「取引先からXMLファイルが届いたけど、Macでどうやって開けばいいの?」
「中身をちょっと編集したいけど、何のアプリを使えばいいの?」
こうした疑問を持つMacユーザーは少なくありません。XMLはビジネスの現場やシステム開発でよく使われるデータ形式ですが、見慣れないタグだらけのテキストファイルで戸惑うことも多いでしょう。
実際、以下のような場面でXMLファイルを扱う機会があります:
「ECサイトの商品データをインポートする必要がある」
「システム設定ファイルの内容を確認・修正したい」
「他社とのデータ連携でXMLファイルが送られてきた」
「Webサイトのサイトマップ(sitemap.xml)を編集したい」
この記事では、MacでXMLファイルを開く方法から編集のコツまで、初心者にもわかりやすく解説します。
無料で使えるアプリから高機能なエディタまで、用途に応じた最適な方法をご紹介します。
XMLファイルとは?基本知識をさらっと確認

XMLの基本的な仕組み
XML(エックスエムエル)は「eXtensible Markup Language」の略で、データをタグで囲んで階層的に整理するためのテキスト形式です。
実際のXMLファイルの例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<users>
<user id="001">
<name>田中太郎</name>
<age>30</age>
<email>tanaka@example.com</email>
<department>営業部</department>
</user>
<user id="002">
<name>佐藤花子</name>
<age>28</age>
<email>sato@example.com</email>
<department>開発部</department>
</user>
</users>
このように、タグ(<name>
、<age>
など)でデータに「意味」を与えて整理します。HTMLと似ていますが、XMLはデータの保存・交換が目的です。
なぜXMLが使われるのか
システム間でのデータ交換:
- 異なるプログラムやシステム間で確実にデータをやり取りできる
- 人間が読めるテキスト形式なので、問題があったときに原因を特定しやすい
設定ファイルとして:
- アプリケーションの設定を保存する
- 複雑な階層構造を表現できる
Webサービスでの活用:
- サイトマップ(SEO対策)
- RSS フィード(ブログの更新情報)
- API でのデータ交換
MacでXMLファイルを開く方法

方法1:テキストエディットで開く(最も簡単)
Mac標準の「テキストエディット」でも、XMLファイルを開くことができます。
開き方の手順
- Finderでファイルを見つける
- XMLファイルがあるフォルダを開く
- 右クリックメニューから開く
- XMLファイルを右クリック
- 「このアプリケーションで開く」を選択
- 「テキストエディット」をクリック
- ファイルの内容が表示される
- タグを含むテキストとして表示される
テキストエディットのメリット・デメリット
メリット:
- Macに最初から入っている
- 追加ソフトのインストール不要
- 軽量で起動が早い
デメリット:
- タグの色分けがない
- インデント(字下げ)が整わない
- 大きなファイルだと見づらい
- XMLの構文チェック機能がない
方法2:専用エディタで開く(見やすくておすすめ)
XMLは階層が深くなると普通のテキストエディタでは読みにくいため、XML専用の機能を持ったエディタを使うのがおすすめです。
Visual Studio Code(VS Code)
特徴:
- 完全無料
- XMLのタグが色分けされる
- 自動でインデントを整える
- 豊富な拡張機能
インストール方法:
- Visual Studio Code公式サイト にアクセス
- 「Download for Mac」をクリック
- ダウンロードしたファイルを実行してインストール
使い方:
- VS Codeを起動
- 「ファイル」メニュー → 「ファイルを開く」
- XMLファイルを選択
便利な機能:
- シンタックスハイライト:タグが色分けされて見やすい
- 自動補完:タグの閉じ忘れを防ぐ
- エラー検出:XMLの構文エラーを赤線で表示
- 折りたたみ:長いセクションを折りたたんで見やすくする
Sublime Text
特徴:
- 動作が軽快
- 美しいインターフェース
- 豊富なプラグイン
入手方法:
- Sublime Text公式サイト にアクセス
- 無料体験版をダウンロード(制限なく使用可能)
- 気に入ったらライセンス購入(約$100)
XMLでの利点:
- タグの色分け表示
- 高速な検索・置換機能
- マルチカーソル編集
BBEdit
特徴:
- Mac専用の老舗テキストエディタ
- 無料版でも十分な機能
- Mac らしい操作感
入手方法:
- BBEdit公式サイト からダウンロード
- App Store からもインストール可能
XMLでの利点:
- XMLの構文チェック機能
- タグの対応関係を表示
- 正規表現を使った高度な検索
方法3:SafariやChromeで開く(内容確認のみ)
XMLファイルは、実はWebブラウザでもそのまま開くことができます。
開き方
- Finderからブラウザで開く
- XMLファイルを右クリック
- 「このアプリケーションで開く」
- 「Safari」または「Google Chrome」を選択
- ドラッグ&ドロップで開く
- ブラウザを起動
- XMLファイルをブラウザウィンドウにドラッグ&ドロップ
ブラウザで開くメリット・デメリット
メリット:
- 追加ソフト不要
- XMLの階層構造がツリー表示される
- 長いセクションを折りたたんで表示できる
デメリット:
- 編集はできない(閲覧のみ)
- 複雑なXMLだと表示が崩れることがある
- 保存時の文字エンコードに注意が必要
ブラウザでの表示例
SafariでXMLを開くと、以下のように表示されます:
▼ users
▼ user (id="001")
▶ name: 田中太郎
▶ age: 30
▶ email: tanaka@example.com
▼ user (id="002")
▶ name: 佐藤花子
▶ age: 28
クリックで階層を展開・折りたたみできるので、構造を理解するのに便利です。
MacでXMLファイルを編集する方法

Visual Studio Codeでの編集手順
XMLファイルの内容を変更したい場合は、VS Codeが最もおすすめです。
基本的な編集手順
- ファイルを開く
- VS CodeでXMLファイルを開く
- 内容を編集する
- 必要な部分を変更
<!-- 価格を変更する例 --> <price>1000</price> → <price>1200</price>
- 保存する
⌘ + S
で保存- または「ファイル」メニュー → 「保存」
便利な編集機能
自動補完:
- タグを入力すると、自動で閉じタグが挿入される
<name>
と入力すると</name>
が自動で追加
エラーチェック:
- タグの閉じ忘れがあると赤い波線で表示
- 不正なXML構文を即座に検出
インデント自動整理:
- 右クリック → 「ドキュメントのフォーマット」
- バラバラなインデントを自動で整える
検索・置換:
⌘ + F
で検索⌘ + Option + F
で置換- 正規表現を使った高度な検索も可能
編集時の注意点
XMLの基本ルールを守る
タグは必ず閉じる:
<!-- 正しい -->
<name>田中太郎</name>
<!-- 間違い -->
<name>田中太郎
大文字・小文字を区別する:
<!-- 正しい -->
<name>田中太郎</name>
<!-- 間違い(開始タグと終了タグが不一致) -->
<name>田中太郎</Name>
属性値は引用符で囲む:
<!-- 正しい -->
<user id="001">
<!-- 間違い -->
<user id=001>
文字エンコーディングに注意
XMLファイルの先頭には、通常エンコーディングが指定されています:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
日本語を含むXMLを編集する場合は、UTF-8で保存することが重要です。VS Codeなら自動でUTF-8になりますが、他のエディタを使う場合は注意しましょう。
用途別おすすめの開き方
ただ内容を確認したい場合
Safari または Chrome がおすすめ
理由:
- 階層構造が見やすい
- ソフトのインストール不要
- ファイルを壊す心配がない
ちょっとした編集をしたい場合
Visual Studio Code がおすすめ
理由:
- 無料で高機能
- エラーチェック機能がある
- XMLの色分け表示
- 自動補完でミスを防げる
大量のXMLファイルを扱う場合
専門のXMLエディタを検討
例:
- Oxygen XML Editor(有料・高機能)
- XMLSpy(有料・プロ向け)
これらは以下の高度な機能があります:
- XMLスキーマ(XSD)での検証
- XPath クエリ
- XSLT 変換
- 大きなファイルの高速処理
よくある質問と解決方法

XMLファイルがExcelで開けない
問題
「XMLファイルをExcelで開こうとしたけど、うまく表示されない」
解決方法
Excel での XML 対応:
- Mac版ExcelでもXMLの読み込みは可能
- ただし、複雑な階層構造は正しく表になりません
おすすめの方法:
- XMLを一度CSVに変換する
- そのCSVファイルをExcelで開く
変換方法:
- オンラインツール(xml-to-csv.com など)を使用
- VS Code の拡張機能を使用
- プログラムで変換(Python、Excel VBA など)
XMLファイルが文字化けする
問題
「XMLファイルを開いたら、日本語が文字化けしている」
原因と解決方法
エンコーディングの不一致:
- XMLファイルのエンコーディング設定と実際の文字コードが違う
解決手順:
- VS Code でファイルを開く
- 右下のエンコーディング表示をクリック
- 「エンコーディング付きで再度開く」を選択
- 「Shift_JIS」や「EUC-JP」を試す
- 正しく表示されたら、「UTF-8」で保存し直す
XMLの構文エラーが発生する
問題
「XMLファイルを編集したら、エラーが出るようになった」
よくあるエラーと対処法
タグの閉じ忘れ:
<!-- エラー -->
<user>
<name>田中太郎
<age>30</age>
</user>
<!-- 修正後 -->
<user>
<name>田中太郎</name>
<age>30</age>
</user>
特殊文字のエスケープ忘れ:
<!-- エラー -->
<description>価格は 5 < 10 です</description>
<!-- 修正後 -->
<description>価格は 5 < 10 です</description>
ルート要素の重複:
<!-- エラー -->
<user>...</user>
<user>...</user>
<!-- 修正後 -->
<users>
<user>...</user>
<user>...</user>
</users>
大きなXMLファイルが開かない
問題
「何百MBもあるXMLファイルがエディタで開けない」
解決方法
軽量エディタを使用:
- Sublime Text(大きなファイルに強い)
- Vim または Emacs(コマンドライン)
ファイルを分割:
- 必要な部分だけを抜き出す
- プログラムで分割処理を行う
オンラインツールを活用:
- ブラウザベースのXMLビューアー
- ストリーミング処理対応ツール
XMLファイルの種類別対応方法

サイトマップファイル(sitemap.xml)
特徴:
- WebサイトのSEO対策に使用
- 比較的シンプルな構造
編集のコツ:
- URLの追加・削除が主な作業
<lastmod>
タグで更新日を指定- VS Code で十分対応可能
例:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2024-07-03</lastmod>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
設定ファイル(config.xml)
特徴:
- アプリケーションの設定情報
- 階層が深いことが多い
編集のコツ:
- バックアップを必ず取る
- VS Code の折りたたみ機能を活用
- 変更前後で動作確認を行う
データ交換ファイル
特徴:
- 大量のデータを含むことが多い
- 厳密な形式が求められる
編集のコツ:
- スキーマファイル(XSD)があれば検証する
- 一部分だけ編集して全体への影響を確認
- 専用ツールの使用を検討
まとめ
今回は「MacでXMLファイルを開く方法」について、基本的な開き方から編集のコツまで詳しく解説しました。
用途別のおすすめ方法:
内容確認だけ:
- Safari や Chrome で開く
- 階層構造が見やすく、ソフト不要
軽い編集作業:
- Visual Studio Code がベスト
- 無料で高機能、エラーチェックもある
本格的な編集・開発:
- VS Code + XML拡張機能
- または専用のXMLエディタを検討
重要なポイント:
- XMLはただのテキストファイルなので、基本的にはどのエディタでも開ける
- タグの色分けやエラーチェック機能があるエディタを使うと作業効率が上がる
- 編集時はXMLの基本ルール(タグの閉じ忘れ等)に注意
- 重要なファイルは編集前に必ずバックアップを取る
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