「Macが突然壊れたらどうしよう…」
「間違ってファイルを削除しちゃった!」
「何年分もの写真が消えたら泣く…」
こんな不安や経験、ありませんか?
デジタルデータは便利な反面、一瞬で失われる危険性もあります。だからこそ、定期的なバックアップが本当に大切なんです。
この記事では、Macを外付けドライブにバックアップする方法を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。Appleが用意している「Time Machine」という便利な機能を中心に、あなたの大切なデータを守る方法をお伝えしますね。
なぜ外付けドライブへのバックアップが必要なのか

バックアップの重要性を、まず理解しておきましょう。
データ喪失のリスクは意外と身近
以下のような状況で、データが失われる可能性があります:
- ハードウェアの故障:SSDやHDDは消耗品で、いつか必ず壊れる
- 誤削除:うっかり大事なファイルを消してしまう
- マルウェアやウイルス:感染してデータが破損する
- 盗難や紛失:MacBook自体を失くしてしまう
- 水没や物理的破損:飲み物をこぼした、落とした
- macOSのアップデート失敗:稀にシステムが起動しなくなる
どれも「まさか自分が…」と思いがちですが、実際に起こりうることなんです。
クラウドだけでは不十分な理由
「iCloudがあるから大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。
確かにクラウドバックアップも重要ですが、以下の制限があります:
- 容量制限:無料プランは5GBまで、有料でも上限がある
- インターネット接続が必要:オフラインでは復元できない
- アップロード速度:大容量データは時間がかかる
- 月額料金:継続的なコストが発生する
外付けドライブへのバックアップなら、一度購入すれば追加費用なしで、大容量のデータを保存できます。
理想は「外付けドライブ + クラウド」の二重バックアップですが、まずは外付けドライブから始めましょう。
Time Machineとは?Macの最強バックアップ機能
Time Machine(タイムマシン)は、macOSに標準搭載されている自動バックアップ機能です。
Time Machineの特徴
1. 完全自動
一度設定すれば、あとは自動的にバックアップしてくれます。手間いらずです。
2. 時系列で保存
過去の状態に遡って復元できる点が最大の特徴。「昨日の状態」「先週の状態」といった具合に、いつでも過去に戻れます。
3. システム全体をバックアップ
アプリケーション、システムファイル、設定、文書、写真、音楽など、Mac全体を丸ごと保存してくれるんです。
4. 簡単な復元
必要なファイルだけ復元することも、Mac全体を復元することもできます。
Time Machineのバックアップ間隔
Time Machineは賢く動作します:
- 最初の24時間:1時間ごとにバックアップ
- 過去1ヶ月:1日ごとのバックアップを保持
- それ以前:週ごとのバックアップを保持
- 容量が足りなくなったら:古いバックアップから自動削除
つまり、ディスクがいっぱいになる心配はありません。
バックアップ用外付けドライブの選び方
Time Machineを使うには、まず外付けドライブが必要です。
どんなドライブを選べばいいのか、詳しく見ていきましょう。
容量はMacの2〜3倍が目安
バックアップ用ドライブの容量選びは重要です。
推奨容量の目安:
- Mac内蔵ストレージが256GB → 500GB〜1TB
- Mac内蔵ストレージが512GB → 1TB〜2TB
- Mac内蔵ストレージが1TB → 2TB〜3TB
Mac本体の容量より大きいドライブを選ぶことで、複数世代のバックアップを保存できます。
余裕を持って、Mac容量の2〜3倍を選ぶのがおすすめです。
HDDとSSDの違いを理解する
外付けドライブには大きく分けて2種類あります。
HDD(ハードディスクドライブ)
- メリット:大容量で安価、コストパフォーマンスが良い
- デメリット:読み書き速度が遅い、物理的衝撃に弱い、動作音がする
- おすすめ用途:据え置き型バックアップ、大容量データ保存
SSD(ソリッドステートドライブ)
- メリット:高速、静音、衝撃に強い、コンパクト
- デメリット:HDDより高価
- おすすめ用途:持ち運び用、頻繁にアクセスするデータ
バックアップ用途なら、コスパの良いHDDで十分です。
持ち運ぶ機会が多い方や、高速バックアップにこだわる方はSSDを検討しましょう。
接続方式の確認
Mac本体との接続方式も重要なポイントです。
USB-C / Thunderbolt
- 最新のMacに搭載されている端子
- 高速転送が可能
- 最もおすすめ
USB-A(USB 3.0)
- 従来の長方形の端子
- 変換アダプタがあれば使用可能
- 多くの外付けドライブがこのタイプ
注意点:
お使いのMacの端子を確認して、対応するドライブを選びましょう。必要に応じて変換アダプタを用意してください。
おすすめの外付けドライブの特徴
以下のような製品を選ぶと失敗しません:
- 信頼性の高いメーカー:Western Digital、Seagate、Buffaloなど
- Mac対応明記:「Mac対応」と書かれている製品が安心
- 電源方式:USB給電タイプが便利、大容量の場合はAC電源タイプ
- 保証期間:2〜3年保証があると安心
Time Machineの初期設定方法
それでは、実際にTime Machineを設定していきましょう。
手順はとても簡単です。
ステップ1:外付けドライブを接続
- 外付けドライブをMacに接続
- 自動的にポップアップが表示される場合
- 「”Time Machineバックアップディスクとして使用”しますか?」というメッセージが表示されたら
- 「バックアップディスクとして使用」をクリック
- ポップアップが表示されない場合
- 次のステップに進んで手動設定します
ステップ2:Time Machine設定を開く
- 画面左上のアップルメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のサイドバーから「一般」をクリック
- 「Time Machine」をクリック
ステップ3:バックアップディスクを選択
- 「バックアップディスクを追加」ボタンをクリック
- または既に表示されているディスクから選択
- 接続した外付けドライブを選択
- 「ディスクを設定」をクリック
- 暗号化の選択
- 「バックアップを暗号化」にチェックを入れるか選択
- セキュリティを重視するなら暗号化をおすすめします
- ただし、パスワードを忘れると復元できなくなるので注意
- 「完了」をクリック
ステップ4:最初のバックアップ開始
設定が完了すると、自動的に最初のバックアップが始まります。
初回はMacの全データをバックアップするため、数時間かかることがあります。
途中でキャンセルしても大丈夫です。次回接続時に続きから再開されます。
バックアップ中もMacは通常通り使えるので、そのまま作業を続けて問題ありません。
バックアップの進行状況を確認する方法
メニューバーから確認:
- 画面上部のメニューバーにTime Machineアイコンが表示される
- クリックすると進行状況が表示される
システム設定から確認:
- Time Machine設定画面で「最新のバックアップ」の時刻を確認できる
Time Machineを使った日常的なバックアップ
初期設定が終われば、あとは自動でバックアップされます。
自動バックアップの仕組み
外付けドライブを接続している限り、Time Machineは自動的に:
- 1時間ごとにバックアップを実行
- 変更されたファイルのみを保存(フルバックアップより高速)
- 古いバックアップを自動管理(容量が足りなくなったら削除)
つまり、ほとんど何もする必要がないんです。
外付けドライブの接続頻度
デスクトップMacの場合:
- 外付けドライブを常時接続しておくのがおすすめ
- 完全自動でバックアップされる
MacBookなど持ち運ぶ場合:
- 自宅などでドライブを接続したときに自動バックアップ
- 週に1回以上は接続する習慣をつけると安心
手動でバックアップを実行する方法
自動バックアップを待たずに、今すぐバックアップしたい場合:
- メニューバーのTime Machineアイコンをクリック
- 「今すぐバックアップを作成」を選択
重要な作業の前後など、手動でバックアップを取るのも良い習慣ですね。
バックアップから除外したいフォルダの設定
すべてをバックアップする必要がない場合もあります。
例えば、大容量の一時ファイルやキャッシュファイルなどは除外できます。
除外設定の手順:
- システム設定 → Time Machineを開く
- 「オプション」ボタンをクリック
- 「+」ボタンをクリック
- 除外したいフォルダやファイルを選択
- 「除外」をクリック
これでバックアップ時間の短縮や、ディスク容量の節約ができます。
バックアップからファイルを復元する方法

バックアップがあっても、復元方法を知らなければ意味がありません。
Time Machineからの復元は、とても直感的で簡単です。
個別ファイルの復元手順
特定のファイルやフォルダだけを復元したい場合:
- メニューバーのTime Machineアイコンをクリック
- 「Time Machineに入る」を選択
- 宇宙空間のような画面に切り替わる
- 右側に時系列でウィンドウが並んでいます
- これが過去の状態を表しています
- 右端の上下ボタンまたは時間軸で、目的の時点まで遡る
- 「昨日」「先週」「特定の日付」など
- 復元したいファイルやフォルダを選択
- 画面下部の「復元」ボタンをクリック
- 復元完了
- 元の場所に復元されます
- 同名ファイルがある場合は選択肢が表示される
Finder内から直接復元する方法
もっと簡単な方法もあります。
- Finderで復元したいフォルダを開く
- 例:「書類」フォルダ
- メニューバーのTime Machineアイコンをクリック
- 「Time Machineに入る」を選択
- そのフォルダの過去の状態が表示される
- 復元したいファイルを選択して「復元」
この方法なら、目的のフォルダから直接過去を探せるので便利です。
システム全体を復元する方法
Mac全体を過去の状態に戻したい場合(macOSの再インストールなど):
- macOS復旧モードで起動
- Intelプロセッサ:再起動時にCommand + Rを押し続ける
- Apple Silicon:電源ボタン長押し→オプションを選択
- 「Time Machineバックアップから復元」を選択
- バックアップディスクを選択
- 復元したい時点を選択
- 復元を実行
- 数時間かかる場合があります
これで、Macを選んだ時点の状態に完全に戻せます。
新しいMacにデータを移行する場合も、この方法が使えます。
バックアップ時のよくある質問とトラブル対処
実際に使っていると、疑問や問題が出てくることもあります。
Q1:バックアップにどれくらい時間がかかる?
初回: 数時間〜一晩(データ量による)
- 500GBのデータなら3〜6時間程度が目安
2回目以降: 数分〜数十分
- 変更されたファイルのみなので高速
スリープ中でもバックアップは継続されるので、夜間に接続しておけば朝には完了しています。
Q2:バックアップ中にMacを使っても大丈夫?
はい、問題ありません。
Time Machineはバックグラウンドで動作するので、普通に作業できます。
ただし、大量のファイルをコピーしたり、動画編集などの重い作業をすると、少し動作が遅くなることがあります。
Q3:外付けドライブが認識されない
以下を試してみましょう:
基本的な確認:
- ケーブルがしっかり接続されているか
- 電源が入っているか(AC電源タイプの場合)
- 別のUSBポートに接続してみる
システムでの確認:
- Finderのサイドバーに表示されるか確認
- ディスクユーティリティで認識されているか確認
- 認識されていればFirst Aidを実行
それでもダメなら:
- Macを再起動
- ドライブのケーブルやアダプタを交換
- 別のMacで試してみる(ドライブの故障の可能性)
Q4:「バックアップディスクを準備できませんでした」エラー
このエラーが出た場合:
- ディスクユーティリティを開く
- 該当の外付けドライブを選択
- 「消去」をクリック
- 名前:任意の名前
- フォーマット:APFS または Mac OS拡張(ジャーナリング)
- 方式:GUIDパーティションマップ
- 消去を実行
- 再度Time Machine設定を実行
注意:消去すると既存のデータは失われます。
Q5:バックアップ容量が足りなくなったら?
Time Machineは自動的に古いバックアップを削除してくれます。
ただし、長期間のバックアップを保持したい場合は:
- より大容量のドライブに買い替える
- 複数のバックアップディスクを使い分ける
- 不要なファイルをバックアップから除外する
Q6:複数のMacを1つのドライブにバックアップできる?
はい、可能です。
1つの外付けドライブに、複数のMacのバックアップを保存できます。
各Macごとに別のフォルダが作成されるので、データが混ざる心配はありません。
ただし、容量には注意が必要です。
Time Machine以外のバックアップ方法
Time Machineが基本ですが、他の方法も組み合わせるとより安心です。
手動でのフォルダコピー
シンプルですが確実な方法:
- 重要なフォルダを外付けドライブにコピー
- 書類、写真、動画など
- 定期的に更新
- 週1回や月1回など、ルールを決める
メリット:
- Time Machineが使えない場合の代替手段
- 特定のフォルダだけ選択的にバックアップ
- Windows PCでも読める形式で保存可能
デメリット:
- 自動化されない
- システムファイルはバックアップできない
Carbon Copy Clonerなどのサードパーティ製ソフト
より高度なバックアップを求める方には、専用ソフトもあります。
代表的なソフト:
- Carbon Copy Cloner(有料)
- SuperDuper!(基本機能は無料)
- ChronoSync(有料)
Time Machineとの違い:
- 起動可能なクローンを作成できる
- より細かいスケジュール設定
- 複数の保存先に同時バックアップ
- 同期機能がより強力
ただし、初心者にはTime Machineで十分です。
クラウドストレージとの併用
二重バックアップとして、クラウドも活用しましょう。
おすすめの組み合わせ:
- 外付けドライブ(Time Machine):Mac全体の完全バックアップ
- クラウド(iCloud、Dropbox、Google Driveなど):重要書類や写真の二重保護
特に、自宅火災や災害のリスクを考えると、物理ドライブだけでは不安です。
重要なデータは必ずクラウドにも保存しておきましょう。
バックアップの保管とメンテナンス
バックアップドライブも、適切に管理する必要があります。
外付けドライブの保管方法
物理的な保護:
- 衝撃を避ける(特にHDDは落下厳禁)
- 高温多湿を避ける
- 直射日光を避ける
- ケースやクッション材で保護
セキュリティ:
- 暗号化を有効にする
- 盗難に遭わない場所に保管
- できれば耐火金庫などに保管
理想的な保管場所:
- Mac本体とは離れた場所(火災・災害対策)
- 施錠できる引き出しや棚
- 温度変化の少ない室内
定期的な動作確認
バックアップが正常に動いているか、定期的にチェックしましょう。
月1回の確認項目:
- バックアップが最新になっているか
- エラーメッセージが出ていないか
- 試しに1つのファイルを復元してみる
年1回の確認項目:
- ドライブのFirst Aidでエラーチェック
- ケーブルの破損確認
- バックアップ容量の残量確認
バックアップドライブの寿命
HDDやSSDにも寿命があります。
一般的な寿命:
- HDD: 3〜5年(使用頻度による)
- SSD: 5〜10年(書き込み回数による)
こんな症状が出たら要注意:
- 異音がする(カチカチ、カタカタ)
- 認識に時間がかかる
- バックアップが頻繁に失敗する
- 読み書き速度が極端に遅い
寿命が近づいたら、新しいドライブに交換しましょう。
データが読めるうちに移行することが重要です。
新しいMacへのデータ移行方法
Macを買い替えたとき、Time Machineバックアップから簡単にデータを移行できます。
移行アシスタントを使う方法
- 新しいMacの初期設定中に「Time Machineバックアップから」を選択
- または、移行アシスタント(アプリケーション→ユーティリティ)を起動
- バックアップディスクを接続
- バックアップを選択
- 移行するデータを選択
- アプリケーション
- ユーザアカウント
- コンピュータ設定
- ファイルとフォルダ
- 移行開始
- 数時間かかることがあります
- 完了後、新しいMacで動作確認
これで、古いMacとまったく同じ環境が新しいMacに再現されます。
アプリの設定、ログイン情報、デスクトップの配置まで、すべてそのままです。
選択的な移行も可能
すべてを移行せず、必要なものだけ選ぶこともできます。
例えば:
- 書類や写真だけ移行
- 特定のアプリだけ移行
- ユーザーアカウント設定は新規作成
用途に応じて柔軟に対応できます。
まとめ:今すぐバックアップを始めよう
バックアップは「いつか必要になる」ものではなく、「今すぐ必要な」ものです。
この記事のポイントまとめ
バックアップの基本:
- Time Machineで自動バックアップ
- 外付けドライブはMac容量の2〜3倍
- 初期設定は簡単、あとは自動
復元も簡単:
- 個別ファイルから全体まで復元可能
- 直感的な操作でタイムトラベル
- 新しいMacへの移行もスムーズ
二重バックアップが理想:
- 外付けドライブ(Time Machine)
- クラウドストレージ
- 重要データは複数箇所に保存
定期的なメンテナンス:
- 月1回の動作確認
- 3〜5年でドライブ交換
- 適切な保管で長持ち
今日からできるアクション
- まだバックアップしていない方
- 外付けドライブを購入する
- Time Machineを設定する
- 最初のバックアップを実行
- 既にバックアップしている方
- バックアップが正常に動いているか確認
- 復元の練習をしてみる
- クラウドとの併用を検討
- すべての方
- バックアップの重要性を家族や友人にも伝える
- 定期的なメンテナンスを習慣化
最後に
「バックアップがあって良かった」と思う日が来ないのが一番ですが、万が一のときに後悔しないために、今日から始めましょう。
Time Machineの設定は、慣れれば10分もかからない簡単な作業です。
あなたの大切な思い出、仕事のデータ、創作物を守るために、ぜひ今日からバックアップ習慣をスタートさせてください。
数千円の投資で、何年分ものデータと安心が手に入ります。
この記事があなたのデジタルライフを守る一助となれば、とても嬉しいです!
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