MacBookを使っていて、
- 画面が固まって何も動かない
- ぐるぐるマーク(レインボーカーソル)がずっと回っている
- クリックしても反応しない
- キーボードが効かない
そんな経験はありませんか?
「大事な作業中にフリーズして焦った!」
「どうやって強制終了すればいいのかわからない」
こんな状況は、MacBookを使っていると誰でも一度は遭遇するトラブルです。
この記事では、MacBookが固まったときに試したいアプリの強制終了方法と、どうしても動かないときの本体を強制的に再起動する方法を、緊急時にすぐ使えるよう段階別にわかりやすく解説します。
まず理解しよう:フリーズの種類と対処の優先順位

フリーズには2つのパターンがある
パターン1:特定のアプリだけがフリーズ
- 他のアプリは正常に動く
- マウスカーソルは動く
- デスクトップはクリックできる
パターン2:MacBook全体がフリーズ
- マウスカーソルも動かない
- キーボードも効かない
- 何をしても反応しない
対処の優先順位
第1段階: 待ってみる(30秒〜1分) 第2段階: アプリだけを強制終了 第3段階: アクティビティモニタでプロセス終了 第4段階: MacBook本体を強制再起動
段階的に試すことで、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。
1. まずはアプリだけを強制終了する方法
最も使用頻度の高い方法:Command + Option + Esc
多くの場合、Mac自体ではなく特定のアプリだけが固まっています。
ショートカットキー:
⌘(Command) + ⌥(Option) + Esc
詳しい手順:
- 上記のショートカットを同時に押す
- 「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが開く
- フリーズしているアプリを選択
- 反応しないアプリ名の横に「(応答なし)」と表示される
- SafariやPhotoshop、Finderなど、問題のあるアプリを探す
- 「強制終了」ボタンをクリック
- 確認ダイアログで「強制終了」を選択
メリット:
- MacBook自体は再起動しなくて済む
- 他のアプリで作業中のデータは保護される
- 最も安全で迅速な方法
アプリ別の強制終了方法
Dock から強制終了
- Dockで該当アプリのアイコンを探す
- Optionキーを押しながらアプリアイコンを右クリック
- 「強制終了」を選択
メニューバーから強制終了
- 左上のAppleメニューをクリック
- 「強制終了…」を選択
- 問題のあるアプリを選んで強制終了
強制終了できない場合の追加手順
アプリが完全にハングアップしている場合:
- 少し待つ(30秒〜1分)
- 重い処理中の可能性もある
- 保存処理が完了するまで待つ
- 複数回試す
- ショートカットが一度で効かない場合がある
- 2〜3回繰り返してみる
- 他のアプリから試す
- まず軽いアプリ(メモ、電卓など)から強制終了
- 重いアプリを後回しにする
2. アクティビティモニタを使った詳細な強制終了

アクティビティモニタとは
システムで動いているすべてのプロセスを確認・制御できるアプリです。
アクティビティモニタの起動方法
方法1:Spotlight検索
- Command + スペースキーでSpotlight を開く
- 「アクティビティモニタ」と入力
- Enterキーで起動
方法2:アプリケーションフォルダから
- Finder → アプリケーション → ユーティリティ
- 「アクティビティモニタ」をダブルクリック
アクティビティモニタでの強制終了手順
- アクティビティモニタを起動
- CPU タブを選択(通常デフォルト)
- 問題のあるプロセスを探す
- CPU使用率が異常に高い
- 「応答なし」と表示されている
- アプリ名で検索も可能
- 該当プロセスを選択
- 左上の「×」ボタンをクリック
- 「プロセスを終了」を選択
アクティビティモニタで確認すべき項目
CPU使用率:
- 100%近くが続いているプロセス
- 異常に高い値を示すアプリ
メモリ使用量:
- 大量のメモリを使っているアプリ
- メモリリークを起こしている可能性
応答状況:
- 「応答なし」と表示されているプロセス
- 長時間反応していないアプリ
3. どうしても反応しないときは本体を強制終了
強制再起動が必要な状況
- マウスカーソルが動かない
- キーボードが全く効かない
- 画面が完全にフリーズ
- 上記の方法すべてが効かない
電源ボタンでの強制終了方法
手順:
- 電源ボタンを10秒程度長押し
- MacBookの電源が完全に切れるまで押し続ける
- 画面が真っ暗になったら手を離す
- 数秒待つ
- 5〜10秒程度待機
- 内部の電気的な処理を完了させる
- 電源ボタンを押して再起動
- 1回短く押して起動
- Appleロゴが表示されるまで待つ
MacBookモデル別の電源ボタン位置
MacBook Air(2018以降):
- Touch ID センサーが電源ボタン
- 右上角に配置
MacBook Pro(Touch Bar搭載):
- Touch ID センサーが電源ボタン
- Touch Bar の右端に配置
MacBook Pro(Touch Bar非搭載):
- 従来の物理電源ボタン
- 右上角に配置
古いMacBook:
- 右上角の丸いボタン
強制終了時の重要な注意点
データ損失のリスク:
- 保存していない作業は失われる
- 開いていたファイルが破損する可能性
- 実行中の処理が中断される
システムへの影響:
- ファイルシステムにダメージを与える可能性
- 起動時にディスクチェックが実行される
- 設定が初期状態に戻る場合がある
最終手段として使用:
- 他の方法を試してからの最後の選択肢
- 緊急時以外は避ける
- 定期的な使用は推奨されない
4. フリーズを防ぐための予防策
システム管理の基本
ストレージ容量の管理
推奨空き容量: 全容量の15〜20%以上
容量不足の確認方法:
- Appleメニュー → このMacについて
- 「ストレージ」タブを確認
- 赤やオレンジ色の表示は要注意
容量確保の方法:
- 不要なファイルを削除
- ダウンロードフォルダの整理
- 写真や動画の外部保存
- キャッシュファイルの削除
メモリ使用量の管理
同時起動アプリの制限:
- 重いアプリ(Photoshop、Final Cut Proなど)は必要時のみ
- 使わないアプリは完全終了
- ブラウザのタブ数を制限
メモリ確認方法:
- アクティビティモニタの「メモリ」タブ
- メモリ圧迫状況を色で確認(緑→黄→赤)
ソフトウェアの管理
定期的なアップデート
macOS のアップデート:
- Appleメニュー → システム環境設定
- 「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能な更新をインストール
アプリのアップデート:
- App Store → アップデート
- 各アプリの自動更新設定
問題のあるアプリの特定
よくフリーズするアプリ:
- 古いバージョンのアプリ
- 非対応のアプリ
- 破損したアプリ
対処法:
- 最新版への更新
- 再インストール
- 代替アプリの検討
予防的メンテナンス
定期的な再起動
推奨頻度: 1〜2日に1回
再起動の効果:
- メモリの解放
- 一時ファイルの削除
- システムプロセスの正常化
ディスクのメンテナンス
First Aid の実行:
- ディスクユーティリティを起動
- システムディスクを選択
- 「First Aid」を実行
推奨頻度: 月1回程度
5. トラブルシューティング:強制終了後の問題

起動時の問題
起動しない場合
セーフモードでの起動:
- 電源を入れてすぐに Shift キーを長押し
- Appleロゴが表示されたら手を離す
- セーフモードで問題を特定
起動が遅い場合
考えられる原因:
- ディスクチェックの実行中
- システムファイルの修復中
- 起動項目の多さ
対処法:
- しばらく待つ(初回は時間がかかる)
- 起動項目の整理
- 不要なログイン項目の削除
データ復旧
保存していないファイルの復旧
自動保存機能:
- 多くのアプリが自動保存に対応
- 再起動後に復旧ダイアログを確認
- 「復元」を選択して内容を確認
手動復旧:
- 「最近使った項目」を確認
- 一時ファイルフォルダを確認
- Time Machine バックアップから復元
破損ファイルの対処
ファイルが開けない場合:
- 別のアプリで開く
- バックアップファイルを使用
- 修復ツールを試す
6. 高度なトラブルシューティング
SMC(System Management Controller)リセット
SMCとは: 電源、バッテリー、ファンなどを制御するシステム
リセットが必要な症状:
- 電源が入らない
- バッテリーが充電されない
- ファンが異常に回る
- 動作が異常に遅い
SMCリセット手順(Touch Bar搭載MacBook Pro):
- MacBook をシャットダウン
- Shift + Control + Option + 電源ボタンを10秒間長押し
- すべてのキーを離す
- 電源ボタンを押して起動
SMCリセット手順(他のMacBook):
- MacBook をシャットダウン
- Shift + Control + Option + 左のCommand キーを10秒間長押し
- すべてのキーを離す
- 電源ボタンを押して起動
NVRAM/PRAMリセット
NVRAM/PRAMとは: 音量、解像度、起動ディスクなどの設定を保存
リセット手順:
- MacBook をシャットダウン
- 電源を入れてすぐに Option + Command + P + R を長押し
- 起動音が2回聞こえたら手を離す
- 通常通り起動
リセット後の再設定:
- 音量設定
- 画面解像度
- タイムゾーン
- 起動ディスク
7. 予防とメンテナンスの習慣
日常的な良い習慣
定期的な保存
自動保存の設定:
- アプリの自動保存機能を有効
- iCloud 同期の活用
- 手動保存の習慣(Command + S)
推奨保存頻度:
- 重要な作業:5〜10分おき
- 一般的な作業:15〜30分おき
- 長時間作業:1時間おき
システム監視
定期チェック項目:
- ストレージ容量
- メモリ使用量
- CPU温度
- 実行中のプロセス
緊急時の準備
バックアップの重要性
Time Machine の設定:
- 外付けドライブを接続
- システム環境設定 → Time Machine
- 「バックアップディスクを選択」
- 自動バックアップを有効
クラウドバックアップ:
- iCloud Drive
- Google Drive
- Dropbox
緊急時連絡先
Apple サポート:
- 電話サポート
- チャットサポート
- Genius Bar 予約
地元の修理店:
- Apple 正規サービスプロバイダ
- 認定修理店
まとめ:段階的な対処で安全にトラブル解決
MacBookがフリーズした時は、慌てずに段階的に対処することが重要です。
対処法の優先順位
第1段階:軽度な対処
⌘ + Option + Esc でアプリ強制終了
第2段階:詳細な分析
- アクティビティモニタでプロセス確認
- 問題のあるアプリを特定して終了
第3段階:システム全体の再起動
- 電源ボタン10秒長押しで強制終了
- 再起動後の動作確認
第4段階:高度なトラブルシューティング
- セーフモード起動
- SMC/NVRAMリセット
重要なポイント
データ保護:
- 定期的な保存習慣
- 自動保存機能の活用
- バックアップの確保
予防策:
- 適切なストレージ管理
- 定期的なソフトウェア更新
- システムメンテナンス
緊急時対応:
- 段階的な対処
- データ損失リスクの理解
- 最終手段としての強制終了
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