「パソコンの操作を動画で記録したい」「オンライン授業を保存しておきたい」そんな時、どうしていますか?
実は、Macには「QuickTime Player」という標準アプリに、画面を動画として録画できる機能が最初から備わっています。追加のソフトをインストールする必要は一切ありません。
今回は、MacのQuickTime画面収録機能について、基本的な使い方から便利な活用テクニックまで詳しく解説します。この記事を読めば、誰でも簡単に画面録画ができるようになりますよ!
QuickTime Playerの画面収録とは

標準搭載の無料録画機能
QuickTime Playerは、macOSに最初からインストールされている動画再生・編集アプリです。
動画を観るためのアプリというイメージが強いですが、実は画面を録画する機能も持っているんです。しかも完全無料で、画質も高品質。わざわざ有料ソフトを買う必要がないのは嬉しいポイントですね。
できることとできないこと
QuickTimeの画面収録で何ができるのか、整理しておきましょう。
できること
- 画面全体または一部分の録画
- システム音声の録音
- マイク音声の録音
- 特定のウィンドウだけの録画
- 録画後の簡単な編集(トリミング)
できないこと
- 高度な動画編集(字幕、エフェクトなど)
- ゲーム画面の高フレームレート録画
- Webカメラ映像との同時録画
- 予約録画機能
基本的な画面録画には十分な機能が揃っています。
画面収録の基本的な使い方
QuickTime Playerの起動方法
まずはアプリを開くところから始めましょう。
起動手順
- Finderを開く
- 「アプリケーション」フォルダをクリック
- 「QuickTime Player」を探してダブルクリック
または、Spotlight検索(Command + スペース)で「QuickTime」と入力しても見つかります。
画面収録を開始する手順
アプリを起動したら、録画の準備をしましょう。
収録開始の流れ
- QuickTime Playerのメニューバーから「ファイル」をクリック
- 「新規画面収録」を選択
- 録画コントロールが表示される
- 赤い録画ボタンをクリック
- 画面全体を録画するか、範囲を選択するか選ぶ
これだけで録画の準備が整います。
収録範囲の選択方法
録画ボタンを押した後、2つの選択肢が表示されます。
全画面を収録
- 画面上の任意の場所をクリック
- ディスプレイ全体が録画対象になる
- 複数のディスプレイがある場合は、選択可能
一部を収録
- マウスをドラッグして範囲を選択
- 選ばれた四角い範囲だけが録画される
- 録画中でも選択範囲は固定される
必要な部分だけ録画すれば、ファイルサイズも小さくなりますよ。
音声の設定方法
システム音声を録音する
パソコンから出る音(動画の音声など)を録音したい場合です。
重要な注意点
QuickTimeだけでは、標準機能でシステム音声を直接録音できません。内蔵マイクがシステム音を拾うことはできますが、音質が悪くなります。
システム音声を録音する方法
- BlackHole(無料の仮想オーディオデバイス)をインストール
- Audio Hijackなどのサードパーティ製アプリを使用
- 外部マイクで物理的に録音(音質は下がる)
システム音声が必要な場合は、別途ツールの導入を検討しましょう。
マイク音声の設定
自分の声を録音したい場合の設定です。
マイク設定手順
- 画面収録のコントロールを表示
- 録画ボタンの横にある「▼」をクリック
- 「マイク」の項目を確認
- 使用するマイク(内蔵マイクまたは外部マイク)を選択
解説動画やプレゼン録画には、マイクをオンにしておきましょう。
音量レベルの確認
録画前に音量を確認しておくことが大切です。
確認方法
- マイクを選択した状態で話してみる
- 録画コントロールの音量メーターを見る
- レベルが適切か確認
- 必要に応じてシステム設定で音量を調整
テスト録画をしてから本番に臨むのがおすすめです。
収録を停止して保存する
収録の停止方法
録画を終わらせる方法は2つあります。
方法1:メニューバーから停止
- 画面上部のメニューバーに「停止」ボタンが表示される
- このボタンをクリックすれば収録終了
方法2:Command + Control + Escキー
- キーボードショートカットで停止
- 手早く終了したい時に便利
どちらの方法でも、すぐに録画が止まります。
動画の保存手順
収録を停止すると、QuickTime Playerに動画が表示されます。
保存方法
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「保存」を選択
- ファイル名を入力
- 保存場所を選ぶ(デフォルトは「書類」フォルダ)
- 「保存」ボタンをクリック
保存しないと消えてしまうので、必ず保存しましょう。
ファイル形式とサイズ
QuickTimeで録画した動画は、MOV形式で保存されます。
ファイルサイズの目安
- 1分間の全画面録画:約50〜200MB
- 画質や動きの量によって変動
- 長時間録画は数GBになることも
ストレージ容量に余裕があることを確認してから録画しましょう。
便利な機能と設定
特定のウィンドウだけを録画
macOS Mojave以降では、特定のウィンドウだけを録画できます。
ウィンドウ録画の手順
- 「新規画面収録」を選択
- 録画ボタンをクリック
- 録画したいウィンドウにマウスを移動
- ウィンドウがハイライトされたらクリック
- そのウィンドウだけが録画対象になる
他のウィンドウが映り込まないので、プライバシーも守れますね。
マウスクリックを表示
標準機能では、マウスクリックの視覚効果は表示されません。
クリックを見せたい場合
- macOSの「アクセシビリティ」設定を利用
- システム設定→「アクセシビリティ」→「ディスプレイ」
- 「ポインタ」タブで「カーソルサイズ」を大きくする
- またはサードパーティ製アプリを使用
操作説明の動画では、マウスの動きが分かりやすい方が親切です。
タイマー機能の活用
QuickTime自体にタイマー機能はありませんが、工夫次第で実現できます。
自動開始の方法
- Automatorでスクリプトを作成
- cronやlaunchdを使って予約実行
- サードパーティ製の画面収録アプリを検討
高度な使い方になるので、必要に応じて調べてみてください。
録画後の簡単な編集
不要な部分をカットする
QuickTime Playerには、基本的なトリミング機能があります。
トリミング手順
- 録画した動画をQuickTime Playerで開く
- 「編集」メニューから「トリム」を選択
- タイムライン上で開始点と終了点を調整
- 黄色い範囲が残る部分
- 「トリム」ボタンをクリック
- 必ず「保存」を実行
開始と終了の余分な部分を切り取れます。
動画の分割と結合
1本の動画を2つに分けたり、複数の動画を1つにまとめたりできます。
分割方法
- 分割したい位置で再生を止める
- 「編集」→「クリップを分割」を選択
- 2つの部分に分かれる
結合方法
残念ながら、QuickTimeには結合機能がありません。iMovieなどの別のアプリを使う必要があります。
動画の書き出しと共有
編集が終わったら、適切な形式で書き出しましょう。
書き出しオプション
- 「ファイル」→「書き出す」を選択
- 解像度を選択(480p、720p、1080p、4K)
- 用途に応じて選ぶ(YouTubeなら1080p推奨)
高解像度ほどファイルサイズが大きくなります。
実際の活用シーン

オンライン授業の録画
Zoomなどのオンライン授業を保存しておくと、復習に役立ちます。
録画時の注意点
- 許可を得てから録画する(著作権・肖像権)
- 音声設定を事前に確認
- ストレージ容量を確認しておく
- 長時間になる場合は途中で分割も検討
個人的な学習目的であっても、マナーは守りましょう。
ソフトウェアの操作説明
同僚や友人に操作方法を教える時に便利です。
説明動画のコツ
- ウィンドウ録画を使って余計な情報を隠す
- マイクで音声解説を加える
- ゆっくり操作して見やすくする
- 重要な部分は事前に練習しておく
画面を見せながら説明すると、相手も理解しやすいですね。
ゲームプレイの記録
カジュアルなゲームなら、QuickTimeでも録画できます。
ゲーム録画の限界
- 高フレームレート(60fps以上)は難しい
- 3Dゲームは動作が重くなる可能性
- 本格的なゲーム実況には専用ソフトが必要
簡単なゲームやパズルゲームなら問題なく録画できますよ。
プレゼンテーション練習
発表前に自分のプレゼンを録画して、客観的にチェックできます。
練習録画のメリット
- 話し方や間の取り方を確認できる
- スライドの切り替えタイミングを見直せる
- 時間配分を調整できる
- 不要な口癖に気づける
本番前の練習に最適です。
トラブルシューティング
録画ボタンが押せない・グレーアウトしている
権限設定に問題がある可能性があります。
対処法
- システム設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「画面収録」を選択
- QuickTime Playerにチェックが入っているか確認
- 入っていなければチェックを入れる
- QuickTime Playerを再起動
macOS Catalina以降では、この設定が必須です。
音声が録音されない
いくつかの原因が考えられます。
確認ポイント
- マイクが選択されているか確認
- システム設定でマイクの権限を確認
- 音量レベルが適切か確認
- 外部マイクの接続を確認
- 他のアプリがマイクを使用していないか確認
一つずつチェックしていきましょう。
録画ファイルが大きすぎる
長時間録画や高解像度録画は、ファイルが巨大になります。
ファイルサイズを減らす方法
- 録画範囲を狭くする(一部分だけを録画)
- 解像度を下げて書き出す
- HandBrakeなどで圧縮する
- 不要な部分をトリミングする
必要な部分だけを残すのが基本です。
動作が重い・カクカクする
録画中にMacの動作が遅くなることがあります。
対処法
- 他のアプリを終了する
- ストレージ容量を確保する
- 再起動してから録画する
- フレームレートの低い録画を検討
特にメモリ不足が原因のことが多いですよ。
よくある質問
Q1: 録画時間に制限はある?
A: QuickTime自体には時間制限はありません。
ただし、以下の制約があります:
- ストレージ容量が上限
- バッテリー残量(ノートの場合)
- システムリソース(メモリ不足で停止することも)
長時間録画する場合は、電源接続と十分なストレージを確保しましょう。
Q2: 著作権的に問題はない?
A: 使い方次第です。
問題ない使い方
- 自分の操作を記録する
- 許可を得てオンライン授業を録画
- 個人的な学習・練習目的
避けるべき使い方
- 有料動画コンテンツの無断録画
- 他人のプライバシーを侵害する録画
- 商用利用(許可なし)
常識的な範囲で使用しましょう。
Q3: Webカメラと画面を同時に録画できる?
A: QuickTimeだけでは難しいです。
代替方法
- Zoom等のビデオ会議アプリの録画機能
- OBS Studioなどの配信ソフト
- iMovieで後から合成
同時録画が必要なら、別のソフトを検討してください。
Q4: YouTube用の動画は作れる?
A: 基本的な録画なら可能です。
ただし、以下の機能はQuickTimeにありません:
- 字幕・テロップの挿入
- BGM・効果音の追加
- 複数動画の編集
- サムネイル作成
本格的なYouTube動画を作るなら、iMovieやFinal Cut Proを使いましょう。
より高度な録画を目指すなら
ScreenFlowやCamtasiaの検討
本格的な画面収録には、専用ソフトがおすすめです。
有料ソフトのメリット
- 高フレームレート録画
- 編集機能が充実
- Webカメラとの同時録画
- マウスクリックのハイライト表示
- 直接YouTube等へアップロード
用途に応じて投資を検討する価値があります。
OBS Studioの活用
無料で高機能な配信・録画ソフトです。
OBS Studioの特徴
- 完全無料
- 複数ソースの同時録画可能
- プラグインで機能拡張
- ゲーム配信にも対応
使いこなすには少し学習が必要ですが、強力なツールです。
macOS標準のスクリーンショットアプリ
macOS Mojave以降、新しい画面収録機能が追加されました。
起動方法
- Command + Shift + 5キーを押す
- 画面収録のオプションが表示される
- QuickTimeより手軽に使える
短時間の録画なら、こちらも便利ですよ。
まとめ:QuickTimeで手軽に画面録画を始めよう
MacのQuickTime Playerは、画面録画の入門に最適なツールです。
今回のポイントをおさらい
- QuickTimeはmacOS標準の無料アプリ
- 画面全体または一部分を録画可能
- マイク音声の録音に対応
- 簡単なトリミング編集もできる
- システム音声の録音には別ツールが必要
- 権限設定を忘れずに確認
まずはQuickTimeの基本機能を使ってみましょう。
操作はとてもシンプルなので、数回使えばすぐに慣れます。オンライン授業の復習、操作説明の作成、プレゼンの練習など、様々な場面で活用できますよ。
もっと高度な機能が必要になったら、専用ソフトへのステップアップを考えればOK。まずはQuickTimeで画面録画の便利さを体験してみてください!

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