Macを使っていると、
「もう使わなくなったアプリを消したい」
「容量を空けたいから不要なアプリをアンインストールしたい」
と思うことがありますよね。
Windowsと違って、Macではアンインストール専用のツールを使わなくても、とても簡単にアプリを削除できます。
この記事では、Macでアプリを削除(アンインストール)する方法を3パターンに分けてわかりやすく紹介します。
アプリの種類や削除の目的に応じて、最適な方法を選んでください!
Macでのアプリ削除の基本知識
WindowsとMacの違い
Windowsの場合
専用ツールが必要
- 「プログラムと機能」からアンインストール
- アプリ固有のアンインストーラーを実行
- レジストリの編集が必要な場合もある
Macの場合
シンプルな削除方法
- アプリをゴミ箱に入れるだけで基本的にOK
- 多くのアプリは.appファイル1つにまとまっている
- 設定ファイルは別の場所に保存される
アプリの種類による違い
Mac App Store アプリ
特徴
- Apple の審査を通過したアプリ
- サンドボックス化されていて安全
- Launchpad から簡単に削除可能
例
- Pages、Numbers、Keynote
- Twitter、LINE、Slack
- ゲームアプリなど
直接ダウンロードしたアプリ
特徴
- 開発者のWebサイトから直接入手
- より高度な機能を持つことが多い
- Finder からの削除が必要
例
- Google Chrome、Firefox
- Adobe Creative Cloud アプリ
- Microsoft Office
- Discord、Zoom
システムアプリ
特徴
- macOS に最初から入っているアプリ
- 基本的に削除できない(推奨されない)
- 削除すると系統に影響する可能性
例
- Safari、Mail、写真
- App Store、システム設定
- Finder、ターミナル
方法1:Finder(アプリケーションフォルダ)から削除
基本的な削除手順
これがMacの最も基本的なアプリ削除方法です。
ステップ1:Finderを開く
開き方
- Dock の左端にある Finder アイコンをクリック
Command + Space
で Spotlight を開いて「Finder」と入力- デスクトップの何もない場所をクリックしてから
Command + N
ステップ2:アプリケーションフォルダにアクセス
アクセス方法
- Finder のサイドバーで「アプリケーション」をクリック
- もしサイドバーに表示されていない場合:
- Finder メニュー → 環境設定 → サイドバー
- 「アプリケーション」にチェックを入れる
または
- Finder で
Command + Shift + A
を押す - Finder の「移動」メニュー → 「アプリケーション」
ステップ3:削除したいアプリを見つける
効率的な探し方
- リスト表示:
Command + 2
でリスト形式に変更 - 検索機能:右上の検索ボックスにアプリ名を入力
- 並び替え:名前順、日付順、サイズ順で整理
ステップ4:アプリを削除
方法1:ドラッグ&ドロップ
- 削除したいアプリをクリックして選択
- そのまま Dock のゴミ箱アイコンまでドラッグ
- ゴミ箱の上で指を離す
方法2:右クリックメニュー
- 削除したいアプリを右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
方法3:ショートカットキー
- 削除したいアプリを選択
Command + Delete
を押す
ステップ5:ゴミ箱を空にする
重要なポイント ゴミ箱に入れただけでは、まだ完全には削除されていません。ストレージ容量も解放されていない状態です。
完全削除の手順
- Dock のゴミ箱を右クリック → 「ゴミ箱を空にする」
- Finder メニューから: Finder → ゴミ箱を空にする
- ショートカットキー:
Command + Shift + Delete
確認ダイアログ
- 「ゴミ箱の項目を完全に消去しますか?」と表示される
- 「ゴミ箱を空にする」をクリックして確定
削除時の注意点
管理者権限が必要な場合
症状
- 「”アプリ名”を変更するには管理者の名前とパスワードが必要です」と表示される
対処法
- 管理者のユーザー名とパスワードを入力
- 「OK」をクリック
アプリが使用中の場合
症状
- 「”アプリ名”は使用中のため、ゴミ箱に入れることができません」
対処法
- アプリを完全に終了する:
Command + Q
でアプリを終了- または Dock のアプリアイコンを右クリック → 「終了」
- バックグラウンドプロセスの確認:
- アクティビティモニタでプロセスを検索
- 該当プロセスを強制終了
方法2:Launchpadから削除(Mac App Store アプリ)
Launchpadでの削除手順
Mac App Store からインストールしたアプリは、iPhone や iPad のように Launchpad から簡単に削除できます。
ステップ1:Launchpadを開く
開き方
- Dock から: Dock の Launchpad アイコン(ロケットマーク)をクリック
- ショートカット:
F4
キー - トラックパッド: 4本指でピンチイン(つまむような動作)
- Spotlight:
Command + Space
で「Launchpad」と入力
ステップ2:削除モードを有効にする
方法1:長押し(推奨)
- 削除したいアプリアイコンを約3秒間長押し
- アイコンが少し震え始める
- 削除可能なアプリの左上に「×」マークが表示される
方法2:Optionキー
Option
キーを押し続ける- 削除可能なアプリに「×」マークが表示される
ステップ3:アプリを削除
削除手順
- 削除したいアプリの左上の「×」をクリック
- 確認ダイアログが表示される:
- 「”アプリ名”を削除してもよろしいですか?」
- 「このアプリをMacから削除すると、そのドキュメントとデータも削除されます」
- 「削除」をクリックして確定
ステップ4:削除モードを終了
終了方法
- デスクトップの何もない場所をクリック
Escape
キーを押す- 自動的に通常モードに戻る
Launchpadで削除できるアプリ・できないアプリ
削除できるアプリ
Mac App Store アプリ
- 購入またはダウンロードしたアプリ
- 「×」マークが表示されるアプリ
- 削除後もApple IDに購入履歴は残る
削除できないアプリ
システムアプリ
- Safari、Mail、写真、App Store など
- macOS に最初から入っているアプリ
- 「×」マークが表示されない
直接インストールしたアプリ
- 開発者サイトから直接ダウンロードしたアプリ
- Google Chrome、Adobe アプリ、Microsoft Office など
- これらは方法1(Finder)で削除する必要がある
Launchpad削除の利点
安全性
サンドボックス化
- Mac App Store アプリは隔離されて動作
- システムファイルに影響を与えにくい
- 設定ファイルも一緒に削除される
簡単さ
直感的な操作
- iPhone/iPad と同じ操作感
- ワンクリックで削除完了
- 確認ダイアログで誤削除を防止
方法3:徹底的な削除(関連ファイルも含めて)
関連ファイルが残る理由
多くのアプリは、アプリ本体以外に以下のようなファイルを作成します:
設定ファイル・キャッシュファイル
保存場所
~/Library/Preferences/
– アプリの設定~/Library/Application Support/
– アプリのデータ~/Library/Caches/
– 一時ファイル~/Library/Logs/
– ログファイル
残る理由
- 再インストール時の設定復元のため
- アプリのアップデート情報の保持
- 使用履歴やライセンス情報の保存
システム登録情報
Launch Agents/Daemons
- バックグラウンドで動作するプロセス
- 自動起動設定
- サービスの登録情報
手動での完全削除手順
ステップ1:アプリ本体の削除
まず、方法1または方法2でアプリ本体を削除します。
ステップ2:ライブラリフォルダにアクセス
アクセス方法
- Finder で
Command + Shift + G
(「フォルダへ移動」) ~/Library
と入力して「移動」をクリック
または
- Finder の「移動」メニューを開く
Option
キーを押しながらメニューを表示- 「ライブラリ」が表示されるのでクリック
ステップ3:関連ファイルの検索と削除
主要な確認場所
Preferences(設定ファイル)
~/Library/Preferences/
com.appname.plist
形式のファイルを探す- アプリ名や開発者名で検索
Application Support(アプリデータ)
~/Library/Application Support/
- アプリ名のフォルダがないか確認
- 開発者名のフォルダ内も確認
Caches(キャッシュファイル)
~/Library/Caches/
- 一時的なファイルが保存されている場所
- 削除しても通常は問題ない
Logs(ログファイル)
~/Library/Logs/
- エラーログや使用履歴
- 基本的に削除しても安全
ステップ4:システム全体の場所も確認
管理者権限が必要な場所
/Library/Application Support/
/Library/Preferences/
/Library/LaunchAgents/
/Library/LaunchDaemons/
検索のコツ
- Finder の検索機能を活用
- アプリ名、開発者名で検索
- 削除日付でソートして最近のファイルを確認
注意事項とリスク
重要なファイルを誤削除しないために
危険なファイル
- システムアプリの設定ファイル
- 他のアプリと共有されている設定
- 重要なライセンス情報
安全な確認方法
- ファイル名を確認: アプリ名が含まれているか
- 更新日時を確認: アプリの使用期間と一致するか
- サイズを確認: 異常に大きいファイルは慎重に
- バックアップ: 削除前に別の場所にコピー
システムが不安定になった場合
対処法
- Time Machine からの復元: バックアップから設定ファイルを復元
- アプリの再インストール: 削除したアプリを再インストール
- システムの修復: ディスクユーティリティで First Aid を実行
アンインストーラーアプリの活用
AppCleaner(無料・推奨)
特徴
完全削除機能
- アプリと関連ファイルを一括検索
- 安全性を確認してから削除
- 誤削除を防ぐ仕組み
使いやすさ
- ドラッグ&ドロップで操作
- 分かりやすいインターフェース
- 日本語にも対応
使用方法
ダウンロードとインストール
- AppCleaner 公式サイト からダウンロード
- ダウンロードした .dmg ファイルを開く
- AppCleaner.app を アプリケーションフォルダにドラッグ
アプリの削除手順
- AppCleaner を起動
- 削除したいアプリを AppCleaner のウィンドウにドラッグ
- 関連ファイルが自動検索される
- 削除するファイルを選択(デフォルトで安全なファイルが選ばれる)
- 「削除」ボタンをクリック
安全機能
誤削除防止
- システム重要ファイルは自動で除外
- 他のアプリと共有されているファイルを警告
- 削除前に確認画面を表示
その他のアンインストーラー
CleanMyMac X(有料)
特徴
- アプリ削除以外にもシステムクリーニング機能
- 不要なファイルの検出・削除
- マルウェア検出機能
価格
- 年間サブスクリプション:約3,000円
- 無料トライアル期間あり
Trash Me(有料)
特徴
- シンプルで軽量なアンインストーラー
- Menu Bar からの操作が可能
- 高速な関連ファイル検索
ストレージ容量を効率的に増やすコツ
削除すべきアプリの見つけ方
ストレージ使用量の確認
システム設定から確認
- Apple メニュー → このMacについて
- 「詳しい情報」→「ストレージ設定」
- アプリケーションの使用容量を確認
サイズ順でアプリを表示
- Finder → アプリケーション
- 表示 → リスト
- サイズ列をクリックして大きい順に並び替え
不要アプリの判断基準
削除を検討すべきアプリ
- 長期間使用していないアプリ
- 代替アプリに移行したもの
- 試用版や体験版アプリ
- 古いバージョンのアプリ
確認方法
- Launchpad で最後のページにあるアプリ
- アプリケーションフォルダで「最後に開いた日」でソート
- アクティビティモニタで CPU 使用率をチェック
容量の大きいアプリの特徴
注意すべきアプリ種類
クリエイティブアプリ
- Adobe Creative Cloud(数GB〜数十GB)
- Final Cut Pro、Logic Pro
- 3D モデリング・CAD ソフト
ゲームアプリ
- Steam ゲーム
- Mac App Store の大型ゲーム
- エミュレーター
開発環境
- Xcode(10GB以上)
- Android Studio
- 仮想マシンソフト(VMware、Parallels)
部分的な削除の検討
不要なコンポーネントの削除
- 使わない言語パック
- サンプルファイルやテンプレート
- 古いプロジェクトファイル
削除したアプリの復元方法
Mac App Store アプリの復元
購入履歴からの再インストール
手順
- App Store を開く
- 右下のプロフィールアイコンをクリック
- 「購入済み」を選択
- 削除したアプリを探して「インストール」をクリック
注意点
- Apple ID に紐付けられているため無料で再インストール可能
- アプリのデータや設定は削除されている
- 新規インストールと同じ状態
直接ダウンロードしたアプリの復元
再ダウンロード
手順
- 開発者の公式サイトにアクセス
- 最新版をダウンロード
- 通常のインストール手順で再インストール
ライセンスの確認
- 有料アプリの場合はライセンスキーが必要
- 購入証明(レシート、メール)を確認
- アカウント情報でライセンス状況を確認
設定とデータの復元
Time Machine バックアップから復元
アプリの設定復元
- Time Machine を開く
- 削除前の日付に戻る
~/Library/Preferences/
から設定ファイルを復元
注意点
- アプリ本体の再インストールが先に必要
- バージョンが変わっている場合は設定が無効な場合も
- 他のアプリの設定に影響しないよう慎重に実行
まとめ
Macでアプリを削除する方法は、アプリの種類や削除の目的に応じて使い分けるのが重要です。
方法の使い分け
簡単で安全な削除
- Launchpad: Mac App Store アプリの場合
- Finder: 直接ダウンロードしたアプリの場合
徹底的な削除
- 手動でのライブラリ削除: 上級者向け
- AppCleaner: 安全で確実な完全削除
削除時のポイント
安全性の確保
- 重要なデータのバックアップ
- アプリを完全に終了してから削除
- システムアプリは削除しない
効率的な容量削除
- 使用容量の大きいアプリから優先
- 長期間未使用のアプリを特定
- 関連ファイルも含めた完全削除
復元への備え
- Mac App Store アプリは購入履歴で復元可能
- 有料アプリのライセンス情報を保存
- 重要なアプリの設定はバックアップ
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