MacでPDF分割する完全ガイド|無料から有料まで8つの方法を詳しく解説

Mac

「MacでPDFファイルを分割したいけど、どうすればいいの?」「大きなPDFファイルを複数に分けたい」「特定のページだけを抜き出したい」

そんなお悩みをお持ちのMacユーザーの方は多いのではないでしょうか?

実は、MacではPDFの分割作業がとても簡単にできるんです。macOSに標準で搭載されている機能から、専用アプリまで、様々な方法があります。無料でできる方法もたくさんあるので、わざわざ高いソフトを買う必要もありません。

この記事では、MacでPDFを分割する8つの方法を初心者にもわかりやすく解説していきます。あなたの用途に最適な分割方法が見つかるはずです。

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PDF分割の基本知識

PDF分割とは

PDF分割とは、一つの大きなPDFファイルを複数の小さなPDFファイルに分けることです。この作業により、必要な部分だけを取り出したり、ファイルサイズを小さくしたりできます。

分割の種類:

  • ページ単位の分割:1ページずつ個別ファイルに
  • 範囲指定分割:特定のページ範囲を一つのファイルに
  • 等分割:指定した数に均等に分割
  • 容量基準分割:ファイルサイズを基準に分割

分割が必要になる場面

ビジネスシーン:

  • 大きな資料から必要な部分だけを抜き出し
  • メール送信時のファイルサイズ制限対応
  • 会議資料の配布用に分割
  • 契約書の各条項を個別管理

プライベート:

  • スキャンした書類の整理
  • 写真アルバムの分割
  • レシピ集から特定料理の抜き出し
  • 学習資料の章別分割

Macでの分割作業の特徴

Macの利点:

  • 標準機能でのPDF操作が充実
  • 直感的な操作性
  • 高品質な処理結果
  • セキュリティ面での安心感

注意点:

  • Windows専用ソフトは使用不可
  • 一部の高度な機能は有料ソフトが必要
  • 大容量ファイルの処理に時間がかかる場合がある

この章ではPDF分割の基本を理解しました。次に、Macの標準機能を使った分割方法から見ていきましょう。

Macの標準機能「プレビュー」を使った分割

プレビューアプリの基本操作

Macには「プレビュー」という強力なPDF編集アプリが標準搭載されています。これを使えば、追加ソフトなしでPDF分割が可能です。

プレビューでPDFを開く:

  1. 分割したいPDFファイルをダブルクリック
  2. または、右クリック→「このアプリケーションで開く」→「プレビュー」
  3. PDFがプレビューアプリで開かれる

サムネイル表示での分割作業

サムネイル表示の有効化:

  1. プレビューでPDFを開く
  2. メニューバー「表示」→「サムネイル」をクリック
  3. 左側にページのサムネイルが表示される

個別ページの抽出:

  1. 抽出したいページのサムネイルを選択
  2. そのページを右クリック
  3. 「選択したページを書き出す」を選択
  4. 保存場所とファイル名を指定して保存

複数ページの一括抽出:

  1. Commandキーを押しながら複数のサムネイルをクリック
  2. 選択したページが青くハイライトされる
  3. 右クリック→「選択したページを書き出す」
  4. 一つのPDFファイルとして保存される

ドラッグ&ドロップでの分割

デスクトップへの直接分割:

  1. プレビューでPDFを開き、サムネイル表示にする
  2. 分割したいページのサムネイルを選択
  3. そのままデスクトップまでドラッグ
  4. 自動的に個別PDFファイルとして保存される

フォルダへの整理分割:

  1. 事前に分割用フォルダを作成
  2. サムネイルから必要なページを選択
  3. 作成したフォルダにドラッグ&ドロップ
  4. ページごとに個別ファイルが作成される

プレビューでの範囲指定分割

連続するページの分割:

  1. 開始ページのサムネイルをクリック
  2. Shiftキーを押しながら終了ページをクリック
  3. 指定範囲がすべて選択される
  4. 右クリック→「選択したページを書き出す」

飛び飛びのページ選択:

  1. Commandキーを押しながら必要なページを個別にクリック
  2. 選択したいページをすべて選択
  3. 書き出し操作を実行

プレビューの制限事項

できないこと:

  • ファイルサイズ基準の自動分割
  • 複雑な条件での自動分割
  • バッチ処理(複数ファイルの一括処理)
  • パスワード付きPDFの分割

対処法: これらの高度な機能が必要な場合は、後述する専用アプリの使用を検討しましょう。

この章では標準機能での分割を説明しました。次に、さらに高機能なオンラインツールをご紹介します。

オンラインツールでの分割方法

iLovePDF(無料)

ブラウザ上で動作する人気のPDF分割ツールです。

使用手順:

  1. ilovepdf.com にアクセス
  2. 「PDF分割」ツールを選択
  3. 「PDFファイルを選択」ボタンをクリック
  4. 分割したいPDFをアップロード
  5. 分割方法を選択:
    • 固定範囲で分割
    • ページを抽出
    • すべてのページを分割
  6. 「PDF分割」ボタンをクリック
  7. 完了後、分割されたファイルをダウンロード

特徴:

  • 日本語対応
  • 直感的な操作画面
  • 複数の分割オプション
  • 基本機能は完全無料

SmallPDF(一部無料)

スイス製の高品質PDF処理サービスです。

分割手順:

  1. smallpdf.com にアクセス
  2. 「PDF分割」を選択
  3. ファイルをドラッグ&ドロップまたは選択
  4. 分割オプションを選択:
    • 特定のページを抽出
    • 各ページを個別ファイルに分割
    • カスタム範囲で分割
  5. プレビューで確認
  6. 「分割」を実行

制限事項:

  • 無料版:1日2回まで
  • ファイルサイズ制限:5GBまで
  • 有料版で制限解除

PDF24(完全無料)

ドイツ製の完全無料PDF処理サービスです。

利用方法:

  1. tools.pdf24.org にアクセス
  2. 「PDFを分割」を選択
  3. PDFファイルをアップロード
  4. 分割方法を選択:
    • 個々のページに分割
    • 間隔を指定して分割
    • ページ範囲を指定
  5. 設定を確認して「分割開始」
  6. ZIPファイルでダウンロード

メリット:

  • 完全無料(登録不要)
  • 安全性重視の設計
  • 多言語対応
  • 豊富な分割オプション

Sejda PDF(基本無料)

特徴的な機能:

  • ページサイズ基準での分割
  • 文書のしおり基準での分割
  • 空白ページの自動削除
  • 詳細な分割プレビュー

使用上の注意:

  • 無料版:1時間に3タスクまで
  • ファイルサイズ制限:200MBまで
  • より高度な機能は有料版が必要

オンラインツール使用時の注意点

セキュリティ面:

  • 機密文書は避ける
  • 処理後にサーバーから削除されるかを確認
  • HTTPS接続を使用しているサイトを選ぶ

効率面:

  • インターネット速度に依存
  • 大容量ファイルはアップロードに時間がかかる
  • 複数ファイルの処理には不向き

推奨する使い分け:

  • 機密性の低い文書:オンラインツール
  • 重要な文書:ローカルアプリ
  • 大容量・大量処理:専用ソフト

この章ではオンラインツールを紹介しました。次に、Mac用の専用アプリについて詳しく解説します。

Mac用PDF分割専用アプリ

PDF Squeezer 4

主な機能:

  • 高速なPDF分割処理
  • 複数の分割方法に対応
  • バッチ処理機能
  • 圧縮機能も搭載

価格:

  • App Store:1,840円
  • 7日間の無料試用版あり

分割手順:

  1. アプリを起動
  2. PDFファイルをドラッグ&ドロップ
  3. 「Split」タブを選択
  4. 分割方法を指定:
    • ページ数で分割
    • ファイルサイズで分割
    • カスタム範囲で分割
  5. 出力先フォルダを選択
  6. 「Process」ボタンで実行

PDF Protector

特徴:

  • セキュリティ機能が充実
  • パスワード付きPDFの処理に対応
  • 詳細な分割オプション
  • 暗号化機能も搭載

価格:

  • Mac App Store:980円
  • 無料体験版あり(透かし入り)

分割機能:

  • 奇数・偶数ページの分割
  • しおり基準の自動分割
  • 空白ページの自動除去
  • カスタムルールでの分割

PDF Split and Merge

オープンソースの無料アプリ:

  • 完全無料で利用可能
  • Java製のクロスプラットフォーム対応
  • 豊富な分割オプション
  • コマンドライン版も利用可能

ダウンロード方法:

  1. pdfsam.org にアクセス
  2. 「Download PDFsam Basic」をクリック
  3. macOS版をダウンロード
  4. インストールして使用開始

操作手順:

  1. 「Split」モジュールを選択
  2. PDFファイルを追加
  3. 分割方法を選択
  4. 出力フォルダを指定
  5. 「Run」で実行

Coherent PDF Command Line Tools

上級者向けのコマンドラインツール:

インストール方法(Homebrew使用):

brew install coherent-pdf

基本的な分割コマンド:

# 1ページずつ分割
cpdf -split input.pdf -o split-page%%%.pdf

# 指定ページ範囲を抽出
cpdf input.pdf 5-10 -o pages5-10.pdf

# 偶数ページのみ抽出
cpdf input.pdf even -o even-pages.pdf

メリット:

  • 高速処理
  • スクリプトでの自動化が可能
  • メモリ効率が良い
  • バッチ処理に最適

アプリ選択のポイント

初心者向け:

  • PDF Squeezer 4(直感的な操作)
  • プレビュー(標準機能で十分)

高機能重視:

  • PDF Protector(セキュリティ機能付き)
  • Coherent PDF(コマンドライン)

コスト重視:

  • PDF Split and Merge(完全無料)
  • プレビュー(追加費用なし)

処理速度重視:

  • Coherent PDF(最高速)
  • PDF Squeezer 4(バランス良し)

この章では専用アプリを紹介しました。次に、コマンドラインツールの詳しい使い方を解説します。

コマンドラインツールでの高速分割

Homebrewのセットアップ

コマンドラインツールを使用するには、まずHomebrewをインストールしましょう。

Homebrewのインストール:

  1. ターミナルアプリを開く
  2. 以下のコマンドを実行:
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
  1. インストール完了を待つ

poppler-utilsの使用

インストール:

brew install poppler

基本的な分割コマンド:

1ページずつ分割:

pdfseparate input.pdf output_page_%d.pdf

特定範囲のページを抽出:

pdfseparate -f 5 -l 10 input.pdf output_page_%d.pdf

(5ページから10ページまでを抽出)

ページ情報の確認:

pdfinfo input.pdf

qpdfを使った高度な分割

インストール:

brew install qpdf

分割コマンドの例:

ページ範囲指定:

qpdf input.pdf --pages input.pdf 1-5 -- output.pdf

複数の範囲を組み合わせ:

qpdf input.pdf --pages input.pdf 1-3,7-9,15-20 -- output.pdf

奇数ページのみ抽出:

qpdf input.pdf --pages input.pdf 1,3,5,7,9 -- odd_pages.pdf

Pythonスクリプトでの自動化

PyPDF2ライブラリのインストール:

pip3 install PyPDF2

分割スクリプトの例:

#!/usr/bin/env python3
import PyPDF2
import sys
import os

def split_pdf(input_path, output_dir):
    # PDFファイルを開く
    with open(input_path, 'rb') as file:
        pdf_reader = PyPDF2.PdfReader(file)
        
        # 各ページを個別ファイルとして保存
        for page_num in range(len(pdf_reader.pages)):
            pdf_writer = PyPDF2.PdfWriter()
            pdf_writer.add_page(pdf_reader.pages[page_num])
            
            # 出力ファイル名を生成
            output_filename = f"page_{page_num + 1:03d}.pdf"
            output_path = os.path.join(output_dir, output_filename)
            
            # ファイルに書き出し
            with open(output_path, 'wb') as output_file:
                pdf_writer.write(output_file)
            
            print(f"保存完了: {output_filename}")

# 使用例
if __name__ == "__main__":
    if len(sys.argv) != 3:
        print("使用法: python3 split_pdf.py <入力PDF> <出力ディレクトリ>")
        sys.exit(1)
    
    input_pdf = sys.argv[1]
    output_directory = sys.argv[2]
    
    # 出力ディレクトリを作成
    os.makedirs(output_directory, exist_ok=True)
    
    split_pdf(input_pdf, output_directory)

スクリプトの実行方法:

python3 split_pdf.py input.pdf output_folder/

バッチ処理スクリプト

複数のPDFファイルを一括処理するシェルスクリプト:

#!/bin/bash

# 分割用ディレクトリを作成
mkdir -p split_results

# カレントディレクトリの全PDFファイルを処理
for pdf_file in *.pdf; do
    if [[ -f "$pdf_file" ]]; then
        echo "処理中: $pdf_file"
        
        # ファイル名から拡張子を除去
        basename=$(basename "$pdf_file" .pdf)
        
        # 分割実行
        pdfseparate "$pdf_file" "split_results/${basename}_page_%d.pdf"
        
        echo "完了: $pdf_file"
    fi
done

echo "すべての処理が完了しました"

実行権限の付与と実行:

chmod +x batch_split.sh
./batch_split.sh

コマンドラインツールの利点

処理速度:

  • GUI版より高速
  • 大容量ファイルでも安定動作
  • システムリソースを効率的に使用

自動化:

  • スクリプトでの繰り返し処理
  • 定時実行の設定が可能
  • 条件分岐での柔軟な処理

カスタマイズ:

  • 細かい条件指定が可能
  • 複雑な処理ルールの実装
  • 他のツールとの連携

この章ではコマンドラインでの分割を説明しました。次に、分割作業での効率化テクニックをご紹介します。

分割作業の効率化テクニック

ファイル名の規則化

分割後のファイル管理を楽にするために、統一した命名規則を作りましょう。

推奨命名パターン:

元ファイル名_ページ番号_日付.pdf
例:契約書_001_20240107.pdf
    契約書_002_20240107.pdf
    報告書_第1章_20240107.pdf

自動化スクリプトでの命名:

# 連番付きで分割
for i in {1..10}; do
    echo "page_$(printf "%03d" $i).pdf"
done

フォルダ構成の最適化

効率的なフォルダ構成例:

PDF_作業/
├── 01_元ファイル/
├── 02_分割中/
├── 03_分割完了/
│   ├── プロジェクトA/
│   ├── プロジェクトB/
│   └── 個人用/
└── 04_アーカイブ/

プロジェクト別管理:

プロジェクト名/
├── 資料_元版/
├── 資料_分割版/
│   ├── 第1章/
│   ├── 第2章/
│   └── 参考資料/
└── 作業ログ.txt

Automatorでの自動化

MacのAutomatorを使用して、分割作業を自動化できます。

Automatorワークフロー作成手順:

  1. Automatorアプリを起動
  2. 「ワークフロー」を選択
  3. アクションを追加:
    • 「PDFページを抽出」
    • 「Finderアイテムを移動」
  4. 設定を調整して保存

定期実行の設定:

  1. カレンダーアプリで定期イベントを作成
  2. Automatorワークフローを添付
  3. 指定時刻に自動実行

バックアップ戦略

分割前の必須バックアップ:

# Time Machineでの自動バックアップ確認
tmutil status

# 手動コピーでのバックアップ
cp -r "重要PDF/" "重要PDF_backup_$(date +%Y%m%d)/"

クラウドストレージの活用:

  • iCloud Drive:Mac間での同期
  • Google Drive:Googleアカウントでの管理
  • Dropbox:バージョン履歴の保持

品質管理チェックリスト

分割後の確認項目:

  1. ファイル数の確認 # 分割前のページ数確認 pdfinfo input.pdf | grep Pages # 分割後のファイル数確認 ls -1 *.pdf | wc -l
  2. ファイルサイズの確認 # 合計サイズの比較 du -sh original.pdf du -sh split_files/
  3. 内容の目視確認
    • 各ファイルが正しく開けるか
    • 内容に欠損がないか
    • 画質に問題がないか

メタデータの管理

PDFメタデータの確認:

# ファイル情報の表示
mdls filename.pdf

# PDFの詳細情報
pdfinfo filename.pdf

メタデータの一括編集:

# タイトルの一括設定
for file in *.pdf; do
    exiftool -Title="分割版_$file" "$file"
done

処理ログの記録

作業履歴の記録例:

#!/bin/bash

LOG_FILE="pdf_split_log.txt"

log_action() {
    echo "$(date '+%Y-%m-%d %H:%M:%S') - $1" >> "$LOG_FILE"
}

# 処理開始ログ
log_action "開始: $1 の分割処理"

# 分割処理
pdfseparate "$1" "output_%d.pdf"

# 完了ログ
log_action "完了: $1 の分割処理"

エラーハンドリング

よくあるエラーと対処法:

権限エラー:

# ファイル権限の確認
ls -la filename.pdf

# 権限の変更
chmod 644 filename.pdf

メモリ不足エラー:

# メモリ使用量の確認
top -l 1 | grep "PhysMem"

# 不要なアプリケーションを終了
killall "不要なアプリ名"

ディスク容量不足:

# ディスク容量の確認
df -h

# 不要ファイルの削除
rm -rf ~/.Trash/*

この章では効率化テクニックを説明しました。次に、よくあるトラブルと解決方法をご紹介します。

トラブルシューティング

分割できない・エラーが発生する場合

症状:分割処理が途中で停止する

原因と対処法:

  1. PDFファイルの破損 # ファイルの整合性チェック qpdf --check input.pdf 修復方法: # qpdfでの修復 qpdf --qdf input.pdf repaired.pdf
  2. パスワード保護PDFの処理確認方法:# 保護設定の確認 pdfinfo input.pdf対処法:
    • パスワードを入手してから分割
    • Adobe Acrobatなどの有料ソフトを使用
  3. ファイルサイズが大きすぎる確認:# ファイルサイズの確認 du -h input.pdf対処法:
    • 事前に圧縮してから分割
    • コマンドラインツールの使用
    • メモリを増やす

分割後の品質劣化

症状:画像が荒くなる、文字がぼやける

原因:

  • 不適切な圧縮設定
  • 解像度の低下
  • 色空間の変換問題

品質保持の方法:

  1. プレビューでの高品質保存
    • 書き出し時に「品質」を最高に設定
    • 「フィルタ」で「Quartz Filter」を「品質を下げずに縮小」に設定
  2. コマンドラインでの無劣化分割 # qpdfでの無劣化分割 qpdf --empty --pages input.pdf 1-5 -- output.pdf
  3. Adobe Acrobatでの分割
    • 「プリフライト」で品質をチェック
    • 「最適化」機能で品質を維持

ファイル名・文字化けの問題

症状:日本語ファイル名が正しく表示されない

対処法:

  1. 文字エンコードの設定 # システムのロケール確認 locale # UTF-8の設定 export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
  2. 安全なファイル名の使用 # 日本語ファイル名をASCIIに変換 convmv -f utf8 -t ascii --notest --replace *.pdf
  3. スペースや特殊文字の回避 良い例:contract_2024_01_07.pdf 悪い例:契約書(2024年1月7日).pdf

メモリ不足・処理が重い場合

症状:分割処理中にアプリが停止する

解決策:

  1. アクティビティモニターでのチェック
    • メモリ使用量の確認
    • 不要なプロセスの終了
  2. 分割方法の変更 # 小分けして処理 pdfseparate -f 1 -l 10 large.pdf part1_%d.pdf pdfseparate -f 11 -l 20 large.pdf part2_%d.pdf
  3. システム設定の最適化
    • 仮想メモリの設定確認
    • ディスクの空き容量確保

権限・セキュリティエラー

症状:「書き込み権限がありません」エラー

対処法:

  1. ファイル権限の確認と変更 # 権限確認 ls -la filename.pdf # 読み書き権限の付与 chmod 644 filename.pdf
  2. 保存先フォルダの権限 # フォルダ権限の確認 ls -ld output_folder/ # 書き込み権限の付与 chmod 755 output_folder/
  3. 管理者権限での実行 # sudoでの実行(慎重に使用) sudo pdfseparate input.pdf output_%d.pdf

互換性の問題

症状:他のデバイスで正しく表示されない

対処法:

  1. PDF/A形式での保存
    • 長期保存に適した形式
    • 互換性が高い
    • プレビューの書き出しオプションで選択可能
  2. フォントの埋め込み確認 # フォント情報の確認 pdffonts filename.pdf
  3. PDF バージョンの統一 # PDF バージョンの確認 qpdf --show-data input.pdf | grep version

この章ではトラブル対処を説明しました。最後に今回の内容をまとめます。

まとめ

MacでのPDF分割は、用途や技術レベルに応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

分割方法の使い分け:

  • 初心者・簡単作業:プレビューアプリ(無料・標準機能)
  • オンライン作業:iLovePDF、SmallPDF(ブラウザで完結)
  • 高機能・有料:PDF Squeezer 4、PDF Protector(App Store)
  • 大量処理・自動化:コマンドラインツール(poppler、qpdf)

各方法の特徴:

方法難易度費用機能適用場面
プレビュー★☆☆無料基本日常使用
オンラインツール★☆☆一部無料中程度外出先作業
専用アプリ★★☆有料高機能ビジネス用途
コマンドライン★★★無料最高自動化・大量処理

効率的な作業のポイント:

  1. 作業前の必ずバックアップ作成
  2. 統一されたファイル名規則の採用
  3. フォルダ構成の事前設計
  4. 品質チェックの習慣化
  5. エラー対処法の事前学習

トラブル予防策:

  • ファイルの事前チェック(破損、保護設定)
  • 適切な保存先とファイル名の設定
  • システムリソースの確認
  • 定期的なバックアップ

今後のステップ:

  1. プレビューアプリで基本操作をマスター
  2. オンラインツールで便利さを体験
  3. 必要に応じて有料アプリの導入を検討
  4. 大量処理が必要になったらコマンドラインに挑戦

MacでのPDF分割は、最初は簡単な方法から始めて、徐々に高度な機能を覚えていくのがおすすめです。あなたの作業スタイルに合った方法を見つけて、効率的なPDF管理を実現してくださいね。

快適なMac PDF作業をお楽しみください!

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