「Macのコンピュータ名を変えたい」
「ユーザーアカウントの名前を修正したい」
「AirDropで表示される名前がおかしい…」
Macを使っていて、こんな悩みはありませんか?
Macには変更できる「名前」がいくつもあります。コンピュータ名、ユーザーアカウント名、フルネーム(表示名)など、それぞれ役割が違い、変更方法も異なるんです。
特に中古のMacを購入した時や、会社から譲り受けた時、最初に適当に設定してしまった時など、名前を変更したくなることがありますよね。でも、どこから変更すればいいのか、変更して大丈夫なのか、不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、Macで変更できるあらゆる「名前」について、初心者の方でも安全に変更できるよう、手順と注意点を詳しく解説していきます。
あなたのMacを、自分だけの愛着のある名前に変更しましょう!
Macの「名前」の種類を理解しよう

変更できる5つの名前
Macには変更可能な「名前」が5種類あります。それぞれの役割を理解しましょう。
1. コンピュータ名
- ネットワーク上で表示される名前
- AirDropやファイル共有で見える
- 例:「田中のMacBook Pro」
2. ユーザーアカウント名(短縮名)
- ログイン時に使用する名前
- ホームフォルダの名前にもなる
- 英数字のみ(例:tanaka)
3. フルネーム(表示名)
- 画面上部やログイン画面に表示
- 日本語も使用可能
- 例:「田中太郎」
4. ホームフォルダ名
- ユーザーフォルダの実際の名前
- 通常はアカウント名と同じ
- 変更は要注意
5. ローカルホスト名
- ターミナルなどで使用
- ネットワーク識別用
- 例:tanaka-macbook-pro.local
それぞれ異なる場所で使われるので、目的に応じて変更します。
なぜ名前を変更したくなるのか
名前変更が必要になる典型的なケースを紹介します。
よくある理由:
- 中古Mac購入で前の所有者の名前が残っている
- 会社のMacを個人用に転用
- 結婚などで姓が変わった
- 最初に適当な名前を付けてしまった
- プライバシーを保護したい
- AirDropで本名が表示されるのを避けたい
どの理由でも、適切に変更すれば問題ありません。
コンピュータ名の変更方法
システム設定から変更する
最も簡単で安全な、コンピュータ名の変更方法です。
macOS Ventura以降の手順:
- Appleメニュー → システム設定
- 左サイドバーから「一般」を選択
- 「共有」をクリック
- 「コンピュータ名」の横にある「編集」をクリック
- 新しい名前を入力
- 「OK」をクリック
macOS Monterey以前の手順:
- システム環境設定 → 共有
- 「コンピュータ名」フィールドを編集
- 新しい名前を入力
- Enterキーで確定
即座に反映され、再起動は不要です。
ローカルホスト名も一緒に変更
詳細設定でローカルホスト名も変更できます。
変更手順:
- システム設定 → 一般 → 共有
- 「編集」ボタンをクリック
- 「ローカルホスト名」フィールドも表示される
- 必要に応じて変更
- 「OK」で確定
ローカルホスト名のルール:
- 英数字とハイフンのみ使用可能
- スペースは自動的にハイフンに変換
- .localが自動的に付加される
ターミナルを使う方は、こちらも変更しておくと便利です。
AirDropの表示名
AirDropで表示される名前は、コンピュータ名と連動しています。
確認方法:
- Finderを開く
- サイドバーの「AirDrop」をクリック
- 画面下部に「○○として検出可能」と表示
プライバシー対策:
- 本名を避けて愛称やニックネームを使用
- 「MacBook」「Mac mini」など汎用的な名前
- イニシャルや番号の組み合わせ
公共の場でAirDropを使う方は、個人情報が含まれない名前がおすすめです。
ユーザーアカウント名の変更
フルネーム(表示名)の変更
画面に表示される名前を変更する、最も簡単な方法です。
変更手順:
- システム設定 → ユーザとグループ
- 変更したいユーザーを選択
- 「i」ボタンをクリック
- フルネームを編集
- 「OK」をクリック
別の方法(自分のアカウント):
- システム設定 → 自分のApple ID
- 「名前、電話番号、メール」
- 名前を編集
この変更は安全で、システムに影響を与えません。
アカウント名(短縮名)の変更 – 要注意!
ログインに使用するアカウント名の変更は、リスクが伴います。
重要な警告:
- アカウント名の変更は推奨されません
- 多くのファイルパスが破損する可能性
- アプリケーションが動作しなくなることも
- 新規アカウント作成の方が安全
どうしても変更したい場合の手順:
- 別の管理者アカウントでログイン
- システム設定 → ユーザとグループ
- 鍵アイコンをクリックして認証
- 変更したいユーザーを右クリック
- 「詳細オプション」を選択
- アカウント名を慎重に変更
- ホームディレクトリも同時に変更
必ずバックアップを取ってから実行してください。
新しいアカウントを作成する方法
最も安全な「名前変更」の方法です。
新規アカウント作成手順:
- システム設定 → ユーザとグループ
- 「ユーザまたはグループを追加」をクリック
- 新しいアカウント情報を入力:
- フルネーム(表示名)
- アカウント名(英数字)
- パスワード
- 管理者権限を付与
- 新アカウントでログイン
- データを移行
データ移行の手順:
- 古いアカウントから必要なファイルをコピー
- アプリケーションの設定を移行
- 動作確認後、古いアカウントを削除
時間はかかりますが、最も確実な方法です。
ファイル・フォルダ名の変更
基本的な名前変更方法
ファイルやフォルダの名前を変更する様々な方法を紹介します。
方法1:クリックして変更
- ファイルを一度クリックして選択
- もう一度クリック(ダブルクリックではない)
- 名前が編集可能になる
- 新しい名前を入力
- Enterキーで確定
方法2:Returnキーを使用
- ファイルを選択
- Returnキーを押す
- 名前を編集
- Enterで確定
方法3:右クリックメニュー
- ファイルを右クリック
- 「名前を変更」を選択
- 新しい名前を入力
どの方法でも結果は同じです。
複数ファイルの一括変更
複数のファイルを効率的に名前変更する方法です。
Finderの一括変更機能:
- 変更したいファイルをすべて選択
- Command + クリックで個別選択
- Shift + クリックで範囲選択
- 右クリック → 「○個の項目の名前を変更」
- 変更方法を選択:
- テキストを置き換える:特定の文字を置換
- テキストを追加:前後に文字を追加
- フォーマット:連番や日付を付加
- プレビューを確認
- 「名前を変更」をクリック
実用例:
- 写真に撮影日を追加
- 連番を付けて整理
- 拡張子を一括変更
大量のファイル整理に便利です。
拡張子の表示と変更
ファイルの拡張子を扱う際の注意点です。
拡張子を表示する設定:
- Finder → 設定(Command + ,)
- 「詳細」タブ
- 「すべてのファイル名拡張子を表示」にチェック
拡張子変更時の注意:
- 拡張子を変更すると警告が表示される
- ファイルが開けなくなる可能性
- 必要な場合のみ変更
- 元の拡張子を覚えておく
安全な拡張子変更:
- .txt ↔ .md(テキストファイル)
- .htm ↔ .html(Webページ)
- .jpeg ↔ .jpg(画像)
形式が同じなら問題ありません。
ターミナルを使った名前変更
コマンドラインでの変更方法
上級者向けの、ターミナルを使った変更方法です。
コンピュータ名の変更:
# コンピュータ名を変更
sudo scutil --set ComputerName "新しい名前"
# ローカルホスト名を変更
sudo scutil --set LocalHostName "new-name"
# NetBIOS名を変更
sudo scutil --set HostName "new-name"
確認コマンド:
# 現在の名前を確認
scutil --get ComputerName
scutil --get LocalHostName
scutil --get HostName
変更後は再起動を推奨します。
ファイル名の一括変更
ターミナルで複数ファイルを効率的に変更できます。
基本的なmvコマンド:
# 単一ファイルの名前変更
mv 古い名前.txt 新しい名前.txt
# ディレクトリの名前変更
mv old_folder new_folder
複数ファイルの一括変更:
# すべての.txtファイルに日付を追加
for file in *.txt; do
mv "$file" "2025-01-20_$file"
done
# スペースをアンダースコアに置換
for file in *; do
mv "$file" "${file// /_}"
done
findコマンドでの変更:
# 特定の文字列を含むファイルを検索して変更
find . -name "*old*" -exec rename 's/old/new/' {} \;
強力ですが、慎重に使用してください。
Apple IDとiCloudの名前
Apple IDの名前変更
Apple IDに登録されている名前の変更方法です。
変更手順:
- appleid.apple.comにアクセス
- Apple IDでサインイン
- 「サインインとセキュリティ」を選択
- 「個人情報」セクション
- 名前を編集
- 変更を保存
Mac上での変更:
- システム設定 → Apple ID
- 「名前、電話番号、メール」
- 名前の横の「編集」
- 新しい名前を入力
この名前は、App StoreやiCloudで表示されます。
iCloudデバイス名
iCloudで管理されるデバイス名の変更です。
確認と変更:
- システム設定 → Apple ID
- デバイスリストを確認
- 該当デバイスを選択
- 名前を変更
iPhoneやiPadの名前も変更可能:
- 設定 → 一般 → 情報 → 名前
- Macから「デバイスを探す」で確認可能
すべてのAppleデバイスで統一感を持たせられます。
トラブルシューティング
名前変更後の不具合対処
名前を変更した後に起きる可能性のある問題と対処法です。
よくある問題:
- アプリケーションが起動しない
- パスが変わって参照できない
- アプリを再インストール
- 設定ファイルの再作成
- ファイルが見つからない
- 古いパスを参照している
- Spotlightで検索
- エイリアスの作成
- ネットワーク共有ができない
- 共有設定を確認
- ファイアウォールの設定確認
- 共有を一度オフにして再設定
対処の基本:
- 変更前の名前を記録しておく
- 段階的に変更する
- バックアップを必ず取る
アクセス権限の問題
名前変更に伴うアクセス権限のトラブルです。
権限の修復方法:
- ディスクユーティリティを使用
- アプリケーション → ユーティリティ
- First Aidを実行
- アクセス権限を修復
- ターミナルでの修復
# ホームディレクトリの権限修復
sudo chown -R $(whoami) ~/
- セーフモードで起動
- 起動時にShiftキーを押し続ける
- 権限の自動修復が実行される
予防策:
- 管理者権限で作業
- 重要なファイルは事前にバックアップ
- Time Machineを有効にしておく
元に戻す方法
変更を取り消したい場合の対処法です。
コンピュータ名を元に戻す:
- 同じ手順で元の名前に変更
- 特に制限はない
- 何度でも変更可能
アカウント名を元に戻す:
- 新しいアカウントから古いアカウントに戻る
- Time Machineから復元
- 慎重に作業する必要あり
ファイル名を元に戻す:
- Command + Z で直後なら取り消し可能
- Time Machineから復元
- バックアップから復元
事前の準備が重要です。
セキュリティとプライバシーの考慮
公共の場での名前表示
プライバシーを守るための設定です。
AirDropのプライバシー設定:
- AirDropを「連絡先のみ」に設定
- または「受信しない」に設定
- 必要な時だけ「すべての人」に
共有設定の確認:
- ファイル共有をオフ
- 画面共有をオフ
- プリンタ共有をオフ
Bluetoothデバイス名:
- システム設定 → Bluetooth
- デバイス名を確認
- 個人情報を含まない名前に
公共Wi-Fiでは特に注意が必要です。
ビジネス用Macの名前設定
仕事で使うMacの適切な命名規則です。
推奨される命名規則:
- 部署名-社員番号(例:Sales-12345)
- 会社名-機種名(例:ABC-MacBookPro)
- 管理番号のみ(例:Asset-0001)
避けるべき名前:
- 個人の実名
- プライベートな情報
- 機密情報を含む名前
管理しやすい工夫:
- 統一されたフォーマット
- 検索しやすい名前
- 資産管理と連動
IT部門と相談して決めましょう。
よくある質問
Q: 名前を変更すると何か問題が起きる?
A: コンピュータ名とフルネームは安全に変更できます。
ただし、アカウント名(短縮名)の変更は避けるべきです。多くのアプリケーションやシステムファイルがパスを参照しているため、不具合の原因になります。
Q: AirDropで本名を隠したい
A: コンピュータ名を変更すれば解決します。
システム設定の「共有」から、個人を特定できない名前に変更してください。「MacBook」「Mac」などの汎用的な名前や、ニックネームがおすすめです。
Q: 中古Macの前所有者の名前を消したい
A: 完全にクリーンにするなら初期化が確実です。
ただし、データを残したまま名前だけ変更することも可能です。コンピュータ名、ユーザーアカウントのフルネームを変更し、必要なら新しいアカウントを作成してデータを移行します。
Q: 結婚して姓が変わった
A: Apple IDとフルネームの変更で対応できます。
Apple IDの名前変更、ユーザーアカウントのフルネーム変更で、表示される名前はすべて新しい姓になります。アカウント名(短縮名)は変更不要です。
Q: 会社のMacを個人用にしたい
A: 初期化して新規セットアップが最も確実です。
会社のデータを完全に削除し、個人のApple IDでセットアップし直すことをおすすめします。MDM(モバイルデバイス管理)が設定されている場合は、IT部門に解除を依頼してください。
まとめ
Macの名前変更は、変更する「名前」の種類によって難易度が大きく異なります。
安全に変更できるもの:
- コンピュータ名(ネットワーク表示名)
- フルネーム(表示名)
- ファイル・フォルダ名
- Apple IDの名前
慎重に行うべきもの:
- ユーザーアカウント名(短縮名)
- ホームフォルダ名
- システムファイルの名前
成功のポイント:
- 変更前の準備
- バックアップを取る
- 現在の名前を記録
- 変更の影響を理解
- 適切な方法を選択
- 簡単な変更から始める
- 必要なら新規アカウント作成
- 初期化も選択肢に
- プライバシーを考慮
- 公共の場での表示名
- AirDropの設定
- 個人情報の保護
- トラブルに備える
- Time Machineを設定
- 復元方法を知っておく
- 無理な変更は避ける
正しい知識を持って作業すれば、安全に名前を変更できます。
この記事を参考に、あなたのMacを自分好みにカスタマイズしてください。愛着のある名前を付けることで、Macがもっと身近な存在になるはずです!
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