「中古で買ったMac、前の持ち主のパスワードがわからない…」 「久しぶりに起動したら、パスワードを完全に忘れてた…」 「売却したいけど、ログインできなくて初期化できない…」
こんな絶望的な状況でも、実は解決方法があるんです!
Macには、パスワードを忘れた時のための複数の初期化方法が用意されています。Apple IDを使う方法から、リカバリーモードを使う方法まで、状況に応じて選べる方法がたくさん。
この記事では、パスワード不明でMacを初期化する全ての方法を、初心者でも迷わないよう画像付きで丁寧に解説します。
大切なのは、諦めないこと。必ず解決策はあります!
まず試すべき!パスワードリセットの3つの方法

方法1:Apple IDでパスワードリセット(最も簡単)
条件:
- Apple IDでサインインしている
- FileVault(暗号化)が有効
- インターネット接続可能
手順:
- ログイン画面でパスワードを3回間違える
- わざと違うパスワードを入力
- 「Apple IDを使ってリセット」が表示
- 表示されない場合は他の方法へ
- Apple IDとパスワードを入力
- 2ファクタ認証の確認コード入力
- 新しいパスワードを設定
- 以前と違うものにする必要あり
- 再起動して新パスワードでログイン
成功率が高く、データも残る最良の方法です!
方法2:別の管理者アカウントから変更
条件:
- 他にログインできる管理者アカウントがある
手順:
- 別の管理者アカウントでログイン
- システム設定を開く
- Appleメニュー → システム設定
- 「ユーザとグループ」を選択
- パスワードを忘れたアカウントを選択
- 左下の鍵アイコンをクリックして解除
- 「パスワードをリセット」をクリック
- 新しいパスワードを設定
この方法なら、データは一切失われません。
方法3:リカバリーモードでパスワードリセット
Intel Macの場合:
- Macを完全にシャットダウン
- Command + R を押しながら起動
- Appleロゴが表示されるまで押し続ける
- macOSユーティリティが表示される
- メニューバーから「ユーティリティ」→「ターミナル」
- 以下のコマンドを入力:
resetpassword
- パスワードリセットアシスタントが起動
- アカウントを選択
- 新しいパスワードを設定
Apple Silicon Mac(M1/M2/M3)の場合:
- Macを完全にシャットダウン
- 電源ボタンを長押し
- 「起動オプションを読み込み中」が表示されるまで
- 「オプション」を選択
- 上記のIntel Macと同じ手順でターミナルからリセット
完全初期化:macOSの再インストール
リカバリーモードから初期化
データは全て消えるので注意!
Intel Macの起動方法:
- Command + R:最後にインストールされたmacOS
- Option + Command + R:最新の互換性のあるmacOS
- Shift + Option + Command + R:Mac購入時のmacOS
Apple Silicon Macの起動方法:
- 電源ボタン長押し → オプション選択
ディスクユーティリティでディスク消去
手順:
- リカバリーモードで起動
- 「ディスクユーティリティ」を選択
- 内蔵ディスクを選択
- 通常は「Macintosh HD」
- ボリュームグループ全体を選択
- 「消去」をクリック設定内容:
- 名前:Macintosh HD
- フォーマット:APFS(新しいMac)/ Mac OS拡張(古いMac)
- 方式:GUIDパーティションマップ
- 消去実行
- 数分で完了
- ディスクユーティリティを終了
macOSの新規インストール
ディスク消去後の手順:
- 「macOSを再インストール」を選択
- 画面の指示に従って進める
- 利用規約に同意
- インストール先を選択
- インストール開始
- Wi-Fi接続必要
- 30分~2時間程度
- 初期設定
- 言語、地域設定
- Apple IDサインイン(スキップ可)
- 新規アカウント作成
ファームウェアパスワードがある場合
ファームウェアパスワードとは?
起動オプションを制限する特別なパスワード。これがあると:
- リカバリーモードに入れない
- 外部ドライブから起動できない
- セーフモードが使えない
解除方法
Apple Store/正規サービスプロバイダーに依頼:
必要なもの:
- 購入証明書
- 身分証明書
- Mac本体
所要時間:
- 即日~数日
- 費用:保証期間内なら無料
自力での解除(非推奨):
- 一部のモデルではハードウェア操作で可能
- リスクが高いため推奨しない
Find My(探す)が有効な場合
アクティベーションロックの問題
初期化しても、Find Myが有効だと:
- 前所有者のApple IDが必要
- 新規セットアップができない
解除方法
1. 前所有者に連絡
- iCloud.comから削除してもらう
- その場にいなくても遠隔で可能
2. Appleサポートに連絡
- 購入証明が必要
- 正規の購入ルートのみ対応
3. 前所有者の手順:
- iCloud.comにサインイン
- 「探す」を選択
- デバイスリストからMacを選択
- 「アカウントから削除」
ターゲットディスクモードの活用
別のMacを使ってデータ救出
Intel Macのみ対応:
- 問題のMacをTキーを押しながら起動
- Thunderboltマークが表示
- 別のMacとThunderboltケーブルで接続
- 外部ドライブとして認識される
- 必要なデータをコピー
- その後、ディスクユーティリティで初期化
Apple Silicon Macは「Mac共有モード」で類似機能あり。
セーフモードでのトラブルシューティング
セーフモードの起動方法
Intel Mac:
- Shiftキーを押しながら起動
Apple Silicon Mac:
- 電源ボタン長押し
- 起動ディスクを選択
- Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」
セーフモードでできること
- 最小限の機能で起動
- ディスクの検証と修復
- 問題のあるソフトウェアの特定
- 一部の設定リセット
シングルユーザーモード(上級者向け)
コマンドラインでの操作
Intel Macのみ:
- Command + S で起動
- 以下のコマンドを順番に実行:
/sbin/fsck -fy /sbin/mount -uw / rm /var/db/.AppleSetupDone reboot
- 新規ユーザーとして設定
- 管理者アカウントを作成可能
外部起動ディスクの作成と使用

USBインストーラーの作成
別のMacで作成:
- macOSインストーラーをダウンロード
- App Storeまたは Apple サポートサイト
- 16GB以上のUSBメモリを用意
- ターミナルでコマンド実行:
sudo /Applications/Install\ macOS\ Sonoma.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
- 作成したUSBから起動
- Optionキー(Intel Mac)
- 電源ボタン長押し(Apple Silicon)
データのバックアップと復元
Time Machineバックアップがある場合
復元手順:
- リカバリーモードで起動
- 「Time Machineから復元」を選択
- バックアップディスクを選択
- 復元したい日時を選択
- 復元開始
- パスワードも復元時点のものに戻る
バックアップがない場合の対策
データ復旧サービス:
- 専門業者に依頼
- 費用:5万円~30万円
- 成功率:状況による
今後のために:
- Time Machine設定
- iCloud同期
- 定期的な外部バックアップ
よくあるトラブルと解決法
Q1:リカバリーモードに入れない
対処法:
- SMC/NVRAMリセットを試す
- 別のキーコンビネーションを試す
- 外部キーボードを使用
- インターネットリカバリーを試す
Q2:「このMacを消去できません」エラー
原因と対策:
- ボリュームではなくボリュームグループを選択
- First Aidで修復してから再試行
- ターミナルからdiskutilコマンドで強制消去
Q3:インストールが進まない
確認事項:
- インターネット接続の確認
- 十分な空き容量(35GB以上)
- 日付と時刻の設定確認
- 別のmacOSバージョンを試す
セキュリティとプライバシー
初期化前の注意点
必ず実行:
- iCloudからサインアウト
- iTunesの認証解除
- Find Myを無効化
- その他のサービスからサインアウト
完全なデータ消去
機密データがある場合:
- FileVault暗号化を有効にしてから消去
- ディスクユーティリティのセキュリティオプション:
- 「最も安全」を選択
- 7回上書き(時間はかかるが確実)
まとめ:状況に応じた最適な方法を選ぼう
パスワードを忘れても、Macを初期化する方法は必ずあります。
優先順位:
- まずパスワードリセットを試す
- Apple ID使用(データ保持)
- リカバリーモードでリセット
- それでもダメなら初期化
- ディスク消去
- macOS再インストール
- 特殊な状況の対処
- ファームウェアパスワード → Apple Store
- アクティベーションロック → 前所有者に連絡
今後のために:
- パスワードマネージャーの使用
- 定期的なバックアップ
- Apple IDの2ファクタ認証設定
- リカバリーキーの保管
パスワードを忘れることは誰にでもあります。大切なのは、慌てずに適切な方法を選ぶこと。
この記事を参考に、一つずつ試してみてください。きっと、あなたのMacは新品同様に生まれ変わるはずです!
最後のアドバイス: 初期化後は、すぐにTime Machineを設定しましょう。次回のトラブル時には、簡単に元の状態に戻せるようになりますよ。
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