「Enterキーを押したのに改行されない!」 「プレビューで見ると全部つながってる…」 「GitHubとVSCodeで改行の動作が違う!」
Markdownで改行が効かない問題、 誰もが一度は経験する「あるある」ですよね。
実は、Markdownの改行には独特のルールがあり、 普通のテキストエディタとは違う動作をするんです。
しかも、使っているツールによって 改行の扱いが微妙に違うという罠も…。
この記事では、改行されない原因から、 5つの確実な解決方法まで、 実例付きで完全解説します!
読み終わる3分後には、 思い通りに改行できるようになっていますよ。
なぜMarkdownで改行されないのか?3つの原因

原因1:Markdownの仕様を知らない(80%がコレ)
Markdownの基本ルール:
これは1行目
これは2行目のつもり
実際の表示: これは1行目 これは2行目のつもり
なぜ?
- 単なる改行は「スペース」として扱われる
- 連続した行は1つの段落として結合される
- これはMarkdownの正式な仕様
原因2:プラットフォームの違い
改行の扱いが異なる例:
プラットフォーム | 単純な改行 | 対応 |
---|---|---|
GitHub | 無視される | スペース2つ必要 |
Qiita | 無視される | スペース2つ必要 |
VSCode プレビュー | 設定次第 | 設定変更可能 |
Typora | そのまま改行 | 何もしなくてOK |
Notion | そのまま改行 | 何もしなくてOK |
原因3:見えない文字の影響
よくある落とし穴:
- 全角スペースが混入
- タブ文字が原因
- 改行コードの違い(CR/LF/CRLF)
【解決法1】スペース2つで改行(最も確実)
基本的な使い方
書き方:
1行目の最後にスペースを2つ入れる
2行目はここから始まる
視覚的に見ると:
1行目の最後にスペースを2つ入れる[space][space]
2行目はここから始まる
実際の表示: 1行目の最後にスペースを2つ入れる
2行目はここから始まる
メリット・デメリット
メリット:
- ✅ ほぼすべての環境で動作
- ✅ Markdown標準仕様
- ✅ 段落内改行として適切
デメリット:
- ❌ スペースが見えないので忘れやすい
- ❌ コピペ時に消えることがある
- ❌ エディタによってはトリムされる
エディタ設定で見やすくする
VSCodeの設定:
{
"editor.renderWhitespace": "trailing",
"files.trimTrailingWhitespace": false
}
【解決法2】空行を入れる(段落分け)
段落として分ける方法
書き方:
これは1つ目の段落です。
これは2つ目の段落です。
実際の表示: これは1つ目の段落です。
これは2つ目の段落です。
使い分けのポイント
空行を使うべき場合:
- 話題が変わる
- 新しい段落を始める
- 視覚的な区切りが必要
スペース2つを使うべき場合:
- 住所や詩の表記
- 箇条書き内での改行
- 同じ段落内での改行
【解決法3】HTMLタグを使う(強制改行)
<br>タグで確実に改行
書き方:
1行目<br>
2行目<br>
3行目
実際の表示: 1行目<br> 2行目<br> 3行目
複数改行も可能
書き方:
1行目<br><br>
空行を挟んで3行目<br><br><br>
さらに空行を挟んで6行目
実際の表示: 1行目<br><br> 空行を挟んで3行目<br><br><br> さらに空行を挟んで6行目
注意:
- HTML対応環境のみ
- 純粋なMarkdownではない
- 一部のパーサーでは無効
【解決法4】バックスラッシュで改行
バックスラッシュ改行の使い方
書き方:
1行目の最後にバックスラッシュ\
2行目はここから
対応環境:
- ✅ GitHub
- ✅ GitLab
- ❌ 一部のMarkdownパーサー
注意点
Windows環境:
- 円マーク(¥)ではなくバックスラッシュ(\)
- IMEの設定確認が必要
【解決法5】プラットフォーム固有の設定
VSCode の設定変更
markdown.preview.breaks を有効化:
- 設定を開く(Ctrl + ,)
- 「markdown.preview.breaks」を検索
- チェックボックスをON
settings.json:
{
"markdown.preview.breaks": true
}
Typora の設定
既にデフォルトで改行対応:
- 設定不要
- Enterキーでそのまま改行
Obsidian の設定
設定方法:
- 設定 → エディタ
- 「Strict line breaks」をOFF
- 通常の改行が反映される
プラットフォーム別完全対策
GitHub / GitHub Pages
<!-- 推奨方法 -->
行末にスペース2つ
または<br>タグ
<!-- バックスラッシュも可 -->
行末にバックスラッシュ\
次の行
Qiita
<!-- 基本はGitHubと同じ -->
スペース2つ
または<br>
<!-- Qiita独自記法も使える -->
WordPress
<!-- プラグインによって異なる -->
<!-- Jetpackの場合 -->
通常の改行でOK
<!-- 他のプラグイン -->
スペース2つまたは<br>
Notion
<!-- 通常の改行でOK -->
Enterキーを押すだけ
特別な処理不要
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:スペース2つを入れても改行されない
原因: エディタが自動でスペースを削除
解決法:
// VSCode設定
"files.trimTrailingWhitespace": false
代替案:
<!-- コメントを使った裏技 -->
1行目<!-- -->
2行目
トラブル2:コピペすると改行が消える
原因: プレーンテキストとしてコピーされる
解決法:
- Markdown形式を保持してコピー
- HTMLタグを使用
- 貼り付け後に再度改行を追加
トラブル3:箇条書き内で改行できない
間違った例:
- 項目1
改行したいテキスト(これは箇条書きの外になる)
正しい例:
- 項目1
改行したいテキスト(インデント+スペース2つ)
実践例:様々な改行パターン
アドレス表記
〒100-0001
東京都千代田区
千代田1-1-1
○○ビル3F
詩や歌詞
春が来た
春が来た
どこに来た
山に来た
里に来た
野にも来た
署名
よろしくお願いいたします。
---
山田 太郎
株式会社○○
Email: example@example.com
Tel: 03-0000-0000
コード説明
以下のコマンドを実行:
```bash
npm install
<br> インストール完了後:
npm start
---
## 改行デバッグツール
### オンラインツール
**Markdown プレビューツール:**
- [Dillinger](https://dillinger.io/)
- [StackEdit](https://stackedit.io/)
- [Markdown Live Preview](https://markdownlivepreview.com/)
リアルタイムで改行を確認できる
### エディタ拡張機能
**VSCode拡張:**
- Markdown All in One
- Markdown Preview Enhanced
- markdownlint(改行ルールチェック)
---
## まとめ:もう改行で悩まない!
Markdownの改行問題、完全に解決できましたね!
**使い分けチートシート:**
| 状況 | 推奨方法 | 記述 |
|-----|---------|------|
| 段落内改行 | スペース2つ | 行末` ` |
| 段落分け | 空行 | `\n\n` |
| 強制改行 | HTMLタグ | `<br>` |
| GitHub | スペース2つ or \ | 行末` `or`\` |
| 汎用的 | スペース2つ | 行末` ` |
**覚えておくべき3つのポイント:**
1. **基本はスペース2つ**
- 最も互換性が高い
- Markdown標準仕様
2. **環境を確認**
- プラットフォームごとに違う
- 設定で変更可能な場合も
3. **用途で使い分け**
- 段落内改行
- 段落分け
- 強制改行
これで、どんな環境でも
思い通りに改行できるようになります!
快適なMarkdownライフを楽しんでください。
---
**関連記事もチェック:**
- Markdownエディタ比較:改行対応表
- GitHub README.mdを美しく整形する方法
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