「MacBookのバッテリーがすぐ減ってしまう…」
そんな悩みを持つ方にとって、Appleが搭載した低電力モード(Low Power Mode)は心強い味方です。
この記事では、低電力モードとは何か、そのメリット・設定方法・注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
低電力モードとは?

低電力モードとは、MacがCPUやディスプレイの明るさなどを制御して、消費電力を抑える機能です。
もともとはiPhoneに搭載されていた機能ですが、macOS Monterey以降でMacにも導入されました。
低電力モードの仕組み
低電力モードが有効になると、Macは以下のような動作をします。
システムの変更点
- CPUの処理速度を制限する
- 画面の明るさを自動的に下げる
- バックグラウンドで動く不要なプロセスを減らす
- ファンの回転速度を抑える
- ネットワーク通信を最適化する
どのくらい電力が節約される? 実際の使用環境によって差がありますが、一般的には20〜30%程度のバッテリー節約効果が期待できます。
対応機種について
対応するMac
- MacBook Air(全モデル)
- MacBook Pro(全モデル)
- iMac(24インチ、27インチ)
- Mac mini
- Mac Studio
- Mac Pro
注意点 バッテリーを搭載していないデスクトップMac(iMac、Mac mini等)では、電源アダプタ接続時のみ設定が可能です。
低電力モードの設定方法

macOS Ventura以降での設定手順
手順
- Appleメニューをクリック
画面左上のAppleロゴをクリックします - 「システム設定」を選択
メニューから「システム設定」を選びます - 「バッテリー」を開く
左側のサイドバーから「バッテリー」をクリックします - 低電力モードを有効にする
「低電力モード」の項目をオンに切り替えます
macOS Montereyでの設定手順
手順
- 「システム環境設定」を開く
Appleメニューから「システム環境設定」を選択 - 「バッテリー」をクリック
アイコン一覧から「バッテリー」を選びます - 適切なタブを選択
「バッテリー」または「電源アダプタ」タブを選択 - 低電力モードにチェック
「低電力モード」の項目にチェックを入れます
素早く設定を変更する方法
コントロールセンターから設定
- メニューバーの「コントロールセンター」アイコンをクリック
- 「バッテリー」の項目を探す
- 低電力モードのスイッチをクリックしてオン/オフ切り替え
この方法なら、わずか2クリックで低電力モードの切り替えができます。
低電力モードを使うべきシーンとは?

おすすめの使用場面
外出先での作業
- カフェや図書館での長時間作業
- 新幹線や飛行機での移動中
- 会議室でのプレゼンテーション中
- 充電できない環境での作業
バッテリー残量が少ない時
- 残量が30%以下になった時
- 充電器を忘れた時
- 停電時の緊急作業
静かな環境での作業
- 図書館やカフェなど音を抑えたい場所
- 深夜の作業時間
- オンライン会議中のファンノイズ対策
常時使用について
日常的な使用は可能? はい、軽い作業であれば常時オンでも問題ありません。以下のような作業なら、パフォーマンスの低下をほとんど感じることはありません。
問題なく使える作業
- ウェブブラウジング
- メールの確認・返信
- 文書作成(Word、Pages等)
- 表計算(Excel、Numbers等)
- 音楽再生
- 動画視聴(YouTube等)
低電力モードのメリットとデメリット

メリット
バッテリー寿命の延長
- 20〜30%程度の電力節約が可能
- 長時間の外出でも安心
- 充電回数を減らしてバッテリーの劣化を防ぐ
動作音の軽減
- ファンの回転が抑えられて静か
- 図書館やカフェでの作業に最適
- 深夜作業時の騒音対策
発熱の抑制
- CPU使用率が下がるため本体温度が下がる
- 膝の上での作業が快適
- 夏場の熱対策としても有効
デメリット
パフォーマンスの低下
- CPU集約的な作業では処理が遅くなる
- 動画編集や画像処理では体感できる差が出る
- ゲームのフレームレートが下がる場合がある
画面の明るさ制限
- 自動的に画面が暗くなる
- 屋外での視認性が悪くなる可能性
- 手動で明るさを上げても制限がかかる
一部機能の制限
- バックグラウンド同期が遅くなる
- メール受信やクラウド同期に遅延が生じる場合
- 自動バックアップの実行タイミングが変わる
具体的な体感の違い
ほとんど違いを感じない作業
- Safari でのウェブ閲覧
- メールアプリでの確認・返信
- Keynote でのプレゼンテーション
- 音楽ストリーミング再生
違いを感じやすい作業
- Final Cut Pro での動画編集
- Photoshop での画像加工
- Xcode でのプログラミング
- 3Dゲームのプレイ
他の節電機能との違いと組み合わせ
各種節電機能の比較
機能名 | 主な役割 | 効果的な場面 | 設定場所 |
---|---|---|---|
低電力モード | システム全体の消費電力を抑制 | バッテリー節約重視 | システム設定 > バッテリー |
スリープ設定 | 一定時間で画面・システムを休止 | 放置時の電力節約 | システム設定 > ロック画面 |
自動明度調整 | 周囲の明るさに応じて画面を調整 | 見やすさと省電力の両立 | システム設定 > ディスプレイ |
App Nap | 使用していないアプリの処理を停止 | マルチタスク時の省電力 | 自動的に動作 |
効果的な組み合わせ設定
最大限の節電効果を狙う場合
- 低電力モードをオン
- スリープ時間を短く設定(1〜2分)
- 自動明度調整をオン
- 不要なアプリを終了
- Wi-FiやBluetoothを必要時のみオン
設定手順の例
システム設定 > バッテリー > 低電力モード:オン
システム設定 > ロック画面 > ディスプレイをオフにする:2分後
システム設定 > ディスプレイ > 明るさを自動調整:オン
自動化設定のコツ
ショートカットアプリを活用 macOSの「ショートカット」アプリを使えば、バッテリー残量に応じて自動的に低電力モードを切り替えることも可能です。
設定例
- バッテリー残量30%以下で自動的に低電力モードオン
- 充電器接続時に自動的に低電力モードオフ
- 特定のアプリ起動時に一時的に低電力モードオフ
トラブルシューティング

よくある問題と解決法
問題1:低電力モードが見つからない
- macOSのバージョンを確認(Monterey以降が必要)
- システム設定の検索機能で「低電力」と入力
- macOSのアップデートを確認
問題2:設定してもバッテリーが減る
- バックグラウンドアプリを確認
- 明度設定を手動で下げる
- 不要な機能(Wi-Fi、Bluetooth等)をオフ
問題3:パフォーマンスが著しく低下
- 作業内容に応じて一時的にオフにする
- 電源アダプタ接続時は自動でオフになる設定に変更
- 必要な時だけ手動で切り替える
バッテリー状態の確認方法
バッテリーの健康状態をチェック
- Optionキーを押しながらAppleメニューをクリック
- 「システム情報」を選択
- 「電源」の項目でサイクル数と状態を確認
正常なサイクル数の目安
- MacBook Air:1000サイクル
- MacBook Pro:1000サイクル
- サイクル数が上限に近い場合はバッテリー交換を検討
関連する便利機能
バッテリー使用状況の確認
詳細な使用状況を見る方法 システム設定 > バッテリー > バッテリー使用状況では、どのアプリがどの程度バッテリーを消費しているかを確認できます。
チェックすべきポイント
- 予想以上にバッテリーを消費しているアプリ
- バックグラウンドでの消費量
- 過去24時間・10日間の使用傾向
充電の最適化機能
バッテリー充電の最適化 macOSには、バッテリーの劣化を防ぐ「バッテリー充電の最適化」機能があります。この機能は使用パターンを学習し、必要な時まで充電を80%で止めてバッテリーの寿命を延ばします。
まとめ
Macの低電力モードは、バッテリーを節約しながら静かに作業したい人にとって非常に便利な機能です。
項目 | 内容 |
---|---|
設定方法 | システム設定 > バッテリーから簡単操作 |
節電効果 | 20〜30%程度のバッテリー節約が可能 |
おすすめシーン | 移動中・会議中・充電できない環境など |
注意点 | 高負荷作業には不向き、画面がやや暗くなる |
対応機種 | macOS Monterey以降のすべてのMac |
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