「英数キーを押しても日本語に切り替わらない!」 「かなキーが反応しない…」 「特定のアプリだけ日本語入力ができない」 「macOSアップデート後から調子が悪い」
Macで日本語入力ができなくなると、仕事や勉強に大きな支障が出ますよね。
実は、この問題には様々な原因があり、それぞれに適切な解決方法があるんです。入力ソースの設定、キーボードの問題、システムの不具合など、原因を特定すれば必ず解決できます。
この記事では、日本語入力トラブルの原因別に、具体的な解決方法をステップバイステップで解説していきます。
まず試すべき!基本的な5つの対処法

1. 入力ソースの確認と切り替え
メニューバーで確認:
- 画面右上のメニューバーを確認
- 「A」または「あ」のアイコンをクリック
- 以下を確認:
- ひらがなが選択可能か
- 入力ソース一覧に日本語があるか
ショートカットで切り替え:
基本的な切り替え方法:
- かなキー:ひらがな入力に切り替え
- 英数キー:英数入力に切り替え
- Control + Space:入力ソース切り替え
- Control + Option + Space:入力ソース一覧表示
- Caps Lock:英数切り替え(設定による)
2. 日本語入力ソースの再追加
手順:
- システム設定 → キーボード
- **「入力ソース」**タブ
- 左下の**「+」**ボタンをクリック
- **「日本語」**を選択
- 以下を追加:
- 日本語 – ローマ字入力
- 日本語 – かな入力(必要な場合)
3. ライブ変換の設定確認
macOS Big Sur以降:
システム設定 → キーボード → 入力ソース
→ 日本語を選択 → 編集
☐ ライブ変換(問題がある場合はオフに)
☐ Windows風のキー操作(必要に応じて)
4. 再起動とリセット
簡単な再起動:
- アップルメニュー → 再起動
- または、Control + Command + 電源ボタン
SMCリセット(Intel Mac):
- Macをシャットダウン
- 電源ボタン + Shift + Control + Option を10秒押す
- すべて離して電源を入れる
NVRAMリセット:
- Macをシャットダウン
- 電源を入れてすぐに Option + Command + P + R を押し続ける
- 20秒程度押し続けて離す
5. セーフモードで確認
セーフモード起動:
- Intel Mac:起動時にShiftキーを押し続ける
- Apple Silicon Mac:電源ボタン長押し → オプション → Shiftを押しながら続ける
セーフモードで日本語入力が可能なら、サードパーティアプリが原因の可能性大。
入力ソース関連の詳細な解決法
入力ソースが消えた・追加できない
解決法1:plistファイルの削除
# ターミナルで実行
rm ~/Library/Preferences/com.apple.HIToolbox.plist
rm ~/Library/Preferences/com.apple.inputmethod.*
# その後再起動
解決法2:入力メソッドのリセット
# 日本語環境を再設定
defaults delete com.apple.inputmethod.Kotoeri
defaults delete com.apple.inputmethod.Japanese
特定の入力ソースが選択できない
言語と地域の設定確認:
- システム設定 → 「言語と地域」
- 優先する言語に**「日本語」**が含まれているか確認
- なければ「+」で追加
- 日本語を最上位にドラッグ
キーボード関連のトラブル解決
かな/英数キーが効かない
JISキーボードの設定確認:
システム設定 → キーボード → キーボードの種類を変更
→ JIS(日本語)配列を選択
Karabiner-Elementsでの対処:
- Karabiner-Elementsをインストール
- Simple Modificationsで設定:
- 「英数」→「英数キー」
- 「かな」→「かなキー」
USキーボードで日本語入力
設定方法:
Command + Space:入力切り替え
または
Control + Space:入力ソース切り替え
Karabiner-Elementsで設定:
- Left Command → 英数
- Right Command → かな
外部キーボードの問題
Bluetooth接続の確認:
- システム設定 → Bluetooth
- キーボードの接続状態確認
- 一度削除して再ペアリング
USB接続の確認:
- 別のUSBポートで試す
- USBハブを使わず直接接続
- システム情報でキーボード認識確認
アプリ別の対処法
Google Chrome/ブラウザ
Chrome特有の問題:
Chrome設定 → 詳細設定 → 言語
→ 「スペルチェック」で日本語を有効化
または拡張機能の無効化:
1. chrome://extensions/
2. すべての拡張機能を一時的に無効化
3. 問題の拡張機能を特定
Microsoft Office(Word、Excel)
Office専用の設定:
- Word/Excel → 環境設定
- 「編集と校正」
- 「日本語入力プログラム」
- macOS標準またはMicrosoft IMEを選択
Slack、Discord
Electron系アプリの対処:
# アプリのキャッシュクリア
rm -rf ~/Library/Application\ Support/Slack/Cache
rm -rf ~/Library/Application\ Support/discord/Cache
ターミナル、VSCode
ターミナルでの設定:
# .zshrcまたは.bash_profileに追加
export LANG=ja_JP.UTF-8
export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
VSCodeの設定:
// settings.json
{
"keyboard.dispatch": "keyCode",
"editor.fontFamily": "Osaka-Mono, Menlo, Monaco",
"terminal.integrated.env.osx": {
"LANG": "ja_JP.UTF-8"
}
}
macOSバージョン別の問題と解決法

macOS Sonoma (14.x)
既知の問題:
- ライブ変換の不具合
- 特定アプリでの入力遅延
解決法:
システム設定 → キーボード → テキスト入力
→ 入力ソース → 編集
☐ ライブ変換をオフ
☐ 予測候補表示をオフ
macOS Ventura (13.x)
Stage Manager使用時の問題:
システム設定 → デスクトップとDock
→ Stage Managerを一時的にオフ
macOS Monterey以前
従来の設定方法:
システム環境設定 → キーボード → 入力ソース
→ 「メニューバーに入力メニューを表示」にチェック
Google日本語入力の問題解決
インストール後に切り替えできない
解決手順:
- Google日本語入力を再インストール
- システム設定 → キーボード → 入力ソース
- 「Google日本語入力」を追加
- 「ひらがな(Google)」を選択
Google日本語入力の初期化
# 設定ファイルのリセット
rm -rf ~/Library/Application\ Support/Google/JapaneseInput
rm ~/Library/Preferences/com.google.inputmethod.*
システムレベルのトラブルシューティング
アクセシビリティ権限の確認
必要な権限:
システム設定 → プライバシーとセキュリティ
→ アクセシビリティ
以下にチェック:
☑ 入力支援アプリ
☑ Karabiner-Elements(使用時)
☑ Google日本語入力(使用時)
キーボード辞書の修復
# ユーザー辞書の修復
cd ~/Library/Dictionaries
rm -rf JapaneseInputMethod
# 再起動後に自動再生成
システムファイルの検証
# ディスクユーティリティで実行
diskutil verifyVolume /
# または
sudo fsck -fy
予防策と最適化
定期的なメンテナンス
月1回実施:
# キャッシュクリア
rm -rf ~/Library/Caches/*
# 設定ファイルの最適化
defaults read > /dev/null
バックアップの作成
重要な設定のバックアップ:
# 入力関連設定のバックアップ
cp ~/Library/Preferences/com.apple.HIToolbox.plist ~/Desktop/
cp -r ~/Library/Dictionaries ~/Desktop/Dictionaries_backup
おすすめの設定
安定動作のための設定:
- ライブ変換:オフ
- 予測変換:必要最小限
- 自動大文字:オフ
- スマート引用符:オフ
それでも解決しない場合
Apple サポートへの問い合わせ準備
収集すべき情報:
# システム情報の取得
system_profiler SPSoftwareDataType > ~/Desktop/system_info.txt
system_profiler SPKeyboardDataType >> ~/Desktop/system_info.txt
# ログの収集
log show --predicate 'subsystem == "com.apple.TextInput"' --last 1h > ~/Desktop/input_log.txt
クリーンインストールの検討
データバックアップ後:
- Time Machineでフルバックアップ
- macOSの再インストール
- 移行アシスタントで選択的に復元
トラブル診断チェックリスト

□ メニューバーに入力ソースが表示されているか
□ 日本語入力ソースが追加されているか
□ かな/英数キーが正しく動作するか
□ 特定のアプリだけの問題か
□ セーフモードで問題が解決するか
□ 外部キーボードでも同じ問題が起きるか
□ 別のユーザーアカウントでも起きるか
□ macOSは最新版か
□ サードパーティIMEの問題か
□ アクセシビリティ権限は適切か
まとめ:日本語入力トラブルは必ず解決できる
Mac の日本語入力問題は、原因を特定すれば確実に解決できます。
解決の流れ:
- 基本確認 – 入力ソース、キーボード設定
- 簡単な対処 – 再起動、再追加、リセット
- 詳細診断 – セーフモード、別アカウント
- システム修復 – plist削除、権限確認
- 最終手段 – クリーンインストール
今すぐ確認すべきこと:
- 入力ソースの設定状態
- キーボードの種類設定
- ライブ変換のオン/オフ
- アクセシビリティ権限
この記事の手順を順番に試せば、必ず日本語入力を復活させることができます。
困った時は、このガイドを参照してトラブルを解決してください!
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