「MacでOneDriveを完全に停止したいけど、どうすればいいの?」「同期解除したら、ファイルはどうなるの?」「OneDriveアプリを削除しても、また勝手に同期が始まる…」
MacユーザーがOneDriveの同期を解除したいと思う理由は様々です。ストレージ容量の節約、プライバシーの保護、システムパフォーマンスの向上、または単純に使わないサービスを整理したいなど、それぞれに事情があるでしょう。
しかし、macOSとOneDriveの統合は年々深くなっており、単純にアプリを削除するだけでは完全に同期を停止できない場合があります。また、同期解除の方法を間違えると、大切なファイルを失ってしまう危険性もあります。
この記事では、MacでOneDriveの同期を安全かつ確実に解除する方法を、段階別に詳しく解説します。一時的な停止から完全な削除まで、あなたの状況に最適な方法が必ず見つかるはずです。
OneDrive同期解除の基本知識

まず、Mac上でOneDriveがどのように動作しているかを理解しましょう。
MacでのOneDrive統合の仕組み
Finder統合 macOS CatalinaからOneDriveは、Finderのサイドバーに自動的に表示されるようになりました。これにより、ローカルフォルダと同じような感覚でクラウドファイルにアクセスできます。
ファイルオンデマンド機能 すべてのファイルをローカルにダウンロードせず、必要な時だけダウンロードする機能です。Finderでは雲のアイコンで表示され、クリックすると実際にダウンロードされます。
バックグラウンド同期 OneDriveアプリは、macOSのバックグラウンドで常時動作し、ファイルの変更を監視して自動的に同期を行います。
同期解除の影響範囲
ローカルファイルへの影響
- 完全同期されたファイル:ローカルに残存
- オンデマンドファイル:アクセス不可になる可能性
- 未同期の変更:失われる危険性
他デバイスへの影響
- 共有ファイルの編集権限
- 他のMacやPCでの同期状況
- モバイルアプリでのアクセス
Microsoft 365連携への影響 Office アプリケーションとの連携機能や、自動保存機能が使用できなくなります。
一時的な同期停止方法
完全に解除する前に、一時的な停止から試してみましょう。
OneDriveアプリでの一時停止
メニューバーからの操作
- 画面上部のメニューバーにあるOneDriveアイコン(雲マーク)をクリック
- 右上の設定アイコン(歯車マーク)をクリック
- 「同期を一時停止」を選択
- 停止期間を選択(2時間、8時間、24時間)
この方法では、指定した時間が経過すると自動的に同期が再開されます。
アプリケーション設定からの操作
- OneDriveアイコンをクリック
- 「環境設定」または「設定」を選択
- 「アカウント」タブをクリック
- 「このMacのリンクを解除」をクリック
この方法では、より長期間の同期停止が可能です。
Finderでの表示制御
サイドバーからの削除
- Finderを開く
- 「環境設定」(⌘ + ,)を選択
- 「サイドバー」タブをクリック
- 「OneDrive – 個人用」または「OneDrive – [組織名]」のチェックを外す
この設定により、Finderのサイドバーからは見えなくなりますが、同期自体は継続されます。
システム環境設定での制御
ログイン項目から削除
- Appleメニュー →「システム環境設定」
- 「ユーザとグループ」をクリック
- 「ログイン項目」タブを選択
- 「Microsoft OneDrive」を見つけて選択
- 「-」ボタンをクリックして削除
この操作により、Mac起動時にOneDriveが自動で開始されなくなります。
アカウントのリンク解除
より確実な同期停止方法として、アカウント連携を解除しましょう。
OneDriveアプリでのリンク解除
完全なアカウント解除
- メニューバーのOneDriveアイコンをクリック
- 設定アイコン →「環境設定」を選択
- 「アカウント」タブをクリック
- 「このMacのリンクを解除」をクリック
- 確認ダイアログで「アカウントのリンクを解除」をクリック
リンク解除後の状態
- OneDriveフォルダは残存するが、同期は停止
- 新しいファイル変更はクラウドに反映されない
- 既存のローカルファイルはそのまま保持
複数アカウントの管理
個人用と職場アカウントの分離 多くのユーザーが個人用と職場用の両方のOneDriveアカウントを使用しています。
個別解除の手順
- OneDrive設定で「アカウント」タブを確認
- 解除したいアカウントを選択
- 「このアカウントのリンクを解除」をクリック
- 残したいアカウントはそのまま維持
Microsoft アカウント連携の解除
システムレベルでの解除
- Appleメニュー →「システム環境設定」
- 「インターネットアカウント」をクリック
- Microsoft アカウントを選択
- 「-」ボタンで削除
この操作により、Mail、カレンダー、連絡先なども含めて、Microsoft サービス全体の連携が解除されます。
OneDriveアプリの完全削除
アプリケーション自体を削除する方法です。
標準的な削除方法
アプリケーションフォルダから削除
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 「Microsoft OneDrive」アプリを見つける
- アプリをゴミ箱にドラッグ
- ゴミ箱を空にする
ただし、この方法だけでは関連ファイルが残る場合があります。
関連ファイルの完全削除
ライブラリフォルダの清掃 OneDriveは、様々な場所に設定ファイルやキャッシュを保存しています。
削除すべきフォルダとファイル
~/Library/Application Support/OneDrive/
~/Library/Caches/com.microsoft.OneDrive/
~/Library/Preferences/com.microsoft.OneDrive.plist
~/Library/Cookies/com.microsoft.OneDrive.binarycookies
~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.OneDriveStandaloneSuite/
手動削除手順
- Finderで「移動」メニュー →「フォルダへ移動」(⌘ + Shift + G)
- 上記のパスを一つずつ入力
- 該当するフォルダやファイルをゴミ箱に移動
専用削除ツールの使用
AppCleaner 無料のアプリケーション削除ツールで、関連ファイルも含めて完全に削除できます。
使用方法
- AppCleanerをダウンロード・インストール
- アプリを起動
- OneDriveアプリをAppCleanerにドラッグ
- 関連ファイル一覧を確認
- 「削除」をクリック
CleanMyMac X 有料ですが、より高機能な削除・最適化ツールです。OneDrive以外の不要ファイルも一括で削除できます。
ファイルとフォルダの処理
同期解除後のファイル管理について詳しく説明します。
OneDriveフォルダの取り扱い
フォルダの場所確認 デフォルトでは以下の場所にOneDriveフォルダが作成されています:
/Users/[ユーザー名]/OneDrive
/Users/[ユーザー名]/OneDrive - [組織名]
フォルダ内ファイルの状態確認
- Finderで OneDrive フォルダを開く
- ファイルアイコンの状態を確認
- 通常のファイル:完全にダウンロード済み
- 雲アイコン:オンデマンドファイル(未ダウンロード)
- 同期中アイコン:処理中
重要ファイルのバックアップ
必要ファイルの特定 同期解除前に、重要なファイルがローカルに保存されているか確認しましょう。
バックアップ手順
- OneDriveフォルダ全体を別の場所にコピー
- 雲アイコンのファイルは事前にダウンロード
- 外部ストレージやTime Machineでバックアップ
ファイルの移行
他のクラウドサービスへの移行
- iCloud Drive
- Google Drive
- Dropbox
- 独自のNAS(ネットワークストレージ)
ローカルストレージへの移行
- 重要なファイルを「書類」フォルダに移動
- プロジェクトファイルは専用フォルダを作成
- 写真は「写真」アプリやiCloud写真に移行
macOS Venturaでの追加手順
最新のmacOSでは、OneDrive統合がより深くなっているため、追加の手順が必要です。
システム設定での確認
プライバシーとセキュリティ
- Appleメニュー →「システム設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「フルディスクアクセス」を確認
- OneDrive関連の項目があれば削除
拡張機能の無効化
- システム設定 →「プライバシーとセキュリティ」
- 「拡張機能」をクリック
- 「Finder拡張機能」でOneDrive項目を無効化
Spotlight検索からの除外
インデックス対象から除外
- システム設定 →「Siri と Spotlight」
- 「Spotlight プライバシー」をクリック
- 「+」ボタンでOneDriveフォルダを追加
この設定により、削除済みのOneDriveファイルがSpotlight検索結果に表示されなくなります。
通知センターの設定
OneDrive通知の無効化
- システム設定 →「通知」
- OneDriveアプリを見つける
- 「通知を許可」をオフにする
トラブルシューティング
同期解除時によく発生する問題と解決方法です。
削除できない場合の対処法
プロセスの強制終了
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」
- 「OneDrive」プロセスを検索
- プロセスを選択して「強制終了」
管理者権限での削除
sudo rm -rf ~/Library/Application\ Support/OneDrive
sudo rm -rf ~/Library/Caches/com.microsoft.OneDrive
ファイルが見つからない場合
オンデマンドファイルの確認 削除前にオンデマンドファイルをダウンロードしていない場合、OneDriveウェブサイトからダウンロードできます。
Time Machineからの復旧 誤って削除したファイルは、Time Machineバックアップから復旧可能です。
再インストール時の注意点
完全削除後の再インストール
- すべての関連ファイルを削除済みか確認
- Macを再起動
- 新しいユーザーフォルダでOneDriveを設定
代替ソリューション
OneDriveの代わりとなるファイル同期・共有方法をご紹介します。
Apple純正サービス
iCloud Drive
- macOSとの完全統合
- デバイス間でのシームレスな同期
- 5GBまで無料、追加容量は有料
AirDrop 近くのAppleデバイス間でファイルを直接転送できます。
サードパーティサービス
Google Drive
- 15GBまで無料
- Googleサービスとの連携
- ウェブアプリの充実
Dropbox
- 優れた同期機能
- 豊富な連携アプリ
- ビジネス向け機能
ローカルソリューション
外部ストレージ
- 外付けHDD/SSD
- USBメモリ
- NAS(ネットワークストレージ)
Time Machine macOS標準のバックアップ機能で、定期的な自動バックアップが可能です。
まとめ
MacでのOneDrive同期解除は、段階的なアプローチにより安全かつ確実に実行できます。この記事でご紹介した方法を参考に、あなたの状況に最適な解除方法を選択してください。
重要なポイントのおさらい:
同期解除前には必ず重要なファイルのバックアップを取ることが最重要です。特にオンデマンドファイル(雲アイコン)は、ローカルにダウンロードされていないため、事前の確認と保存が必要になります。
段階的なアプローチにより、リスクを最小限に抑えながら同期解除を進めることができます。一時停止から始めて、アカウントリンク解除、最終的な完全削除という順序で進めることをおすすめします。
macOS Venturaなどの新しいバージョンでは、OneDrive統合がより深くなっているため、システム設定での追加確認が必要です。プライバシー設定や拡張機能の無効化も忘れずに実施しましょう。
完全削除後は、適切な代替ソリューションを検討することで、引き続き効率的なファイル管理が可能です。iCloud DriveやGoogle Drive、ローカルストレージなど、あなたの使用スタイルに合った方法を選択してください。
これからは、OneDriveに依存することなく、自分に最適なファイル管理環境を構築できるはずです。安全で効率的なデジタルライフを実現してください。
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