MacでWeb開発を始めたいと思った時、こんな悩みを持ったことはありませんか?
「PHPのインストールって難しそう…」
「開発環境を整えるのに時間がかかりそう」
「Webサイトを作りたいけど、何から始めればいいか分からない」
そんな方に朗報です。実は、Homebrewというパッケージ管理ツールを使えば、初心者でも数分でPHPをインストールできます。
この記事では、Macユーザー向けにHomebrewを使ったPHPのインストール方法を分かりやすく解説します。
さらに、バージョン管理の方法やよくあるエラーの対処法も紹介するので、Web開発の環境を整えたい方はぜひ参考にしてください。
Homebrewって何?

まず、「Homebrew」について簡単にご説明します。
Homebrewとは: Macでソフトウェアを簡単にインストール・管理できるツールです。
「パッケージマネージャー」とも呼ばれます。
Homebrewを使う理由:
メリット | 詳細 |
---|---|
簡単 | コマンド一つでソフトウェアをインストール |
安全 | 公式リポジトリから安全にダウンロード |
管理が楽 | アップデートや削除も簡単 |
依存関係の自動解決 | 必要な関連ソフトも自動でインストール |
Homebrewがあれば、PHPだけでなく、MySQL、Node.js、Gitなどの開発ツールも簡単にインストールできるため、Macユーザーには欠かせないツールです。
事前準備:Homebrewのインストール確認
PHPをインストールする前に、Homebrewがすでにインストールされているか確認しましょう。
ターミナルを開く
ターミナルを開く方法:
- ⌘(Command)+ スペースキーで Spotlight を開く
- 「ターミナル」と入力してEnter
- 黒い(または白い)画面が開けばOK
Homebrewの確認
ターミナルで以下のコマンドを実行してください:
brew -v
結果の見方:
- バージョン情報が表示される → すでにインストール済み(次のステップへ)
- 「command not found」と表示される → インストールが必要
Homebrewをインストール(必要な場合のみ)
Homebrewがインストールされていない場合は、以下のコマンドを実行してください:
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
注意点:
- インストール中にパスワードを求められた場合は、Macのログインパスワードを入力
- パスワードは画面に表示されませんが、正常に入力されています
- インストールには5-10分程度かかります
インストール完了後、再度brew -v
でバージョンが表示されることを確認してください。
PHPのインストール手順

いよいよPHPをインストールします。手順はとても簡単です。
Step 1:PHPをインストール
以下のコマンドを実行するだけです:
brew install php
このコマンドで何が起こる?
- 最新版のPHP(通常はPHP 8.x)がダウンロードされます
- 必要な関連ツールも一緒にインストールされます
- 自動的にPATH(実行パス)が設定されます
インストールには数分かかります。画面に大量の文字が表示されますが、これは正常な動作です。
Step 2:インストール確認
インストールが完了したら、以下のコマンドでバージョンを確認してみましょう:
php -v
表示例:
PHP 8.3.0 (cli) (built: Nov 24 2023 14:43:21) (NTS)
Copyright (c) The PHP Group
Zend Engine v4.3.0, Copyright (c) Zend Technologies
with Zend OPcache v8.3.0, Copyright (c) The PHP Group
このようにPHPのバージョン情報が表示されれば、インストール成功です!
Step 3:簡単なテスト
実際にPHPが動作するか確認してみましょう:
echo '<?php echo "Hello, PHP!"; ?>' > test.php
php test.php
結果:
Hello, PHP!
このように表示されれば、PHPが正常に動作しています。
複数バージョンの管理
開発プロジェクトによっては、特定のPHPバージョンが必要な場合があります。Homebrewなら複数バージョンの管理も簡単です。
特定バージョンのインストール
例えば、PHP 8.2をインストールしたい場合:
brew install php@8.2
利用可能なバージョンを確認
brew search php
これで、インストール可能なPHPバージョン一覧が表示されます。
バージョンの切り替え
複数バージョンを切り替えるには、以下の手順で行います:
現在のPHPのリンクを解除:
brew unlink php
特定バージョンをリンク:
brew link php@8.2 --force --overwrite
切り替え確認:
php -v
これで、PHP 8.2が有効になります。
デフォルトバージョンの設定
よく使うバージョンをデフォルトに設定したい場合は、以下を.zshrc
に追加します:
echo 'export PATH="/opt/homebrew/opt/php@8.2/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
よくあるエラーと対処法

PHPのインストールでよくあるエラーと対処法をご紹介します。
エラー1:php: command not found
原因: PHPのPATHが通っていない
対処法:
brew link php
それでも解決しない場合は:
echo 'export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
エラー2:古いバージョンが表示される
原因: macOS標準のPHPが優先されている
対処法:
which php
でPHPの場所を確認し、以下をシェル設定ファイルに追加:
export PATH="/opt/homebrew/bin:$PATH"
エラー3:Permission denied
原因: 権限不足
対処法:
sudo
は使わずに、Homebrewの権限を修正:
sudo chown -R $(whoami) /opt/homebrew
エラー4:インストールが途中で失敗する
対処法:
- Homebrewをアップデート:
brew update
- キャッシュをクリア:
brew cleanup
- 再度インストール:
brew install php
Web開発を始める次のステップ
PHPのインストールが完了したら、以下のような開発環境を整えることができます:
ローカルサーバーの起動
PHPには簡易サーバー機能が内蔵されています:
php -S localhost:8000
ブラウザで http://localhost:8000
にアクセスすると、PHPサーバーが起動します。
関連ツールのインストール
Web開発でよく使われるツールも簡単にインストールできます:
brew install mysql # データベース
brew install composer # PHPパッケージマネージャー
brew install nginx # Webサーバー
エディターの設定
Visual Studio Code や PhpStorm などのエディターを使うことで、より効率的に開発できます。
よくある質問

Q1. どのPHPバージョンを選べばいい?
A. 特別な理由がなければ、最新版(brew install php
)をおすすめします。セキュリティ面でも安全で、最新機能が使えます。
Q2. Composer って何?
A. PHPのパッケージマネージャーです。ライブラリやフレームワークを簡単にインストールできます:
brew install composer
Q3. 開発用のデータベースも必要?
A. Web開発をする場合、MySQLやPostgreSQLが必要になることが多いです:
brew install mysql
brew services start mysql
Q4. PHP の設定ファイルはどこにある?
A. 設定ファイルの場所は以下で確認できます:
php --ini
Q5. アンインストールしたい場合は?
A. 以下のコマンドで削除できます:
brew uninstall php
まとめ
MacにPHPをインストールするなら、Homebrewを使うのが一番簡単で確実な方法です。特に複数バージョンの切り替えや依存関係の管理も楽にできるので、初心者から上級者まで幅広く利用されています。
この記事の重要なポイント:
- Homebrewを使えばコマンド一つでPHPをインストール可能
- 複数バージョンの管理も簡単
- エラーが出てもほとんどの場合は簡単に解決できる
- インストール後は即座にWeb開発を始められる
初心者の方へのアドバイス:
- 最初は最新版のPHPから始めましょう
- エラーが出ても慌てず、エラーメッセージをよく読んでみてください
- 分からないことがあったら、
php --help
でヘルプを確認できます - 実際にコードを書いて動かすことが一番の勉強法です
覚えておくべき基本コマンド:
- PHPインストール:
brew install php
- バージョン確認:
php -v
- 簡易サーバー起動:
php -S localhost:8000
- PHPファイル実行:
php ファイル名.php
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