Macを使っていて、拡張子が「.xml」のファイルをダブルクリックしたら、何が起こるか分からなくて困ったことはありませんか?
XMLファイルは、設定ファイルやデータファイルとしてよく使われています。アプリの設定、Webサイトのサイトマップ、データのエクスポートファイルなど、様々な場面で登場するのです。
ただ、XMLファイルは普通の文書ファイルとは少し違います。ダブルクリックするとSafariで開くこともあれば、Xcodeが起動することもあるでしょう。「ただ中身を確認したいだけなのに…」と思うことも多いはずです。
この記事では、MacでXMLファイルを開く方法を、目的別に分かりやすく解説していきます。「ちょっと見たいだけ」から「しっかり編集したい」まで、あなたの用途に合った最適な方法が見つかりますよ。
XMLファイルって何?基本を理解しよう

まずは、XMLファイルとは何かを簡単に理解しておきましょう。
XMLとは
XML(エックスエムエル)は、「Extensible Markup Language」の略で、データを構造化して保存するための形式です。「マークアップ言語」と呼ばれる種類のファイルで、HTMLの親戚のようなものと考えてください。
特徴
- タグ(<>で囲まれた部分)でデータを記述する
- 人間が読める形式
- プログラムでも処理しやすい
- プラットフォームに依存しない
XMLファイルの中身はこんな感じ
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<bookstore>
<book category="cooking">
<title>毎日のおかず</title>
<author>山田花子</author>
<price>1500</price>
</book>
<book category="children">
<title>楽しい絵本</title>
<author>佐藤太郎</author>
<price>800</price>
</book>
</bookstore>
タグで囲まれた階層構造になっているのが分かりますね。実はXMLファイルは、ただのテキストファイルなんです。
XMLファイルの用途
日常的に見かけるXMLファイルには、以下のようなものがあります。
設定ファイル
アプリケーションの設定を保存するファイル。Macの~/Libraryフォルダの中にたくさんあります。
サイトマップ
ウェブサイトのページ構造を示すファイル。sitemap.xmlという名前でよく使われます。
データ交換
システム間でデータをやり取りする時の形式。Excelやデータベースからエクスポートされることがあります。
RSSフィード
ブログやニュースサイトの更新情報。技術的にはXML形式です。
方法1:Safariで開く(閲覧のみ)
最も手軽な方法は、Safariで開くことです。
開き方
方法1:ダブルクリック
XMLファイルをダブルクリックすると、通常はSafariで開きます。
方法2:右クリックから選択
- XMLファイルを右クリック(またはControl + クリック)
- 「このアプリケーションで開く」→「Safari」を選択
方法3:ドラッグ&ドロップ
SafariのアイコンにXMLファイルをドラッグ&ドロップします。
Safariで開くメリット
見やすい表示
Safariは、XMLの構造を色分けして表示してくれます。階層構造が視覚的に分かりやすいです。
折りたたみ機能
タグの横にある三角マークをクリックすると、その部分を折りたたんだり展開したりできます。長いXMLファイルを見る時に便利です。
すぐに開ける
特別なアプリをインストールする必要がありません。Macに最初から入っているSafariで十分です。
Safariで開くデメリット
編集できない
表示するだけで、内容を変更することはできません。
検索機能が限定的
Command + Fで検索はできますが、高度な検索はできません。
大きなファイルは重い
数MBを超えるような大きなXMLファイルは、表示に時間がかかることがあります。
方法2:テキストエディットで開く(閲覧・編集)
Macに標準で入っている「テキストエディット」を使う方法です。
開き方
方法1:右クリックから
- XMLファイルを右クリック
- 「このアプリケーションで開く」→「テキストエディット」を選択
方法2:アプリから開く
- テキストエディットを起動
- メニューバーから「ファイル」→「開く」
- XMLファイルを選択
方法3:デフォルトアプリに設定
- XMLファイルを右クリック
- 「情報を見る」を選択
- 「このアプリケーションで開く」でテキストエディットを選択
- 「すべてを変更」をクリック
これで、次回からダブルクリックでテキストエディットが開きます。
テキストエディットのメリット
編集できる
内容を直接編集して保存できます。設定ファイルを修正する時などに便利です。
軽快
シンプルなエディタなので、動作が軽快です。
検索・置換が使える
Command + Fで検索、Command + Option + Fで置換ができます。
テキストエディットのデメリット
色分けされない
XMLの構造が色分けされないため、少し読みにくいです。
構文チェックがない
間違った記述をしてもエラーが出ません。保存後にファイルが壊れる可能性があります。
階層構造が分かりにくい
Safariのような折りたたみ機能がないため、長いファイルは見づらいです。
注意点:リッチテキスト形式に注意
テキストエディットは、デフォルトでリッチテキスト形式で保存しようとします。XMLファイルを編集する時は、必ず標準テキスト形式で保存してください。
標準テキストに変更する方法
- メニューバーから「フォーマット」→「標準テキストにする」を選択
- または、環境設定で「標準テキスト形式で開く」に設定
方法3:Visual Studio Code で開く(本格編集)
プログラマーや頻繁にXMLを扱う方には、VS Codeがおすすめです。
VS Codeとは
Visual Studio Code(ビジュアルスタジオコード)は、Microsoftが開発した無料のコードエディタです。プログラミングだけでなく、XMLファイルの編集にも非常に優れています。
インストール方法
- 公式サイトからダウンロード
- ダウンロードした.zipファイルを解凍
- VS Codeアプリをアプリケーションフォルダにドラッグ
開き方
方法1:ドラッグ&ドロップ
VS CodeのアイコンにXMLファイルをドラッグします。
方法2:右クリックから
- XMLファイルを右クリック
- 「このアプリケーションで開く」→「Visual Studio Code」
方法3:ターミナルから
code ファイル名.xml
VS Codeの強力な機能
シンタックスハイライト
XMLの要素が色分けされ、非常に読みやすくなります。タグ、属性、値などが自動的に色分けされます。
自動インデント
コードの整形(フォーマット)が簡単にできます。Shift + Option + Fで、ぐちゃぐちゃなXMLを綺麗に整形してくれます。
構文チェック
XMLの記述ミス(閉じタグ忘れなど)をリアルタイムで警告してくれます。
拡張機能
XML専用の拡張機能をインストールすると、さらに便利になります。
おすすめのVS Code拡張機能
XML Tools
- VS Codeを開く
- 左側のメニューから「拡張機能」アイコンをクリック
- 検索バーに「XML Tools」と入力
- インストールをクリック
この拡張機能を入れると、以下のことができます。
- XMLの整形(フォーマット)
- XPath検索
- XML→JSONへの変換
- 構文エラーの詳細表示
VS Codeのデメリット
初心者には敷居が高い
「ちょっと見たいだけ」という用途には、少しオーバースペックです。
インストールが必要
標準アプリではないため、別途インストールする手間があります。
方法4:Xcodeで開く(開発者向け)

開発者の方なら、Xcodeを使う選択肢もあります。
Xcodeとは
Xcodeは、AppleのiOS・macOSアプリ開発用の統合開発環境です。Mac App Storeから無料でダウンロードできます。
開き方
XMLファイルをダブルクリックすると、Xcodeが起動することがあります。または、右クリックから「このアプリケーションで開く」→「Xcode」を選択します。
Xcodeのメリット
高機能なエディタ
プログラミング用のエディタなので、機能が豊富です。
構文チェック
XMLの文法エラーをチェックしてくれます。
Xcodeのデメリット
起動が重い
Xcodeは大きなアプリケーションなので、起動に時間がかかります。
オーバースペック
ただXMLを見たいだけなら、明らかに大げさです。
必要ない人には不要
アプリ開発をしない人には、インストールする必要がありません(サイズが大きい)。
方法5:Chromeで開く(Safariの代替)
SafariではなくChromeで開きたい場合もあるでしょう。
開き方
方法1:右クリックから
- XMLファイルを右クリック
- 「このアプリケーションで開く」→「Google Chrome」
方法2:Chromeにドラッグ
Chromeのウィンドウに直接ドラッグ&ドロップします。
Chromeで開くメリット
Safariと似た表示
構造が色分けされ、折りたたみもできます。
開発者ツールが使える
右クリック→「検証」で、より詳しい情報を見られます。
Webアプリとの連携
Web上のツールと連携しやすいです。
方法6:専用のXMLビューアを使う
XMLファイルを頻繁に扱うなら、専用アプリを検討しても良いでしょう。
おすすめの無料アプリ
Brackets
- 軽量で使いやすいエディタ
- XMLの色分け表示
- 無料
Atom(開発終了済みだが使用可能)
- GitHubが開発したエディタ
- 拡張機能が豊富
- 無料
BBEdit(有料版もあり)
- Mac専用の老舗エディタ
- 無料版でも十分な機能
- 日本語にも対応
オンラインツール
Code Beautify
ブラウザでcodebeautify.org/xmlviewerにアクセスし、XMLファイルをアップロードまたは貼り付けます。整形して表示してくれます。
メリット
- インストール不要
- どのMacでも使える
- 整形・検証機能が充実
デメリット
- インターネット接続が必要
- 機密情報を含むファイルは避けるべき
XMLファイルの整形方法
ぐちゃぐちゃに詰まったXMLを読みやすくする方法を紹介します。
VS Codeで整形
- VS CodeでXMLファイルを開く
Shift + Option + Fを押す- 自動的に整形される
ターミナルで整形
Macのターミナルを使って整形することもできます。
# xmllintコマンドを使う(標準搭載)
xmllint --format ファイル名.xml > 整形後.xml
これで、読みやすく整形されたファイルが作成されます。
オンラインツールで整形
- ブラウザで「XML formatter」や「XML beautifier」と検索
- オンラインツールを開く
- XMLをコピー&ペースト
- 整形されたXMLをコピー
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
XMLファイルを開く時によくある問題と、その解決方法を紹介します。
問題1:ダブルクリックしても開かない
原因
ファイルの関連付けが壊れている可能性があります。
解決方法
- XMLファイルを右クリック
- 「情報を見る」を選択
- 「このアプリケーションで開く」で好きなアプリを選択
- 「すべてを変更」をクリック
問題2:文字化けする
原因
文字エンコーディングが正しく認識されていません。
解決方法(テキストエディットの場合)
- メニューバーから「フォーマット」→「テキストエンコーディング」
- 「UTF-8」を選択
- 再度開き直す
VS Codeの場合
右下に表示されているエンコーディングをクリックし、「UTF-8」を選択します。
問題3:XMLとして認識されない
原因
ファイルの拡張子が正しく設定されていないか、ファイルが破損している可能性があります。
解決方法
- Finderでファイルを選択
Command + Iで情報を表示- 「名前と拡張子」の部分を確認
- 拡張子が
.xmlになっているか確認
問題4:編集したら開けなくなった
原因
XMLの構文エラーがあります。閉じタグ忘れ、余分なスペース、特殊文字の扱いミスなどが考えられます。
解決方法
- VS CodeやXcodeなど、エラーを表示してくれるエディタで開く
- エラーメッセージを確認
- 該当箇所を修正
バックアップがない場合
オンラインのXMLバリデータ(検証ツール)を使って、どこが間違っているか確認できます。
問題5:大きなXMLファイルが開けない
原因
ファイルサイズが大きすぎて、通常のエディタでは処理しきれません。
解決方法
- ターミナルで
lessコマンドを使って一部を確認
less ファイル名.xml
- または、ファイルを分割して処理
- 専門のXML処理ツールを使用
目的別:最適な開き方の選び方

あなたの目的に応じて、最適な方法を選びましょう。
ただ中身を確認したいだけ
おすすめ:Safari
- ダブルクリックするだけ
- 構造が見やすい
- 特別な知識不要
ちょっとした修正をしたい
おすすめ:テキストエディット
- Macに標準搭載
- すぐに編集できる
- 簡単な変更なら十分
頻繁に編集する・プログラミングもする
おすすめ:Visual Studio Code
- 無料で高機能
- エラーチェック機能
- 拡張機能が豊富
アプリ開発をしている
おすすめ:Xcode
- すでにインストール済み
- 開発環境と統合
- Apple製品との相性抜群
一時的に確認するだけ(他人のMac)
おすすめ:Safariまたはオンラインツール
- 何もインストール不要
- すぐに確認できる
セキュリティの注意点
XMLファイルを扱う時のセキュリティ面での注意事項です。
信頼できないXMLファイルは開かない
メールの添付ファイルや、不明なサイトからダウンロードしたXMLファイルは、慎重に扱いましょう。XMLファイル自体にはウイルスが含まれることは少ないですが、以下のリスクがあります。
XXE攻撃(XML External Entity)
悪意のあるXMLファイルを開くと、システムファイルが読み取られる可能性があります。
オンラインツールに機密情報をアップしない
会社の設定ファイルや個人情報を含むXMLを、オンラインの整形ツールにアップロードしてはいけません。情報が漏洩する可能性があります。
バックアップを取ってから編集
重要なXMLファイル(特に設定ファイル)を編集する前は、必ずバックアップを取りましょう。
# ターミナルでバックアップを作成
cp ファイル名.xml ファイル名_backup.xml
よくある質問と回答
MacでXMLファイルを扱う時のよくある質問をまとめました。
Q1:Windowsで作ったXMLファイルは開ける?
はい、問題なく開けます。XMLはプラットフォーム非依存なので、Windows、Mac、Linuxのどれでも同じように開けます。
ただし、文字エンコーディングに注意してください。Shift-JISで作られたファイルは文字化けする可能性があります。
Q2:.xmlと.plistの違いは?
.plist(プロパティリスト)は、Macの設定ファイルで使われる形式です。内部的にはXML形式で書かれていることが多いです。
開き方は基本的に同じですが、専用の「プロパティリストエディタ」(Xcodeに含まれる)を使うと、より見やすく編集できます。
Q3:ExcelからエクスポートしたXMLが開けない
Excelが出力するXMLは、独自の形式が含まれていることがあります。通常のXMLエディタで開くと、複雑に見えるかもしれません。
データだけを確認したい場合は、Excel自体で開く方が分かりやすいです。
Q4:XMLファイルを印刷したい
方法1:Safariから印刷
- SafariでXMLファイルを開く
Command + Pで印刷ダイアログを開く- 印刷またはPDF保存
方法2:整形してから印刷
- VS Codeなどで整形
Command + Pで印刷
Safariの方が、構造が見やすく印刷されます。
Q5:スマホでXMLファイルを見たい
iPhoneやiPadの場合、ファイルアプリからSafariで開けます。Androidの場合は、Chromeやテキストエディタアプリを使いましょう。
ただし、複雑なXMLはスマホでは見づらいため、Macでの確認をおすすめします。
まとめ:目的に合わせて使い分けよう
MacでXMLファイルを開く方法について、理解が深まったでしょうか。
方法のおさらい
- Safari:気軽に見るだけならこれ(標準搭載)
- テキストエディット:簡単な編集ならこれ(標準搭載)
- VS Code:本格的な編集や整形(無料・インストール必要)
- Xcode:開発者向け(無料・インストール必要)
- オンラインツール:一時的な確認や整形(ブラウザで完結)
選び方のポイント
- ただ見たい → Safari
- ちょっと編集 → テキストエディット
- 頻繁に編集 → VS Code
- 機密情報あり → ローカルのアプリを使用
- プログラマー → VS CodeまたはXcode
XMLファイルは、一見難しそうに見えますが、実はただのテキストファイルです。Safariやテキストエディットなど、Macに最初から入っているアプリで十分扱えます。
より本格的にXMLを扱うなら、VS Codeの導入をおすすめします。無料で高機能、そしてXML以外のファイル編集にも使える万能エディタです。
あなたの用途に合った方法で、XMLファイルを快適に扱ってくださいね!


コメント