旅行で撮った動画、家族イベントの記録、YouTubeにアップする動画素材…。
複数のバラバラな動画ファイルを1本にまとめたいと思ったことはありませんか?
Macには、動画を連結するための便利なツールがたくさん用意されています。無料で使えるアプリから、プロ並みの編集ができるソフトまで、目的に合わせて選べますよ。
この記事では、Macで動画を連結する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
動画連結とは?基本的な知識

まずは、動画連結について基本的なことを確認しておきましょう。
動画連結ってどういうこと?
動画連結(れんけつ)とは、複数の動画ファイルをつなぎ合わせて、1つの動画ファイルにすることです。
例えば、3つの動画クリップ「A.mp4」「B.mp4」「C.mp4」を持っているとします。これらを順番につなげて「ABC.mp4」という1本の動画にするのが連結です。
結合と編集の違い
動画を扱うときによく出てくる言葉を整理しておきますね。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 連結・結合 | 複数の動画をそのままつなげること |
| 編集 | 動画をカットしたり、エフェクトを加えたりすること |
| エンコード | 動画のファイル形式や画質を変換すること |
この記事では、シンプルに動画をつなげる「連結」を中心に説明していきます。
Macで動画連結する方法の選び方
Macで動画を連結する方法はいくつかあります。自分に合った方法を選びましょう。
方法1:iMovieを使う(おすすめ)
こんな人におすすめ
- 初心者で、分かりやすいアプリがいい
- 無料で使いたい
- 簡単な編集も一緒にしたい
MacにはじめからインストールされているiMovieなら、直感的な操作で動画を連結できます。
方法2:QuickTime Playerを使う
こんな人におすすめ
- とにかく素早く連結したい
- 編集は一切不要
- シンプルな操作がいい
標準アプリのQuickTime Playerでも、簡単に動画を連結できるんです。
方法3:FFmpegを使う(上級者向け)
こんな人におすすめ
- コマンドライン操作に慣れている
- 大量の動画を一括処理したい
- 画質を落とさずに連結したい
ターミナル(黒い画面)を使って、コマンドで動画を連結する方法もあります。
iMovieで動画を連結する手順
それでは、最もおすすめのiMovieを使った方法を詳しく見ていきましょう。
事前準備:iMovieを起動する
ステップ1:アプリケーションフォルダから起動
Finderでアプリケーションフォルダを開き、「iMovie」をダブルクリックします。
もしiMovieがインストールされていない場合は、App Storeから無料でダウンロードできますよ。
ステップ2:新規プロジェクトを作成
iMovieが開いたら、「新規作成」または「+」ボタンをクリックして、「ムービー」を選択します。
動画ファイルの読み込み
ステップ3:メディアを読み込む
画面左上の「メディアを読み込む」ボタンをクリックします。
連結したい動画ファイルをすべて選択して、「選択した項目を読み込む」をクリックしましょう。
複数のファイルを一度に選ぶときは、Commandキーを押しながらクリックします。
ステップ4:タイムラインに追加
読み込んだ動画が画面上部に表示されます。
これらを1つずつ、画面下部のタイムライン(時間の流れを表す場所)にドラッグ&ドロップしてください。
動画の順序を調整
タイムライン上で動画の順番を入れ替えることができます。
動画クリップをドラッグして、好きな順序に並べ替えましょう。左から右に向かって、再生される順番になります。
トランジションを追加(オプション)
動画と動画のつなぎ目に、トランジション(場面転換の効果)を入れることもできます。
画面右上の「トランジション」タブをクリックすると、さまざまな効果が表示されます。
気に入ったものを、動画と動画の間にドラッグすれば設定完了です。
トランジションを使わずに、そのままつなげることもできますよ。
書き出して保存
ステップ5:書き出し設定
画面右上の「共有」ボタン(四角に上向き矢印のアイコン)をクリックして、「ファイル」を選びます。
ステップ6:品質を選択
書き出しの設定画面が表示されます。
| 品質設定 | 用途 |
|---|---|
| 高品質 | パソコンで視聴、編集用 |
| 中品質 | スマートフォンで視聴 |
| 低品質 | ファイルサイズを小さくしたいとき |
通常は「高品質」を選んでおけば問題ありません。
ステップ7:保存先を指定
「次へ」をクリックして、保存先のフォルダを選びます。
ファイル名を入力して「保存」をクリックすれば、連結された動画が作成されます。
QuickTime Playerで動画を連結する手順
もっと手軽に連結したい方は、QuickTime Playerを使いましょう。
基本的な操作方法
ステップ1:最初の動画を開く
連結したい動画の1つ目を、QuickTime Playerで開きます。
動画ファイルをダブルクリックするか、右クリックして「このアプリケーションで開く」→「QuickTime Player」を選んでください。
ステップ2:クリップを追加
メニューバーから「編集」→「クリップを末尾に追加」を選択します。
連結したい2つ目の動画ファイルを選んで「開く」をクリックしましょう。
ステップ3:さらに動画を追加
3つ目以降の動画も、同じように「クリップを末尾に追加」で追加していきます。
すべての動画を追加したら、再生して確認してみてください。
ステップ4:保存する
メニューバーから「ファイル」→「書き出す」→「1080p」(または適切な解像度)を選びます。
保存先とファイル名を指定して「保存」をクリックすれば完了です。
QuickTime Playerの注意点
QuickTime Playerは手軽ですが、いくつか制限があります。
ファイル形式が同じである必要がある
連結する動画は、すべて同じファイル形式(例:すべてMP4)である必要があります。
形式が違う動画を連結したい場合は、iMovieを使いましょう。
解像度が同じ方が良い
解像度(画面のサイズ)が異なる動画を連結すると、画質に差が出ることがあります。
FFmpegを使った動画連結(上級者向け)

コマンドライン操作に慣れている方は、FFmpegという強力なツールを使う方法もあります。
FFmpegのインストール
Homebrewを使ってインストール
Homebrewがインストールされていれば、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
brew install ffmpeg
Homebrewがない場合は、先にHomebrewをインストールする必要があります。
動画連結の基本コマンド
方法1:ファイルリストを使う
まず、連結したい動画のリストをテキストファイルで作ります。
「filelist.txt」という名前で以下の内容を作成してください。
file 'video1.mp4'
file 'video2.mp4'
file 'video3.mp4'
次に、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
ffmpeg -f concat -safe 0 -i filelist.txt -c copy output.mp4
これで、3つの動画が連結された「output.mp4」が作成されます。
FFmpegの利点
再エンコードなしで連結できる
「-c copy」オプションを使うと、動画を再エンコードせずに連結できます。
つまり、画質が劣化せず、処理も高速なんです。
大量の動画を一括処理
シェルスクリプトと組み合わせれば、何十本もの動画を自動で連結することも可能です。
連結する際の注意点とコツ
動画を連結するときに気を付けたいポイントをまとめました。
ファイル形式を揃える
異なるファイル形式(MP4とMOVなど)を連結すると、問題が起きることがあります。
できるだけ同じ形式に揃えておくと、スムーズに連結できますよ。
解像度とフレームレートを確認
解像度(画面のサイズ)やフレームレート(1秒あたりのコマ数)が大きく異なる動画を連結すると、不自然な仕上がりになることがあります。
連結前に、動画の情報を確認しておきましょう。
Finderで動画ファイルを選択して、Commandキー + Iキーを押すと、詳細情報が表示されます。
バックアップを取る
元の動画ファイルは必ず残しておきましょう。
連結作業で失敗しても、やり直しができます。
音声のずれに注意
動画を連結すると、まれに音声がずれることがあります。
連結後は必ず最初から最後まで再生して、音ズレがないか確認してください。
トラブルシューティング
動画連結で困ったときの対処法です。
「このファイルは開けません」と表示される
原因:ファイル形式が非対応
使用しているアプリが、その動画形式に対応していない可能性があります。
別の方法を試すか、動画を変換してから連結しましょう。
連結後の動画が再生できない
原因:エンコード設定のミス
iMovieやQuickTime Playerで書き出すときに、適切な形式を選んでいないかもしれません。
もう一度、書き出し設定を確認して、一般的なMP4形式で保存し直してみてください。
ファイルサイズが大きすぎる
解決策1:圧縮する
iMovieの書き出し設定で「中品質」や「低品質」を選ぶと、ファイルサイズが小さくなります。
解決策2:不要な部分をカット
連結する前に、各動画の不要な部分をカットしておくと、最終的なファイルサイズが小さくなります。
音声が途切れる
原因:音声形式の不一致
動画によって音声の形式が異なると、連結時に問題が起きることがあります。
iMovieを使って連結すると、音声も自動的に変換してくれるので、トラブルが少ないですよ。
まとめ
Macで動画を連結する方法について解説してきました。
重要なポイント
- 初心者にはiMovieが最もおすすめ
- 手軽に連結したいならQuickTime Playerが便利
- 上級者はFFmpegで高速・高品質な連結が可能
- ファイル形式や解像度を揃えると、トラブルが少ない
- 連結後は必ず再生して確認する
動画連結は、一見難しそうに感じるかもしれませんが、Macには便利なツールが揃っています。
まずはiMovieから試してみて、慣れてきたら他の方法にも挑戦してみてください。
複数の動画を1本にまとめて、思い出の動画や作品をもっと楽しく仕上げましょう!

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