「えっ、システムデータだけで200GB以上もあるの!?」
Macのストレージを確認して、思わず声が出てしまった経験はありませんか? 写真や動画をそんなに保存していないのに、なぜか空き容量が少ない…。
犯人は「システムデータ」かもしれません。
この謎めいた「システムデータ」、実は安全に削減できる部分がたくさんあるんです。 今回は、大切なデータを守りながら、不要なシステムデータを整理する方法を詳しくご紹介します。
ストレージの空き容量を増やせば、Macの動作も軽快になりますよ。 さっそく、一緒に掃除を始めましょう!
1. そもそも「システムデータ」って何が入っているの?

📊 システムデータの正体を知ろう
「システムデータ」という名前を聞くと、「触ったら壊れそう…」と思うかもしれませんね。 でも実際は、いろいろなファイルの寄せ集めなんです。
システムデータに含まれる主なもの:
- キャッシュファイル:アプリやWebサイトの一時保存データ
- ログファイル:Macやアプリの動作記録
- アップデートファイル:macOSやアプリの更新データ
- スナップショット:Time Machineのローカルバックアップ
- 仮想メモリ:作業中の一時的なメモリ拡張領域
- 言語ファイル:使わない言語の辞書やフォント
- 古いiOSバックアップ:iPhone/iPadの過去のバックアップ
これらの多くは、実は削除しても問題ないものばかり。 でも、Macは「念のため」取っておく性格なので、どんどん溜まってしまうんです。
📈 なぜシステムデータは肥大化するの?
主な原因は3つ:
- 自動削除されないキャッシュ
- 本来は自動で消えるはずが、何らかの理由で残ってしまう
- 積み重なるアップデートの残骸
- macOSの大型アップデート後に、古いファイルが残る
- 隠れた大容量ファイル
- 動画編集アプリのプレビューファイルなど、見えない場所に保存される
2. まずはここから!ストレージの現状確認
🔍 ストレージ使用状況をチェックする方法
削減作業の前に、現在の状況を把握しましょう。
確認手順:
- 画面左上の「Appleメニュー」をクリック
- 「このMacについて」を選択
- 「詳細情報」をクリック
- 左側メニューから「ストレージ設定」を選択
ここで「システムデータ」の容量が確認できます。 50GB以上ある場合は、削減の余地が大いにあります!
🔍 より詳細な分析をする方法
もっと詳しく知りたい場合は、「ディスクユーティリティ」を使います。
手順:
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ
- 「ディスクユーティリティ」を開く
- 左側でMacintosh HDを選択
- 上部の「情報」ボタンをクリック
「使用済み」と「空き」の差が、実際のファイルサイズと合わない場合、 その差分がシステムデータとして隠れている可能性があります。
3. 【即効性あり】今すぐできる5つの削減方法
🧹 方法1:ストレージの最適化機能を使う
Appleが用意している公式の削減方法から始めましょう。
手順:
- システム設定 → 一般 → ストレージ設定
- 「推奨事項」の各項目を確認
- 以下を実行:
- ゴミ箱を自動的に空にする:30日経過したファイルを自動削除
- ストレージを最適化:古いTV番組や映画を自動削除
- クラウドに保存:書類をiCloudに移動
これだけで、数GBから数十GBの空き容量が生まれることも!
🧹 方法2:キャッシュファイルを削除する
キャッシュは、アプリの動作を速くするための一時ファイルです。 削除しても、必要に応じて再作成されるので安心してください。
安全な削除手順:
- Finderを開く
- **「Command + Shift + G」**を押す
- 以下のフォルダを順番に開いて、中身を削除: ユーザーキャッシュ(最も安全):
~/Library/Caches
- 中のフォルダを選択して削除
- ただし、フォルダ自体は残しておく
/Library/Caches
- 管理者パスワードが必要
- よくわからないフォルダは触らない
💡 プロのコツ: 削除前に、フォルダのサイズを確認。 100MB以下のものは無視して、大きいものだけ削除すると効率的です。
🧹 方法3:Time Machineのローカルスナップショットを削除
Time Machineは、外付けドライブがなくても、Mac内部に一時的なバックアップを作成します。 これが意外と容量を食っているんです。
確認と削除方法:
- ターミナルを開く(アプリケーション → ユーティリティ)
- 以下のコマンドを入力してスナップショットを確認:
tmutil listlocalsnapshots /
- 削除したい場合は:
tmutil deletelocalsnapshots /
削除しても、外付けドライブのバックアップには影響しません。
🧹 方法4:古いiOSデバイスのバックアップを削除
iPhone・iPadのバックアップが、知らないうちに溜まっているケースは多いです。
削除手順:
- システム設定を開く
- 「一般」→「ストレージ設定」
- 「iOSファイル」をクリック
- 不要なバックアップを選択して削除
古い機種のバックアップや、同じデバイスの古いバックアップは削除してOK。 最新のバックアップ1つあれば十分です。
🧹 方法5:ダウンロードフォルダの整理
意外と見落としがちなのが、ダウンロードフォルダです。
整理のポイント:
- インストール済みのアプリのインストーラー(.dmgファイル)
- 既に見終わったPDFや書類
- 解凍済みのZIPファイル
これらは削除しても問題ありません。 定期的に確認する習慣をつけましょう。
4. 【中級編】もっと踏み込んだ削減テクニック

🛠️ セーフブートで不要ファイルを一括削除
セーフモードで起動すると、システムが自動的にクリーンアップを実行します。
手順:
- Macを完全にシャットダウン
- 電源ボタンを押す
- すぐにShiftキーを押し続ける
- ログイン画面が表示されたら離す
- ログインして、そのまま通常の再起動
これだけで、数GBのシステムデータが削減されることがあります。
🛠️ 大容量の隠しファイルを見つける方法
通常は見えない隠しファイルの中に、大容量のものが潜んでいることがあります。
隠しファイルを表示する:
- Finderで任意のフォルダを開く
- **「Command + Shift + .(ピリオド)」**を押す
- 薄い色で隠しファイルが表示される
チェックすべき場所:
~/Library/Application Support/
:アプリのサポートファイル~/Library/Containers/
:サンドボックス化されたアプリのデータ/private/var/
:システムの一時ファイル(上級者向け)
🛠️ 言語ファイルの削除
使わない言語のファイルも、意外と容量を使っています。
Finderで手動削除する方法:
- アプリケーションフォルダを開く
- アプリを右クリック→「パッケージの内容を表示」
- Contents → Resources フォルダ
- 「.lproj」で終わる不要な言語フォルダを削除
- 例:「ko.lproj」(韓国語)、「zh_CN.lproj」(中国語)など
- 「ja.lproj」(日本語)と「en.lproj」(英語)は残しておく
5. 【上級編】プロも使う強力な削減方法
⚡ ターミナルコマンドで徹底クリーンアップ
コマンドラインに抵抗がない方向けの、強力な方法です。
開発者向けキャッシュの削除:
# Xcodeのキャッシュ削除(開発者の方)
rm -rf ~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/*
# Homebrewのキャッシュ削除
brew cleanup -s
# npmのキャッシュ削除
npm cache clean --force
システムログの削除:
# 古いログファイルを削除
sudo rm -rf /private/var/log/asl/*.asl
⚡ 仮想メモリ(スワップファイル)の最適化
メモリ不足時に使われる仮想メモリファイルも、容量を圧迫することがあります。
確認方法:
ls -lh /private/var/vm/
スワップファイルが多数ある場合は、以下で対処:
- 起動中のアプリをすべて終了
- Macを再起動
- 必要最小限のアプリだけを起動
⚡ データベースの再構築
Spotlightのインデックスなど、各種データベースの再構築も効果的です。
Spotlightインデックスの再構築:
- システム設定 → Siriとスポットライト → スポットライトのプライバシー
- 「+」ボタンでMacintosh HDを追加
- 追加後、すぐに「-」ボタンで削除
- インデックスの再構築が始まる(数時間かかる場合あり)
6. 便利な無料ツールを活用しよう
🔧 おすすめの無料クリーニングアプリ
手動での作業が面倒な方は、専用アプリを使うのも一つの方法です。
OnyX(無料)
- 老舗のメンテナンスツール
- システムの各種メンテナンスを一括実行
- 上級者向けの詳細設定も可能
AppCleaner(無料)
- アプリを完全にアンインストール
- 関連ファイルも一緒に削除
- ドラッグ&ドロップで簡単操作
使用時の注意点:
- 必ずApp Storeか公式サイトからダウンロード
- 初回使用時は、削除前に内容を確認
- 重要なファイルは事前にバックアップ
🔧 ストレージ分析ツールの活用
どこに容量を使っているか視覚的に確認できるツールもあります。
DiskInventory X(無料)
- ファイルサイズを視覚的に表示
- 大容量ファイルが一目でわかる
- 削除前の確認に便利
GrandPerspective(無料)
- カラフルなマップでストレージを可視化
- 隠しファイルも含めて表示
- ドラッグ&ドロップで直接削除も可能
7. システムデータが再び肥大化しないための予防策

🛡️ 定期メンテナンスの習慣化
月に1回、以下のメンテナンスを行いましょう。
毎月のルーティン:
- 第1週:ダウンロードフォルダの整理
- 第2週:キャッシュファイルの削除
- 第3週:ゴミ箱を空にする
- 第4週:ストレージ設定の確認
カレンダーにリマインダーを設定すると忘れません。
🛡️ 自動化できる設定
設定しておくと便利な項目:
- ゴミ箱の自動削除
- システム設定 → 一般 → ストレージ → ゴミ箱を自動的に空にする
- スクリーンショットの保存先変更
- デスクトップではなく、専用フォルダに保存
- ターミナルで設定可能
- ダウンロードフォルダの自動整理
- Automatorでワークフローを作成
- 30日経過したファイルを自動でアーカイブ
🛡️ クラウドストレージの活用
そもそもMac本体に保存しない、という選択肢もあります。
iCloud Driveの活用:
- 書類とデスクトップをiCloudに保存
- 写真はiCloud写真を利用
- 必要な時だけダウンロード
メリット:
- Mac本体の容量を大幅に節約
- 複数デバイスでデータ共有
- 自動バックアップにもなる
8. よくあるトラブルと対処法
❓ 削除したら動作がおかしくなった場合
キャッシュを削除した後、一時的にアプリの起動が遅くなることがあります。 これは正常な現象で、新しいキャッシュが作成されれば元に戻ります。
もし問題が続く場合:
- 該当アプリを再インストール
- それでもダメならTime Machineから復元
- 最終手段:macOSの再インストール
❓ 削除してはいけないファイルの見分け方
絶対に削除してはいけないもの:
- システムフォルダ内の見覚えのないファイル
- 拡張子が「.kext」のファイル(カーネル拡張)
- 「Required」「Essential」という名前を含むフォルダ
迷ったら削除しないが鉄則です。
❓ 空き容量が増えない場合
削除したのに空き容量が増えない場合は、以下を試してください。
- ゴミ箱を確認:削除したファイルがゴミ箱に残っていないか
- 再起動:システムが容量を再計算
- ディスクユーティリティでFirst Aid:ディスクエラーの修復
- Time Machineの確認:ローカルスナップショットが原因の可能性
9. 容量不足の根本解決策
💾 外部ストレージの活用
どうしても容量が足りない場合は、外部ストレージを検討しましょう。
おすすめの選択肢:
- 外付けSSD
- 高速で信頼性が高い
- 持ち運びも便利
- 価格は高め
- 外付けHDD
- 大容量で安価
- バックアップ用途に最適
- 速度は遅め
- NAS(ネットワークストレージ)
- 家庭内のどこからでもアクセス
- 自動バックアップ設定可能
- 初期投資は必要
💾 Mac本体のストレージアップグレード
可能な選択肢:
- 新しいMacに買い替え:最も確実だが高額
- 外付けSSDから起動:Thunderbolt接続なら高速
- クラウドストレージの月額プラン:初期投資不要
まとめ:快適なMacライフを取り戻そう!
システムデータの肥大化は、多くのMacユーザーが経験する問題です。 でも、今回ご紹介した方法を実践すれば、確実に改善できます。
削減効果の目安:
- 簡単な方法だけ:10〜30GB
- 中級編まで実施:30〜50GB
- すべて実施:50GB以上
おさらい:今すぐできる3つのアクション
- ストレージ設定で「推奨事項」を実行
- キャッシュフォルダを削除
- ダウンロードフォルダを整理
これだけでも、かなりの効果が期待できます。
そして何より大切なのは、定期的なメンテナンスです。 月に1回、10分程度の作業で、快適な環境を維持できます。
ストレージに余裕ができれば、Macの動作も軽快になり、 新しいアプリや写真を保存する余裕も生まれます。
さあ、今すぐストレージの大掃除を始めてみませんか? きっと、Macがサクサク動く爽快感を味わえるはずです!
🚀 次のステップ
システムデータの削減に成功したら、次はこんなことも試してみてください:
- 起動項目の整理で、さらに高速化
- メモリ管理の最適化で、動作をより軽快に
- 定期的なディスク診断で、トラブルを未然に防ぐ
あなたのMacが、いつまでも快適に使えることを願っています!
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