「大容量ファイルのダウンロード中、MacBookを閉じたら中断された…」 「外部モニターだけ使いたいのに、本体を閉じるとスリープしちゃう…」 「音楽を流しながらカバンに入れたいのに…」
MacBookの蓋を閉じると自動的にスリープする仕様。普段は便利ですが、時には本当に困りますよね。
実は、MacBookを閉じてもスリープさせない方法が7つもあるんです!外部モニターで使う「クラムシェルモード」から、アプリを使った簡単な方法、ターミナルでの裏技まで、あらゆる解決策があります。
この記事では、状況に応じた最適な方法から、熱対策などの注意点まで、MacBookを閉じたまま使うためのすべてを解説します。
読み終わる頃には、用途に合った方法を選んで、MacBookをもっと便利に使えるようになっているはずです!
方法1:クラムシェルモード(正規の方法)

クラムシェルモードとは?
MacBookを閉じたまま外部ディスプレイで使用する公式機能
貝殻(クラムシェル)のように閉じた状態で使うことから、この名前がつきました。
必要な条件(すべて必須)
- 電源アダプターを接続
- バッテリー駆動では使用不可
- 純正でなくてもOK(適切な電力供給があれば)
- 外部ディスプレイを接続
- HDMI、USB-C、Thunderboltなど
- アダプター経由でもOK
- 外部キーボード/マウスを接続
- Bluetooth、USB どちらでも可
- Magic Keyboard/Mouse推奨
設定手順
ステップ1:すべての機器を接続
MacBook → 電源アダプター
→ 外部ディスプレイ
→ キーボード&マウス
ステップ2:ディスプレイ設定
- システム設定 → ディスプレイ
- 配置を確認
- 外部ディスプレイをメインに設定(推奨)
ステップ3:MacBookを閉じる
- ゆっくりと蓋を閉じる
- 外部ディスプレイが一瞬暗くなり、復帰
- これで完了!
クラムシェルモードのメリット・デメリット
メリット:
- デスク空間の節約
- 大画面で作業可能
- 公式サポートで安定
デメリット:
- 電源接続が必須
- 外部ディスプレイが必要
- Touch Bar/Touch IDが使えない
方法2:Amphetamine(最も人気のアプリ)
無料で高機能なスリープ防止アプリ
App Storeから無料ダウンロード
Amphetamine(アンフェタミン)は、Mac App Storeで最も人気のスリープ防止アプリです。
基本設定
インストールと初期設定:
- App Storeで「Amphetamine」を検索
- インストール(無料)
- 初回起動時の設定
- メニューバーにアイコン表示
- 通知を許可
蓋を閉じても動作させる設定
重要:この設定が鍵!
- Amphetamineのメニューバーアイコンをクリック
- Preferences(環境設定)
- 「General」タブ
- 「Allow system sleep when display is closed」のチェックを外す
- 「Sessions」タブ
- 「Start session when Amphetamine launches」にチェック
便利な使い方
トリガー設定:
- 特定のアプリ起動中は自動でスリープ防止
- 特定のWi-Fi接続時のみ有効
- バッテリー残量による制御
ドライブ設定:
- 外付けドライブ接続時は自動で有効
- Time Machine実行中は維持
方法3:ターミナルコマンド(上級者向け)
caffeinate コマンド
基本的な使い方:
# 無期限でスリープ防止
caffeinate
# 1時間(3600秒)スリープ防止
caffeinate -t 3600
# 特定のプロセスが終わるまで
caffeinate -w [プロセスID]
# ディスプレイもスリープさせない
caffeinate -d
pmset で設定変更
警告:システム設定を変更するため注意
# 現在の設定を確認
pmset -g
# 蓋を閉じてもスリープしない(非推奨)
sudo pmset -a disablesleep 1
# 元に戻す
sudo pmset -a disablesleep 0
スクリプトで自動化
ダウンロード中だけスリープ防止:
#!/bin/bash
# download_nosleep.sh
caffeinate -d &
CAFFEINE_PID=$!
# ダウンロードコマンド
curl -O https://example.com/largefile.zip
# ダウンロード完了後にcaffeinateを終了
kill $CAFFEINE_PID
方法4:その他の人気アプリ
Caffeine(シンプルis最高)
特徴:
- 極めてシンプル
- メニューバーのコーヒーカップアイコン
- ワンクリックでオン/オフ
設定:
- 公式サイトからダウンロード(無料)
- アプリケーションフォルダに移動
- 起動してメニューバーから操作
InsomniaX(古いMac向け)
特徴:
- 蓋を閉じてもスリープしない専用機能
- 古いmacOSでも動作
- CPU負荷を抑える設計
注意:
- 最新macOSでは動作しない場合あり
- セキュリティ設定の変更が必要
Theine(有料だが高機能)
特徴:
- タイマー機能充実
- アプリごとの自動設定
- 統計機能付き
価格:
- 約$5(買い切り)
方法5:磁石を使った物理的ハック(自己責任)

Macのスリープセンサーを騙す
仕組み: MacBookは磁気センサーで蓋の開閉を検知しています。
方法:
- 小さな磁石を用意
- パームレスト横のセンサー位置に配置
- 蓋を閉じてもセンサーが反応しない
危険性:
- ⚠️ ハードディスクへの影響
- ⚠️ 磁気カードの破損
- ⚠️ 保証対象外
- 推奨しません
方法6:外部ディスプレイなしでクラムシェル(裏技)
ダミーディスプレイアダプター
仕組み: 実際にはディスプレイを接続せず、Macに「接続されている」と認識させるアダプター。
購入方法:
- Amazon等で「HDMI ダミープラグ」検索
- 価格:1,000円程度
使い方:
- HDMIポートに挿入
- 通常のクラムシェルモード手順
- 実際のディスプレイなしで動作
方法7:特定アプリの設定を活用
音楽・動画アプリ
Music(iTunes):
- 環境設定 → 詳細 → 「スリープ中も再生を続ける」
Spotify:
- 設定 → 詳細設定 → 「スリープモードを無効にする」
ダウンロードアプリ
Transmission(Torrent):
- 環境設定 → 「Prevent computer from sleeping」
Folx:
- 設定 → 一般 → 「ダウンロード中はスリープしない」
熱問題と対策(超重要!)
なぜ熱が問題になるの?
通常の放熱設計:
- キーボード面からも放熱
- 蓋を開けた状態が前提
- 閉じると熱がこもる
温度管理の方法
1. 温度監視アプリ
- Macs Fan Control:無料、ファン制御も可能
- iStat Menus:有料、詳細な統計
適正温度:
- CPU:~80℃(通常使用)
- GPU:~85℃(高負荷時)
- 90℃超えたら要注意
物理的な対策
1. ノートPCスタンド使用
MacBook(閉じた状態)
|
[スタンド] ← 垂直or斜めに設置
|
デスク
2. 外部ファン
- USB給電の冷却ファン
- ノートPCクーラー
3. 設置場所
- 直射日光を避ける
- エアコンの風が当たる場所
- 通気性の良い場所
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
Q1:設定したのにスリープしてしまう
確認事項:
- 省エネルギー設定を確認
- ターミナルで
pmset -g assertions
実行 - 干渉するアプリがないか確認
Q2:外部ディスプレイが認識されない
対処法:
- ケーブルを抜き差し
- Option押しながらディスプレイ設定
- SMCリセット
Q3:異常に熱くなる
即座に対処:
- 蓋を開ける
- 高負荷アプリを終了
- ファン速度を手動で最大に
システム設定の確認ポイント
省エネルギー設定:
システム設定 → バッテリー → 電源アダプタ
☑ ディスプレイがオフのときにコンピュータを自動でスリープさせない
Bluetooth設定:
システム設定 → Bluetooth → 詳細設定
☑ Bluetoothデバイスでコンピュータのスリープ解除を可能にする
用途別おすすめ設定
外部モニター中心の作業
最適解:クラムシェルモード
- 公式サポートで安定
- 熱管理も考慮された設計
- Touch Bar不要なら完璧
大容量ダウンロード
最適解:Amphetamine + タイマー
- 必要な時間だけ設定
- 完了後は自動でスリープ
- バッテリー保護機能あり
音楽再生・ストリーミング
最適解:Caffeine
- シンプルで軽量
- 必要十分な機能
- バッテリー消費最小
サーバー的な使い方
最適解:pmset + 冷却対策
- 完全にスリープ無効化
- 強力な冷却必須
- UPS推奨
バッテリーへの影響

閉じたまま使用の影響
懸念事項:
- 常時充電でバッテリー劣化
- 発熱によるダメージ
- サイクルカウント増加
バッテリー保護対策
1. 最適化充電を有効化
- システム設定 → バッテリー
- 「最適化されたバッテリー充電」オン
2. AlDente(サードパーティアプリ)
- 充電上限を設定(例:80%)
- バッテリー寿命を延長
3. 定期的な放電
- 週1回はバッテリー駆動
- 20-80%の範囲で使用
セキュリティ上の注意点
リスクと対策
リスク:
- 蓋を閉じても動作継続
- 物理的アクセスへの脆弱性
- データへの不正アクセス
対策:
- スクリーンセーバーでロック
- ホットコーナーでロック設定
- FileVault有効化
- ファームウェアパスワード設定
まとめ:用途に合わせて賢く選ぼう
MacBookを閉じてもスリープさせない方法は、用途によって最適解が異なります。
方法選びのフローチャート:
外部ディスプレイを使う?
├─ YES → クラムシェルモード
└─ NO → アプリが必要?
├─ 特定アプリ → そのアプリの設定
└─ 汎用 → Amphetamine or Caffeine
今すぐ試すべきこと:
- Amphetamineをインストール(5分)
- 無料で最も汎用的
- App Storeですぐ入手
- 温度監視アプリを入れる(3分)
- Macs Fan Control推奨
- 熱問題を未然に防ぐ
- 用途を明確にする(2分)
- なぜ閉じたまま使いたいか
- どれくらいの時間か
重要な警告: 熱管理を怠ると、MacBookの寿命を縮める可能性があります。特に高負荷作業時は、必ず温度監視を!
便利な機能も、正しく使ってこそ価値があります。この記事を参考に、あなたの用途に最適な方法を選んで、MacBookをさらに便利に活用してください。
でも、MacBookが熱くなりすぎたら、素直に蓋を開けてあげてくださいね。大切なMacBookを長く使うためにも!
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