
- コンテンツをコピー
Q5:ゲストユーザーの追加方法は?
A: Azure AD B2B機能を使用:
- グループ設定で外部ユーザーを許可
- メールアドレスでゲストを招待
- ゲストが招待を承諾
- 適切な権限を付与
🎯 まとめ:効率的なグループ活用への3ステップ
長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
Microsoftのグループ機能は多様ですが、目的に応じて適切に選択・活用すれば、チームの生産性が飛躍的に向上します。
今すぐ始める3ステップ
ステップ1:目的を明確化(5分)
- 何のためのグループか
- 誰が参加するか
- どんな機能が必要か
ステップ2:適切なグループタイプを選択(5分)
- コラボレーション重視 → Microsoft 365グループ
- チャット中心 → Teams
- メール配信のみ → 配布リスト
- 権限管理 → セキュリティグループ
ステップ3:作成と初期設定(10分)
- グループ作成
- メンバー追加
- 基本ルール設定
グループ運用の3原則
原則1:シンプルに始める
- 最小限の機能から
- 必要に応じて拡張
- 複雑化を避ける
原則2:ルールを明確に
- 命名規則の統一
- 役割分担の明確化
- 運用ルールの文書化
原則3:定期的な見直し
- メンバーの棚卸し
- 使用状況の確認
- 不要グループの削除
最後にメッセージ
グループ機能を使いこなすことは、現代のチームワークの基礎です。
最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、一度理解すれば、情報共有やコラボレーションが劇的に改善されます。小さなグループから始めて、徐々に活用の幅を広げていってください。
この記事をブックマークして、グループ作成時の参考にしてください。あなたのチームが、より効率的で生産的になることを願っています!
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