「Macで右クリックしようとしたら何も反応しない…」
WindowsからMacに乗り換えた方や、突然右クリックが使えなくなった方は、こんな経験があるかもしれません。
実はMacでは「右クリック」を「副ボタンのクリック」と呼び、設定によって使えるようになっているんです。設定がオフになっていたり、正しい操作方法を知らないだけで、右クリックができないと感じることも。
この記事では、Macで右クリックができない原因と、マウス・トラックパッド別の解決方法を詳しく説明します。
Macの「右クリック」とは?基本を理解しよう

まず最初に、Macの右クリックについて基本を押さえておきましょう。
Macでは「副ボタンのクリック」と呼ぶ
WindowsやAndroidでは「右クリック」と呼ばれる機能ですが、Macでは「副ボタンのクリック」または「セカンダリクリック」と呼ばれています。
なぜこう呼ばれるかというと、Macのマウスやトラックパッドには物理的なボタンが1つしかないように見えるからです。でも安心してください。設定次第で、Windowsと同じように右クリックメニューを表示できます。
右クリックで何ができる?
右クリックをすると「コンテキストメニュー」が表示されます。これは、選択した項目に関連する便利な操作を素早く実行できるメニューです。
主な使い道:
- ファイルやフォルダのコピー・ペースト
- ファイル名の変更
- ゴミ箱に移動
- 新規フォルダの作成
- 情報を見る(ファイルサイズや作成日時など)
- 圧縮(zipファイルの作成)
- ブラウザで新しいタブでリンクを開く
右クリックが使えないと、これらの操作がとても不便になってしまいます。
右クリックができない主な原因
Macで右クリックができない原因は、いくつか考えられます。
1. 副ボタンのクリック設定がオフになっている
最も多い原因がこれです。
Macの購入時やOSをクリーンインストールした後は、副ボタンのクリック設定がオフになっていることがあります。また、知らない間に設定が変わってしまうこともあるんです。
2. 操作方法を間違えている
設定は正しいのに、操作方法が間違っているパターンもあります。
トラックパッドの場合、設定によって「2本指でタップ」「右下隅をクリック」「左下隅をクリック」など、操作方法が異なります。設定と実際の操作が合っていないと、右クリックは反応しません。
3. マウスやトラックパッドの接続に問題がある
Bluetoothマウスを使っている場合、接続が不安定だと右クリックがうまく動かないことがあります。
バッテリー残量が少ない、ペアリングがうまくいっていない、距離が離れすぎているなど、接続に関する問題も考えられます。
4. システムの一時的なエラー
Macのシステムが一時的におかしくなって、右クリックが効かなくなることもあります。
この場合は、再起動するだけで解決することが多いです。
5. macOSのバージョンが古い
古いバージョンのmacOSを使っていると、マウスやトラックパッドの動作に不具合が生じることがあります。
最新バージョンへのアップデートで解決する可能性が高いです。
6. ハードウェアの故障
上記のどれにも当てはまらない場合、マウスやトラックパッド自体が故障している可能性も考えられます。
特に、Macを落としてしまったり、水がかかったりした後に右クリックができなくなった場合は、物理的な故障を疑いましょう。
【マウス編】右クリックができないときの設定方法
まずは、マウスを使っている方向けの設定方法を説明します。
基本設定:副ボタンのクリックを有効にする
設定手順:
- 画面左上のAppleロゴ(🍎)をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のメニューから「マウス」を選択(下にスクロールする必要がある場合も)
- 「副ボタンのクリック」の横にあるプルダウンメニューをクリック
- 「右側をクリック」を選択
これで、マウスの右側をクリックすると右クリックメニューが表示されるようになります。
左利きの方向けの設定
左利きで、マウスを左手で操作する方は「左側をクリック」を選択することもできます。
この場合、マウスの左側をクリックすると右クリックメニューが表示され、右側をクリックすると通常のクリックになります。
Bluetoothマウスの接続を確認する
マウスの設定を確認しても右クリックができない場合は、接続状態をチェックしましょう。
確認手順:
- 画面左上のAppleロゴ(🍎)をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のメニューから「Bluetooth」を選択
- デバイス一覧からマウスを探す
- 「接続済み」と表示されているか確認
接続されていない場合:
- マウスの電源がオンになっているか確認
- バッテリー残量をチェック(充電または電池交換)
- 一度マウスをリストから削除して、再ペアリングする
有線マウスの場合
USBで接続している有線マウスの場合:
- ケーブルがしっかり差し込まれているか確認
- 別のUSBポートに差し替えてみる
- 別のMacやパソコンで動作するか試してみる(マウス自体の故障を確認)
【トラックパッド編】右クリックができないときの設定方法

MacBookやMagic Trackpadを使っている方向けの設定方法です。
基本設定:副ボタンのクリックを有効にする
設定手順:
- 画面左上のAppleロゴ(🍎)をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のメニューから「トラックパッド」を選択(下にスクロールする必要がある場合も)
- 「ポイントとクリック」タブを開く
- 「副ボタンのクリック」にチェックを入れる
- その下のプルダウンメニューで操作方法を選択
選べる操作方法:
- 2本指でクリックまたはタップ:最も一般的で使いやすい方法
- 右下隅をクリック:トラックパッドの右下をクリックすると右クリック
- 左下隅をクリック:トラックパッドの左下をクリックすると右クリック
おすすめは「2本指でクリック」
初めての方や迷っている方には「2本指でクリックまたはタップ」をおすすめします。
この方法なら、指を2本置いてトラックパッドを軽くタップするだけで右クリックメニューが表示されます。慣れればとても使いやすいですよ。
「タップでクリック」も有効にすると便利
ついでに「タップでクリック」も有効にしておくと、トラックパッドを押し込まなくても、軽くタップするだけでクリックできるようになります。
同じ「トラックパッド」設定画面で「タップでクリック」にチェックを入れるだけです。指への負担が減って、長時間の作業が楽になります。
すぐに試せる代替方法:Controlキー+クリック
設定を変更する前に、今すぐ右クリックしたい!という場合は、この方法が便利です。
Controlキーを押しながらクリック(またはタップ)する
これで、設定に関係なく右クリックメニューが表示されます。Macの伝統的な操作方法で、どんな設定でも使えます。
キーボードの左下にある「control」キーを押しながら、マウスやトラックパッドでクリックしてみてください。
それでも解決しないときの対処法
基本的な設定を確認しても右クリックができない場合は、以下の方法を試してみましょう。
1. Macを再起動する
一時的なシステムエラーが原因の場合、再起動で解決することが多いです。
- 画面左上のAppleロゴ(🍎)をクリック
- 「再起動」を選択
- 再起動後、右クリックができるか確認
2. macOSを最新バージョンにアップデートする
古いバージョンのmacOSを使っていると、マウスやトラックパッドの不具合が起きることがあります。
アップデート手順:
- 画面左上のAppleロゴ(🍎)をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側のメニューから「一般」を選択
- 「ソフトウェアアップデート」をクリック
- アップデートがあればインストール
アップデート前には、必ずTime Machineなどでバックアップを取っておきましょう。
3. SMCリセットを試す(Intel製Macの場合)
Intel製のMacを使っている場合、SMC(システム管理コントローラー)をリセットすることで、ハードウェアに関する問題が解決することがあります。
SMCリセット手順(MacBookの場合):
- Macをシャットダウン
- Shift + Control + Option(左側のキー)を押しながら、電源ボタンも同時に押す
- 4つのキーを7秒間押し続ける
- すべてのキーを離す
- 数秒待ってから電源ボタンを押してMacを起動
注意: M1、M2、M3チップなどAppleシリコン搭載のMacでは、SMCリセットは不要です。再起動がSMCリセットと同等の効果を持ちます。
4. NVRAMリセットを試す
NVRAM(不揮発性RAM)をリセットすることで、設定関連の問題が解決することもあります。
NVRAMリセット手順:
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを押してすぐに、Command + Option + P + R キーを同時に押し続ける
- 起動音が2回鳴るまで(または約20秒間)押し続ける
- キーを離してMacを起動させる
5. セーフモードで起動してみる
セーフモードで起動すると、システムの問題が原因かどうかを判断できます。
セーフモード起動手順(Intel製Mac):
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを押してすぐに、Shiftキーを押し続ける
- Appleロゴが表示されたら、Shiftキーを離す
- セーフモードで右クリックが使えるか確認
セーフモード起動手順(Appleシリコン搭載Mac):
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを押し続ける
- 起動オプションが表示されたら、Shiftキーを押しながら起動ディスクを選択
- 「セーフモードで続ける」をクリック
セーフモードで右クリックが使える場合、通常起動時の何かしらの設定やソフトウェアが問題を引き起こしている可能性があります。
6. マウスやトラックパッドをクリーニングする
物理的な汚れが原因で、ボタンが正しく反応しないこともあります。
柔らかい布で優しく拭いて、ホコリや汚れを取り除いてみましょう。特にマウスのボタン部分やトラックパッドの表面を丁寧に拭いてください。
7. 他のマウスやトラックパッドで試す
他のマウスを接続してみて、それで右クリックが使えるなら、元のマウスに問題がある可能性が高いです。
逆に、他のマウスでも右クリックができない場合は、Mac本体の設定やシステムに問題があると判断できます。
WindowsからMacに乗り換えた方へ
Windowsに慣れている方がMacを使い始めると、右クリックの操作方法に戸惑うことがあります。
Windowsとの違い
Windows:
- マウスに物理的な右ボタンと左ボタンがある
- トラックパッドでも右下をクリックすると右クリック
Mac:
- マウスやトラックパッドは見た目上1ボタン
- 設定で「副ボタンのクリック」を有効にする必要がある
- トラックパッドは2本指でタップする操作が一般的
慣れるまでのコツ
最初は「Controlキー+クリック」を使いながら、徐々に2本指タップに慣れていくのがおすすめです。
2本指タップに慣れると、Windowsよりも快適に感じる方も多いですよ。
よくある質問
Q. Macのマジックマウスにはボタンが1つしかないように見えるけど、右クリックできるの?
A. はい、できます!マジックマウスは見た目は1つのボタンのように見えますが、実は表面の右側と左側を区別して認識できます。「システム設定」→「マウス」で「副ボタンのクリック」を有効にすれば、右側をクリックすることで右クリックメニューが表示されます。
Q. トラックパッドで2本指でタップしているのに右クリックできない
A. 「システム設定」→「トラックパッド」→「ポイントとクリック」で「副ボタンのクリック」の設定を確認してください。「2本指でクリックまたはタップ」が選択されているか確認しましょう。また、「副ボタンのクリック」自体にチェックが入っているかも確認してください。
Q. MacBookのトラックパッドがクリックできなくなった。押し込んでも反応しない
A. トラックパッドの物理的な故障の可能性があります。古いMacBookでは、トラックパッドが反応しなくなることがあるんです。この場合、以下の応急処置を試してみてください:
- 外付けマウスを接続する
- 「タップでクリック」を有効にして、押し込まずにタップだけで操作する
- Appleサポートや修理店に相談する
Q. WindowsのマウスをMacで使える?
A. はい、使えます。USB接続やBluetooth接続の一般的なマウスは、Macでもそのまま使えることが多いです。特別な設定なしで、右ボタンをクリックすれば右クリックメニューが表示されます。
Q. トラックパッドの右下をクリックしても右クリックできない
A. 「副ボタンのクリック」の設定が「右下隅をクリック」になっているか確認してください。設定が「2本指でクリック」になっている場合、右下隅をクリックしても右クリックにはなりません。
Q. キーボードだけで右クリックメニューを表示できる?
A. Controlキーを押しながらトラックパッドやマウスでクリックする方法が一般的ですが、一部のキーボード(Touch IDとテンキー搭載のMagic Keyboard)には「コンテクストメニュー」キー(F13キーの下)があり、これを使ってキーボードだけで右クリックメニューを表示できます。
Q. 右クリックが突然使えなくなった。昨日までは使えていたのに…
A. 一時的なシステムエラーの可能性が高いです。まずは以下を試してみてください:
- Macを再起動する
- 設定を確認する(知らない間に変わってしまうことも)
- マウスやBluetoothの接続を確認する
まとめ
Macで右クリックができない問題は、多くの場合、設定の確認や簡単な操作で解決できます。
ポイントのおさらい:
- Macでは右クリックを「副ボタンのクリック」と呼ぶ
- 「システム設定」でマウスやトラックパッドの設定を確認する
- トラックパッドは「2本指でクリック」が最も使いやすい
- すぐに使いたいときは「Controlキー+クリック」が便利
- 解決しない場合は、再起動・アップデート・SMCリセットを試す
- どうしても解決しない場合は、ハードウェアの故障も考えられる
特にWindowsから乗り換えたばかりの方は、Macの操作方法に慣れるまで時間がかかるかもしれません。でも、一度慣れてしまえば、Macの右クリック(副ボタンのクリック)はとても使いやすいですよ。
上記の方法を試しても右クリックができない場合は、Appleサポートや修理店に相談することをおすすめします。ハードウェアの故障が原因の場合、専門家の診断が必要になります。

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