「自分だけのAIで画像を認識させたい」 「プログラミングが苦手だけど、画像分類システムを作りたい」
そんなあなたにぴったりのサービスがあります。
Microsoft Azure Custom Vision(カスタムビジョン)は、誰でも簡単に画像認識AIを作れるクラウドサービスです。プログラミングの知識がなくても、マウス操作だけでオリジナルのAIモデルを作成できるんです。
今回は、このAzure Custom Visionについて、実際の使い方から料金まで、分かりやすく解説していきます。
🤔 Azure Custom Visionって、そもそも何?

基本的な説明
Azure Custom Visionは、Microsoftが提供する画像認識AI作成サービスです。
簡単に言うと、「これは猫」「これは犬」というように、画像を見分けるAIを自分で作れるツールなんですね。
通常、AIを作るには:
- プログラミングの深い知識
- 機械学習の専門知識
- 高性能なコンピューター
これらが必要でした。
でも、Azure Custom Visionなら、ブラウザ上でマウス操作するだけでAIが作れちゃいます。
仕組みをもっと詳しく
このサービスは、「転移学習」という技術を使っています。
転移学習とは、すでに学習済みのAIモデルをベースに、新しい学習を追加する方法のこと。ゼロから作るより短時間で、少ないデータで済むんです。
🎯 どんなことができるの?具体的な機能
Azure Custom Visionでは、主に2つのタイプのAIが作れます。
1. 画像分類(Image Classification)
画像全体を見て、カテゴリー分けするAIです。
活用例:
- 製品の良品・不良品判定
- 植物や動物の種類判別
- 料理の種類を識別
- 書類の分類
2. 物体検出(Object Detection)
画像の中から特定の物体を見つけて、その位置も特定するAIです。
活用例:
- 駐車場の空き状況確認
- 工場での部品カウント
- 人の顔の位置検出(個人識別はしません)
- 商品棚の在庫チェック
💰 料金はどれくらい?無料でも使える?
無料枠があります!
Azure Custom Visionには、お試しで使える無料プランがあるんです。
無料プランでできること:
- プロジェクト2個まで作成可能
- 画像5,000枚まで学習に使用可能
- 月1,000回まで予測リクエスト可能
趣味や検証用途なら、これで十分かもしれませんね。
有料プランの料金体系
本格的に使う場合の料金(2024年時点の目安):
トレーニング料金:
- 画像1,000枚あたり:約20ドル(約3,000円)
予測料金:
- 1,000回の予測:約1.5ドル(約225円)
- 10,000回の予測:約10ドル(約1,500円)
※実際の料金は、リージョン(データセンターの場所)や為替レートによって変動します。
🚀 実際に始める方法(5ステップ)
ステップ1:Azureアカウントを作成
まずはMicrosoft Azureのアカウントが必要です。 無料アカウントでOKですよ。
ステップ2:Custom Visionリソースを作成
Azureポータルにログインしたら、「Custom Vision」を検索して、新しいリソースを作ります。
ステップ3:プロジェクトを作成
Custom Visionのポータルサイト(customvision.ai)にアクセスして、新しいプロジェクトを作成します。
このとき選ぶこと:
- プロジェクトタイプ(分類 or 物体検出)
- ドメイン(一般、食品、ランドマークなど)
ステップ4:画像をアップロードして学習
最低でも各カテゴリー5枚以上の画像が必要です。 理想は各カテゴリー50枚以上あると精度が上がります。
ステップ5:モデルをテストして公開
学習が終わったら、テスト画像で精度を確認。 問題なければ、APIとして公開できます。
📱 実際の活用例:こんな風に使われています
事例1:農業での活用
トマト農家さんが、収穫時期の判定に使っています。
仕組み:
- 青いトマト、黄色いトマト、赤いトマトの画像を学習
- カメラで撮影すると、収穫適期かどうか判定
- 作業効率が大幅にアップ!
事例2:製造業での品質管理
ある工場では、製品の傷や汚れを自動検出しています。
仕組み:
- 良品と不良品の画像を大量に学習
- ベルトコンベア上のカメラで撮影
- 不良品を自動で弾く仕組みを構築
事例3:小売店での在庫管理
コンビニで商品棚の在庫確認に活用されています。
仕組み:
- 各商品の画像を学習
- 棚の写真から商品と数を認識
- 在庫補充のタイミングを自動で通知
⚠️ 使う前に知っておきたい注意点
1. 画像の質と量が大切
AIの精度は、学習データの質に大きく左右されます。
良いデータの条件:
- 明るさや角度が様々な画像を用意
- 背景も実際の使用環境に近いもの
- 各カテゴリーの画像数をなるべく均等に
2. プライバシーへの配慮
人の顔が写った画像を使う場合は、必ず許可を取りましょう。 Azure Custom Visionは顔認証システムではありませんが、プライバシーの配慮は重要です。
3. 過度な期待は禁物
100%の精度は現実的ではありません。 重要な判断には、必ず人間のチェックも組み合わせることが大切です。
🏆 他のサービスとの違いは?
Google Cloud Vision APIとの比較
Azure Custom Visionの強み:
- 操作画面が分かりやすい
- Microsoftの他サービスとの連携が簡単
- 無料枠が使いやすい
Google Cloud Visionの強み:
- より高度な機能がある
- 大規模データの処理に強い
Amazon Rekognitionとの比較
Azure Custom Visionの強み:
- 初心者でも始めやすい
- 日本語のサポートが充実
- Excelなどとの連携が簡単
Amazon Rekognitionの強み:
- 動画解析もできる
- AWSの豊富なサービスと連携
💡 こんな人におすすめ
Azure Custom Visionは特にこんな方にぴったりです:
✅ プログラミング初心者だけどAIを使いたい人 ✅ 中小企業で業務効率化を図りたい人 ✅ 研究・教育でAIを体験したい人 ✅ 趣味のプロジェクトでAIを活用したい人 ✅ Microsoftのツールをすでに使っている人
📊 まとめ:Azure Custom Visionで広がる可能性
Microsoft Azure Custom Visionは、AIの民主化を実現するサービスです。
これまで専門家だけのものだった画像認識AIが、誰でも作れる時代になりました。製造業、農業、小売業など、様々な分野で活用が進んでいます。
始めるために必要なのは:
- 解決したい課題
- 学習用の画像データ
- 少しの好奇心
無料枠もあるので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか?
あなたのアイデア次第で、業務の効率化や新しいサービスの創出につながるかもしれません。AIを「作る側」になって、未来を切り開いていきましょう!
🔗 次のステップ
質問やご相談があれば、お気軽にコメントください!
コメント