「ログインボタンを押しても何も起こらない」
「決済画面が表示されない」
「PDFのダウンロードリンクをクリックしても反応しない」
こんな経験、ありませんか?
実は、これらの多くはポップアップブロック機能が原因なんです。
ポップアップブロックは、邪魔な広告を防ぐ便利な機能ですが、時には必要なウィンドウまでブロックしてしまうことがあります。
この記事では、Macの主要ブラウザ(Safari、Chrome、Firefox)でポップアップブロックを解除する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
ポップアップブロックとは?基本を理解しよう

まず、ポップアップブロックの仕組みから理解していきましょう。
ポップアップウィンドウとは?
ポップアップウィンドウは、Webサイトを閲覧中に自動的に開く新しいウィンドウのことです。
ポップアップの種類:
悪質なポップアップ:
- 広告ウィンドウが次々と開く
- 閉じるボタンがない、または偽のボタン
- 怪しいサイトへ誘導
- 詐欺やマルウェアのリスク
正当なポップアップ:
- ログインウィンドウ
- 決済画面(PayPalなど)
- PDFビューアー
- カレンダー選択画面
- 利用規約の表示
- 外部サービスの認証画面
問題は、ブラウザが「良いポップアップ」と「悪いポップアップ」を完璧に区別できないことなんです。
ポップアップブロックの役割
ポップアップブロック機能は、ユーザーを守るために用意されています。
メリット:
- 邪魔な広告をブロック
- 詐欺サイトへの誘導を防ぐ
- マルウェア感染のリスク低減
- 快適なブラウジング体験
デメリット:
- 正当なウィンドウもブロックしてしまう
- ログインや決済ができなくなることも
- サイトの機能が正常に動作しない
だから、信頼できるサイトだけブロックを解除するのが重要です。
なぜポップアップがブロックされるのか
ブラウザは、以下の場合にポップアップをブロックします:
- ユーザーの操作なしで開く
- ページを開いただけで自動的に表示
- 短時間に複数開く
- 連続して複数のウィンドウが開く
- クリックと関係ない場所から開く
- ボタンを押していないのに開く
- 悪質なサイトとして登録されている
- ブラックリストに載っている
正当なサイトでも、実装方法によってはブロックされることがあります。
Safari(Safari)でポップアップブロックを解除
Macの標準ブラウザSafariでの設定方法です。
すべてのサイトでブロックを解除
全てのポップアップを許可する方法(非推奨)。
手順:
- Safariを開く
- メニューバーの「Safari」→「設定」をクリック
- ショートカット:Command + ,(カンマ)
- 「Webサイト」タブを選択
- 左側のリストから「ポップアップウィンドウ」をクリック
- 下部の「Webサイトにアクセスしている場合」のドロップダウンメニュー
- 「許可」を選択
これで、全てのサイトでポップアップが許可されます。
注意:
セキュリティリスクが高まるため、信頼できるサイト以外では開かないようにしましょう。
特定のサイトだけブロック解除(推奨)
特定のサイトだけ許可する、安全な方法です。
方法1:Safariの設定から
- Safari → 設定 → Webサイト
- 左側から「ポップアップウィンドウ」を選択
- 右側に現在開いているサイトの一覧が表示される
- 許可したいサイトの横のドロップダウンメニューを「許可」に変更
これで、そのサイトだけポップアップが許可されます。
方法2:サイトを開いた状態で設定
- 許可したいサイトを開く
- アドレスバーの左側にある「Aa」アイコンをクリック
- または「表示」メニュー → 「設定」
- 「このWebサイトの設定」を選択
- 「ポップアップウィンドウ」の項目を「許可」に変更
- 「完了」をクリック
この方法が最も簡単で、おすすめです。
アドレスバーの通知から許可
ポップアップがブロックされたとき、通知が表示されます。
表示される通知:
- アドレスバーの右端に「ポップアップウィンドウがブロックされました」と表示
許可する手順:
- 通知をクリック
- 「許可」または「常に許可」を選択
- 「許可」:今回のみ
- 「常に許可」:このサイトは今後も許可
この方法が最も素早く対応できます。
Safariの拡張機能を確認
広告ブロック拡張機能がポップアップをブロックしている場合もあります。
確認手順:
- Safari → 設定 → 拡張機能
- インストールされている拡張機能を確認
- AdBlock
- uBlock Origin
- 1Blocker
など
- 特定のサイトで無効化
- 拡張機能を選択
- 該当サイトで無効にするオプションを探す
- または一時的に拡張機能を無効化
Google Chromeでポップアップブロックを解除
多くの人が使っているChromeでの設定方法です。
すべてのサイトでブロックを解除
全体設定を変更する方法(セキュリティ上非推奨)。
手順:
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(三点リーダー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「サイトの設定」をクリック
- 下にスクロールして「ポップアップとリダイレクト」をクリック
- 「サイトがポップアップを送信したりリダイレクトを使用したりできる」を選択
これで全てのポップアップが許可されます。
ただし、セキュリティリスクが高いので推奨しません。
特定のサイトだけ許可(推奨)
安全性を保ちながら、必要なサイトだけ許可します。
方法1:設定から追加
- Chrome → 設定 → プライバシーとセキュリティ
- サイトの設定 → ポップアップとリダイレクト
- 「許可」セクションの「追加」ボタンをクリック
- サイトのURLを入力
- 例:
https://example.com
[*.]example.com
とすると、サブドメインも含む
- 「追加」をクリック
これで、そのサイトのポップアップが許可されます。
方法2:サイトを開いた状態で設定
- 許可したいサイトを開く
- アドレスバーの左側の鍵アイコンをクリック
- 「このサイトの設定」を選択
- 「ポップアップとリダイレクト」の項目を「許可」に変更
簡単で分かりやすい方法です。
アドレスバーの通知から許可
ポップアップがブロックされると、アドレスバーに通知が表示されます。
表示される通知:
- アドレスバーの右端に「ポップアップがブロックされました」アイコン(×マーク)
許可する手順:
- アイコンをクリック
- 「○○のポップアップとリダイレクトを常に許可する」を選択
- 「完了」をクリック
- ページをリロード(必要な場合)
この方法が最も手軽です。
Chrome拡張機能の確認
拡張機能がポップアップをブロックしている可能性もあります。
確認手順:
- 右上の「︙」→「拡張機能」→「拡張機能を管理」
- インストールされている拡張機能を確認
- AdBlock、AdBlock Plus
- uBlock Origin
- Ghostery
など
- 一時的に無効化して確認
- 該当する拡張機能のスイッチをオフ
- ポップアップが開くか確認
- 開いたら、その拡張機能が原因
拡張機能ごとに、特定のサイトで無効化できる場合もあります。
Firefoxでポップアップブロックを解除
Firefoxユーザー向けの設定方法です。
すべてのサイトでブロック解除
全体設定を変更する方法。
手順:
- Firefoxを開く
- 右上の「≡」(ハンバーガーメニュー)をクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「許可設定」セクションまでスクロール
- 「ポップアップウィンドウをブロックする」のチェックを外す
これで全てのポップアップが許可されます。
セキュリティ上の理由から推奨しません。
特定のサイトだけ許可(推奨)
安全な方法です。
手順:
- Firefox → 設定 → プライバシーとセキュリティ
- 「ポップアップウィンドウをブロックする」にチェックが入っている状態で
- その横の「許可サイト」ボタンをクリック
- 「ポップアップの許可サイト」ウィンドウが開く
- 「Webサイトのアドレス」欄にURLを入力
- 例:
https://example.com
- 「許可」ボタンをクリック
- 一覧に追加される
- 「変更を保存」をクリック
これで、そのサイトだけポップアップが許可されます。
アドレスバーの通知から許可
ブロック時に通知が表示されます。
表示される通知:
- 「○○によってポップアップウィンドウがブロックされました」
- アドレスバーに通知アイコンが表示
許可する手順:
- 通知をクリック
- 「○○のポップアップを許可」を選択
- 「設定を保存」を選択(今後も許可する場合)
- ページをリロード
Firefox拡張機能の確認
確認手順:
- 右上の「≡」→「アドオンとテーマ」
- 「拡張機能」タブを選択
- 広告ブロック系の拡張機能を確認
- 一時的に無効化して動作確認
その他のブラウザでの設定
Microsoft Edgeの場合
- 右上の「…」→「設定」
- 「Cookieとサイトのアクセス許可」
- 「ポップアップとリダイレクト」
- 全体設定を変更、または特定サイトを追加
Operaの場合
- 左上のOperaアイコン→「設定」
- 「Webサイト」または「プライバシーとセキュリティ」
- 「ポップアップ」
- 設定を変更
Braveの場合
Chromeベースなので、Chromeと同じ手順です。
ポップアップブロック解除時の注意点
セキュリティを保つために、以下の点に注意しましょう。
信頼できるサイトだけ許可
許可すべきサイト:
- 銀行や決済サービスの公式サイト
- 政府機関の公式サイト
- 勤務先や学校のポータルサイト
- 有名企業の公式サイト
許可すべきでないサイト:
- 知らないサイト
- 怪しい広告だらけのサイト
- URLが不自然なサイト
- HTTPSではないサイト
URLを確認する
許可する前に、必ずURLを確認しましょう。
チェックポイント:
- HTTPSで始まるか(HTTPは危険)
- ドメインは正規のものか
- スペルミスや不自然な文字列がないか
例:
- 正規:
https://www.amazon.co.jp
- 偽物:
https://www.amazom.co.jp
(mが多い) - 偽物:
http://amazon-login.com
(別ドメイン)
一時的に許可する方法
信頼できるか分からない場合、一時的に許可しましょう。
Safariの場合:
- 「常に許可」ではなく「許可」を選択
- その都度判断できる
Chromeの場合:
- 許可リストに追加後、使用後に削除
- 設定 → サイトの設定 → ポップアップとリダイレクト → 許可リストから削除
不要になったら設定を戻す
用が済んだら、設定を元に戻すことをおすすめします。
定期的にチェック:
- 月1回程度、許可サイトリストを見直す
- 使わなくなったサイトは削除
- 全体のブロック設定が有効か確認
よくあるトラブルと解決方法
ポップアップブロック解除に関する問題の対処法です。
トラブル1:解除したのにポップアップが開かない
原因:
- ブラウザのキャッシュが原因
- 拡張機能が干渉
- サイト側の問題
対処法:
- ページをリロード
- Command + R でリロード
- またはアドレスバーの更新ボタン
- キャッシュをクリア
- Safari:開発 → キャッシュを空にする
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → 閲覧履歴データの削除
- ブラウザを再起動
- 拡張機能を無効化
- 広告ブロック系をオフにして確認
- 別のブラウザで試す
- サイト側の問題の可能性
トラブル2:設定が保存されない
原因:
- プライベートブラウズモード
- Cookieがブロックされている
対処法:
- 通常ウィンドウで開く
- プライベートモード(シークレットモード)は設定が保存されない
- Cookie設定を確認
- Safari:設定 → プライバシー → Cookieをブロック
- 「常に許可」または「訪問したWebサイトのみ許可」に設定
- サイトデータを許可
- Cookie設定で該当サイトを許可
トラブル3:特定のボタンだけ反応しない
ポップアップ問題ではなく、JavaScriptの問題かもしれません。
対処法:
- JavaScriptが有効か確認
- Safari:設定 → セキュリティ → JavaScriptを有効にする
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定 → JavaScript
- コンテンツブロッカーを確認
- Safari:設定 → Webサイト → コンテンツブロッカー
- 開発者ツールでエラー確認
- Safari:開発 → Webインスペクタを表示
- Chrome:右クリック → 検証
- コンソールにエラーが表示されていないか
トラブル4:広告が大量に表示される
ブロックを解除しすぎた場合。
対処法:
- 全体のブロック設定を有効に戻す
- 許可リストを見直し
- 不要なサイトを削除
- 広告ブロック拡張機能をインストール
- uBlock Origin(推奨)
- AdGuard
- 1Blocker
- 怪しいサイトは開かない
トラブル5:ポップアップが連続で開く
悪質なサイトに遭遇した場合。
対処法:
- すぐにブラウザを終了
- Command + Q で強制終了
- 該当サイトのタブだけ閉じる
- Command + W
- ブラウザを再起動
- 前回のセッションを復元しない
- そのサイトはブックマークから削除
- ウイルススキャンを実行
- マルウェアに感染していないか確認
セキュリティを保つベストプラクティス
安全にブラウジングするためのポイントです。
基本的な安全対策
1. 基本はブロック有効
- ポップアップブロックは常に有効にしておく
- 必要なときだけ例外を追加
2. 信頼できるサイトのみ許可
- よく知っているサイトだけ
- URLを必ず確認
3. 定期的に見直し
- 月1回、許可リストをチェック
- 不要なサイトは削除
4. 怪しいサイトは開かない
- スパムメールのリンクをクリックしない
- 知らないサイトは慎重に
広告ブロック拡張機能の活用
ポップアップブロックと併用すると効果的です。
おすすめ拡張機能:
uBlock Origin:
- 無料でオープンソース
- 動作が軽い
- 高機能で細かい設定可能
AdGuard:
- 包括的な広告ブロック
- フィッシング対策も
1Blocker(Safari専用):
- Mac・iPhone両対応
- プライバシー保護機能
注意:
複数の広告ブロッカーを同時に使うと、動作が重くなったり競合したりします。
怪しいポップアップの見分け方
危険なサインン:
- 「ウイルスに感染しました」などの警告
- 高額商品が当選したという通知
- 閉じるボタンがない、または偽物
- 「OK」しか選択肢がない
- 個人情報の入力を求める
- ダウンロードを強制される
対処法:
- そのようなポップアップは絶対にクリックしない
- ブラウザごと終了
- 怪しいサイトには二度とアクセスしない
サイト別のよくある事例
具体的な事例と対処法です。
オンラインバンキング
症状:
ログイン後の認証画面が開かない
対処法:
- 銀行の公式サイトをポップアップ許可リストに追加
- 拡張機能を一時的にオフ
- Cookieを許可
オンラインショッピング
症状:
決済画面(PayPal、Stripeなど)が開かない
対処法:
- ショッピングサイトと決済サービスのドメインを許可
- 例:
amazon.co.jp
とpaypal.com
の両方 - サードパーティCookieを許可
会社のポータルサイト
症状:
社内システムのリンクが開かない
対処法:
- 社内ドメイン全体を許可
- 例:
[*.]company.com
で全サブドメイン許可 - IT部門に相談も検討
カレンダー予約サイト
症状:
日付選択のカレンダーが表示されない
対処法:
- そのサイトのポップアップを許可
- JavaScriptが有効か確認
- 広告ブロッカーを一時的にオフ
Zoomなどのビデオ会議
症状:
会議参加時のウィンドウが開かない
対処法:
zoom.us
を許可リストに追加- アプリ版のインストールを検討
- ブラウザのダウンロード設定も確認
まとめ:必要なポップアップだけ賢く許可しよう
ポップアップブロックは、セキュリティのための重要な機能です。
この記事のポイントまとめ
ポップアップブロックの基本:
- 邪魔な広告や危険なサイトから守る機能
- 正当なウィンドウもブロックすることがある
- 信頼できるサイトだけ解除する
Safari での解除方法:
- 設定 → Webサイト → ポップアップウィンドウ
- アドレスバーの「Aa」から個別設定
- 通知から素早く許可
Chrome での解除方法:
- 設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定
- アドレスバーの鍵アイコンから個別設定
- 通知アイコンから素早く許可
Firefox での解除方法:
- 設定 → プライバシーとセキュリティ
- 「許可サイト」ボタンから追加
- 通知から許可
セキュリティのポイント:
- 基本はブロック有効を維持
- 信頼できるサイトのみ例外として追加
- URLを必ず確認
- 定期的に許可リストを見直し
トラブル対処:
- ページをリロード
- キャッシュをクリア
- 拡張機能を確認
- 別のブラウザで試す
こんな使い方がおすすめ
安全性を保つために:
- 全体のブロックは常に有効
- 信頼できるサイトだけ個別に許可
- 使い終わったら設定を見直し
よく使うサイトの設定:
- オンラインバンキング:常に許可
- ショッピングサイト:決済時のみ許可
- 知らないサイト:許可しない
拡張機能との併用:
- ポップアップブロック(ブラウザ標準)
- 広告ブロック(拡張機能)
- 両方を適切に設定して快適に
最後に:安全と利便性のバランスを
ポップアップブロックは、あなたを守るための大切な機能です。
でも、時には必要なウィンドウまでブロックして不便なこともあります。
大切なのは、全てを許可するのではなく、信頼できるサイトだけを選んで許可すること。
この記事で紹介した方法を使えば、セキュリティを保ちながら、必要な機能もしっかり使えるようになります。
「このサイトは信頼できるか?」と常に考えながら、賢くインターネットを使いましょう。
安全で快適なブラウジングを楽しんでくださいね!
コメント