この記事では、Macの画面分割機能「Split View(スプリットビュー)」の使い方を詳しく解説します。
複数のアプリを同時に表示して作業効率を大幅にアップする方法から、応用テクニックまで分かりやすく説明していきます。
Macの画面分割機能とは
Split View(スプリットビュー)の概要
Split Viewは、macOSに標準搭載されている画面分割機能です。
2つのアプリケーションを画面の左右に並べて同時に表示することで、効率的なマルチタスク作業を実現できます。
画面分割が効果的な場面
学習・研究作業
- 論文執筆中に参考資料を同時表示
- オンライン授業を受けながらノート作成
- 語学学習でテキストと辞書を並列表示
- プログラミング学習でコードと解説の同時確認
ビジネス業務
- 資料作成しながら参考データを確認
- メール返信と予定表の同時チェック
- 会議中にプレゼンテーションとメモアプリを併用
- Webブラウジングしながら内容をまとめ
クリエイティブ作業
- 画像編集中に参考素材を表示
- 動画編集でタイムラインとプレビューを分離
- 音楽制作でDAWと楽譜の同時表示
- デザイン作業で制作物と参考デザインを比較
日常的な作業
- ネットショッピングで商品比較
- SNSチェックしながら他の作業
- 動画視聴しながら作業
- ファイル整理中に内容確認
Split Viewの基本的な使い方
方法1:緑ボタンを使った分割(推奨)
手順1:最初のアプリを分割モードにする
- 分割したいアプリのウィンドウを開く
- ウィンドウ左上の**緑色のボタン(フルスクリーンボタン)**にマウスカーソルを合わせる
- 1秒程度待つとメニューが表示される
- **「ウィンドウを画面の左側に配置」または「右側に配置」**をクリック
手順2:2つ目のアプリを選択
- 画面の片側が最初のアプリで占有される
- もう片側に利用可能なアプリのサムネイルが表示される
- 表示したいアプリをクリックして選択
- Split Viewが開始される
方法2:Mission Controlを使った分割
手順1:Mission Controlを開く
- **Control + ↑**キーを押す
- または4本指で上にスワイプ(トラックパッド)
- またはLaunchpadから「Mission Control」を選択
手順2:アプリを画面上部にドラッグ
- 分割したいアプリのウィンドウを画面上部のスペースにドラッグ
- 新しいフルスクリーンスペースが作成される
手順3:2つ目のアプリを追加
- 別のアプリのウィンドウを同じスペースにドラッグ
- 自動的にSplit Viewが開始される
方法3:ドラッグアンドドロップによる分割
フルスクリーンアプリに他のアプリを追加
- 既にフルスクリーンで動作しているアプリがある状態
- Dockから別のアプリを画面端にドラッグ
- 画面が分割されてSplit Viewになる
分割表示中の詳細操作
画面比率の調整
分割比率の変更
- 画面中央の縦の仕切りバーにマウスカーソルを合わせる
- カーソルが左右矢印に変わることを確認
- 左右にドラッグして画面比率を調整
- 一般的な比率:50:50、60:40、70:30など
比率調整のコツ
- メインで使用するアプリを広く設定
- 参考資料として使うアプリは狭く設定
- 作業内容に応じて動的に調整
キーボードショートカット
Split View中の便利なキーボード操作
- Command + Tab:アプリ間の切り替え
- Command + `:同じアプリ内のウィンドウ切り替え
- Control + ←/→:左右のアプリ間でフォーカス移動
- Command + H:アクティブなアプリを隠す
フォーカスの移動
アクティブアプリの切り替え
- マウスクリックで切り替え
- タブキーまたは矢印キーでの移動
- 各アプリ固有のショートカットキーの使用
Split Viewの終了と復帰
終了方法
方法1:ESCキーを使用
- ESCキーを押すだけで即座に終了
- 最もシンプルで覚えやすい方法
方法2:緑ボタンから終了
- 画面上部にマウスカーソルを移動
- ウィンドウコントロールボタンが表示される
- 緑ボタンをクリックして終了
方法3:Mission Controlから終了
- **Control + ↑**でMission Controlを開く
- Split Viewスペースにマウスを合わせる
- 右上の「×」ボタンをクリック
一時的な解除と復帰
一時的にSplit Viewから離れる
- **Control + ←/→**で他のデスクトップスペースに移動
- **Control + ↓**でアプリケーションExposéを表示
Split Viewに戻る
- 同じキーで元のSplit Viewスペースに戻る
- Mission Controlからスペースをクリック
応用テクニックと活用法
外部ディスプレイとの連携
デュアルディスプレイでのSplit View
- メインディスプレイでSplit Viewを使用
- サブディスプレイで通常のウィンドウ操作
- 3つ以上のアプリを効率的に配置
推奨画面配置
- メインディスプレイ:作業用アプリのSplit View
- サブディスプレイ:参考資料、通信アプリ、監視ツール
アプリの組み合わせ例
文書作成での活用
左側:Pages/Word(文書作成)
右側:Safari(調査・参考資料)
プログラミング作業
左側:Xcode/VS Code(コード編集)
右側:Safari(ドキュメント)/ターミナル(実行結果)
デザイン作業
左側:Photoshop/Sketch(デザイン)
右側:Finder(素材フォルダ)/Safari(参考サイト)
学習・研究
左側:Notes(ノート作成)
右側:Safari(オンライン教材)/PDF Viewer(教科書)
ビジネス業務
左側:Excel(データ分析)
右側:Mail(メール確認)/Calendar(予定管理)
Split Viewの制限と対処法
対応していないアプリ
- 一部のゲームアプリケーション
- 古いバージョンのアプリ
- フルスクリーン専用アプリ
対処方法
- アプリのアップデートを確認
- 代替アプリの使用を検討
- ウィンドウサイズの手動調整で疑似Split View
高度な画面管理テクニック
複数のSplit Viewスペース作成
複数の作業環境を作る
- 最初のSplit Viewスペースを作成
- Mission Controlで新しいデスクトップを追加
- 新しいデスクトップでも別のSplit Viewを作成
- 用途別に複数のSplit View環境を構築
スペース管理のコツ
- 作業内容別にスペースを分ける
- よく使う組み合わせを固定化
- スペース間の移動を習慣化
サードパーティアプリとの併用
ウィンドウ管理アプリの活用
Magnet
- より細かな画面分割が可能
- キーボードショートカットでの瞬時配置
- Split Viewと組み合わせて使用
Rectangle
- オープンソースのウィンドウ管理ツール
- カスタマイズ可能なショートカット
- 豊富な分割パターン
Moom
- マウス操作中心のウィンドウ配置
- ウィンドウサイズの細かな調整
- 配置パターンの保存機能
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:緑ボタンにSplit Vie w選択肢が表示されない
原因と対処法
- macOSバージョンが古い:macOS El Capitan (10.11) 以降が必要
- アプリが対応していない:別のアプリで試す
- システム設定の問題:「システム設定」→「デスクトップとDock」を確認
問題2:Split Viewが突然終了する
原因と対処法
- メモリ不足:不要なアプリを終了
- アプリのクラッシュ:アプリを再起動
- システムの不具合:Macを再起動
問題3:画面分割の比率が固定されない
対処法
- 分割バーを再度調整
- アプリのウィンドウサイズ設定を確認
- サードパーティアプリでの比率固定機能を使用
パフォーマンスの最適化
Split View使用時のパフォーマンス向上
- 不要なアプリを終了:メモリ使用量の削減
- バックグラウンドプロセスの制限:CPUリソースの確保
- ディスク容量の確保:仮想メモリの効率化
推奨システム要件
- RAM:8GB以上(16GB推奨)
- ストレージ:SSD推奨
- CPU:Intel Core i5以上またはApple Silicon
システム設定の最適化
デスクトップとDockの設定
推奨設定項目
- 「システム設定」→「デスクトップとDock」を開く
- 「ウィンドウをアプリケーションアイコンの上にホバーしたときにタブにまとめる」:オフ推奨
- 「Mission Controlで最新の使用状況に基づいてSpaceを自動的に並び替える」:用途に応じて設定
キーボードショートカットのカスタマイズ
効率的なショートカット設定
- 「システム設定」→「キーボード」→「ショートカット」
- **「Mission Control」**セクションで各機能のショートカットを確認
- 使いやすいキーの組み合わせに変更
推奨ショートカット
- Mission Control:Control + ↑(デフォルト)
- アプリケーションExposé:Control + ↓(デフォルト)
- デスクトップを表示:F11または設定
業務効率化のベストプラクティス
作業パターンの標準化
効率的な作業フローの構築
- よく使うアプリの組み合わせを特定
- Split Viewスペースのテンプレート化
- 起動順序とアプリ配置の最適化
時間管理との連携
集中作業時間の設定
- Pomodoro技法とSplit Viewの組み合わせ
- 作業用アプリとタイマーアプリの同時表示
- 進捗管理アプリとの連携
チーム作業での活用
コラボレーション作業
- ビデオ会議アプリと資料作成アプリの同時使用
- チャットアプリと作業アプリの並列表示
- プロジェクト管理ツールとの連携
よくある質問
3つ以上のアプリを同時に分割表示できますか?
Split Viewは2つのアプリ限定ですが、以下の方法で3つ以上の表示が可能です:
- サードパーティアプリ(Magnet、Rectangleなど)を使用
- 複数のSplit Viewスペースを作成して切り替え
- 外部ディスプレイとの組み合わせ
どのMacでSplit Viewは使用できますか?
対応機種:
- MacBook Air:2013年以降
- MacBook Pro:2012年以降
- iMac:2012年以降
- Mac mini:2012年以降
- Mac Pro:2013年以降
- すべてのApple Siliconチップ搭載Mac
iPadのSplit Viewとの違いは?
主な違い:
- 分割数:Mac(2分割)、iPad(最大3分割)
- 操作方法:Mac(マウス中心)、iPad(タッチ中心)
- アプリ対応:Macの方が制限が少ない
- カスタマイズ性:Macの方が柔軟
バッテリーへの影響はありますか?
影響要因:
- CPU使用率:2つのアプリ同時実行により増加
- グラフィック処理:画面描画の負荷増加
- メモリ使用量:より多くのRAMを消費
対策:
- 軽量なアプリの組み合わせを選択
- 不要なバックグラウンドアプリを終了
- 画面輝度の調整
Split Viewの代替手段
ウィンドウの手動配置
手動でのウィンドウ管理
- ウィンドウサイズを手動で調整
- 画面の左右に配置
- オプション+緑ボタンでズーム機能使用
サードパーティ製ウィンドウ管理アプリ
おすすめアプリの比較
アプリ名 | 特徴 | 価格 | 推奨用途 |
---|---|---|---|
Magnet | シンプル・直感的 | 有料 | 初心者向け |
Rectangle | オープンソース | 無料 | カスタマイズ重視 |
Moom | 高機能・詳細設定 | 有料 | 上級者向け |
HyperDock | Dock拡張 | 有料 | Dock活用派 |
まとめ
Macの画面分割機能「Split View」は、作業効率を劇的に向上させる強力なツールです。
重要なポイント
- 基本操作:緑ボタンから簡単に開始
- 調整機能:分割比率は自由に変更可能
- 終了方法:ESCキーで即座に解除
- 応用活用:外部ディスプレイやサードパーティアプリとの組み合わせ
用途別おすすめ組み合わせ
作業内容 | 左側アプリ | 右側アプリ | ポイント |
---|---|---|---|
文書作成 | Pages/Word | Safari/参考資料 | 調査しながら執筆 |
プログラミング | コードエディタ | ブラウザ/ターミナル | 開発と確認を同時 |
デザイン | Photoshop/Sketch | 素材フォルダ/参考サイト | 制作と参照を並列 |
学習 | ノートアプリ | 教材/動画 | インプットとアウトプット |
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